

倉庫・工場探しが社会貢献に? 物件情報サイト「にっぽん倉庫」が実現する“三方よし”の経営モデル
業界歴は20年。そこで見出した新たな市場とは
新R25編集部

一般社団法人にっぽん福福が運営する倉庫・工場専門物件サイト「にっぽん倉庫」。2023年10月のスタート以来、1年半で物件登録数は約1万件に達したそうです。
そんな「にっぽん倉庫」は、サイトを訪問するだけでも社会貢献につながるビジネスモデルになっているんだとか。
その仕組みとは一体…? 代表理事・福本浩一さんに、サイトに込めた想いや詳細をお聞きしました。
〈聞き手=古川裕子(新R25編集部)〉
ニッチな領域で始めた、新しい不動産ビジネス

福本さん
「にっぽん倉庫」は、倉庫・工場専門の物件情報サイトです。
2023年10月に運営を開始し、現在の会員登録数は約2,000社、物件登録数は1万件を超え、業界のなかでも最大規模へと急成長中です。

古川
倉庫や工場に特化しているサイトは見たことないかも。なぜ立ち上げたんですか?

福本さん
私は新卒で不動産会社に就職し、その後も別の不動産会社で経営に携わってきました。業界歴はかれこれ20年ほどになります。
そのなかで感じていたのが、倉庫や工場の空き物件に関するお問い合わせが多いことです。

古川
需要は多いのに、情報が不足しているということですね。

福本さん
そうなんです。倉庫や工場ってニッチな領域で、扱っている不動産会社があまりないうえに、オーナーさんも空き情報をわざわざ発信しないことが多いんです。

古川
となると、情報はツテとか口コミに頼るしかない、みたいな?

福本さん
おっしゃるとおりです。だからこそ、空き情報が表に出たらすぐに埋まってしまうんです。
ニーズと情報がうまくマッチングしていない状況が長く続いているのをよく知っていたので、「それなら自分でやろう」となりまして。
まず、2023年3月に一般社団法人にっぽん福福を立ち上げ、同年10月に倉庫・工場情報のプラットフォームとして「にっぽん倉庫」をスタートしました。

物件オーナーにも優しい「にっぽん倉庫」の特徴とは

古川
「にっぽん倉庫」のおもな強みは何ですか?

福本さん
ポイントは3つあります。
①倉庫・工場特化で、毎日更新の豊富な物件数

福本さん
現在は東京・千葉・埼玉・神奈川エリアの物件を扱っていて、情報の鮮度と掲載数の多さは業界一だと自負しています。
サイトは使いやすいデザインにこだわり、毎日新しい物件情報を掲載しています。

古川
それでも、希望の条件に合う物件が見つからない場合もあるのでは?

福本さん
そんなときはお気軽にお問い合わせください。先ほどお話ししたように、情報を表に出さないオーナーさんもまだまだ多いので、お問い合わせいただければ、そういった情報を調べることも可能です。
②物件掲載料・査定費用はすべて無料

福本さん
弊社では倉庫や工場を売りたい、または貸したいというお客さまの支援も行っています。
オーナー・管理会社さまからの直接の物件掲載であれば、掲載料は無料です*。
*不動産成約時には、弊社の提携不動産会社へ仲介手数料のお支払いが必要になります

古川
物件を提供する側にとっても使いやすいサービスなんですね。

福本さん
さらに、賃料や売買金額が未定の場合には、無料で査定を行います。
すでに募集賃料や売却金額がお決まりの場合には、最短で当日から掲載を開始することが可能ですよ。
③倉庫・工場専門のリースバック事業を展開

福本さん
また、弊社では倉庫・工場専門のリースバックも行っています。
リースバックとは、所有する倉庫や工場を不動産事業者に売却し、売却後に賃貸借契約を結ぶことで使い続けることができる仕組みのことです。

古川
なぜ、あとから借りるのにわざわざ売るんでしょう?

福本さん
一度にまとまった資金を得ることができたり、建物にかかる修繕費や固定資産税などのメンテナンス費用が不要になったりするメリットがあるからです。

古川
なるほど。物件検索ができるだけじゃなく、賃貸や売却の相談にも乗ってくれるのは心強いですね。
ただの物件サイトじゃない。“善意”に変える革新的システム

福本さん
また、ほかにない「にっぽん倉庫」の大きなメリットは、利用していただければ社会貢献にもつながるということです。

古川
どういうことでしょう?

福本さん
実は、サイトを見るだけで1円、会員登録で100円、そして成約時には、契約手数料の20%が提携社会貢献団体へ寄付され、お客さま名義で広報される仕組み*になっているんです。
*寄付広報代行手数料として5万円/件かかります
*仲介手数料の20%が5万円に満たない場合は一般社団法人にっぽん福福への寄付金となり、活動費に充てられます

古川
へぇ〜! 物件を探すだけでも社会貢献につながるんですね。


古川
なぜ、そのような仕組みをつくったんですか?

福本さん
私は以前から、「ビジネスをしながら社会貢献にも取り組みたい」という思いを持っていました。
お客さまが倉庫・工場を探すなかで、自然と寄付が生まれるような環境を整えることで、社会貢献に興味を持つ人が一人でも増えるきっかけになったらいいなと願ってのことです。


福本さん
この仕組みは、企業にとっては、本来支払う仲介手数料のなかから社会貢献ができますし、不動産会社にとっては、仲介手数料に付加価値をつけることで他者との差別化ができます。
また、私たちにっぽん福福にとっても、新しい寄付先ができることでさらなる社会貢献につながるため、“三方よし”のビジネスモデルを築いています。

古川
ちなみに、今までどのくらいの寄付金が集まったんでしょうか?

福本さん
これまでの累計寄付金額は526万円(2025年6月時点)。
3年後には2,000万円、10年後には1億円を達成するのが目標です。


福本さん
今後はより多くの方に「にっぽん倉庫」を使っていただき、倉庫・工場に関するニーズを解決しながら、「社会貢献が当たり前」という日本を実現したいと思っています。
倉庫・工場関連のご相談は、ぜひ「にっぽん倉庫」までお問い合わせください!
業界課題を解決し、ニーズに寄り添いながら社会貢献へとつなげる「にっぽん倉庫」。
世界的にSDGsや社会貢献意識が高まる今、もしかしたらその姿勢は、今後のビジネスのスタンダードになるかもしれません…!
〈執筆=吉河未布/編集=古川裕子〉
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