企業インタビュー
“宝石×陶器”のオリジナルブランド。ミニマルなデザインの「m.m.d.」の瀬戸焼招き猫
開業・開店祝いや新築祝いにもおすすめ
新R25編集部
今、全国的に課題となっているのが伝統工芸品の衰退。愛知を代表する“瀬戸焼”も年々窯元が減っており、後継者の育成や需要の喚起に努力している人も多いんだとか。
そんななか、「もっと瀬戸焼の魅力を知ってほしい」と立ち上がったのが株式会社make my dayの代表取締役・岡上慎司さん。
岡上さんが手がけたのは、なんと「招き猫」。これまでのイメージを覆すデザインで瀬戸焼の魅力を伝えようというその想いと、誕生秘話を伺いました。
〈聞き手=古川裕子(新R25編集部)〉
1,200年以上続く瀬戸焼で、新たな挑戦
岡上さん
株式会社make my dayは、陶磁器工芸品の企画・販売会社です。「産地協業」をコンセプトに掲げ、地元の名産・瀬戸焼でつくる食器やプロダクトのデザインを手がけています。
岡上さん
弊社は瀬戸焼オリジナル食器ブランド「m.m.d.」を2014年に展開して以来、10年にわたり幅広い陶磁器商品の企画・開発を行ってきました。
そして今回、新たに製造・販売開始したのが「招き猫」です。
古川
なぜ招き猫なんでしょう?
岡上さん
招き猫と言えば愛知県の伝統工芸品。とくに1,200年もの歴史を誇る瀬戸焼でつくられる招き猫は、瀬戸市を代表する名産品として広く知られています。
私たちが瀬戸焼でオリジナル商品を開発をするなかで、「招き猫」をつくることは念願でもありました。
オリジナルブランド「m.m.d.」は六角形の形が特徴だそう
岡上さん
そんな私たちがつくる招き猫には、「Jeramic(ジェラミック)」という名前をつけました。
宝石(Jewerly)と陶器(Ceramic)を組み合わせた造語です。
古川
宝石と組み合わせる、とは…?
岡上さん
以前も招き猫は販売していたのですが…今回はこれまでにない価値をプラスしたいと思って。
猫の首元に、1月から12月までの誕生石をセットできるようにしています。
なんだか縁起がよさそうです
古川
首元に、鈴じゃなくて石がついてるんですね!
岡上さん
「招き猫」は、古くから開店祝い、開業祝いなどでの贈りものとして定番ですが…
「Jeramic」は現代のライフスタイルに溶け込むよう、「天然石 + 磁器」のミニマルデザイン。本体はシンプルに、土の色である白色を活かしました。透明感のある白さのなかに、首元には天然石が輝く特別なオブジェです。
ペアギフトなら144通りのカスタムが可能。特別感あふれるセミオーダー
古川
「Jeramic」には、ほかにどんな特徴があるんですか?
岡上さん
招き猫は右手招き・左手招きの2パターンを用意。首元に12種類の天然石を組み合わせることで、個性的なカスタマイズが楽しめます。
ペアギフトセットなら、組み合わせは144通り。セミオーダーで実現する、選ぶのももらうのも楽しい贈りものです。
古川
右手と左手、招く手にもこだわりが?
岡上さん
招き猫は「右手招き」か「左手招き」かで、込められた意味が異なります。どちらも相手の幸福を願うアイテムであることは変わりませんが、一般的には、
右手招き:金運や財運を招き、ビジネスの成功を願う
左手招き:良縁を招き、人に恵まれ商売繁盛を願う
とされています。
招く手が右か左かで、それぞれ意味が違うとは
岡上さん
誕生日に合わせて誕生石を選ぶのはもちろん、石言葉に合わせて、開店日や開業日などの記念ギフトとして贈るのにもぴったりです。
素材へのこだわり。瀬戸の伝統技術
岡上さん
「Jeramic」は小さいながらも、素材は本物を追求しています。
先ほども言ったとおり、瀬戸は招き猫の一大産地です。街中のいろいろな場所で陶製の招き猫を見ることができ、「招き猫ミュージアム」という施設もあるほどです。
その背景には、日本六古窯に数えられ、確かな技術によって発展した置物文化があるんです。
誕生石は、4月の「水晶」と7月の「カーネリアン」だそう
岡上さん
瀬戸は、陶器と磁器の両方をつくることができる、世界でも希有な産地です。また陶土の成分に恵まれ、古来より高貴とされる「白い」やきものを得意として発展しました。
素材が白いため、デザインは自由自在。鮮やかで繊細な装飾をほどこせることから、食器だけにとどまらず、セトノベルティと呼ばれる置物や装飾品など、多種多様な製品がつくられてきました。
古川
自由度が高いんですね。
岡上さん
まさにその通りで、「瀬戸でつくれないやきものはない」と言われています。
そうした特徴から、伝統を重んじながらもクリエイティビティを感じられるのが瀬戸焼の魅力。
当社が製作するすべてのうつわは、そんな瀬戸に拠点を持つ6社の窯元とともに商品開発していて、「Jeramic」も同様です。
瀬戸焼の特徴である「白」を最大限に活かした「Jeramic」。将来的には色を使ったシリーズ展開も考えているんだとか
岡上さん
そして首元に輝くジュエリーは、すべて手作業で付けています。
古川
手間暇かけてるんですね…
岡上さん
石の大きさは、猫本体のサイズにフィットする10mmサイズ。真っ白な猫の首元にさまざまな石の色がセットされた姿は、小さいながら主張のある、心地よいバランスに仕上がっています。
天然だからこそ、ひとつとして同じものはありません。本物ならではの凛とした輝きが、癒しとエネルギーを与えてくれます。
石の種類によっては透過性が高く、光が美しく乱反射するとのこと
「道具箱」として再利用できるこだわりのボックス
岡上さん
「Jeramic」は“セミオーダーできる贈りもの”として、ギフトで喜んでいただけるようパッケージにもこだわりました。
まず、箱の中は観音開き仕様に。蓋を開けたときに驚きと喜びを感じていただけるようにしています。
古川
開けたら招き猫が顔を出すんですね。石の説明書きがあるのも親切。
岡上さん
商品を取り出した後のボックスも末長くお使いいただけるように、お道具箱のようなデザインに。
しっかりとした厚みがありながら、素材のザラッとした質感が素朴で雰囲気のあるパッケージに仕上げました。
四隅は「カシメ」という金具で固定されているそう
岡上さん
これは名古屋市内にある老舗の箱屋さんが、一つひとつ丹精込めてつくってくださっているんです。
シンプルなギフトボックスは、文房具やコスメ、医薬品を入れるフリーボックスとして日常使いしやすいサイズです。
古川
すでに至る所で招き猫が販売されているなかで、どうして今取り組もうと思ったんですか?
岡上さん
瀬戸焼は年々窯元が減り続けており、このままのペースでいくと10~20年後には瀬戸焼が消えてしまう可能性もゼロではない状況です。
だからこそ今、少しでも多くの方に瀬戸焼の魅力を発信し、手にとってもらうことに大きな意義があると考えているんです。
岡上さん
「Jeramic」は、招き猫の産地として有名な瀬戸で、確かな技術を持つ職人と協業して誕生した特別な製品です。
古くから「『成功』 『繁栄』 『幸運』を招き入れますように」との願いを込めた縁起物として、多くの店舗や企業が門出をともにしてきた招き猫。
「Jeramic」はどんなライフスタイルにも取り入れやすいサイズ感と、首元に埋め込んだ天然石がポイントです。
古川
これ、手のひらサイズなんですか? (小ぶりでかわいいな…)
岡上さん
そうなんです。サイズは「幅57mm × 奥行き52mm × 高さ87mm」と、一般的なものよりコンパクトな仕上がりに。
また、誕生石というと個人のものというイメージが強いですが…“記念日”は個人のものだけではありませんよね。
場所を邪魔せず末長く使っていただけるので、事務所開設や店舗オープンなど、法人の開業祝いとして贈っていただくのもおすすめです。
手のひらに収まる小ぶりなサイズ感と、加色しないシンプルなデザインは、どんな業態の店舗の入口でもマッチしますよ。
古川
たしかに…開業祝いと言えば胡蝶蘭がメジャーですが、置く場所や処分することを考えると、招き猫はうってつけのアイテムですね。
岡上さん
透き通るような美しい磁器と天然石のパワーを掛け合わせた「Jeramic」は、次世代の招き猫。
誕生日はもちろん、開業・開店祝いや新築祝いなどといった節目のギフトとして、新たな価値をご提供します。
職人技が光る製造過程をご覧ください
「Jeramic」のスタイリッシュな美しさを支える土台には、瀬戸焼がもつ伝統と創造性がありました。本物だからこその上質さを放ち、どんな雰囲気にも合うデザインは大きな魅力。
個人へのギフトはもちろん、縁起や福を招き、さらなる成長を目指したい企業の方もぜひチェックしてみてください。
〈執筆=吉河未布/編集=古川裕子〉
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