

「年間150日ものセミナー経験から、自分の軸が見えてきた」理想のワークスタイルを実現する方法とは
協会ビジネス二代目が語る“自己実現”への道のりとは
新R25編集部

SNSなどを通じて誰でも自分のことを発信できる時代。
SNSを通じてファンをつくり、さらにオンラインサロンやECショップの開設など、自分の好きなことや得意なことをお金に変えるハードルが下がりつつあります。
そんな個人の“マネタイズ”や“ファンづくり”をサポートする「MOSH」と新R25のコラボでお届けしている「The Next Creators」。

ビジネスパーソンにおすすめしたいMOSHを活用している次の時代を創る注目クリエイターたちを紹介していく本連載。
今回は、「一般社団法人 協会ビジネス推進機構」の代表理事として、数多くの代表理事、経営者や起業家へのコンサルティングを行っているという前田健志(まえだたけし)さんが登場。
父親から受け継いだ理念をもとに、独自の軸を確立してきたんだそう。
「自分ファースト」というバリューを掲げ、自分の軸を大切にしながら働いているという前田さん。その真意とは…?
神戸大学法学部卒業後、上場企業にてコンプライアンス教育の担当者として、国内外のべ2万人以上への研修を企画・実施。その後、協会ビジネス推進機構の代表理事として、300協会以上の設立・運営を支援。これまでに2,400人超の代表理事、経営者や起業家へのコンサルティングを実施。育成支援をした協会の認定講師数は、のべ8万4,700人におよぶ。学びによって人生が変わる人であふれる社会の実現を目指している
父親の影響で見出した新たな世界。キヤノンから転身した経緯とは
ーー(編集部)前田さん、はじめに自己紹介をお願いします。

前田さん
「一般社団法人 協会ビジネス推進機構」の代表理事をしております、前田健志と申します。
著者やセミナー講師、コンサルタントなどのオリジナルコンテンツをお客さまに届けるビジネスをされている方のプロデュースやコンサルティングをさせていただいています。
主に、講座のカリキュラムづくりや受講生のコミュニティのマネジメント、講師の育成などの仕組みづくりの専門家として、300社以上の設立や運営を手がけてきました。
ーー(編集部)前田さんがいまのお仕事に関わるようになったきっかけを教えてください。

前田さん
僕がこの仕事をするようになったのは父の影響です。
もともとは父が2007年に今の僕がやっているビジネスモデルの原型を「協会ビジネス」という名称で立ち上げたものを、2017年に継承して今に至ります。


前田さん
2007年当時は、僕がちょうど社会人になった年で、新卒でキヤノン株式会社に入社をして法務部門で働き始めました。契約書を作成したり、コンプライアンス教育の講師をしたり、今とはまったく異なる非常にお堅い仕事に携わっていました。
父のお客さまだったベストセラー作家さんや著名な講師の方との食事会に、社会勉強として参加させてもらったことが、その後の自分の人生の大きな転機のひとつでした。
いわゆる起業家、経営者の方ばかりで、皆さんのめちゃくちゃ面白いビジネスの話をたくさん聞かせていただいて、「こんなにも自分の知らない世界があるのか!」と講座ビジネスの世界に興味を持つようになりました。
ーー(編集部)会社とは世界が違いそうですね!

前田さん
はい。自分のまったく知らないジャンルのコンテンツがたくさんあること、そしてそれがビジネスになるということにとても驚きました。
たとえば、動物占いやお片付け、ファッションなどが講座という形になって提供されて、たくさんの人が受講されていたんです。
講座という学びを通じて、たくさんの人の変化や成長をサポートしている方々の姿を見て、純粋に素晴らしいなぁと感心しました。
それと同時に、その講師さんたちをサポートしている「親父の仕事ってすごいじゃん!」って思ったんです。
ーー(編集部)そこで転職を?

前田さん
いえ、まだしないんですよ。
父親とは違うことをやりたい、父親とは違うことで大成したい、みたいな変な意地があって。
でも、なにか満たされない感覚がずっとありました。
そんなもやもやした状況のなかで、2014年に子どもが産まれて。
「子どもともっと向き合いたい!」という想いで、半年間育休をいただいたんです。うちの部署では育休を取った男性がいなかったので、ちょっとびっくりされましたけど。


前田さん
で、その育休中に「自分は何のために生きているんだろう?」なんてことを結構考えてたんですよね。
そこで出てきたひとつの答えが、「お父さんみたいになりたい!」って、我が子から言われる父親になることだと思ったんです。
未来は明るいよ、楽しいよ、ってことを背中で見せられる父親になりたいなって。
ーー(編集部)自分とじっくり向き合ったんですね。

前田さん
そうですね。そんな時期に、父親のビジネスでトラブルがありまして。
その影響で人手が足りなくなり困っていた父に頼まれて、僕はピンチヒッターとして事務局を手伝うようになりました。
セミナー年間150日。多忙な毎日を経て気づいたこと
ーー(編集部)スタッフになってからは、どんなことを?

前田さん
裏方として、講座のサポートや事務局業務をし、懇親会にも参加してお客さまの話を聞いたりしながら、今のビジネスの仕組みを理解するようになりました。
そうやって父親のそばで長く過ごすようになって、重要なことに気がついちゃったんです。
父はどんどん新しい事業をつくる「連続起業家」タイプで、10年ごとに新しい事業を立ち上げてきた人なんです。悪く言うと、非常に飽きっぽい人間で…
僕がサポートとして入った時点で、父がこのビジネスを始めてからすでに7年以上経っていたので、そろそろ次のことをやりたそうだなぁという空気をすごく感じてしまって。
もしも父がこの事業を辞めてしまったら、今関わっているお客さまにも、これから新しく協会ビジネスをやっていきたい人たちにとっても、もったいないなぁと。
だから、これは僕が引き継いでやっていったほうがいいんじゃないか、と考えるようになっていったんです。
ーー(編集部)使命感のようなものを感じられたんですね。

前田さん
はい。そこで、一度キヤノンに戻って1年間一生懸命働かせていただいたあとで、円満に退職させていただいて、今の仕事を本格的に始めました。
最初の2年ほどは父と一緒にやっていましたが、これはなかなか地獄でしたね(笑)。
自分が大切にしたいものと、父親が求めるものが違いすぎて、常に胃がキリキリした状態でした。
今となってみれば、それも今の自分の軸をつくる大事な時間だったなと思っています。
あと、父から事業を引き継ぐべく動きだした時も結構しんどかったですね。「なんでこんな若造に継承するんだ?」みたいに、面白く思わない人もいるわけで。だからめちゃくちゃ周囲の人に気を遣ったり、自分の立ち位置に悩んだりしていました。
でも、何より大切なことは父の理念をつないでいくことなんじゃないかなと気づいたんです。
ーー(編集部)お父さまの理念とは?

前田さん
父は、いつも「教育を通じて、30年後の子どもたちが今よりも笑顔で暮らせる社会をつくる」と言っていました。
その大きな理念のためにこの事業があって、それに共感する人たちと一緒に未来をつくっていくんだ、と。
その考えのもとでは、二代目がどうだとか、年齢が若いからとか、今いるメンバーにどうやって気に入られようかとかいった話は、どうでもいいと気がついたんです。
父が掲げ、何より自分自身が一番共感したこの理念のもとに、本当に共感してくれる人だけが残ってもらえればいい、その人たちと一緒にこれからの未来をつくっていけばいいというスタンスを貫くようにしました。
ーー(編集部)共感する人同士でつながる、ということですね。

前田さん
はい、おかげで今はとても素敵な仲間に囲まれています。
僕らが伝えている協会ビジネスも、「思いに共感する仲間を集める」ということをとても大事にしているビジネスモデルです。
なぜそれをやっているのか?
これからどんな世の中をつくっていきたいのか?
誰を幸せにしたいのか?
それを言語化し、発信しつづけることの重要性をこの実体験をもとにお伝えしています。
ーー(編集部)仲間やお客さまに、ビジョンや信念を共有するコツってありますか?

前田さん
先ほどもお伝えしたのですが、まずはわかりやすくイメージしやすい言葉で言語化するのが大事ですよね。
僕たちの会社では、ミッション・ビジョン・バリューをつくっていて、お客さまが見える場所にそれを掲げています。
あと、それを行動としても実践し続けることも大事だと考えています。
たとえば、僕たちのバリューでは「自分ファースト」という項目があって、周りを幸せにする前に自分の幸せを大事にしよう、という内容があるんですけど、自己犠牲的な働き方や考え方をしていないか、メンバー同士でいつも確認するようにしています。
毎日の自分の行動に勝る言葉はないかなと。
ーー(編集部)おお、それはすごい!

前田さん
とはいえ、聖人君子みたいに全部できるわけではないので、できていないことはできていません、って正直に言うこともすごく大事にしています。
僕自身、人間として未熟だな〜みたいなことはたくさんありますから、いつもお客さまとの集まりの中で、「またこんなことやっちゃいましたけど頑張って改善します」と正直に伝えています。
ーー(編集部)ほかにも大事にしていることはありますか?

前田さん
違和感を覚える相手とは仕事をしない、ということですかねー。
その人と付き合うことがビジネス的にものすごくプラスになるとしても、少しでも心がザワっとしたらやらない。
自分が、「この人は気持ちいいな」と感じる人としか深く付き合わないようにしています。
人間関係のマネジメント、感情のマネジメントはすごく大事にしていますね。
ーー(編集部)自分に正直である、ということですね。太い軸をお持ちなんですね。

前田さん
いやいや、父親と一緒にやっていたころは、ほんとブレブレだったんですよ。
父が非常に軸のある人間だったので、その軸に引っ張られていた部分があったんですけど。
父の軸を見させてもらったからこそ、「自分は自分の軸でいいんだ」と気づいたとも言えますね。
ーー(編集部)自分の軸というのは、どうやったら立てられるんですか?

前田さん
僕がここにたどり着いたのは、体を壊すくらい働いたのがきっかけかもしれません。
数年前、仕事のし過ぎで「痔ろう」になったんです。ストレスが原因って言われました。
そのころは、年間150日くらいセミナーをやっていたので。
ーー(編集部)2日に1回ですか!?

前田さん
やりすぎですよね…忙しすぎて、新幹線の移動時間にしかコンサル入れられなかったりして。
あのときのパツパツな自分がどれだけ不健全かっていうことを理解できたからこそ、自分の大切にしたい軸が見えてきたというのはありますね。
自分の軸が見えていない状態なのであれば、頭で考えるよりとにかく行動しまくるのは、めちゃくちゃ大事なんじゃないかと個人的には思います。絶対に病気になるまではやっちゃダメですけど(笑)。
寝てないや…っていうくらい根を詰めてやる時期は、必要なんだろうな、と。
ーー(編集部)やり尽くしたからこそ、自分に合うスタイルが見えてきたのでしょうか?

前田さん
そうですね。体を壊して立ち止まる時期がなかったら、今のスタイルにはなっていなかっただろうと思います。
当時は、お客さま一人ひとりと向き合う時間もすごく短かったんですが、今は当時の5倍ぐらいお客さまと向き合う時間を持っています。それが僕にとっては気持ちがいいことに気づいたからです。
そのために、新規の集客活動には、ほぼ時間を使っていません。
既存のお客さまとの関係性だけでビジネスモデルを回していて、「LTV(Life Time Value)」(顧客生涯価値)をどうやって上げていくかを徹底的に考えています。
自分もお客さまも最大に幸せになるには、どういうビジネスモデルをつくればいいか?
そこに集中するようになったおかげで、僕自身、生活を楽しむ時間も取れているんです。
ゲームを1カ月かけて習慣化…!? 小さな欲望を大切にする成功哲学
ーー(編集部)圧倒的な物量をこなした果てに次のステージがあるというお話だと思うんですけど、圧倒的量をやれない人の方が世の中には多いのではないかと思います。前田さんができたのはなぜでしょう?

前田さん
いくつか理由はあると思うんですけど、やっぱり好きだったからですね。
教育事業とか講座事業とか、人に学びを与えて目の前でどんどん成長していく姿を見ることがすごく好きなんです。
どんなに疲れていても、お客さまと向き合って一緒に考えている時間は最高に面白かったんです。


前田さん
それと、もうひとつの理由はプレッシャーですね。
父親からのプレッシャーというか恐怖が当時は半端なかったので(笑)。
やっぱり人間は弱いので、強制的な圧力はあるといいですよね。
ーー(編集部)前田さんにとって、やはりお父さまが大きな原動力なんですね。

前田さん
さっき、憧れられる父親になりたいと思ったって言いましたけど…
かっこいい親父を見てきたからこそ「自分もそうなりたい!」っていう想いがすごくあったんだと思います。
子どもが生まれて初めて、父親が言っていた「次の世代に今よりもいいものを残す」っていうことの意味も本当にわかりましたし。
ーー(編集部)お父さまが聞いたらきっと喜ばれますね。最後に前田さんから、これから一歩踏み出したいと思っている方に向けて、アドバイスをお願いします!

前田さん
ひと言でお伝えすると…
「コンビニでハーゲンダッツを買ってみよう!」です。
ーー(編集部)どういうことですか!?

前田さん
やりたいことがなかなか見つからなかったり、行動に移せないってこと、僕も昔はそうだったんです。
その原因のひとつが、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスが悪いからやらない…っていう思考だと思っていて。
僕も以前はそうだったんですけど、その感覚が自分の行動をすごく制限している気がするんです。
たとえばゲームなんてめちゃくちゃタイパ悪いじゃないですか。「何の意味があるんですか?」って思っちゃって、僕は社会人になってから一切ゲームをやらなくなったんです。


前田さん
でも学生時代は1日10時間ゲームをする人だったから、本当はずっとゲームがやりたかったんです。
新しいドラクエが出たらずっと気になってたのに、やらなかった。
でも、あるとき気づいたんです。
そういう小さな自分の欲望を少しずつ制限したせいで、本当にやりたいことがわからなくなっていることに。
だから、色んなところで学んだ習慣術を駆使して、ゲームをする習慣を1カ月かけて身につけたんです(笑)。
おかげで今はすっかりゲーマーですけど、自分の心が躍ることがいっぱいできるようになりました。
ーー(編集部)ほお!

前田さん
なので、ちょっと心が動くことがあったら、どんどん行動してほしいです。これは訓練しないとなかなかできないと思います。
僕が訓練として最初にやったことは、「コンビニでハーゲンダッツを買う」でした。
スーパーへ行ったら198円で買えるのに、コンビニでは定価なんですよ。めちゃくちゃコスパ悪いじゃないですか。だから後で買おうって思うんですけど、結局買わずに帰っちゃうことが多い。
でも、「食べたい!」と思ったときの感情の動きは、大事にした方がいい。
湧き上がった感覚をおさえることに慣れて、「あとで」を繰り返しているうちに、自分のやりたいことがわからないっていう風になっていくんじゃないかと思うんですよね。
だからこそ、自分のちっちゃな「やりたいをやる」。
その積み重ねが、何かを踏み出すときの支えになるんじゃないかと思っています。
ーー(編集部)早速実践してみます! 今回は貴重なお話、ありがとうございました!
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