

オモシロイ会社の秘訣!「好きなことは好きなようにやる」N/S高生が聞く“はたらくWell- being”とは?
連載「“はたらくWell-being”を考えよう」
新R25編集部
リモートワークの浸透などと相まって、「はたらき方改革」が世間の潮流となって久しい昨今。
現場ではたらくビジネスパーソンのなかには、「本気で仕事に打ち込もうと思ったらはたらき方改革なんて無理」「自分らしいはたらき方なんて難しい」と感じている人もいるはず。
そこで、パーソルグループとのコラボでお送りする本連載「“はたらくWell-being”を考えよう」ではモヤモヤを感じているあなたへ「令和の新しいはたらき方」を提案していきます。

本連載では、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高グループ生徒会のN/S高新聞実行委員に参加してもらい「N/S高生“はたらくWell-being”を考える」と題した新企画として、N/S高生が“はたらくWell-being”を体現している人や応援している人、あるいは組織を取材し、高校生の視点からこれからの「幸せ」について考えます。
今回紹介するのはトゥモローゲート株式会社代表取締役の西崎康平さんです。ブランディングを中心に事業を展開されています。

400社とのオモシロイ会社づくり

すみやま
トゥモローゲート株式会社はどんな会社ですか?

西崎さん
企業のブランディングが主軸の事業です。
依頼主の会社のブランド力を強め、その会社にお客さまや社員が定着するためのオモシロイ会社づくりをサポートしています。

すみやま
なるほど。ブランディング事業が主軸なんですね!
オモシロイ会社づくり...具体的には何を?

西崎さん
まず私たちがオモシロイ会社をつくる際に重視していることは、デザインやキャッチコピーといった外見だけでなく、会社のサービス内容や働いてる人自身のやりがいといった中身の部分も重視しているということです。
それに沿って、会社の中身をオモシロくしていく会社づくりを企業さんと二人三脚でしています。

すみやま
今までどれくらいの企業さんのサポートを行ったんですか?

西崎さん
400社ちょっとですね。

すみやま
すごい....!
400社分のデザインの設計であったり、中身の掘り下げを行ってきたということですよね。
どの業界が多いんですか?

西崎さん
業界・業種の偏りはあまりないですね。ただ社員数が50〜100人くらいの企業さんが多いかなと思います。
知名度・実績を伸ばしていきたい企業さんや、これから変化していきたいという企業さんがお客さまとしては多いです。
また、最近は大手企業や著名企業からの依頼も少しずつ増えており、さらに仕事の幅を広げていきたいと思っています。
取材中の1コマ。西崎さんは常に「難しいところがあったら聞いてくださいね!」と気にかけてくれた
ブランディングに向き合うきっかけになった、とある「壁」

すみやま
ブランディングや今の事業に興味を持ったきっかけなどはありますか?

西崎さん
そうですね。今のブランディングサービスを立ち上げたのが2019年なんですが、それまでは採用支援の事業をやっていました。前職は人材コンサルタントの会社で、中小企業やベンチャー企業に新卒社員を採用するための支援をしていたんです。
それから2013年に独立して、採用ブランディングというサービスの提供を始めました。事業自体はうまくいき、お客さまにも集客や優秀な人材の採用で価値提供ができていました。
しかし、私たちのサービスを利用して入社した人たちが、3、4年ほどで辞めていくという問題が起こったんです。
どうして辞めてしまったのかイメージできます?

すみやま
難しいですね...
その優秀な人材の方達が、その会社で学んだことを生かして独立や転職をしていってしまうから...ですかね?

西崎さん
それも無きにしも非ずだったんですけど、一番の原因は採用のために外見だけをよく見せていたことです。これをすると短期的には魅力を感じてもらえますが、中身が変わらないと、入社したときとのギャップが生まれて定着してくれないんですよね。
そこに直面したときにこの事業は長く続かないなと思いましたね。そこから外見だけではなく、会社の中身からつくり変えていくというサービスに事業シフトしました。それが2019年のタイミングですね。
そこが企業ブランディングに向き合うようになった大きなきっかけかなと思います。

すみやま
なるほど....ありがとうございます。

西崎さん
難しいところがあったら聞いてくださいね!

すみやま
今のお話で気になったことがあって、問題に直面した際に事業シフトしようってなったときに、周りの人とか社内の環境っていうのはどうやって変えていったのですか?

西崎さん
この話を社員にしたときに社員みんなが「そりゃそうだよね」って同意してくれたんです。でも行動しようにも誰も今までやったことがなかったので「なんでそれをやるのか」という目的のところから考え直して、目的を明確にしたうえで取り組んでいこうと動いていきました。
また、自社のなかで試してよかった社内制度やはたらき方をお客さまに提供していたので、しだいにお客さまに提供できるサービスの選択肢が増えていきました。

すみやま
まずは自分の会社をオモシロくするためにいろいろ試してよかったものを提供するということですよね。
行動力と説得力がすごいですね...ありがとうございます!
社員の意見を聞き、社員を巻き込むことを大事にしている西崎さん
お客さまとともに変化していく

すみやま
会社を経営するうえで、意識することや大事なことはありますか?

西崎さん
そうですね。まず変化しようという気持ちがあまりない会社さんの依頼は断っています。ブランディングをしていくなかで会社の中身をよくしないと継続的なファンは生まれません。
ですので、会社を一緒に変化させていける会社でないとご契約は難しいですね。いくらお金をいただいてもできません。昔は違ったんですけどね。
とりあえず仕事が欲しい状態だったので、変化しようとしない会社さんでも取り引きしていましたけど、そうするといろんな問題が起こってしまって。

すみやま
具体的にどんな...?

西崎さん
たとえば、こちらがサービスを提供しても会社が変化しようとしないと僕たちの提案は意味がなく、うまくいきません。
その結果、その会社からクレームがきたり、値下げ交渉をされたりしましたね。

すみやま
なるほど。イメージが沸きました!
お客さまとの2人3脚が大事な要素なんですね。
リアルな現場の雰囲気をより感じてほしい

すみやま
YouTubeではどんな動画を発信してますか? またどういった目的で発信してますか?

西崎さん
会社の認知を高めて、いろんな人にオモシロイ会社があるということを知ってもらうのが一番の目的ですね。
内容としては、自分たちの仕事の考え方とか成果の生み方にフォーカスして発信しています。それをできるだけ生々しく発信したいと思っていて。
講義ではなく実際の現場を切り抜くことで、親近感を感じてもらったり、机上の空論にならずに実際のマネージメント現場とか営業現場で活用できるような動画を発信しています。
私が西崎さんに取材したいと思ったきっかけも、西崎さんのYoutube動画でした

すみやま
なるほど。ありがとうございます。基本は認知をベースにして、そのうえで付加価値をつけていくということですよね。
私もプレゼンのコツの動画を拝見したことがあるのですが、こちらに語りかけるわけではなく、社員さん同士で話すことがメインだったので雰囲気が伝わってきやすく、すごく学びになったことを覚えています!
今後も動画を拝見します!
経営理念を体現するためには

すみやま
ブランディング事業を続けるうえで、失敗したことやそれを解決した方法はありますか?

西崎さん
一番壁にぶつかったのが2018年で、会社をどういう方向性で経営していくか、我々が提供できる付加価値って何だろう、というところで壁にぶち当たりました。
それを乗り越えるきっかけになったのがビジョンマップです。これで会社の方向性とか判断軸を定めたんですよね。
2018年から現在にかけて西崎さんが社員とともに築き上げたビジョンマップ。このビジョンマップを軸に経営を行っている

すみやま
めっちゃ細かいですね...!

西崎さん
そうですね。うえのほうに記載している「世の中にきっかけを。」というミッションと「世界一変わった会社で、世界一変わった社員と、世界一変わった仕事を創る。」というビジョンは創業時からあったのですが、逆にこれしかなくて、具体的にどういうことなのかが明記されてなかったんです。
そこで、自分たちが思う「オモシロイ」とか「変わってる」って何? ということを「ささる」「あがる」「ひらく」という3つのキーワードに設定しました。
そして「ささる」のなかの8項目と「あがる」のなかの8項目のうち、それぞれ3つ以上を満たしていれば、それはやろうっていうふうに決めています。

すみやま
なるほど! だから企業として一貫性が出るのか...

西崎さん
そうですね!
経営理念を体現している会社が少ないっていうのが現状なので、経営理念を体現するためにまずは「大阪で一番オモシロイ会社」と言われることを中期ビジョンに設定しています。そこに向かうために8つの具体的な行動の目標を決めて、これが達成できたら大阪で一番オモシロイ会社になれるという仮説のもとにはたらいています。

すみやま
ビジョンに向かうための会社の方向性が事細かく設定されていてわかりやすいですね...ありがとうございます!
“社員の声”は実現させる

すみやま
社員の方のやりがいを向上させるために、どのようなことをされてますか?

西崎さん
一言でいうなら巻き込みながらですかね。僕が考える一番強い組織って、自発的な組織とか楽しんでいる組織だと思っていて。
言われたことをやるだけってどうしてもやる気になりにくかったりするじゃないですか。
だから先ほど紹介したビジョンマップも、社員と一緒に決めて社員の意見を反映させましたね。

すみやま
なるほど。
ビジョンマップのほかに具体的にどんなものをつくり上げたんですか?

西崎さん
このオフィスもそうですよ!
オフィスを決める際、社員の意見を取り入れるために1泊2日の合宿を開いて、どんなオフィスにしたいか社員と話しました。実際に社員から上がった声としては、大人だけじゃなく子どもや年配の方も集まる場所にしたいという意見があって。
じゃあ子ども専用の滑り台をつくろうとか、コミュニケーションを活性化させるためにバーカウンターを置こうということが決まりました。
オフィス全体
滑り台
バーカウンター
※その他オフィスの紹介

すみやま
すごいですね! ほかのオフィスでは見られない光景...
これらも社員の意見を取り入れて実現したんですね!
ほかに社内の工夫はありますか?

西崎さん
社内制度も社員からアイデアを募集して決定しましたね。
現在、福利厚生は合計44個ありますが、その大半は社員からの意見です。

すみやま
社内制度まで...! 本当に会社として目標に向かっていくために、いろいろなことに取り組まれているんですね。
では、西崎さん自身の仕事のやりがいはなんですか?

西崎さん
これは経営者の特権かなと思うんですけど、変化を目の当たりにできることかなと思いますね。僕は社歴も一番長いですし、マンションの一室から始めた事業の変化を全部見てきたなと感じます。
物理的に人が増えたり、オフィスが進化していったり、社内制度が充実していったりという変化に関わって目の当たりにできるのは本当にワクワクしますね。

すみやま
確かに自分が最初からやってきたからこそのやりがいですね。いろいろな進化や変化が見れるのはすごく魅力に感じました。
ありがとうございます!
選ばれる理由があるからこそ

こばやし
働かれるうえで、理不尽に感じたときのモチベーションの維持や対処法があれば教えてください。

西崎さん
うちは理不尽なことがないようにそういうお客さまとの取引はお断りしているので、あまり摩擦はないですね。
ただ昔はそんなことなくて、ちょっとずつ変わっていきましたね。
自分たちがお客さまを選ぶということは、我々がお客さまに選ばれないといけないということなので、選ばれる理由づくりを先ほどお見せしたビジョンマップなどを通してコツコツつくり上げてきたと思います。

こばやし
なるほど! ありがとうございます。

西崎さん
逆に僕から聞いてみたいんですが、皆さんははたらくことに対してポジティブなイメージはありますか?

すみやま
そうですね...
自分がやりたいことに対してはポジティブなイメージはありますけど、やりたくないことはネガティブなイメージのほうが強いですね(笑)。

こばやし
私も同じで、責任がともなう重めのイメージがあります。

西崎さん
いや〜素敵ですね(笑)。
私は高校生のときにはたらくことに対してポジティブなイメージがまったくなくて、仕事ってつまんないもの、やりたくないものっていうイメージがどうしても強かったんですよね。
なので世間的な普通の会社とは180度違う会社を自分でつくろうという考えに至って、起業しました。

こばやし
ポジティブなイメージがないからこそ起業に至ったんですね!
ありがとうございます。

すみやま
西崎さんが仕事をしたり人と関わるうえで大事にしていることと、それをブラさないようにするための方法はありますか?

西崎さん
僕の仕事のポリシーは、「好きなことは好きなようにやる」ということで、これはたぶん、これから先も変わることはないと思います。
だからアドバイスをするのであれば、やりたいことを決めるのももちろん大事ですが、やりたくないことを決めるっていうのを決めてしまうのも、ひとつの方法だと思います。
「好きなことは好きなようにやる」この言葉に西崎さんの“はたらくWell-being”のポリシーが現れていると感じました

すみやま
なるほど...! やりたいものだけではなく、やりたくないものにも目を向けるのは大事ですね。
私自身、やりたいことに一貫性がなく不安に感じていたので、すごくしっくりきました。
ありがとうございます!
〜最後に〜

すみやま
最後にブランディングに興味を持っている若い人に一言お願いします。

西崎さん
一番伝えたいことは、やっぱりブランドって中身がないとできないということです。どうしても今は外見をカッコよくしていくということが多いと思うんですけど、それでは本質的なブランドにはならない。
なぜやるのかという目的はしっかりと決めてほしいと思いますね。そしてそれに対する期限とゴールを設定すると、より自分がやりたいビジョンが見えてくるのかなと思います。

すみやま
目的...!確かに一番ベースになってくるところですから大事ですよね。
それに対する期限というのも参考になります。ありがとうございます!
驚きのオフィスから仕事に対する考え方、さらにその仕事の中身を通して“はたらくwell-being”、そしてブランディングの面白さについて感じることができました。
今回の記事のキーワード、「目的」「ポリシー」に目を向けてみるはたらき方も悪くないのではないでしょうか。
N高グループ生徒会N/S高新聞実行委員が運営する新聞サイト、公式YouTubeはこちら!
<取材・文=住山雄大>
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