企業インタビュー
“五感の刺激”が、新たな購買意欲を生み出す。EC全盛期の今こそ「ポップアップストア」を出店すべきワケ
オンラインストア戦国時代の“次なる戦略”
新R25編集部
商品やサービスの販売促進において、すっかり無視できない存在となった「EC」。
これからの時代はECだ!と、オンラインでの商品販促に力を入れたりしている方も多いのではないでしょうか。
しかし…みなさんが薄々勘づいている通り、今のEC業界はとんでもないレッドオーシャン。向かうところ敵ばかりで、ただオンラインストアを立ち上げただけで売上を伸ばすのは至難の業となっています。
そんななか最近注目を集めているのが、期間限定の「ポップアップストア」。
短期出店スペースを気軽に予約できる「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を提供する株式会社カウンターワークス 代表取締役CEO 三瓶直樹さんいわく、オンライン専門店がポップアップストアを出店するケースが急増しているそうなんです。
なぜ、今になってまた“実店舗”に注目が集まっているのか? そして、オンラインにはない“ポップアップストアならではの利点”とは…? その実態を、三瓶さんに教えていただきましょう。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
「ポップアップストア」への注目度が急上昇しているワケ
三瓶さん
「SHOPCOUNTER」は、期間限定の「ポップアップストア」を出店したい方と、場所を貸したい方をマッチングさせるサービスです。
石川
失礼ですが、実店舗ってそんなに需要あるんですか…? 今はオンラインストアが主流になっているのでは…
三瓶さん
実はいま、ネット販売専門のお店がポップアップストアを始めるケースが急増しているんです。
実際、弊社の成約件数は右肩上がりに伸びていて、前年同期比が3倍近くまで跳ね上がったこともあります。
三瓶さん
お店に行かなくても商品を買える手軽さは魅力ではありますが…オンラインストアの数は爆発的に増え、競争が激化しているため、差別化戦略が欠かせません。
さらに、オンラインストアには明確な“弱点”があります。
石川
弱点…というと?
三瓶さん
「実際に商品を手に取れないこと」です。
私自身も経験があるのですが…職人さんがこだわって国内生産している白いTシャツをECで見かけて、値段を見たら3万円。
これは、なかなかカートに入れられないなと。
石川
3万かぁ…たしかに、良さそうなことがサイトに書いてあっても、実際に素材とかシルエットを見ないとポチれないかもしれません。
三瓶さん
ですよね。私はネット広告業界に長らく携わっていたのですが、ここに“ECの限界”を感じていて。
そこで注目したのが、短期の実店舗での出店=ポップアップストア。
短期ならハードルも低いですし、実物を見てもらうことでオンラインとは異なる売れ筋の商品が生まれて、ブランドを知ってもらうきっかけにもなります。
三瓶さん
一方、百貨店やショッピングモールのほうにも深刻な問題が起こっていて…
コロナ禍の影響もあり、特に地方において商業施設の集客が激減。
空床もたくさん出てしまい、「なんとかして集客を取り戻せないか」と悩んでらっしゃるオーナーさんがたくさんいたんです。
石川
商業施設のほうも、新しいテナントを探していたんですね。
三瓶さん
ただ…これまでは「店舗スペースを借りたい!」となっても、持ち主に直談判して、当事者同士で条件をすり合わせるしか方法がありませんでした。
しかも、不動産業界の慣習が根強く残っているため、高額の保証金や長期契約が条件となる場合が多かったんです。
石川
それだとなかなか気軽に出店はできないですね…
三瓶さん
そんな現状を打破し、「商業施設の集客率アップ」と「EC事業者の売上アップ」の両方を叶えるために…
私たちは“短期契約前提”の「SHOPCOUNTER」を立ち上げました。
“売れる店舗設計”までサポート。SHOPCOUNTERの強み
石川
「SHOPCOUNTER」では、具体的にどんなことができるんですか?
三瓶さん
スペースの検索から、予約、決済まで、すべてオンライン上で完結できます。
こんな感じで、お店を出店したい人がエリア・場所の特徴・店の種類などを入力すると…
三瓶さん
出店可能な空きスペースが表示されるので、好きな場所を選択するだけで予約・決済まで進めていただけます。
三瓶さん
仲介料はいただいていないので、かかる費用はスペース利用料金だけ。
「SHOPCOUNTER」を介してオーナーさんと直接やりとりができるので、新たなビジネスパートナーとの出会いも期待できます。
さらに「詳細検索」で、用途や予算に合ったスペースや、必要な設備や什器が揃ったスペースだけに絞って検索することもできます。
たとえば飲食店なら「冷蔵ストッカー」があるところ、ファッションブランドなら「トルソー」や「試着室」があるところ…といった具合ですね。
石川
ざっと見ただけでも、スペースの種類がすごく豊富で驚きました。
屋外スペースとか路面店とか…キッチンカーの専用スペースもあるんですね。
三瓶さん
そうなんです! 路面店、繁華街のビル、ショッピングモールのスペースなど、取り扱う物件は全国で20,000件を超えています。
ちなみに、良い出店場所を探すのも私たちの大事な仕事。
街で良さそうな“空きスペース”を見つけては、出店場所として使えないかオーナーさんに交渉をしています。
過去には「オフィスビルのエレベーター横」を活用させていただいたことも。ビジネスパーソンをターゲットにした商品を売るのにぴったりなんですよ。
石川
ただ…いい場所が見つかっても、実店舗を作ったことがない方が自分たちでポップアップストアを設営するのはなかなか大変な気がします。
三瓶さん
そこはご安心ください! 「SHOPCOUNTER」では、販売員の派遣、什器手配、販促品の作成などのサービスもオプションでご用意しています。
初めてのポップアップ出店で特に大切なのが、「VMD」と呼ばれる“売り場設計”。
VMDとはVisual Merchandisingの略で、商品を見えやすく・買いやすく・買いたくなるような売り場を設計し、販売を促すことを指します。
売れる店舗設計のサポートはもちろん、「SHOPCOUNTER MAGAZINE」という自社メディアでVMDの基礎知識の解説もしているので、初めての方でも迷いなくポップアップ出店に挑戦していただけます。
はじめての出店でも安心! ポップアップストア虎の巻
こちらの“虎の巻”を読めば、やるべきことが全部わかります
石川
実際に出店した方からはどんな反響があるんですか?
三瓶さん
おかげさまで、出店された方からもオーナーさんからもポジティブな反響をいただいています。
たとえば、74年の歴史がある「自由が丘ひかり街」という商店街では、集客が落ちていたところ、ポップアップストアを誘致して活気を取り戻すことに成功。今では全体の約1/4を短期契約のスペースが占めています。
商店街の理事の方からは「問い合わせがとても多く、業態や業種も多岐にわたっていて驚いた」とのフィードバックをいただきましたし…
出店された方も、「1日単位で借りられるので、“ダメなら辞めよう”と思い切ることができた」とおっしゃっています。
石川
すごい…本当にWin-Winが実現してるんですね。
三瓶さん
実店舗は言わば、五感を通じてさまざまな情報を得られる“メディア”のようなものだと捉えています。
さらにポップアップストアには、まるで旅行先のお土産屋さんのように、“そのときそこに行かないと出会えない”という付加価値も加わるので…
お客さまとの新たな接点を作り、消費意欲を刺激する場所として、まだまだ伸びていくと確信しています。
少しでも多くの方に、ポップアップストアを通じて“お客さまの生の声”を聞いていただけたらうれしいです!
一見すると、時代が逆戻りしたように感じなくもない「ポップアップストア」ですが…
その実態は、オンラインストアの伸び悩み改善につながるだけでなく、商業施設の活性化にもつながる“次世代のスタンダード”だと判明。
スペースの数がとにかく豊富な「SHOPCOUNTER」は、眺めているだけで「お店を持つならこんな感じにしたいな…」という“妄想”を広げさせてくれるはず。
次なるトレンドに乗り遅れないためにも、どんなスペースがあるのかだけでもチェックしてみることをおすすめします!
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