企業インタビュー

「人」が財産になる時代。子育てに詳しい経営者に聞く、これからの事業成長に「人的資本経営」が欠かせないワケ

「人」が財産になる時代。子育てに詳しい経営者に聞く、これからの事業成長に「人的資本経営」が欠かせないワケ

「人的資本の情報開示が義務化された」って、ご存じでしたか?

新R25編集部

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最近、「人的資本」という言葉を聞く機会が増えた気がしませんか?

人的資本とは、「人」の持つ能力を資本としてとらえ、その価値を最大限に引き出すための考え方のこと。

これからの企業の成長のためには、採用や研修、働きやすい環境の構築など、「人」の能力を発揮させるための投資が必須だとされています。

そんな「人的資本」が、なぜここ最近注目されているかというと…この3月に法改正があり、上場企業などを対象に人的資本の情報開示が義務化されたという背景があります。

とはいえ、急に「人的資本を開示しなさい」と言われても、なにをどうすればいいのか分からずに戸惑っている経営者の方も多いのでは。

そこで今回は、人的資本経営をサポートする採用・研修コンサルティングサービス「ジンテキ」を提供する、こどもの未来株式会社 代表取締役の千葉祐大さんにインタビュー。

これからの企業は、何に投資し、何を改善すべきなのか? 詳しく教えていただきましょう!

〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉

事業や会社の成長を決めるのは、“人”がすべて

石川

そもそも、人的資本ってそんなに重要なんですか…?

千葉さん

もちろん。事業や会社の成長を決めるのは、「人がすべて」と言っても過言でないと僕は思っています。

僕はこれまでの約20年間(インターン含む)のキャリアで、5社の会社で働き、2つの社団法人立上げに関与し、1社で取締役として事業・組織作りをおこなっているのですが…

そのすべてにおいて、優秀な「人」がもたらす影響はとても大きいと痛感したんです。

石川

そこまで大きな影響があるんですか。

千葉さん

スタートアップ企業の経験者なら共感してくれる方もいるかと思いますが…「この人がいるかどうかによって、その事業が立ち上げるかどうかが決まる」という分岐点にぶち当たることって、すごく多いんです。

つまり、事業の成長サイクルと組織の成長サイクルはリンクしていて、組織成長における大きな比重を占める要素として「人」があるということ。

歴史を振り返ると、「あの会社の成長はたった1人の優秀な人材によって、あの会社の成長が支えられていた」という事実はたしかにあると、僕自身の経験からも強く感じています。

石川

社会的にも「人的資本」が注目されているようですが、具体的にどんな変化が起こっているのでしょうか?

千葉さん

2023年3月期決算から、「有価証券報告書」を発行する大手企業を対象に、人的資本の情報開示が義務化*1されました。

有価証券報告書に「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」という欄が新設され、人材育成や社内環境整備の方針などの明記が必須になっています

さらに、「女性管理職比率」や「男性育児休業取得率」「男女の賃金格差」などの項目についても開示を求められています。

ほぼ同タイミングの2023年4月に、育児・介護休業法の改正*2もあり、従業員数1000人超の企業は育児休業取得状況の公表が義務化されました。

*1 金融庁 「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案に対するパブリックコメントの結果等について
https://www.fsa.go.jp/news/r4/sonota/20230131/20230131.html

*2 厚生労働省「育児休業取得状況の公表の義務化について」
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001122221.pdf

石川

急にいろんなデータの開示が必要になったんですね。これまでデータの収集や分析をしてなかった企業は苦労しそうな気が…

千葉さん

まさにそうですね。多くの会社が対応を迫られてはいるものの、具体的な開示をしている企業は少ないのが現状です。

実際、2023年2月時点でも、人的資本に関する情報発信をおこなっている企業は24.7%しかないということが弊社の調査*3でわかっています。

もちろん、人的資本が重要だと認識している経営者は多いんですが…費用対効果が見えない・具体的にどのように開示や改善をしていくべきかかわからないといった理由で、人的資本経営への投資や実践ができていない企業が多いんです。

千葉さん

僕たち「こどもの未来株式会社」は、2022年の創業当初からこういった背景に課題を感じていたこともあり、「日本一の人材紹介会社を目指す」と決めました。

法改正が始まる前の2023年2月に有料職業紹介免許を取得し、企業の採用を支援する人材紹介事業をスタート。

さらに、法改正のタイミングに合わせてスタートできるよう、人的資本経営をサポートする採用・研修コンサルティングサービス「ジンテキ」というサービスを準備してきました。

「実践」と「開示」の両面をサポート。業界初のコンサルサービスとは?

石川

「ジンテキ」はどんなサービスなんでしょうか?

千葉さん

人事・採用における「実践」と、経営企画・IRにおける「開示」の両方をサポートする、業界初のコンサルサービスです。

採用においては、法改正前に人材紹介事業をスタートしていたこともあり、すでに多くの上場企業およびIPOを目指しているスタートアップ企業との取引がありますので、優秀な人材を紹介できると自負しています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000114831.html

千葉さん

さらに、チームメンバーは多くが女性管理職や男性育休、育児などを経験していて、ライフステージの変化にも対応できるスペシャリストばかり。

「どうやって働きやすい環境を築けばいいか分からない」と悩む経営者の方はぜひ、お気軽にご相談ください。

石川

まだリリースされて間もないようですが、今後はどんな展開をしていくのでしょうか?

千葉さん

僕は過去にプロダクト開発に携わってきた経験もあるので、今後はコンサルだけでなく、メディアやプロダクトのリリースや、「ベビーテック」領域のサービス展開も予定しています。

「人」と「テクノロジー」の両軸で適切な提案をさせていただくので、リリースしたばかりのサービスですが、ぜひ今後の動向に注目してもらえたらうれしいです。

こどもとオトナが両輪となって社会を変えていく。千葉さんが描く“未来”とは

石川

「こどもの未来株式会社」という名前は、すごくインパクトがありますよね。

千葉さんはもともと、こどもや育児の領域に関心があったのでしょうか?

千葉さん

そうなんです。僕は弊社を設立する前から「子育て支援事業」をライフワークとしていて、「ベビーテック」「子育てコミュニティ」「男性育休推進」などをキーワードに活動してきました。

現在はこどもの未来株式会社のほかにも、ベビーテック領域などの3つの会社の経営に携わりながら、子育て関連のさまざまなコミュニティにも所属しています。

ちなみに、育児セラピスト1級の認定講師でもあります(笑)。

石川

ガチの子育てのプロじゃないですか。

コワモテな千葉さんですが(失礼)、プライベートではこの通り、2人のお子さんの優しいパパなんだそう

千葉さん

少子高齢化やグローバル競争もあり、今の日本は厳しい環境ですよね。

今のこどもたちがオトナになる10年後や20年後の未来を変えるためには、こどもとオトナが両輪となって社会を変えていくことが必要だと思い、こどもの未来株式会社を立ち上げました。

石川

「ジンテキ」以外にはどんな事業をやってらっしゃるんですか?

千葉さん

ライフステージとキャリアをともにデザインする人材紹介事業「伴走型キャリアサポート」と、ライフステージに合わせてキャリアを再発見するメディア「キッカケ」を運営しています。

https://kikkake-media.com/

石川

メディアまでやってらっしゃるんですか!

千葉さん

そうなんです。ジンテキと人材紹介事業をサポート・補完する位置付けとして、さまざまな働き方を実現している「人」にもっとスポットライトを当てたいという思いでスタートしました。

結婚・妊活・育休・育児など、ライフステージの変化で働き方を変えた人の“キッカケインタビュー”や、育児・キャリアの有識者によるコンテンツ、さまざまなゲストをお招きして子育てを取り巻くテーマで議論する「こどもの未来トーク」の記事化などをおこなっています。

石川

なるほど。御社は多角的に「人」をサポートする会社なんですね。

千葉さん

はい! 「企業は“人がすべて”だ」というのが僕の信念なので、ジンテキだけでなく、「人」のキャリアをサポートする事業も伸ばしていきたいんです。

ご説明した通り、2023年2月から人材紹介事業もスタートしており、すでにたくさんの転職希望者と伴走し、実際に紹介も決まってきています。

https://www.kodomono-mirai.co.jp/

千葉さん

事業成長に必要な「人」を紹介する事業も、優秀な「人」に長く働いてもらうために従業員ロイヤリティを上げる研修サービスも、表裏一体だと考えています。

なので、人材紹介事業である「伴走型キャリアサポート」も、それを補完する「キッカケ」も、それぞれが単一事業ではなく、現状の弊社のメイン事業である「ジンテキ」とセットで活用していただければと思います。

今後も僕たちは、企業と人のそれぞれに伴走する事業モデルを通じて、こどもの未来につながるサステナブルな事業成長を支援していきます。

今年生まれたこどもたちがオトナになる2040年を見据えて、未来につながるワクワクを生み出していきたいと思っています。

共感していただけた方はぜひ、僕たちを頼ってもらえたらうれしいです!

パパでもある千葉さん自身の想いが形となった「ジンテキ」に、今後も目が離せません。

優秀な「人」と一緒に、10年後にワクワクする未来を見たいと願う経営者のみなさんは、ぜひ千葉さん率いる「こどもの未来株式会社」に頼ってみてはいかがでしょう?

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