OpenWorkの「社員クチコミ」が、どれだけリアルなのかを検証!
「転職前提の入社も大歓迎」ってホント? DeNAにまつわるウワサを、人事に直接ぶつけてみた
新R25編集部
就職活動や転職活動の際、希望する企業の社員クチコミを検索したことがある人は多いはず。
社員クチコミを見ればその企業の社風や働きがい、ワークライフバランスといったリアルな声をなんとなく把握できる一方で、「退職者がネガティブなことばかり投稿してるんじゃないの?」などの疑念がぬぐえないのも正直なところ。
一方で、以前新R25の取材でOpenWorkの大澤陽樹CEOが「社員クチコミを活用した転職がスタンダードになりつつある」とも発言しています。
そこで新R25では、OpenWorkとのコラボ企画として“社員クチコミを活用し、自分に合った転職やキャリアアップ”について考える連載を開始します。
本連載では、社員クチコミを活用した転職やキャリアアップのノウハウのほか、注目企業の社員クチコミがどれだけ企業のリアルなのかについても企業の人事担当者に直撃取材。
社員クチコミの可能性をさまざまな角度から発信していきます。
第2回は株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)のOpenWorkページに寄せられた社員クチコミの真相について、人事に突撃してきました。
DeNAの社員クチコミの頻出ワードを見てみると…
「永久ベンチャー」「ことに向かう」など、聞き慣れない言葉も多数。独自の文化がありそうなDeNAですが、果たしてその実態は…?
答えてくれたのはこの方!
【小川篤史(おがわ・あつし)】2016年DeNAに新卒入社。ブラウザゲームのプランナーとしてキャリアをスタート。その後リードプランナーやDeNA Games Tokyoにてプロデューサーを経験。2022年にヒューマンリソース本部 新卒部部長に就任し、新卒採用チームを牽引。新入社員研修のマネージャーも担う ©DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
【採用基準】個性が強くないと、入社しても埋もれてしまうんでしょうか…?
――(編集部)クチコミを見ると、社員の人柄やタイプとして「ロジカル」「地頭がいい」「ギラギラした個性的な人が活躍している」などのキーワードが多くありました。
正直、「個性が強くないと埋もれてしまうのかな…」と心配になってしまいますが、実際はどうなのでしょうか?
小川さん
「ロジカル」や「個性的」というのは、あくまで人柄を分かりやすく表現しているだけと考えていただきたいです。
そもそも個性というのは「変わった人、おもしろい人」という意味ではなく、「なにかに夢中になった、なっている結果として表出しているもの」という捉え方もあると考えています。
採用においても「頭がいい、思考力が高い=ロジカル」「奇抜なことをしていた=個性的」みたいな、うわべの捉え方はしていません。
それよりは、なにかに取り組む過程で「どのような変化をしてきたか」のプロセスと、どのような欲求や原動力で活動をおこなっていたかを重視しています。
活躍する人材も、それぞれの持ち味を存分に活かしていて、それを大いに受容する文化です。
個性が強い人しか採らないのではなく、「誰しもが持っている個性を、いかに花開いてもらうか」を大事にしている感覚です。
――(編集部)社内にいるメンバーの傾向として、「エンジニアは草食頭脳系、ビジネス系は体育会系の印象」というクチコミがありました。職種別の採用基準も明確に設けているのでしょうか?
小川さん
職種ごとに必要な採用基準はもちろん分かれていますが、エンジニアは草食頭脳系でビジネス系は体育会系となるように、という意図はありません。
それぞれの言葉がどのようなイメージを指しているかは判断しかねますが、職種関係なく、先ほどもお伝えした「夢中」を大事にしている点は共通かと思います。
「夢中」がどのように表出するかはまさしく個性によって変わるため、会社がコントロールしたり、標準化したりするところではないというのが私の意見です。
©DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
【成長環境】「転職」「起業」前提の入社も受け入れてくれるってホント?
――(編集部)「大きなIP(キャラクターなどの知的財産)から社内新事業まで柔軟に携わることができた」「キャリアへのバックアップは手厚い」というクチコミがありました。
自分の意思でキャリアを変えたり、チャレンジできたりする仕組みがあるのでしょうか?
小川さん
新卒・中途問わず、部門をまたいだ活躍をサポートする制度をたくさん準備しています。
代表的なものを挙げると、異動先の合意を得れば所属部署の上長を通さずに異動できる「シェイクハンズ」という制度や、他部署の仕事を兼務できる「クロスジョブ」という制度があります。
さらに、各部署が求めているポジションを掲載した社員専用のジョブボード(求人ページ)『OpenQuest』も立ち上がり、社員それぞれが自分らしいキャリアを描けるように支援しています。
DeNAのオウンドメディア『フルスイング』には、社内の人事制度を使ってキャリアを拡げた社員たちの記事も
――(編集部)入社を決めた理由のクチコミに「20代で成長できる環境があるので、DeNAで力をつけて将来の選択肢を増やそうと考えた」という内容がありました。
“DeNAマフィア”という言葉があるように、DeNA出身者は各界で活躍する人が多い印象です。上記のクチコミのような「転職前提のキャリア形成」に対して、どんな見解をお持ちですか?
※マフィア…ひとつの企業から輩出された優秀な人材と、そのネットワークを指すIT業界のスラング
小川さん
南場(智子・DeNA代表取締役会長)もよく申し上げている通り、世の中の流れとして避けられないものを受容しながら、新しい挑戦を支援し、その経験をプレミアムなものとして受け入れるというのがDeNAとしての考えです。
特に起業に関しては「応援します」というだけでなく、実際に社内メンバーの起業を支援するプログラムを用意している点は、自慢できるポイントだと考えています。
【企業文化】クチコミにたくさん出てくる「DQ」「ことに向かう」とは…?
――(編集部)「DQ (DeNA Quality)」「ことに向かう」「発言責任」など、クチコミを通じてDeNA独自のワードが散見されました。
これらの言葉はどのような背景から生まれ、どのように浸透していったのでしょうか?
DeNA 会社情報HP「ミッション・ビジョン・バリュー」より抜粋
小川さん
DQ(DeNA Quality)とは、DeNAで働くすべての人の日々の行動や判断の拠り所とする「共有の価値観」のこと。
言葉を用意しただけでなく、実際にDeNAで働く社員たちがDQを強く体現したことが、浸透した要因なのではないかと考えます。
DQのなかの「“こと”に向かう」や「発言責任、傾聴責任」は、他者を尊重し、受容し、チームで掲げた高い成果に向けて、できることを実行し切るというマインドセットに役立っています。
当たり前のようでもっとも難しいマインドに立ち返る規範として、日々どの部署やチームでもこれらを実践しています。
©DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
小川さん
先ほどの質問にもつながりますが、DQを体現することで、どんなシーンや環境でも活躍できる人材になれるのではないかと考えます。
「真摯に、誠実に、本質的な価値の追求に向かいましょう」というDeNAならではの姿勢は、卒業してからも身に染みついている方が多いはずです。
――(編集部)クチコミには「永久ベンチャー」というキーワードが多く挙がる一方で、「大企業的な側面もある」といった声もありました。
事業規模や球団をお持ちの背景からも、世間的には「大企業」として捉えられている気もしますが、DeNAは大企業なのでしょうか? それともベンチャーなのでしょうか?
小川さん
どっちつかずに聞こえてしまうかもしれませんが、大企業でもあり永久ベンチャーでもあると思います。
たとえば社会課題解決の事業のように、DeNAのリレーションやアセット(資産)を活かして、「大企業」として大きなスケールの事業を実現させることもあります。
一方で、世界中にDelightを届ける活動に挑戦し、変化を恐れないという「永久ベンチャー的な考え方」は、24年前のインターネット黎明期にスタートアップとして事業を始めたときとまったく変わっていません。
“永久ベンチャーであること”は、会社の規模にかかわらず私たちのアイデンティティだと考えており、そのマインドが組織に浸透している会社だと自負しています。
“社員クチコミ”について、会社の人事はぶっちゃけどう思ってるの?
――(編集部)OpenWorkの社員クチコミをもとに企業の実態についてお伺いしてきましたが、ぶっちゃけこのようなサイトの存在を企業人事としてどのように捉えていますか?
小川さん
特に人事は「正面切って本音を言いにくい相手」だと捉えられることもあるので、OpenWorkのような場所に集まる“リアルな声”はなによりも大切なものだと捉えています。
各社員が何を見て、感じて、行動しているのかを知る際に、強くサポートしてもらえていると感じます。
©DeNA Co., Ltd. All rights reserved.
小川さん
実際のクチコミも拝見しましたが、すべての声がリアルだと私は感じています。
いろんな部署やチームがあり、各人によって見え方が異なるのがDeNAだと思っているのですが、そのなかでも通底するマインドやアイデンティティについては、共通するワードがクチコミとして挙がっており、人事としてはうれしいことだと感じています。
もちろん私たちも道のりの途中なので、これからも頑張っていきます。
――(編集部)気になるクチコミや不安なクチコミがあった場合、面接で「これって本当なのでしょうか?」などと面接官に直接聞いてしまってもいいのでしょうか。
またその場合、きちんと事実を答えてもらえるのでしょうか?
小川さん
はい。ぜひ聞いてほしいですし、お答えします!
“社員クチコミをチェックする”以外にもこんなに。新R25読者にオススメなOpenWorkの使い方3選
①OpenWorkで転職する
OpenWorkで掲載している求人数は約5万3000件(2023年4月時点)。
企業向け採用支援サービス「OpenWorkリクルーティング」ではOpenWorkの評価スコアが高い優良企業ほど多くの求職者にスカウトを送ることができるようになっているので、評価の良い会社からスカウトが届きやすいのがポイント。
自分の知識や経験だけではたどりつけない本当の優良企業と出会える転職サービスはOpenWorkならではです。
「クチコミを活用した転職活動」のメリットについて、小川さんの意見も聞いてみました。
小川さん
ジョブ・ディスクリプションを読んだだけではわからない、“文字だけでは落とし込めない相性”が明暗を分けるのが、転職活動というものです。
候補者のみなさんが、企業にとって都合が悪く見える情報も含めて手に入れることができ、自身のネクストステージを検討できる世界になれば、結果的には企業側にとってもメリットのある転職が実現できるのではないでしょうか。
②これから伸びる会社かどうかを見極める
OpenWorkでは社員クチコミの投稿文だけではなく、評価スコア(数値)の8角形と総合評価点もチェックすることができます。
さらに、業界比較やこのスコアが上がっているのか?下がっているのか?「データ推移」機能を使って経年変化を分析することも可能。
今のスコアだけを鵜呑みするのではなく、成長中にある企業かどうかを見極めて企業選びをすることに活用いただけます。
実際、OpenWorkのデータを使った論文では、その会社の業績や株価と相関関係にあることが証明されており、投資先の企業選びにOpenWorkを活用する投資家もいるそう。
「組織体制・企業文化」項目のクチコミをチェックすることで、その会社の2〜3年後の業績予測や企業成長を予測するのにもオススメです。
③キャリアの棚卸しや自己理解に活用する
転職や就職の参考として読むだけでなく、1年以上同じ会社で働いたことがある方は投稿をしてみるのもオススメです。(※正社員・契約社員限定)
「どのような点に働きがいを感じましたか?」「この会社の就業経験によってどのように成長・キャリア開発できましたか?」「経営者に、この会社をより発展させるための提言をするなら何を伝えますか?」などの質問に回答するなかで、自分では言語化していなかった働くことへの考え方や自分が大切にしたい価値観に気がつくことも。
あなたのこれまでのキャリアの棚卸しにOpenWorkを活用してみるのはいかがでしょうか?
クチコミ転職“ニュースタンダード”
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