「休職しようとしてた」過去も…!
被害者意識にまみれず、本質的な仕事をすべし。田端信太郎が回顧する「20代の働き方」
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「自分のキャリアって、本当にこのままでいいのだろうか?」
そう考え、転職サイトや転職エージェントを覗いている人も多いはず。
新R25が8月にお届けする特集「はじめての転職 サバイバル」では、そんな読者が自分自身のキャリアを見つめ直すきっかけ、そしてはじめて の転職活動で活用できる実践的なノウハウをお届けします!
最新著書『ブランド人になれ!』(幻冬舎)のなかでは、若手ビジネスマンに対し「こんな量は絶対不可能だというレベルの仕事を、必死でやりきれ」と説いている田端さん。
そんな、ある種時代にそぐわないようにも思える仕事論を持つ田端さんは、若手時代にどう働いていたのか? 20代のあるべきキャリアについて、どう考えているのか?当時の記憶をなぞりながら語っていただきました。
〈聞き手:天野俊吉(新R25編集部)〉
「コーラ色の○○が出た」超ハードに働いたNTTデータ時代
天野
田端さん
事業部長の応接室のソファで寝てたら、翌朝、部長が出勤してきて起こされたり、椅子を並べて2~3時間仮眠したり。
天野
田端さん
ちなみに、そんなに会社にいると何が起きるかって言うと、「すごい仕事したな~!」と思って、パッと時計見るじゃん。
そうしたら時計の針が「11:00」を示してるのね。
天野
田端さん
天野
田端さん
お腹がすいてるときは血糖値上げたいから普通のコーラ、眠くなりそうなときはダイエットコーラ、って。
そうすると、どんな状況でも一定の体調でいられるわけ。
天野
そんなことしてて、体壊さなかったんですか?
田端さん
さすがに「えっ!? これ、コーラがそのまま出てんじゃないのか?」って焦ったよね。よっぽど胃腸や腎臓が弱ってるな~と思った(笑)。
天野
体もそうですが、メンタルは大丈夫だったんでしょうか。
田端さん
それで問題になったのかな。ある時期から、メンタルヘルスチェックみたいなのを受診させられるようになったんだけど、そのなかに「自分の性器は人より大きいと思うか」って質問項目があってさ。「強くそう思う、ややそう思う…」って選択肢があるわけ(笑)。
そういうの見て「なんだよこれ!」って大笑いしてたね。
天野
忙しくて、「もう会社を辞めようかな」みたいに思うことはなかったんですか?
田端さん
履歴書に穴を開けるのが怖くて、苦しまぎれにSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)の院を受けたら、受かったんですよ。
天野
田端さん
「会社にいれば給料もらいながら学べるのに、なんで金払って勉強しにいくんだ。大学に今さら戻るなら、教えに行くぐらいじゃないとダメだぞ」って言うんだよ。
確かにそれもそうだな~と思って、一旦は会社で頑張ろうと思ったんだよね。
$私は新卒でNTTデータで2年ほどお世話になり、厳しく鍛えて頂いたのですが、その時の課長の大谷さんがこの度、早期リタイアされて世界一周PTになると聞いて当時の皆で集まり壮行会をしました。大谷語録の鬼十則がこちら。今見ても面白いし結構、影響受けてるかも。ホント自分は上司運には恵まれた。 <a href="https://t.co/hct0N0zqgy">pic.twitter.com/hct0N0zqgy</a>
“本質的じゃない仕事”かどうかは、量をこなさないとわからない
天野
田端さん
睡眠時間を削って超忙しくしてると、無意味なことをしたくないから、下っ端仕事でも本質的なゴールを常に意識せざるをえない。
「MTGのために資料を準備しろ」と言われたら、じゃあそのMTGって何のためにやって、その結果どうなればいいんでしたっけ? っていうのを聞いて、資料作成中もそのゴールを強く意識するようになった。
天野
田端さん
徹夜すること自体に何の意味もないのよ。お客さんの前で「この資料徹夜でつくりましたから発注してください」って言ってたら、アホか?って話じゃん。
田端さん
そういう“つじつま合わせ”の本質的じゃない仕事をしてると、一番精神的にこたえるんだよ。
本質的じゃない仕事で徹夜とか長時間労働とかしてたら、それは心身を病むよね。
天野
田端さん
登る前から「富士登山なんか疲れるだけ」って言えないでしょ。やってみて、その本質を知ってから、「登山の意味」を語れるんだと。
まあ、おれは富士登山したことないけどね(笑)。
仕事が“オママゴト”に思えて転職。リクルートを選んだのは「目立てそう」だから
天野
田端さん
天野
田端さん
あれも何百億円も使い散らかして終わったわけでしょ。
俺は断言するけど、サービスの企画書の段階で、それを書かされてる若者は「こんなもんうまくいくわけねえよ」と思ってたはずですよ。
天野
田端さん
そういう仕事にだんだん虚しさを感じるようになってね。
天野
田端さん
天野
田端さん
大和証券と住友銀行がつくった大和証券SBキャピタルマーケッツっていう法人専門の証券会社だったんですけど、株が好きだしそこに行こうと思ってたんですよ。気分は映画の『ウォール街』(笑)。
天野
田端さんがそこでリクルートではなく証券会社に入ってたら、今のメディア業界はかなり変わってますね…。なぜ入社しなかったんですか?
田端さん
証券マンをやるための普通免許みたいなもんで、まあ別に不要な試験とまでは言わないけど、当時は「なんか意味ねえなあコレ」と思えてしまって。
証券会社って銀行よりはマシだと思ってたけど、やっぱり“お勉強大好きな秀才の文化”なんだなって。
天野
田端さん
なら、ネットビジネスで一流になりたいと思って、当時「ISIZE」っていうポータルサイトでネットの覇権を握るか握らないかってYahoo!とバチバチやってたリクルートの次世代事業開発室という組織に行くことにしたんです。
今の若者はもう「ISIZE」なんてサイト知らないだろうけど(笑)。
リクルートで学んだことは「板ばさみになってからが仕事」
天野
田端さん
天野
田端さん
電話で怒鳴られるくらいは平常運行という(笑)。
田端さん
まさに板ばさみの状況で、汐留の地下街をテクテク歩いてたの、すごい覚えてるもん。
天野
田端さん
今、会社員で板ばさみになってる状態の人は、「板ばさみになるからこそ、付加価値が出せる」と覚えといてほしいんですよ。
田端さん
でも板ばさみになってる状況で、「これを解決するにはこうするしかありません!」っていうナナメ上のクリエイティブな着地案を自分なりにぶち上げて、両方を説得することができれば、単なる通訳じゃなくなるチャンスでもある。
天野
田端さん
揉めてないときってルーチンワークなんだから、それはただの“作業”でしょ。
自分が怒られてたらツライとか思うかもしれないけど、サラリーマン同士が会社の看板背負ってやってる揉めごとなんて、しょせん“プレイ”みたいなもんだから。謝罪プレイ。
ブラックな環境に身を置いたほうがいいんですか?→「ブラックの定義は?」
天野
田端さん
というか、世間が何をもってブラックって言ってるのかがホントわかんないんですよね。じゃあさ、ブラック企業の定義ってなんですか?
天野
田端さん
田端さん
「家賃もかかんないし、逆にずっと会社にいたい」とか言って。
それって会社に長時間いるからブラックなのか?と。“会社を利用してやってる”と思えてるなら、違うんじゃないかと思うんだよね。
天野
田端さん
ホワイトなのかブラックなのかなんて、そこ次第じゃないの?
田端信太郎のキャリアは「感謝」であふれていた…!
「NTTデータ時代の上司も、エライ人にたてつきながら、ビシっと言うことは言う人で。でっかい絵を描いて仕事する醍醐味とか、主体的に仕掛ける“営業の楽しさ”、武士道ならぬサラリーマン道みたいなものを教えてくれたんだよね」
「そういう意味で『被害者意識』を感じずにここまで働いてこれてきた基礎は、20代なかばの自分を鍛えてくれた上司や先輩のおかげ。本当に感謝しかないですね」
いわゆる“ハイパー強者”ならではのコワモテなイメージとは違い、田端さんは自身のキャリアを振り返って「周りに恵まれた」と強調します。
転職や、自身のキャリアデザインを考えるR25世代は、やみくもにお金やステータスに憧れるのではなく、「仕事の本質」を考えてみては。でも、それにたどり着くためにはある程度のハードワークが必要なのか…。う~む。
〈取材・文=天野俊吉 新R25編集部(@amanop)/撮影=福田啄也 新R25編集部(@fkd1111)〉
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【4日連続公開】特集「はじめての転職 サバイバル」
明日公開する第2回の記事では、田端信太郎さんと箕輪厚介さんのコンビが、新R25編集部員のツイッターをガチコンサル! はたしてどんなダメ出しが…!?
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