無理やり「自分の夢」を作り出す必要はない
あなたの適正年収は“友だち”でわかる。キャリアの専門家が語る「転職の失敗を防ぐ方法」
キャリア
転職が当たり前になりつつある昨今ですが、今の職場でくすぶりながらも、あと一歩が踏み出せない人は多いのではないでしょうか。
「転職したいけど、アピールできるものがない…」と、自分に自信がない人が、転職に踏みきるにはどうすればいいのか。
4年間で500人の求職者を優良企業へと内定させてきたキャリアアドバイザーの魚津君明さんは、著書『人生を逆転させる転職術』のなかで、学歴や資格がなくても転職を成功させる「成功転職」の方法を説いています。
今回は同書から「転職の失敗を防ぐ方法」について書かれた箇所を抜粋してお届けします。
「転職したいけど、アピールできるものがない…」と、自分に自信がない人が、転職に踏みきるにはどうすればいいのか。
4年間で500人の求職者を優良企業へと内定させてきたキャリアアドバイザーの魚津君明さんは、著書『人生を逆転させる転職術』のなかで、学歴や資格がなくても転職を成功させる「成功転職」の方法を説いています。
今回は同書から「転職の失敗を防ぐ方法」について書かれた箇所を抜粋してお届けします。
【魚津君明(うおつ・きみあき)】1987年生まれ。青山学院大学経営学部卒業。株式会社キャリクリ代表取締役。大学時代に母親を亡くし、その後、父親の会社が倒産。弟は障害を抱え、家族を支えるためにサラリーマンとしてガムシャラに働く。困難を乗り越えてきた自分の経験を生かしてキャリアのアドバイスをしたいと思い、28歳で会社員を卒業し人材業界で独立。初年度から毎月100万円以上の収入を得られるようになり、父親が負っていた借金2000万円を20代で完済。3000社以上の企業とのパイプを持ち、毎月80名以上の求職者と面談し、年間100名以上の転職希望者を優良企業へ内定させている
目次
自分を雇いたいと思えないのに、採用されるわけがない
「自分で自分を雇いたいって、思える?」
転職したいと思っているだけで後は何も考えていない、なんの努力もしていないと、面接で少しでもそう感じたら、求職者にこの問いかけをします。
多くの人は、「えっ」という感じで、返事に戸惑います。 そして、ほとんどの人は、少しの時間を空けてから、「雇いたいとは思いません」と答えます。
不思議ですよね。自分にとってもっとも身近な存在の自分が、自分のことを雇おうとは思わない。
「自分で自分を雇いたくない」ということは、あなたを求める企業に出合う確率が、ほとんどゼロだということです。
考えてもみてください。たかが履歴書一枚程度のデータしかなく、その情報を面接でちょっとだけ補強できているにすぎない採用担当者は、あなたのことを知る、という点では初心者に過ぎません。
自分のことをもっと知っている自分がダメ出しをしているのに、あなたのことを表面的にしか知らない採用担当者が、あなたに魅力を感じると思いますか?
転職したいと思っているだけで後は何も考えていない、なんの努力もしていないと、面接で少しでもそう感じたら、求職者にこの問いかけをします。
多くの人は、「えっ」という感じで、返事に戸惑います。 そして、ほとんどの人は、少しの時間を空けてから、「雇いたいとは思いません」と答えます。
不思議ですよね。自分にとってもっとも身近な存在の自分が、自分のことを雇おうとは思わない。
「自分で自分を雇いたくない」ということは、あなたを求める企業に出合う確率が、ほとんどゼロだということです。
考えてもみてください。たかが履歴書一枚程度のデータしかなく、その情報を面接でちょっとだけ補強できているにすぎない採用担当者は、あなたのことを知る、という点では初心者に過ぎません。
自分のことをもっと知っている自分がダメ出しをしているのに、あなたのことを表面的にしか知らない採用担当者が、あなたに魅力を感じると思いますか?
自分に魅力がない現実を知るのも、「成功転職」の第一歩
求職者が最初に知る「現実の自分」の姿は、「自分で雇おうと思わない自分」です。
しかし、ひとつの答えが出せたという点で、「成功転職」への階段を1段は上がれたともいえます。
自分で自分を落とした理由がなんなのか。それをはっきり確認できれば、それがそのまま自分の改善点になるからです。
そこからの次のステップは、「今の自分に不足しているもの」を自分につけ足せばいいだけです。
経験が少ないのが理由なら、実務経験を積むための転職を1回挟んでもいいですし、資格を取って再チャレンジするのもいいでしょう。
しかし、ひとつの答えが出せたという点で、「成功転職」への階段を1段は上がれたともいえます。
自分で自分を落とした理由がなんなのか。それをはっきり確認できれば、それがそのまま自分の改善点になるからです。
そこからの次のステップは、「今の自分に不足しているもの」を自分につけ足せばいいだけです。
経験が少ないのが理由なら、実務経験を積むための転職を1回挟んでもいいですし、資格を取って再チャレンジするのもいいでしょう。
説明の仕方を変えればセールスポイントがつくれる
自分に自信がなくて転職に踏み出せない求職者もいます。チキンハートを「未経験」という、どうでもいいベールに包んで自分をごまかしているだけの求職者です。
それでもまだ救いがあって、勇気を振り絞るというメンタル面の課題だけクリアできれば、次のステップに移れます。
勇気を振り絞るには、自信をつけることが近道となります。そこで私は、何でもいいから自分のセールスポイントを見つけさせるようにします。
ネガティブな感情に支配されて、どれもこれも当てはまらないと悩んでしまうようなら、「ここをこう考えれば、セールスポイントにできるんじゃない?」「これをこう説明するだけで、自分のウリにできるんじゃない?」こんな感じでサポートはしていきます。
それでもまだ救いがあって、勇気を振り絞るというメンタル面の課題だけクリアできれば、次のステップに移れます。
勇気を振り絞るには、自信をつけることが近道となります。そこで私は、何でもいいから自分のセールスポイントを見つけさせるようにします。
ネガティブな感情に支配されて、どれもこれも当てはまらないと悩んでしまうようなら、「ここをこう考えれば、セールスポイントにできるんじゃない?」「これをこう説明するだけで、自分のウリにできるんじゃない?」こんな感じでサポートはしていきます。
自信がある人のなかには“勘違い人間”が混ざっていることも
一方で、「雇いたいと思える?」の質問に、元気よく即答で、「雇いたいと思えます!」という人もいます。
自信があるのはいいことなのですが、それが的外れという場合も、残念ながら多くみられます。
実際にあった例として、「自分、根気があって粘り強いんで、自分が面接官なら自分を採用します!」と豪語した男性がいました。でも履歴書を見ると「???」です。「いや、あの君さ、前職2年で辞めてるじゃん?」
根気も粘り強さも感じない情報を堂々と書いておきながら、それを「持っている」と断言できてし まう、単なる短所を長所といい張れる心臓の強さに、驚きながらも呆れてしまいました。
当たり前ですが、自分を正確に把握できていない勘違い人間を、世のほとんどの採用担当者が採用するはずがありません。
自信があるのはいいことなのですが、それが的外れという場合も、残念ながら多くみられます。
実際にあった例として、「自分、根気があって粘り強いんで、自分が面接官なら自分を採用します!」と豪語した男性がいました。でも履歴書を見ると「???」です。「いや、あの君さ、前職2年で辞めてるじゃん?」
根気も粘り強さも感じない情報を堂々と書いておきながら、それを「持っている」と断言できてし まう、単なる短所を長所といい張れる心臓の強さに、驚きながらも呆れてしまいました。
当たり前ですが、自分を正確に把握できていない勘違い人間を、世のほとんどの採用担当者が採用するはずがありません。
あなたの適正年収は、友だち5人の中央値でわかる
こうした勘違いを防ぎ、冷静に客観的に自分のセールスポイントを見つけるのに欠かせない作業が、「自分の立ち位置の確認」になります。
転職における「高すぎるハードル」を、いとも簡単に飛び越えられると錯覚している人は、かなりの確率で私の目の前に訪れます。例えば次のような例です。
履歴書を見ても面接での様子を見ても、ちょっと会話をしてみても、「今すぐ1000万円プレーヤーになりたい!」という夢を口にするわりに、明らかに叶えられそうもないような人たちです。
こういう傾向が求職者にあるとわかったとき、私は、「自分の友達5人を思い出してみて。その友達、なんの仕事している?」と問いかけます。
仮に「1000万円プレーヤー」の仲間入りできそうなバックボーンを持っているなら、求職者の身近な友達の中に、1000万円プレーヤーかそれに近い存在が、少なくともひとりはいるはずです。
いくら思い返しても「年収400万円クラスが限度」であれば、残念ながら「1000万円プレーヤー」の仲間に入れる確率は、現状ではほとんどゼロです。
私の経験則では、5人を挙げてもらった仲間の中間の年収が、その人が属している適正クラスです。
5人の仲間の中央値が年収500万円だったら、今のあなたの年収が300万円でも400万円でも、あなたが転職で手にできる最大年収は500万円前後、ということです。
20代前半で年収1000万円というのは、少なくとも日本国内ではほとんどお目にかかれない希少な存在です。
そんな人が身近にいるなら、あなたもその人と同じようなステージを踏んできているのですから、同じステージに上がれる可能性があるということです。
やはり資産家は資産家の周りで生まれます。お金持ちはお金持ちの近くに存在します。自分が人生を過ごしてきたステージには、同じステージに住むべき人間がいて、その人たちがつながりあって友達になります。
ですから学歴でも資格でも資産でもなんでもいいのですが、何も持っていない人の周囲には、やはり何も持っていない人が集まっていることが多いのです。
転職における「高すぎるハードル」を、いとも簡単に飛び越えられると錯覚している人は、かなりの確率で私の目の前に訪れます。例えば次のような例です。
履歴書を見ても面接での様子を見ても、ちょっと会話をしてみても、「今すぐ1000万円プレーヤーになりたい!」という夢を口にするわりに、明らかに叶えられそうもないような人たちです。
こういう傾向が求職者にあるとわかったとき、私は、「自分の友達5人を思い出してみて。その友達、なんの仕事している?」と問いかけます。
仮に「1000万円プレーヤー」の仲間入りできそうなバックボーンを持っているなら、求職者の身近な友達の中に、1000万円プレーヤーかそれに近い存在が、少なくともひとりはいるはずです。
いくら思い返しても「年収400万円クラスが限度」であれば、残念ながら「1000万円プレーヤー」の仲間に入れる確率は、現状ではほとんどゼロです。
私の経験則では、5人を挙げてもらった仲間の中間の年収が、その人が属している適正クラスです。
5人の仲間の中央値が年収500万円だったら、今のあなたの年収が300万円でも400万円でも、あなたが転職で手にできる最大年収は500万円前後、ということです。
20代前半で年収1000万円というのは、少なくとも日本国内ではほとんどお目にかかれない希少な存在です。
そんな人が身近にいるなら、あなたもその人と同じようなステージを踏んできているのですから、同じステージに上がれる可能性があるということです。
やはり資産家は資産家の周りで生まれます。お金持ちはお金持ちの近くに存在します。自分が人生を過ごしてきたステージには、同じステージに住むべき人間がいて、その人たちがつながりあって友達になります。
ですから学歴でも資格でも資産でもなんでもいいのですが、何も持っていない人の周囲には、やはり何も持っていない人が集まっていることが多いのです。
やりたいことがない人は、「他人の夢」に乗っかればいい
「何の仕事をしていいのかわからない!」
そう嘆く求職者は大勢います。「何をしたらいいのか…」という悩みを持っている人は、「夢がない人」です。
こういう人は、無理やり「自分の夢」を作り出そうとする必要はありません。夢の素材のようなものを自分の中に持っていないのなら、その状況を逆手に取ればいいのです。
「他人の夢に乗っかる」という方向で相手の転職先を私は絞り込んでいきます。これは本人に夢がなくてもまったく問題のない現実的な方法です。
会社の5年後のビジョンを高々と掲げている経営者がいたとして、求職者が「その実現を手助けしたい!」という気持ちを強く持てるのであれば、「経営者の夢」と「自分の夢」をイコールにしてしまえばいいのです。
そしてその会社に的を絞った転職活動すればいいのです。
「とある経営者の夢を実現させてあげる」という夢が、いとも簡単にでき上がります。
なかには、人の夢の実現を手伝うという局面で、いかんなく能力を発揮できる人がいます。チームプレイが得意で、一歩引いたところにいてはじめて能力が出せる人です。
こういう人は、無理して自分の夢をつくる必要はありません。
もうひとつ、「夢に乗っかる」という手法には意味があります。それは、「何をするかより誰とするか」ということです。
意外と人間は、自分がすること、しようとしていることそのものよりも、「誰とするのか」というところに、やりがいを感じることも多いのです。
飲食店のホール担当をしたいと思う人がいたとします。そして実際にその適性が高いとします。
それなのに現場でウマが合わない人たちに囲まれたら、「自分には、この仕事は向いていないみたいだ」というように考えが変わることもあります。これはもったいないことです。
逆に、なんらかの理由で不本意にも、自分に向いていない仕事に就いたとき、「自分に務まるのかな?」というように消極的な気持ちに包まれたとしても、いい同僚に恵まれたおかげで、「これこそ天職だ!今まで、なんて思い違いをしていたんだろう」というように考えかたが変わってしまうケースもあります。
このように、周りの人間次第で「成功転職」を実感できるパターンもあるのです。
そう嘆く求職者は大勢います。「何をしたらいいのか…」という悩みを持っている人は、「夢がない人」です。
こういう人は、無理やり「自分の夢」を作り出そうとする必要はありません。夢の素材のようなものを自分の中に持っていないのなら、その状況を逆手に取ればいいのです。
「他人の夢に乗っかる」という方向で相手の転職先を私は絞り込んでいきます。これは本人に夢がなくてもまったく問題のない現実的な方法です。
会社の5年後のビジョンを高々と掲げている経営者がいたとして、求職者が「その実現を手助けしたい!」という気持ちを強く持てるのであれば、「経営者の夢」と「自分の夢」をイコールにしてしまえばいいのです。
そしてその会社に的を絞った転職活動すればいいのです。
「とある経営者の夢を実現させてあげる」という夢が、いとも簡単にでき上がります。
なかには、人の夢の実現を手伝うという局面で、いかんなく能力を発揮できる人がいます。チームプレイが得意で、一歩引いたところにいてはじめて能力が出せる人です。
こういう人は、無理して自分の夢をつくる必要はありません。
もうひとつ、「夢に乗っかる」という手法には意味があります。それは、「何をするかより誰とするか」ということです。
意外と人間は、自分がすること、しようとしていることそのものよりも、「誰とするのか」というところに、やりがいを感じることも多いのです。
飲食店のホール担当をしたいと思う人がいたとします。そして実際にその適性が高いとします。
それなのに現場でウマが合わない人たちに囲まれたら、「自分には、この仕事は向いていないみたいだ」というように考えが変わることもあります。これはもったいないことです。
逆に、なんらかの理由で不本意にも、自分に向いていない仕事に就いたとき、「自分に務まるのかな?」というように消極的な気持ちに包まれたとしても、いい同僚に恵まれたおかげで、「これこそ天職だ!今まで、なんて思い違いをしていたんだろう」というように考えかたが変わってしまうケースもあります。
このように、周りの人間次第で「成功転職」を実感できるパターンもあるのです。
転職に踏み出す前に読んでおきたい一冊
人生を逆転させる転職術
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転職してキャリアアップできるのは特別な人だけなのではないか…と思ってしまいますが、そんな自信のない人におすすめしたい本書。
このほかにも、転職に踏み出すマインドセットや、自己分析の方法など、すぐに使えるノウハウが多数収録されています。
人生を逆転させるのは自分次第。転職で自分の市場価値を上げたいと思っているのであれば、まずは自分の意識改革をして、新しい人生への一歩を踏み出しましょう!
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