ビジネスパーソンインタビュー

各界で活躍するビジネス賢者に「今転職するなら、どの企業に入る?」と聞いてみた

どんな軸でキャリアを考えるべき?

各界で活躍するビジネス賢者に「今転職するなら、どの企業に入る?」と聞いてみた

新R25編集部

連載

新R25ワイ土ショー

2020/07/24

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毎日SNSをチェックするのが当たり前になった今、ビジネスパーソンの情報感度は高まっています。

ただ、SNSで目にするトレンドや社会情勢に対して、「自分の持論」を持てている人は少ないのでは?

新R25が毎週土曜日にお届けする「新R25ワイ土ショー」では、各業界で活躍するビジネス賢者に、トレンドや社会情勢にまつわるさまざまな質問を投げかけ、各々の持論を展開してもらいます。

賢者たちの回答をきっかけに、ぜひ自分なりの意見を考えてみてください!

初回のテーマは「転職」。

新型コロナウイルスの感染拡大によって、働き方が大きく変化したことで、自身のキャリアや生き方について考える機会が増えました。

転職サービス『doda(デューダ)』を運営するパーソルキャリアによると、2020年6月の転職希望者数が2014年4月の集計定義変更後で最高になったとのこと(※)。

そこで、各業界で活躍するビジネス賢者8人に、以下の2つの質問を聞いてみました。

転職するなら入りたい企業

今、転職するなら、どこの企業のどんなポイントを意識するか?

転職するか迷ったときの軸

転職するか、今の会社にとどまるべきか迷ったら、どんな観点で道を選ぶべきか?

moto「“上場を成し遂げた人がゼロから起業した会社”は視座を高く持って働ける」

撮影=森カズシゲ

【motoさん】33歳6社目のジョブホッパー。地方の短大を卒業後、新卒で地方中小企業(ホームセンター)へ入社し、人材広告会社→リクルート→スタートアップ(買収されて楽天)→ベンチャーというキャリアを歩む。現在年収1500万円超のサラリーマン。同時に「転職アンテナ」というブログを運営中

motoが考える「転職するなら入りたい企業」

motoさん

上場を成し遂げた人がゼロから起業した会社ですね。

大きなビジョンの実現に向けて純粋に取り組むことができます。

目の前の仕事のやり方に囚われず、視座を高く持って仕事ができるはずです。

motoの「転職するか迷ったときの軸」

motoさん

そもそもですが、転職に迷った時点でやめたほうがいいと思います。

自分はどうなりたいか?」という原点に立ち返ることが大切だと思います。

澤円「概念的な『会社』よりも、『この人と人生を共有したい』を最重視すべき」

撮影=渡辺健太郎

【澤円(さわ・まどか)】生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、大手外資系IT企業に転職。現在に至る。プレゼンテーションに関する講演を多数行ない「プレゼンの神」とも呼ばれている。琉球大学客員教授。数多くのベンチャー企業の顧問を務める

澤円が考える「転職するなら入りたい企業」

澤さん

ボクの場合、もはや社名で選ぶことはなくて「誰と働くか」が最重要になってきます。

概念的な存在である「会社」よりも、「この人と人生を共有したい」と感じられる誰かと一緒に働きたいですね。

そして、ボクは欲張りなので複数の会社や組織、コミュニティに自分の時間を分散して使いたいと思っていますし、すでにそうしてます!

澤円の「転職するか迷ったときの軸」

澤さん

親しい友人に「なんで転職したの?」と聞かれて、最初に口から出てくる転職理由が何かをシミュレーションしてみてください。

それが「超ポジティブな理由」であることが確定していれば、すぐに転職ですね。

嫌いな上司がいるから」「給料が安いから」といったネガティブな情報しか思いつかなかったら、転職はうまくいかないかもしれません。

自分の市場価値を高める時間を増やしてから転職したほうがいいと思います。

ひろゆき「政府の予算が貰えるポジションは相対的に有利になる」

撮影=長谷英史

【西村博之(にしむら・ひろゆき)】1976年、神奈川県生まれ。中央大学卒。1999年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2003年「未来検索ブラジル」取締役に就任。2005年にはニワンゴの取締役に就任(のちに辞任)。2015年には英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に

ひろゆきが考える「転職するなら入りたい企業」

ひろゆきさん

電通

不景気になると一般人の財布の紐はきつくなるので、政府の予算が貰えるポジションは相対的に有利になります。

ひろゆきの「転職するか迷ったときの軸」

ひろゆきさん

5歳年上の先輩の仕事ぶりと給料を聞いてみて、5年後にそういう人たちになりたいか?という観点で決めるといいんでないかと。

はあちゅう「やらなかったときの後悔のほうが大きいので、迷ったらすぐに転職すべき」

撮影=長谷英史

【はあちゅう】作家・ブロガー。慶應義塾大学法学部卒業後、電通、トレンダーズを経て独立。「人生全部コンテンツ」をモットーに、ネット時代の新たな作家の形を探り、媒体を横断した発信を続ける。2018年にAV男優の「しみけん」氏との事実婚を発表し、2019年9月に第一子を出産。著書に『「自分」を仕事にする生き方』(幻冬舎)、『旦那観察日記』(スクウェア・エニックス)など

はあちゅうが考える「転職するなら入りたい企業」

はあちゅうさん

好きなサービスに関わりたいので、楽天の「ROOM担当か、「Creema」か「minne」のイチオシ作品ピックアップ担当書店の新規サービス事業部のどれか。

年収やキャリアップとか小手先のことにはあまり興味がなくて、自分が好きなサービスを良くしたり、もっと広めたりすることにに人生を使いたいです。

はあちゅうの「転職するか迷ったときの軸」

はあちゅうさん

転職して合わなかったときは、普通に試験を受けて元の会社か業界に、また転職すればいいだけなので、迷ったら転職しましょう

転職しなかったら、この先「あのとき転職していれば…」とことあるごとに考えると思います。

やったことの後悔は日に日に小さくなるけど、やらなかったことの後悔は日に日に大きくなる

作家の林真理子先生の言葉で、私の座右の銘です。

スドケン「損得感情より、好き嫌いやどちらの人生が面白いか?という観点で見よう」

撮影=中澤真央

【須藤憲司(すどう・けんじ)】1980年生まれ。2003年、早稲田大学を卒業後、リクルート入社。史上最年少(当時)で、リクルートマーケティングパートナーズ執行役員に就任。2013年、アメリカでKaizen Platform社を起業。著書に『ハック思考』(幻冬舎)、『90日で成果をだす DX入門』(日本経済新聞出版社)

スドケンが考える「転職するなら入りたい企業」

スドケンさん

リクルートは、一度国内事業が分社化したところからまた一社になるので、ここからメディアや広告ビジネス以外のSaaSを伸ばしていくのが面白そう。

ヤフーも、LINEと統合したら、考えられる新規事業がたくさんあって面白そう。

スドケンの「転職するか迷ったときの軸」

スドケンさん

損得感情より、好き嫌いどちらの人生が面白いか?という観点も若い時は大切じゃないかと思います。

あと、一緒に働く人で成長曲線は変わるので、は重視して損がないと思います。

こうみく「戦略コンサルでビジネスの組み立て方・問題解決能力を鍛える」

撮影=福田啄也

【黄未来(こう・みく)】中国トレンドマーケター。1989年中国・西安市生まれ。6歳で来日。早稲田大学先進理工学部卒業後、2012年に三井物産に入社。国際貿易及び投資管理に6年半従事したのち、2018年秋より上海交通大学MBAに留学。現在は中国を本拠地として活動。オンラインサロン「中国トレンド情報局」も主宰

こうみくが考える「転職するなら入りたい企業」

こうみくさん

マッキンゼーボストン・コンサルティング・グループ

戦略コンサルは、ビジネスの組み立て方、問題解決能力が業界を横断して一番鍛えられます。

次の転職先も困らないし、プロジェクトを通して、さまざまな企業の戦略立案に携われるのは、キャリアパスとしても好奇心を満たす意味でも非常に魅力的です。

こうみくの「転職するか迷ったときの軸」

こうみくさん

年収を上げること」と「よりチャレンジができること」が両立できる環境を新しく見つけられるのであれば転職すればいいし、そうでなければそれができるまで、いまの場所で努力したほうがいいと思います。

もしくは、「新しい年収+副業の金額>いまの年収」という軸でもOKです。

ビジネスパーソンたるもの、「稼げる金額=自分の価値」というシビアな現実から目を逸らしてはいけません。

北野唯我「自分にとっての“緊張と緩和のバランス”が取れる環境を選ぶ」

撮影=長谷英史

【北野唯我(きたの・ゆいが)】博報堂、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年にワンキャリアへ参画、現在、取締役として事業開発・人事領域・PRクリエイティブ領域を統括。著書に『転職の思考法』『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩むすべての人へ』『分断を生むエジソン』など

北野唯我が考える「転職するなら入りたい企業」

北野さん

今だったら、インターステラテクノロジズ博報堂に入ります。

インターステラテクノロジズは、10年後に伸びてる産業で、かつハード技術の根幹を学べそうだから。

博報堂は、世界的に見ても日本の広告ビジネスは特殊であり、電博でしか経験できないことがあるからです。ただ、今入るのは難しいかもしれません。

北野唯我の「転職するか迷ったときの軸」

北野さん

緊張と緩和のバランスで見る。

緊張感がありすぎても人は疲れるし、緩和しすぎても進化はないと思っています。

人によって最適なバランスは違いますが、もし今の環境で自分にとって適度な緊張と緩和のバランスが整えられる余地があるなら残ってもいいと思います。

そうじゃないなら別の道を選びましょう。

佐渡島庸平「すぐに転職せずに、副業で相性のいい企業を探せ」

撮影=長谷英史

【佐渡島庸平(さどしま・ようへい)】株式会社コルク代表取締役。2002年講談社入社。週刊モーニング編集部にて、『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などの編集を担当する。2012年講談社退社後、クリエイターのエージェント会社、コルクを創業。著名作家陣とエージェント契約を結び、作品編集、著作権管理、ファンコミュニティ形成・運営などを行う。従来の出版流通の形の先にあるインターネット時代のエンターテイメントのモデル構築を目指している

佐渡島傭平が考える「今、転職するかどうか」

佐渡島さん

すぐに転職はせずに、副業で複数の企業で仕事してみることを勧めます。

そこで自分と相性がいい会社を探してみます。

もしも複数の副業でうまくいったら、フリーランスになります。

佐渡島傭平の「転職するか迷ったときの軸」

佐渡島さん

会社が嫌なのか、上司や今いる部署の人間関係が嫌なのか? を考えてみてください。

もしかしたらあなたが会社と呼んでいるものは“すぐそばの上司”かもしれません。

一度会社を観察してから決断してみてください。

賢者たちによると、若いうちは給与や待遇ではなく、業務環境に重きを置いたほうがいいそう。

働き方のルールが変わっている今こそ、自分のキャリアを見つめ直すいいタイミング。

ぜひ週末に、「今転職するならどこに行く?」「転職に迷ったらどうする?」ということを考えてみてください!

〈構成・文=福田啄也(@fkd1111)〉

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