ぶっちゃけ、どっちが有利なの?

転職エージェントと転職サイトの違いとは? 使い分けと活用法プロたちが伝授

キャリア
転職活動に役立つ「転職サイト」と「転職エージェント」。ただ、何が違うのかよくわからない…という方も多いのでは?

そこで、転職サービスの実態に精通した専門家に直撃。転職サイトと転職エージェントの違いや特色、転職活動の効率が上がる使い方を教えていただきました。

協力してくださったのはこちらの2名。
松本さん

松本さん

人事・戦略コンサルタントの松本です。

アクセンチュアなどの大手外資系コンサルティング会社に24年勤めて、プリンシパル(部長級)を経て現職に至ります。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上です。

さまざまな企業の人事とのつながりがあるので、企業側からの意見をふまえてコメントをします。
黒田さん

黒田さん

こんにちは、黒田です。リクルートでは「B-ing」「とらばーゆ」「フロム・エー」関西版編集長、「リクナビNEXT」編集長、「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長などを歴任しました。

現在はルーセントドアーズ株式会社を設立し、35歳以上のミドル世代を対象とした転職支援サービス「CareerRelease40」を運営しています。
※詳細プロフィールは記事の下部に記載しています。
〈聞き手=SYO〉
松本さん

松本さん

まずは、それぞれのサービスについて簡単に説明しましょう。

転職サイトは、さまざま企業の求人広告が集まっているサイトです。気になる求人案件を自分で探してスピーディに直接応募できるのがメリットですが、選考対策などは自分でしなければなりません。

一方、転職エージェントは、無料でアドバイザーがキャリアの相談に乗ってくれるサービスです。無料で相性のいい求人案件を提案してくれるのに加えて、過去の実績などをもとに選考のサポートもしてくれます。

つまり「サポートをしてくれる仲介者の有無」が、両者の一番の違いと言えます。
転職サイトの仕組みを図解した画像
転職サイトは、掲載されている求人案件を見て、自分で企業へ応募できるサービス。手軽に利用できる一方で、選考対策などは自分でやらなければなりません。
転職エージェントの仕組みを図解した画像
転職エージェントは求職者と採用企業の間に仲介者がいるサービス。おかげで求人案件の提案や選考のサポートを受けられます。
SYO

SYO

なるほど。特にはじめての転職の場合、サポートしてくれる人がいるほうが安心できそうです。
松本さん

松本さん

そうですね。下の表の通り、転職エージェントにはさまざまなメリットがあります。転職に慣れていない方は、アドバイザーに相談したほうがスムーズかもしれません。
転職サイト転職エージェント
求人数転職エージェントと比べると多い転職サイトに比べると少ないが、
非公開求人がある
理想の求人との
出会いやすさ
自分で探す手間がかかるアドバイザーが相性のいい
求人案件を提案してくれるので
出会いやすい
選考の
サポート
サイト上の説明を見ながら
自分で進めないといけない
職務経歴書の書き方や
面接対策などを
アドバイスしてくれる
年収交渉自分でやらないといけないアドバイザーが代行してくれる
退職
サポート
自分でやらないと
いけないケースが大半
アドバイザーがサポート
してくれるケースもある

転職サイトと転職エージェントは、ビジネスモデルも違う

松本さん

松本さん

もう少し詳しい話をすると、転職サイトと転職エージェントではビジネスモデルが異なります。そのため、集まる求人案件にも差があるんです
SYO

SYO

どういうことでしょう?
松本さん

松本さん

転職サイトは、企業がお金を払って求人広告を掲載する「掲載課金型」で、求職者は無料で使えます

求職者は、掲載された広告を自由に検索・閲覧ができ、気になるものがあれば誰でも気軽に応募できます。

企業からすると、多くの求職者に求人広告を見てもらえるため、1人あたりの採用コストが安く済むのが特徴です。

なので、大量採用を考えている企業や、採用コストを抑えたい企業の求人案件が集まりやすい傾向にあります
SYO

SYO

転職サイトが無料なのはわかるんですが、転職エージェントも無料なんですよね。アドバイザーが付くなら人件費がかさみそうですが、どうして無料で使えるんでしょうか?
松本さん

松本さん

その理由も、転職エージェントのビジネスモデルを知ればわかるはずです。

転職エージェントは、1人の採用が確定した時点ではじめて報酬が発生する「成果報酬型」。採用した人の年収の3~4割を、企業が“紹介手数料”として転職エージェントに支払う仕組みです。
SYO

SYO

年収の3〜4割となると、結構な金額になりますよね。
松本さん

松本さん

はい。1人の転職が決まるたびに企業からまとまった報酬が入るので、求職者は無料で使えるというわけです。

企業からすると、1人あたりの採用コストがかさむということ。なので、お金をかけて質のいい求職者を吟味したい企業の求人案件が集まりやすいです。

成長盛りの企業や、新規プロジェクトメンバーなどの重要なポジションを求めている企業が転職エージェントを好んで使っています。

転職サイトと転職エージェントはどう使い分ける?

SYO

SYO

仕組みの違いがわかったので、次はそれぞれの活用法について教えてください。転職サイトと転職エージェント、どちらのほうが有利なんでしょうか?
松本さん

松本さん

どちらが有利とは言いきれませんが、向いている方は違います。

転職サイトは、すでに目指す業界や職種がはっきりしていて、ある程度は転職活動に慣れている方に向いています。

一方で転職エージェントは、どんな業界に行くか悩んでいる方や、転職にあまり慣れてない初心者に向いています。

アドバイザーに職務経歴書の添削をしてもらえたり推薦文を添えてもらえたりするので、直接応募するよりも選考が通過しやすくなるというメリットもありますよ。

とはいえどちらも無料ですので、両方を上手に併用してチャンスを逃さないのがベストだと思います。
SYO

SYO

併用が一番いいんですね。その場合、使うサービスをどうやって選ぶといいんでしょう?
松本さん

松本さん

どちらも求人案件を網羅的に抱えている「総合型」と、特定の領域に特化した「特化型」があります。

総合型の転職サイトと転職エージェントにはそれぞれ必ず1〜2個登録し、さらに転職先の希望が明確であればそこに特化したものも2〜3個、合計で3〜6個ぐらいは登録するといいでしょう。

転職先の検討段階ではできるだけ視野を広げたほうがいいので、抱えている求人案件が違う複数のサービスに登録すると、理想の転職が近くはずです。
SYO

SYO

転職サイトはそれぞれ特徴ありそうなイメージが湧くのですが、転職エージェントって結局はどんなアドバイザーが担当になってくれるかがキモじゃないですか?
松本さん

松本さん

その通りです。なので転職エージェントは登録前の段階ではそれほど絞り込まないことをおすすめします。

まずは複数のものに登録して、担当者との相性などを基準に厳選しましょう。

転職サイトと転職エージェント、どちらから応募すればいい?

SYO

SYO

転職サイトと転職エージェントを併用する場合、どちらから応募すればいいのか迷ってしまいそうです。
黒田さん

黒田さん

気になる求人案件を見つけたら、どちら経由であってもすぐに応募すればいいと思います。

というのも、求人案件との出会いは“一期一会”。今日あった求人案件が明日にはなくなるかもしれないので、スピード感を持って応募するのが大切だからです。

採用コストを抑えたい企業は、成果報酬型の転職エージェント経由よりも転職サイト経由の応募者を優先することもありますので、気になる求人案件があれば自分で積極的に応募しましょう。
ライター松本

ライター松本

なるほど。応募前にアドバイザーに相談したほうがいいケースもあるんですか?
黒田さん

黒田さん

自分で企業情報を調べ、志望動機が明確にできる場合は相談しなくてもいいと思います。

企業の内情や求めている人材などを教えてもらったり、面接対策を手伝ってもらったりしたいのであれば、アドバイザーに相談してから応募してもいいでしょう。

場合によっては、アドバイザーに推薦状を書いてもらえる可能性もあります。

おすすめの転職サイトと転職エージェント

新R25転職は、転職サービスの実態に精通した専門家にご協力いただき、実際に利用したことのある約2000人を対象におすすめの転職サイト・転職エージェントについて調査しました。
こちらの記事では、特におすすめできる転職サイト・エージェントのみをご紹介します。
松本さん

松本さん

転職エージェントは、登録前の段階ではそれほど絞り込まないことをおすすめします

担当アドバイザーが転職の成否を分けるので、複数のサービスに登録してから厳選するべきだからです。

転職サイトと転職エージェントには、どちらも求人案件を網羅的に抱えている「総合型」と、特定の領域に特化した「特化型」があります。

総合型の転職サイトと転職エージェントにはそれぞれ必ず1〜2個登録し、さらに転職先の希望が明確であればそこに特化したものも2〜3こ、合計で3〜6個ぐらいは登録するといいでしょう。
種別おすすめの
サービス名
ユーザー
満足度
総合型
エージェント
89%登録
する
総合型
サイト
92%登録
する
総合型
エージェント・
サイト一体型
89%登録
する
これ以外にも、詳細な評判やほかのおすすめサービスが知りたい方は、ぜひ下記のリンク先の記事もご覧ください。

転職エージェントを使った転職活動の流れ

転職エージェントを利用した転職活動は、下記のような流れで進みます。詳しくは、解説記事をチェック!

転職活動の流れを解説した図

転職エージェントに登録

まずは転職エージェントに登録するところから利用は始まります。

どの転職エージェントも無料で登録できるうえに、アドバイザーとの相性がその後の転職を左右するので、複数に登録してから厳選するのがおすすめです。

登録の際には、これまでの職歴や現職の職種/年収、転職の希望条件(年収/職種/タイミングなど)をあらかじめ入力するのが一般的です。

こちらの情報をもとにキャリアアドバイザーとの面談がおこなわれるため、正確な情報を記入しましょう。

情報の登録が完了したら、近日中に面談の日程調整の連絡がくるはずです。都合の良い日程で面談の予約をしましょう。

転職エージェントの担当者との面談

面談は各転職エージェントに所属するキャリアアドバイザー(または キャリアコンサルタント)とおこないます。

最初の面談では登録した職歴や転職の希望条件に関するヒアリングがおこなわれます。おそらく初めての転職のときに特に役立つのがこの面談です。

担当のキャリアアドバイザーは、転職市場の需要と照らし合わせてあなた自身が気づいていない強みやスキルを引き出してくれます。

職歴や希望条件を整理したあとで、それらの条件に合う求人を提案してくれます。その場で応募を強制されるようなことはなく、考える時間を設けてくれるはず。提案された求人を検討しましょう。

転職エージェントからの求人の提案は、良くも悪くも予想外のものが含まれる可能性があります。はじめは違和感があるような求人であっても、それがあなたにマッチすると考えての提案なはずなので、一度は真剣に検討してみるのがおすすめです。

また、このタイミングで転職サイトにも登録して、自分でいろんな求人を眺めるのも良いでしょう。

転職先への応募書類の作成

転職希望先が決まったら、次は書類選考用の書類を用意することになります。

ほとんどすべての作業を自分でこなさなければならない転職サイトとは違い、応募書類の準備についても転職エージェントによるサポートが受けられます。

まずは履歴書や職務経歴書を自分で書いてみて、それを担当のキャラリアアドバイザーに確認してもらいましょう。選考をおこなう企業側の目線でフィードバックがもらえます。

また、用意した応募書類と一緒に推薦状を用意してくれることが多いです。それらをセットにして選考通過の確率を上げてくれるのが、転職エージェントを活用する大きなメリットの1つです。

担当者と面接対策をおこなう

書類選考を通過したら、次は面接です。こちらのステップでも転職エージェントによるサポートが受けられます。

過去に応募した方の情報をもとに想定質問を共有してくれたり、希望する方には模擬面接もおこなってくれたりします。

特に初めての転職では勝手がわからないことが多いはずなので、何かしら困ったことがあれば担当のキャリアアドバイザーに遠慮せず言ってみましょう。きっと力になってくれるはずです。

内定後の手続き(給与交渉/退職準備)

転職エージェントによるサポートは、内定が出たあとにも続きます。

まず複数の内定が出た際には、入社しない企業への辞退の連絡を転職エージェント経由でおこないます。

そして入社を決めた企業とは最終的な条件を調整します。希望する年収や入社のタイミングなどを担当者に伝えると、できるだけ条件に合うように交渉をしてくれます。

最後には現職の退職準備のサポートもしてくれます。数々の退職者を見てきたうえでのノウハウがあるので、細かいことでも遠慮せずに聞きましょう。

これらが終わればあとは入社するだけ。新しい職場にスムーズに馴染めるように準備を進めましょう。

転職エージェントのよくあるQ&A

ここからは転職エージェントに関する“よくある質問と回答”をまとめています。

詳しい回答が気になる方は記事をご覧いただき、これからの転職活動に活かしてください。

Q

転職エージェントの利用がおすすめな理由は?

A

担当のアドバイザーがカウンセリングをもとに相性のよさそうな求人を提案してくれます。そのため良い意味で予想外の出会いが生まれやすいです。また、選考のサポートもしてもらえるので、初めての転職では特におすすめです。

Q

転職エージェントは無料?どうやって稼いでるの?

A

転職希望者は無料で使えます。 その理由は、採用が決まると企業から成果報酬がもらえるビジネスモデルだからです。

転職エージェントを使っても費用がかからない理由は?|新R25転職

Q

何社の転職エージェントを掛け持ちすべき?

A

違う強みを持つ転職エージェントを3社ほど掛け持ちするのがおすすめです。たとえば1つはリクルートエージェントなどの総合型の大手。2つ目は第二新卒向けなど自分の年齢に特化したもの。3つ目に希望の業界に特化したものなど。そうすることで、より希望する条件の転職が実現しやすくなるでしょう。

Q

中小の転職エージェントはイマイチ?

A

小さい転職エージェントの良さもあります。 たとえば特定の領域により特化していたり、あなたをより丁寧に扱ってくれたりするかもしれません。

Q

すぐ転職するつもりはなくても使っていいの?

A

キャリア相談するだけでも大丈夫です。そうやって使っている方も多くいます。また、まともな転職エージェントほど、転職意向度の低い方も相手にしてくれます。

転職エージェントの登録は、転職する気がなくてもOK?|新R25転職

Q

転職エージェントはいつ登録すべき?

A

転職活動が終わるまでにだいたい2〜3カ月ほどはかかります。なのでもし転職時期の希望があるなら、その3カ月前を目安に登録するのがおすすめです。また、すぐ転職するつもりがなくてもとりあえず登録しておいて、年に1回ほど健康診断のようなつもりでキャリア相談する使い方もおすすめです。

転職エージェントの活用法などをプロたちが伝授|新R25転職

Q

アドバイザーはどうやって選べばいいの?

A

会ってみて、いくつかの判断基準をもとに選定しましょう。特におすすめなのは下記のポイントです。

良いアドバイザーのチェックポイント

失敗しないアドバイザーの選び方をプロが解説|新R25転職

Q

転職エージェンを使わないほうがいいケースもある?

A

結局は担当者との相性が重要なため、当たり外れは確かにあります。また、転職サイトを使って自分で転職活動を進めるなどの代替手段もあります。しかし非公開求人を紹介してもらえるなど、利用するメリットも大きいのであえて避ける必要はないかと思います。一方、あえて使わなくてもいい人を挙げるとすると、行きたい会社が決まっていて直接応募をすれば良いケースなどです。

Q

面談の前には何を準備すればいい?

A

面談の前に、ある程度は転職の希望を明確にしておきましょう。そのほかの準備物は下記の画像や記事をご覧ください。

転職エージェントとの面談前に準備すべきことs

面談前に準備すべきものをプロが解説|新R25転職

Q

サポートを途中で断る方法は?

A

メールや電話で意思を伝えるだけでOKです。担当者がしつこいと感じたときや、「使えない」「むかつく」と感じたら、遠慮なくほかの転職エージェントを利用することをおすすめします。

転職エージェントの断り方/退会方法をプロが解説|新R25転職

Q

転職エージェントに面談を断られたらどうすべき?

A

そのほかの転職サービスを利用しましょう。 代表的なのは「リクナビNEXT」などの転職サイト。そのほかにもハローワークサポステといった厚生労働が運営する就労支援サービスを利用しても良いかもしれません。

Q

転職エージェントの裏事情が知りたい

A

転職エージェントは企業から成果報酬をもらうビジネスモデルのため、企業側の意図で動いている部分もあります。詳しくは下記の記事をご覧ください。

転職エージェントの裏事情”をプロに聞いた|新R25転職

Q

転職サイトも一緒に利用すべきですか?

A

転職エージェントと転職サイトは併用するのがおすすめです。なぜなら転職エージェントよりも多くの求人を自分で眺められるので、より自分の視野を広げるのに役立ちます。また、大手の転職サイトだと初めての転職をサポートするノウハウ記事も充実しているため、それらを読むのも良いでしょう。

転職エージェントと転職サイトの使い分けをプロが解説|新R25転職

Q

転職エージェント経由で内定辞退するには?

A

とにかく本音で誠実に話しましょう。

転職エージェント経由で内定辞退する方法をプロが解説|新R25転職

〈取材・文=SYO(@syocinema)、編集=石川みく(@newfang298)〉

精通者たちの詳細プロフィール

【黒田真行(くろだ・まさゆき)】1988年、リクルート入社。2006年から2013年まで「リクナビNEXT」編集長、その後「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長、「リクルートメディカルキャリア」取締役などを歴任。2014年、ルーセントドアーズ株式会社を設立し、35歳以上のミドル世代を対象とした転職支援サービス「CareerRelease40」を運営。著書に『転職に向いている人転職してはいけない人』(日本経済新聞出版社)、『40歳からの「転職格差」まだ間に合う人、もう手遅れな人』(PHPビジネス新書)がある
【松本利明(まつもと・としあき)】人事・戦略コンサルタント。大手外資系コンサルティングファームに24年勤務しプリンシパル(部長級)を経験。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上。HR総研の客員研究員も務めている。著書に5万人のリストラと6500名以上のリーダーの選抜と育成をした人の「目利き」。『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)『稼げる人稼げない人の習慣』(日経新聞出版社)などベストセラー多数。BBC、TBS、日本経済新聞、東洋経済などメディア実績多数

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