ビジネスパーソンインタビュー
「リモート化で失われたものがあります」
「リーダーの力量はここに出ます」田端&麻野が語る“オンラインで強いチームをつくる方法”
新R25編集部
メールやメッセンジャーなどのコミュニケーション機能と、顧客・案件管理やファイル管理などの業務ツールが一体となった情報共有ツール「kintone(キントーン)」。
シームレスな情報共有やデータの見える化によって、ビジネスのバラバラをひとつにまとめてくれるサービスだそうですが、まさに今、テレワークの普及によって「何となくチームがバラバラになっている」という感覚を持っている方は多いと思います。
そこで今回は、チームマネジメントのプロである田端信太郎さんと麻野耕司さんの2人にインタビュー。
kintone PR担当の佐藤さん同席のもと、「オンライン時代に強いチームをつくるには?」というテーマで話を聞いてきました。
明日からマネジメントに活かせる話が満載の対談です!
【田端信太郎(たばた・しんたろう)】NTTデータを経てリクルートへ。フリーマガジン『R25』を立ち上げ、創刊後は広告営業の責任者を務める。その後ライブドア、コンデナスト・デジタル、NHN JAPAN、ZOZOなどで要職を歴任。現在は退職
【麻野耕司(あさの・こうじ)】リンクアンドモチベーションにて、中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング事業の執行役員に当時最年少で着任。新規事業として国内初の組織開発クラウド「モチベーションクラウド」を立ち上げる。2019年リンクアンドモチベーション取締役を退任し、オンラインでKnowledge Workを創業
テレワーク時代に必要なのは…エモのシェア!?
ーー(編集部)仕事のオンライン化で「何となくチームのまとまりが失われている」と感じている人が多いと思うんですが、その一番の原因って何ですかね?
田端さん
間違いなく、エモのシェアですね。
テレワークだと全然足りないんですよ。エモのシェアが。
田端さんから「エモ」という意外な言葉が…
田端さん
ライブとかフェスでなぜ人々が熱狂するかって、「あの瞬間マジでやばかったよね!?」っていう感情や体験のシェアがあるからじゃないですか。
チームの一体感をつくってるのも、これと同じようなエモのシェアだと思います。
麻野さん
たしかに、「この前相談していた案件、なんと受注しました!!」「おお! よかったな!!」みたいなものが「俺たちいいチーム感」をつくり出していましたよね。
これまではオフィスに一緒にいるだけでそれを何となくシェアできていましたけど、テレワークだと意識的にシェアの機会をつくらないといけなくなったなと。
田端さん
まさにそこが、リーダーの力量が試されるポイントで。
田端大学(※田端さんが運営するオンラインサロン)では、今度サロン内の人がつくってる高級レトルトカレーをみんなで買って、テレビ電話をつないで一緒に食べてみようと思ってますね。
麻野さん
オンラインでカレーを同時に食べるってなかなか新しいですね(笑)。
でも食べ物をシェアするって、人間が古来からやってきたことなんで、強力にエモがシェアできる気もします。
田端さん
大事なのは、ただ一緒に酒を飲むだけじゃなくて、同じタイミングで「うめええ!!」って感動することですよ。
エモのシェアをしたいからと言って、これまでの延長で何となくオンライン飲み会をやっても、メンバーにとってはしんどいだけだったりするので。
切ないけどめっちゃわかります
麻野さん
振り返ってみると、僕がテレワークでチームを盛り上げるためにやっている取り組みもエモのシェアな気がしてきました。
特に上手くいったのは「Good&New」というもので、24時間以内に起こった「いいこと」や「新しいこと」を毎朝15分で全員が発表していくだけなんですけど。
「俺もそんなことあったわ〜」って共感したり笑ったりするだけで、「なんかいいな、このチーム」ってなるんですよね。
田端さん
それはシンプルにエモをシェアできるいい取り組みですね。
麻野さん
「昨日の晩ごはんが美味しかった」みたいなことを順番に言うだけなので、効率面だけで考えたらこの上なく意味のない時間なんですけど(笑)。
でも、これを始めてから組織の雰囲気は明らかによくなりましたね。
チームは、シェアしているものが多いほど強くなる
麻野さん
でも、まずはエモ以前に業務で必要な情報をシェアすることが大切ですよね。
特にテレワークでは、目標や仕事のノウハウもしつこいくらい意識的にシェアしないとすぐに忘れられてしまいますし。
田端さん
まさに、チームってシェアしているものが多いほど強くなるんですよ。
組織論に「機能体」と「共同体」っていう言葉があって、機能体は「ある目的を達成するための集団」、共同体は「居心地のよさを求めている集団」という意味なんですけど、会社にはそのどちらの側面もあって。
田端さん
ここまで話したエモのシェアは、チームの(共同体としての)居心地のよさを高めるためのもの。
これに加えて、リーダーはチームの(機能体としての)目的意識を高める工夫をしなきゃいけないと思います。
麻野さん
よく営業組織で「この売上を達成したら全員で社員旅行だ!」って決めてポスターを貼り出したりしますけど、同じ目標を共有するのって大事だなとテレワークになって改めて感じてますね。
僕の会社でも、進捗共有の発表を「四半期に1回」から「週1回」に増やして、目標を繰り返しシェアしています。
田端さん
リーダーにとっては当たり前のKPIでもメンバーは意外とすぐ忘れちゃうから、やりすぎなくらい共有したほうがいいと思います。
昔いた会社では、オフィスの壁に貼ったグラビアアイドルのポスターに上から付箋(ふせん)を貼って、受注が決まったら少しずつはがしていくみたいなこともやってる部署もありましたね(笑)。
「今やれって話じゃないですよ! あ、 あくまでたとえだから!」
田端さん
あと、メンバーの目的意識を高めつつ、エモもシェアできる強力な方法だと「表彰制度」がありますよね。
テレワークでは、これを徹底的に工夫した方がいいと思います。
麻野さん
そうですね。ただ、表彰制度はオンラインだと工夫しないとスベっちゃいますよね。
「ハイパフォーマーが壇上に立って先輩や上司と抱き合う」みたいな盛り上げをどうやってオンラインでも再現するか、悩ましいです。
田端さん
ひとつ確実に言えるのは、なるべくわかりやすいリアクションがもらえる場所で褒めてあげたほうが承認欲求が満たされてモチベーションが上がるってことですね。
たとえば、表彰をSHOWROOMとかでライブ配信してみる。表彰者が発表された瞬間に、メンバーがコメントや投げ銭をして「クラッカーがパパパーン!!」「コインがドドドドド!!!」みたいな。
そしたらもう、脳内麻薬ドバドバの大フィーバーですよ!
参考になるけど表現がすごい怖い
麻野さん
それは表彰された人、気持ちいいだろうなあ!(笑)
田端さん
今は業務のための情報共有はもちろん、こういうエモのシェアをうまく設計できるかがチームリーダーの腕の見せどころですよね。
僕も、1日の3分の1はどうしたら田端大学のメンバーに喜んでもらえるか考えてるもんなあ。
麻野さんが“クラウドの王様”と評価した「kintone」の魅力とは?
ーー(編集部)今回協賛していただいているkintone(キントーン)が、まさに目標や情報、メンバーの意識の共有によって組織の一体感を高められるツールなので、ぜひ紹介させてください!
佐藤さん
kintone PR担当の佐藤と申します。
kintoneは、メールやメッセンジャーの代わりとなるコミュニケーション機能と、顧客・案件管理やファイル管理などの業務ツールが一体となった情報共有ツールです。
今お話しいただいたような目標や情報の共有によってビジネスのバラバラを解消し、オンライン時代でも強いチームをつくることができます。
kintoneの画面を見せながらサービス紹介がスタート
佐藤さん
kintoneには「スペース」というチームのための情報を集めることができる場所がありまして、「営業部スペース」「総務部スペース」のように部署やチームごとに部屋をつくってやりとりをすることができます。
スペースのなかでは、このように目標数字や売上状況のグラフを常に共有できるだけでなく、「案件の相談」「勤怠連絡」など話題ごとにスレッドを立てられて、コミュニケーションをとることができるんです。
麻野さん
コミュニケーションツールって常に使うものですから、目につきやすいトップに目標を貼りつけてシェアしつづけられるのはいいですね。
田端さん
画像や資料をなんでも貼りつけられるなら、グラビアアイドルのポスターも貼れるんじゃないですか?
「え、だめ?」だめです
佐藤さん
説明を続けます(笑)。
kintoneには「アプリ」というデータベース機能もあって、「日報」や「顧客・案件管理」「ファイル管理」など業務上のさまざまな情報共有シーンにお使いいただけます。
kintone内の「アプリストア」には100種類以上のサンプルアプリがズラリ
「アプリ」の項目は、業務内容にあわせてドラッグ&ドロップ操作で自由にカスタマイズできるそうです
麻野さん
必要な業務ツールがあれば、kintone内でほぼなんでもつくれるってことですよね。
たとえば、アプリで案件の進捗確認を一緒にしながらコミュニケーションをとったりもできるんですか?
佐藤さん
可能です。
アプリにはチームとのコミュニケーションができるコメント欄がついているので、案件のデータを見ながら同じ画面内でメッセージのやりとりもできます。
麻野さん
すごいなあ。起業するときに、メッセンジャーや資料作成ツールのような業務ツールを6個くらい導入しましたけど、全部kintoneでできちゃうじゃないですか。
…これはもう、クラウドの王様ですよ(笑)。
「クラウドの王様」いただきました
kintoneで社内Twitter的な使い方も!? オンラインでエモもシェアできる機能とは
田端さん
これ、kintoneのなかに入ったら新入社員でもその部署の雰囲気がまるっと感じられてよさそうですよね。
麻野さん
たしかに。ちょうど今、新入社員がリモートだと組織になじみづらいと言って人事の方々が悪戦苦闘してますもんね。
田端さん
メッセンジャーはこっちで、資料管理はこっちで…とかやってたら、新入社員はそれだけで混乱しちゃいそうですけど、これなら「とりあえずkintoneに入って雰囲気見といて」と言えばいいのでラクそうです。
麻野さん
たしかに、kintone上でほとんどの仕事をこなせるならもはやオンラインオフィスみたいなものですし、リアルのオフィスに集まるよりkintoneでのやりとりを見てもらったほうがチームの雰囲気が100倍伝わりそうですよね。
「いつ出退勤してるのか」とか「若手でも自由に発言できる環境なのか」とか一目でわかりますし。
佐藤さん
弊社でもkintoneを使って新入社員にオリエンテーションをおこなったんですが、完全リモートでも楽々進めることができました。
新入社員からは、「会わなくてもチームの空気感がよくわかった」「過去のコミュニケーションを見て仕事の進め方を学べた」などの感想が出ていて、日ごろのやりとりをkintoneにストックしておいてよかったと思っています。
田端さん
それはいいな…
ちなみに、目標やデータだけじゃなく、エモもシェアできるような機能はないんですか?
佐藤さん
そうですね…
サイボウズ社内では、「分報」という社内Twitterのようなスペースをつくっておりまして、各々が思ったことをつぶやいて、誰でも自由にコメントをして一緒に盛り上がれるようにしています。
kintoneは使い方次第でエモもシェアできる!?(それにしても合法的にヤバい成分って…どんなおやつなんだ)
佐藤さん
弊社代表の青野が「オフィスで感じていた“雑音”をkintone内で再現しよう」と言っておりまして、こうした自由な活動をおこなうことでオンラインでも「チームへの所属感」を感じられる工夫をしています。
田端さん
その“雑音”がまさにお話ししていたエモですね。
まあ、僕ならもっとくだらない話をしますけどね。ひたすらアイドルを語るスペースをつくるとか。
佐藤さん
なるほど(笑)。
kintoneではスペースの目的や名前を自由につくれるので、そのような使い方も可能ではあります。
田端さん
よく「ビジネスに感情を持ち込むな」って言いますけど、チーム内で感情を隠すと雰囲気が硬くなってしまうんですよ。僕の経験則ですけど、よく笑うチームはパフォーマンスも高い。
大真面目に、リーダーはとにかくくだらないことをやって、チームメンバーが自然とふざけられるような空気をつくるべき。
「カラオケで下手なやつが最初に歌ってくれたら、その後みんな歌いやすい」みたいなことですよ(笑)。
麻野さん
kintoneを見ていて思ったんですが、オンラインでもここまで目標やデータを透明化してカスタマイズで自分たちの型をつくることができると、チームメンバーも自走しやすいですよね。
いちいち上からの指示を待たなくても、自分から判断材料を取りにいって行動できますし。
田端さん
リーダーやマネージャーの役割って、メンバーをエラそうに上から管理することじゃなくて、自然と働きやすくなるように環境を整えることなんですよ。
それこそDJみたいなもので、「おまえら踊れ!」って言うんじゃなくて踊り出したくなる雰囲気をつくるという。
そういう意味で、リーダーはぜひkintoneを導入してチームが自然と自走できるようにしたり、くだらないスペースをつくってふざけられる空気を醸成したりしてほしいと思いますね。
麻野さん
そうやってチームが自走してくれることで、リーダーがさらにDJの仕事に集中できるという好循環も生まれますね。
そうなると、いよいよリアルでまったく会わなくても会社がまわるようになってきそうです。
田端さん
そしたら、「オフィスは契約せずに通常業務はkintone内で進めて、浮いたお金で社員旅行しちゃえ!」みたいな働き方になってくるんじゃないですか? ワッハッハ!
麻野さん
それ、めっちゃいいですね!
「チームは、シェアしているものが多いほど強くなる」
オンライン時代のチームには、業務の情報もチームのエモもシェアできるプラットフォームが必要不可欠。
そのどちらもシェアできるkintoneは、リーダーがDJのように「メンバーが自然と踊りだしたくなるような環境」をつくるための強力な武器になりそうです。
リーダーのみなさん、これを機に頼れる部分はkintoneに頼って、強いチームづくりの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
〈取材・文=森久保発万(@vneck_now)/編集=渡辺将基(@mw19830720)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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