ビジネスパーソンインタビュー
ハードワーカーなイメージのある「広告業界の革命児」にきいた
「“寝ないで働く美学”を捨てられない」とGO三浦さんに相談したら、「他人のためにも寝ろ」と喝破された
新R25編集部
さまざまな場面で「睡眠の重要性」が話題になってますが…「睡眠より優先することがある」と、適当に聞き流している人も多いのでは?
そんなあなたを、今度こそ眠らせるための連載を作ってみました。
タイトルは「本気の睡眠革命」。株式会社ブレインスリープとタッグを組み、文字通り本気で睡眠を掘り下げていく企画です。
第1回にご登場いただくのは、The Breakthrough Company GOの代表で、PR/CreativeDirectorの三浦崇宏さん(Twitter)。
テーマは「“寝ないで頑張りたい気持ち”とどう向き合うか」。
ストイックな働き方に憧れ、ついつい夜通し原稿を書いてしまうタイプの筆者が、積年の悩みを三浦さんにぶつけてきました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
【三浦崇宏(みうら・たかひろ)】1983年生まれ、東京都出身。博報堂、TBWA HAKUHODOを経て現在The Breakthrough Company GO代表取締役。4月5日に『「何者」かになりたい 自分のストーリーを生きる』(集英社)を上梓。
自分のためじゃない。「他人のため」に寝るんだよ
石川
さっそく相談なんですが…私、仕事をがんばりたいときほど、睡眠を後回しにしちゃうんです。
三浦さん
ほう、どうして?
石川
「時間をかければかけるほどいいものが生まれる」みたいな美学、あるじゃないですか。
いいアウトプットのためには“寝ないで頑張る”ことも必要なんじゃないかって…
三浦さん
ああ、それは“頑張ってる感”に酔ってるだけ。
言われてしまった…薄々感づいてはいたんだよな…
三浦さん
時間をかければかけるほど、アウトプットのクオリティが上がるのは間違いないよ。
でも、その「時間をかける」のなかに「睡眠」も入ってないと、100%努力してるとは言えないわけ。
“いいメロディ”って、休符がないと成り立たないじゃん。それと同じで、睡眠もアウトプットを構成する大事な要素のひとつなんだよ。
「“寝ないで頑張る”は、努力の純度が低いんだよね」
石川
おっしゃることはわかるんですけど…ただ私、寝ることにちょっとした罪悪感があるんですよ。
最近、“ご自愛”って言葉が流行ってるじゃないですか。「しっかり寝てご飯も食べて、自分を大切にしましょう」みたいな。
三浦さん
うん、あるね。
石川
あれが正直ピンとこなくて。
もっと仕事で成果を出さないと、自分を好きになんかなれないのに…ぐっすり寝てる場合か!と…
三浦さん
なるほど、そういう人なのね。わかった。そういうタイプの人にこそ言いたいんだけど…
ビジネスパーソンやクリエイターにとって、寝るのは自分のためじゃない。他人のためなんだよ。
三浦さん
俺が若手のころにリスペクトしてた先輩が、「ピッチ(競合コンペ)」にすごく強い人でさ。
あるとき「ピッチで勝つためのコツを教えてください」って聞いてみたんだよ。
石川
ほう…
三浦さん
俺はてっきり「クライアントが抱える課題を考えるんだ!」とか「とにかく堂々と話すんだ!」みたいな答えが返ってくると思ったら…全然違った。
石川
なんて答えたんですか?
三浦さん
「“この人は今まで出会ったなかで最高の人だ”と思わせること」。
今思い返しても、すばらしい答えだよね。
三浦さん
考えてみると、10億20億かかってるピッチで、適当なプレゼンする人なんていないじゃん。
石川
たしかに…みんな必死で質を上げてきますよね。
三浦さん
だから、最終的に選ばれるのは“担当者自身”なんだよ。
「社運を賭けたプロジェクトを、あなたと一緒にやりたいです」って言ってもらうためには、最高の自分じゃなきゃダメだと。
それ以来、“最高の自分”ってなんだろうって考えるようになって、行き着いたのが「睡眠」だったわけ。
ちなみに「フェイシャルエステ」の重要性にも行き着いたそうですが割愛します
三浦さん
睡眠を軽んじるのは、「錆びた包丁を使ってる寿司屋」と同じなんだよ。
きちんと研いだ包丁で刺身を切るのも、寿司屋の大切な仕事じゃん。
それを「いや〜最近忙しくて、包丁研ぐヒマもないんスよ! ちょっと汚いけどいいっスか?」とか言われたらイヤでしょ?
石川
最悪です。
三浦さん
考えることが仕事の俺らにとっては、“脳”が商売道具だから。
睡眠不足で、脳の回転が落ちた状態でクライアントの前に立つのは、包丁を研がない寿司屋と同じくらい失礼でしょ?
おっしゃる通りすぎる
三浦さん
だから、お客さまや仕事相手に失礼のないように寝てくださいって話。
たくさん仕事することと、きちんと睡眠をとってベストな自分に仕上げることは、どちらも同じくらい大切。矛盾することじゃないんだよ。
「いい寝具は高い」とかいう人もいるけど…寝具にこだわるのは当たり前
三浦さん
でもまあ、石川さんみたいな働き方を否定はしないよ。俺も若手のころはかなりエグい働き方をしてたから。
それこそピッチの前日は徹夜が当たり前だったし、そうでなくても3時4時まで働いて、朝9時にまた会社戻って…
石川
過酷すぎる…そのころ、睡眠不足で困ったことってありましたか?
三浦さん
頭の回転が鈍くなってる感覚は常にあったし、今もたまにある。どうしても寝る時間が取れないときもあるしね。
石川
そういうとき、三浦さんはどうしてますか?
三浦さん
10分でも20分でもいいから、少しでも寝てコンディションを整えてる。
石川
オフィスで寝てるんですか?
三浦さん
うん。
(三浦さんの秘書に向かって)ねぇ、俺よくその辺で寝てるよね?
秘書さん
はい、寝てます(即答)。アザラシみたいに…
せっかくなので(?)実演していただきました
三浦さん
たぶん俺、今も睡眠の質は高くないんだよ。
ほら俺、太ってるじゃん? 呼吸も浅いし、合わないマットレスだと腰も痛くなるし…だから寝具をいろいろ試してるんだけど。
石川
質を高めるための設備投資をされてるんですね。
三浦さん
設備投資っていうかさぁ…必要最低限のことじゃない?
だってさ、仕事用のパソコンにはみんなこだわるのに、毎日必ず使う寝具はどうでもいいっていうのはおかしな話だよね。
「いい寝具は高い」とかいう人もいるけど、365日で割ったら全然安いでしょ。
“脳を冷やす”枕とマットレスを、三浦さんが体感
三浦さん
この「ブレインスリープピロー」は3〜4カ月くらい使ってるんだけど、率直にすごいと思ったね。
普段からブレインスリープピローを使っている三浦さん。Twitterでも“買ったら生活が変わるアイテム”として紹介していました
石川
改めてご説明すると…ブレインスリープピローは『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者で、睡眠研究の権威でもある西野精治先生が監修した、“脳を冷やす”枕です。
石川
西野先生いわく、睡眠の質は「最初の90分でいかに深い眠りにつけるか」で決まるそうなんです。
そのカギとなるのが「体温」。人間は身体の深部の温度が下がるときに眠くなるらしいんですが、同様に脳の温度を下げるとぐっすり眠れると。
石川
だから通気性のいい枕で、脳を冷やそうってことなんですが…実際使ってみて、脳が冷えてる感覚ってあるんですか?
三浦さん
この素材、ほんとにひんやりしてるんだよ。通気性もすごくいいし、スーッと気持ちよく寝れる感じはわかる。
あと、当然だけど寝心地もすごくいい。弾力が絶妙なんだよね。
石川
この枕、固さの違う“3層構造”になってるそうなんですよ。
上がやわらかくて、下が固い構造になってて。1週間ぐらい使うと、自分の頭の形になじんでくるそうです。
三浦さん
たしかに、俺のもどんどんフィットしてきてるよ。
三浦さん
この枕で寝ると、その日考えてた有象無象がスっと溶けていくというか…
思考を一回リセットして、新しい自分になれる感じがする。なんとなくスッキリ起きれるしね。
石川
実はこの5月に、枕と同じ素材のマットレスが発売されたんですよ。
三浦さん
へぇ、試してみたい!
石川
実物をお持ちしたので、ぜひ。
ドーン!
三浦さん
あ〜これはいい。今すぐ寝れそう…これ、足がちょっと高くなってるのがいいんじゃない?
石川
まさに。足・腰・肩を支える「三次元構造体」が特長なんですよ。
足が高くすることで血液循環を高め、肩をしっかり支えることで呼吸がしやすくなります。
石川
このマットレスで寝ると、NASAが提唱する「中立姿勢(無重力空間で人間が自然ととる、体に負担が少ない姿勢)」に促してくれて、究極のリラックス姿勢で眠りにつけます。
枕と同じ通気性のいい素材なので、体の深部体温をコントロールしてくれる効果もあるそうです。
三浦さん
うん…
おや…
石川
見ての通り薄いので、手持ちのマットレスに重ねて使うこともできます。
三浦さん
…
石川
三浦さん?(寝てる????)
おはようございます
石川
…寝心地はいかがでしたか?
三浦さん
いろいろ試したなかでも、これはすごくいいと思った。
弾力があって腰を支えてくれるし、寝返りも打ちやすい。これ、キングサイズも作ってくださいよ!
現在のサイズ展開は、シングル・セミダブル・ダブル・クイーンの4種。三浦さんご所望のキングサイズも鋭意制作中だそう
睡眠は“ただの休息”じゃない。大事な仕事のひとつ
石川
これだけ聞くと、ブレインスリープは「寝具メーカー」だと思うかもですが…そうではなくて。
寝具以外のアイテムも続々出ていて、あらゆる方面から日本人の睡眠の質を改善しようと努力されてるんですよ。
石川
たとえばこの「ブレインスリープウォーター」は、脳をクールダウンさせる、寝る前専用の機能性ウォーターなんですって。
三浦さん
へぇ、飲んでいい? 乾杯!
老化を抑制させると言われている話題の成分「NMN」をはじめ、睡眠の質を高める成分を配合。味は飲みやすいレモン風味です。ところでこのポーズはなんでしょうか
三浦さん
すごいね、ブレインスリープ。
マーケティングってさぁ、属性で区切ることがほとんどじゃん。
石川
「20代」「女性」「首都圏在住」とかですよね。
三浦さん
そうそう。でも睡眠は、全世界のあらゆる人にかかわるものだから。
その市場をガッツリ取りに行くって考え方は正しいし、マーケティングの観点から見ても面白いと思うよ。
石川
西野先生いわく、日本人の睡眠への意識は世界的に見ても低いそうなんですよ。
三浦さん
そうだろうね。石川さんは“ご自愛”って言い方をしてたけど、同じように睡眠を「休息」としか思ってないビジネスパーソンが多いんだと思う。
でも、すべての人に覚えてほしいのは、睡眠は休息じゃない。仕事のうちだってこと。
三浦さん
寝てるんじゃなくて、最高のパフォーマンスのための準備をしてるだけなんだよ。
俺が難しい顔で「今の社会は…」とか言ってる時間と、アザラシみたいに打ち上がってイビキかいてる時間には同じ価値があるの!
仕事と休みを切り分けなくていい。あなたはずっと仕事してるんだよ!
「ま、焦らなくていいけどね」と前置きしつつ、「睡眠は“休み”じゃない。“仕事”なんだよ」と繰り返し諭してくださった三浦さん。
ストイックを履き違えていた自分に反省しっぱなしでしたが…ずっとこわばっていた肩の力を抜いてもらえて、実は少し泣きそうになった取材でした。
さて…この原稿も書き終わったので、残るタスクは「睡眠」だけとなりました。
明日を“最高の自分”で迎えられますように。おやすみなさい!
〈取材・文=石川みく(@newfang298)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
本気の睡眠革命
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