ビジネスパーソンインタビュー
「努力をやめていい才能をもらってない」山里亮太は“褒め”を燃料に今も走りつづける

誰でも、絶対に獲れる賞がある

「努力をやめていい才能をもらってない」山里亮太は“褒め”を燃料に今も走りつづける

新R25編集部

連載

つきヌケ つきぬけた瞬間~ブレイクスルーポイント~

2021/06/30

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毎月新R25の “表紙”を飾る、「つきヌケ企画」。

若手時代のモヤモヤを乗り越えブレイクのきっかけをつかんだ方々に、「つきぬけた瞬間~ブレイクスルーポイント~」と題し、モヤモヤ期から抜け出した瞬間のお話をお聞きします!

7月号の表紙を飾っていただくのは、南海キャンディーズの山里亮太さん。

「M-1グランプリ2004」で準優勝を飾り、華々しくテレビに出るようになってから、朝の情報番組のナレーション、7月11日放送の「第42回ABCお笑いグランプリ」(ABCテレビ、ABEMA)ではMCを務めるなど、現在も活躍されています。

山里さんが語る「つきぬける」ために必要だったこと。

自分には何も秀でているものがない」という劣等感を持っている方(筆者自身もそうですが…)に、ぜひ読んでいただきたいです!!

〈聞き手=福田啄也(新R25編集部)〉

「誰でも、絶対に獲れる賞がある」山里さんが努力を続けられる信念がアツすぎた

福田

今日は山里さんが“人生ここでつきぬけたな”と思う瞬間を取材させていただきます。

たとえば、今回MCを務める「ABCお笑いグランプリ」は、若かりしころの山里さんにとってもターニングポイントだと聞きました。

山里さん

そうですね。

僕は2004年に出場したんですけど、そこが「最初につきぬけた瞬間」だと思っています。

生放送終わりで夜9時からの取材だったにもかかわらず、疲れを一切感じられない受け答えでした。かっけえ

山里さん

というのも、僕がツッコミになって初めてのお笑い賞レースが「ABCお笑いグランプリ」なんです

しずちゃんとコンビを組んだばかりのころは、2人ともボケ。僕が変なことを言って、しずちゃんがさらにボケる。「“新しいお笑い”をつくらないと」と焦って、奇抜な漫才をしてたんですよ。

でも、僕が変なことを言うよりも、しずちゃんのほうが笑いの量が多い。

それで、ツッコミになることにしたんです。

福田

「ABCお笑いグランプリ」の受賞をご自身で分析すると、何が要因だったと思いますか?

山里さん

圧倒的な努力量

福田

努力か…シンプルですね。

山里さん

これは僕が常々思ってることなんですが…

誰でも、絶対に獲れる賞がある」と思うんです。

福田

なんですか?

山里さん

努力賞」です。

かっけえ(2回目)

山里さん

「努力賞」のレースだけは、誰でもエントリーできます

そして、みんなから「そこまでやるか?」って思われるほどの努力をすれば、絶対に受賞できるんです。

山里さん

僕が初めて「努力賞」を受賞したと思ったのは、「ABCお笑いグランプリ」の直前です。

一生懸命いろんな本を読んだり、人のネタを見てすべて文字起こしをして分析したりして、自分のなかに入るだけツッコミの言葉を詰め込もうとしていました

映画を見るときも、“自分の引き出しにないワードを5つ見つけよう”って見てましたね。

福田

すごい…そこまで努力するとどうなるんですか?

山里さん

圧倒的な自信が芽生えてくるんです

もう…ウケるに決まってるだろう。こんだけやってるんだから」って。

福田

すごすぎる。その成果の集大成になったのが…

山里さん

「M-1グランプリ 2004」でしょう!

M-1で準優勝したときが、僕の「人生で一番つきぬけた」瞬間だと思います!

「そりゃもう完っっ全に!」

山里さん

南海キャンディーズは、そのときはまだネタが2本しかなかった。

だからそれをいろんな舞台で試して、ブラッシュアップを重ねました。

ツッコミのワードを変えて笑いの量が多かったほうを採用したり、お客さんの頭に言葉がすっと入るように助詞を「は」から「が」に変えてみたり。

同じネタで何冊もノートを消費しましたね

福田

そこでも細かい努力を積み重ねたのか…!

山里さん

今だから言えるけど、M-1は圧倒的な自信がありました。

「これだけのことをやったんだから、絶対に大丈夫だ」って。

努力しつづけた自信で自分を完全武装できたことが、つきぬけられた要因だったんじゃないかなあと思いますね。

マイナーチェンジを繰り返した「医者」ネタは、今も「アマゾンプライムビデオ」で見られます。気になる方はぜひ

福田

山里さんは、「10年以上反省ノートを書き続けている」話が有名ですよね。

福田

でも正直、もうそこまで努力しなくてもいいのでは? と思うんですが…

山里さん

いや、M-1でつきぬけたあとこそ、もっと努力が必要だったんです。

“成功すること”“売れること”って、すなわち“求められるハードルが上がりつづける”ことなんですよ。

そうなのか…!

山里さん

M-1後は、その上がりまくったハードルをくぐり続ける毎日でしたね。

でも、ちゃんと努力をすれば笑いが取れるって知っていた。

テレビでウケるコメントや先輩たちの発言、ディレクターさんが求めていることを毎日ノートに書きなぐってきたことで、なんとか今までやってこれてます。

「天狗になるのは悪いことじゃない」努力を続けるための“循環”

福田

やっぱりそこも努力で乗り越えてきたのか…!

とはいえ、結果を出していたら、天狗になってしまうことはあるんじゃないですか?

一瞬止まる山里さん。ありそう

山里さん

そりゃ…ライブとかが大成功したときは有頂天になりますよね。

昔いい仕事をして、そのままチュートリアルの徳井さんとYOUさんと飲みにいったとき酔っ払って、帰り道に走っていた軽トラに、「軽トラが俺を殺せると思うなよ?」って言ってたらしいです。

福田

(突然の謎エピソード…)

山里さん

でも僕、天狗になるのも悪いことではないと思ってるんです。

福田

え、そうなんですか?

山里さん

天狗って言うとよくないけど、自分の成功とか努力をちゃんと褒めてあげるのはすごい大事。

努力を続けるためには、自分を褒めることは必須です。

自分はこんなにすごい努力を続けててエライんだぞ」って褒めることで、サボることも防げるんです。

サボろうとしたら、「それが全部無駄になるんだぞ」ってストッパーになるから。

福田

あー、なるほど…!

山里さん

サボってないで頑張っているときは、「すごい俺がまだこんなに頑張っているんだから、ほかの人には絶対負けねえだろう」って思えますしね。

「褒めるの大事ですよ。俺は特に末っ子だったんで」

山里さん

天狗になれるってことは、それだけの成果があるってことなので、自分で認めないといけない。

でも、「満足してサボったら、いつか打ちのめされるだろうな」ってさらに努力を続ける理由にする。

そしたら、「そんなふうに考えられてる自分ってすげえな」ってまた自分を褒めてあげられる…

そういう“ポジティブとネガティブの循環”ですね。

謎の軽トラエピソードからの、すごい納得感…

「僕は努力をやめていい才能をもらってない」“生真面目さだけしかない”ことは強みだ

山里さん

これ以上努力しなくてもいいんじゃないですか?」ってよく言われますけど、それはやっぱり違うなって思います。

だって…、僕は努力をやめていい才能をもらってないから

山里さん

僕は松本人志さんみたいな人間じゃないし、「自分が面白いものをつくれる」という自信もなかった。

お笑いを目指すときに唯一持ってたスキルは「生真面目」しかない。

福田

ああ…それは僕も今めちゃくちゃ悩んでます。

まわりの同僚が才能やセンスで結果を出しているけど、「生真面目」だけでは圧倒的な成果を出せない気がしていて…

山里さん

「自分がスペシャルじゃない」って気づけるだけでいいんですよ

「努力しなくちゃ」って腹をくくれるので。

僕もずっと劣等感を持ってたんですけど…この世界で行きていくうえで、その劣等感がガソリンになって、自分を走らせることができた

生真面目さ以外に何もない”ことに、早いうちに気づけたことは幸せだったんだなと思っています。

努力をやめていい才能をもらってない

このパンチライン、多くのR25世代の方に刺さったのではないでしょうか?

多くの人がつい口にする「才能がない」という言葉。それを燃料に、山里さんは努力を続けていました。

努力には才能はいりませんから」と当たり前のように出てきた山里さんの言葉に、「もう言い訳できないな…」と背筋を正されるような思いになりました。

〈取材・文=福田啄也(@fkd1111)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

山里さんのつきぬけきっかけとなった「ABCお笑いグランプリ」

山里さんのつきヌケ第一歩となった「ABCお笑いグランプリ」。

第42回となる今年は、7月11日に決勝戦が開催されます。

結成10年目までの芸人がエントリーできる同大会は、まさに僕らと同世代の芸人たちの戦い

そんな大会について、山里さんからもコメントをいただきました。

山里さん

今回ファイナルに来ている12組の芸人は、才能がバッチバチにあるから、努力すればとんでもないことになる逸材たちです。

僕が持ってないものを持っているから、羨ましい…

「俺たちは一生お笑いで食っていくんだ」という気概を感じる、純度の高いお笑いが見られる、R25世代にとって刺激になる大会だと思います!

【番組概要】

カーネクスト presents 第42回ABCお笑いグランプリ

ABCテレビ、ABEMA

2021年7月11日(日)14時25分~17時25分

〈出演者〉

南海キャンディーズ山里亮太(MC)

赤もみじ / オズワルド / 蛙亭 / カベポスター / 空気階段 / コットン / さすらいラビー / さや香 / Gパンパンダ / ダブルヒガシ / チェリー大作戦 / パンプキンポテトフライ

https://abema.tv/channels/special-plus/slots/Dxgq8EdH3KR79y

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