ビジネスパーソンインタビュー

「ライブが失敗したらマジの“死”です」AK-69がヒップホップの魅力を全力プレゼンしてくれた

「俺は、亀の音楽をつくってるんです」

「ライブが失敗したらマジの“死”です」AK-69がヒップホップの魅力を全力プレゼンしてくれた

新R25編集部

連載

ワンポチ!プレゼンター

2020/08/28

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ビジネスパーソンのバイブル「新R25」がお届けする新コーナー「ワンポチ!プレゼンター」。R25世代に影響力のあるインフルエンサーやさまざまなジャンルの専門家が、みなさんの仕事や人生を彩る商品・サービスをプレゼンします!

今回登場いただくのは、ヒップホップアーティストのAK-69さん

【AK-69(エーケーシックスティーナイン)】愛知県小牧市出身のヒップホップアーティスト、実業家としても活躍。MCとしてラップをする際はAK-69を、シンガーとして歌う際はKalassy Nikoff(カラシニコフ)を名乗る。2004年より自身のファッションブランド「BAGARCH(バガーチ)」のプロデュースも行う。新アルバム『LIVE:live』を8月5日にリリース

名古屋城で収録されたニューアルバムLIVE:live』の発売記念ライブが8/28(金)よりABEMAにて独占配信されるとのことで、今回はこのライブを企画したAK-69さんに、自らその魅力をプレゼンしていただくことにしました。

宮内

今回は「AK-69 LIVE:live from NAGOYA」の魅力を、ご本人にプレゼンしてもらおうという企画です。

AK-69さん

新R25って、どんな人が読んでるんですか?

宮内

20代から30代のビジネスパーソンが中心です。

もちろんヒップホップ好きな人もいると思うんですけど、あまり聴いたことがなかったりハードルを感じている人もいる気がして…

AK-69さん

わかりました。今日は、ヒップホップが身近ではない人にも僕のライブに興味を持ってもらえるよう頑張ります。

ヒップホップとは、歌っている人の生き様を楽しむもの

AK-69さん

いきなりですけど、ヒップホップって聴きます?

宮内

私、ですか?正直、あまり聴かないです…

AK-69さん

う〜ん…なにを伝えたら響くんだろうなあ…

AKさんのサングラスとつまようじにおびえながらも素直にいきます

AK-69さん

まず、ヒップホップの良さはなにかって、やっぱリアルな音楽であるところ

詩的な表現で切り取るんじゃなくて、アーティストがリアルに感じたこと、体験してることをリアルな言葉にしているから、生々しい感覚も味わえるのが特徴なんすよね。

実際、俺も自分の経験からしか音楽をつくってないです。

宮内

なんとなく「怖い音楽」みたいなイメージがありましたけど…

AK-69さん

リアルだからこそ、悪い意味での生々しさもあるんですよ。誰とは言わないけど、マリファナのことを延々と歌ってる曲もあったりね(笑)。

宮内

(やっぱり…)

AK-69さん

ヒップホップって、音楽を聴くことを楽しむというより、それを歌ってる人の生き様を楽しむもんなんですよ

AK-69さん

勘違いしてほしくないのは、悪さアピールをしたいんじゃなくて、全部世の中に対する主張なんだよね。

だから、「曲の主張を通じてその人の世界に入っていく」と考えると楽しめると思いますよ。

宮内

そうか、1曲1曲がドキュメンタリーみたいなものなんですね。

ちなみに、AKさんのヒップホップは世の中に対してどんな主張をしているんですか?

AK-69さん

う〜ん。俺の音楽はヒップホップっていうか…亀の音楽なんですよね。

だからこそ、新R25の読者にも届く気がする。

宮内

亀…どういうことですか!?

“凡人がキツイ道で立ち向かう”アティテュードは、ビジネスパーソンにも通じるものがある

AK-69さん

俺、もともと才能があるタイプじゃなくて、ウサギと亀で言ったら確実に亀。一段飛ばしで先に行く人たちの横で、いつも坂道を地道に登ってきた側の人間なんです。

ミュージシャンもあきらかに天才タイプっているんですけど、そういうヤツらをずっと横目に見て「ずっちいなあ」って思ってた。

なんとなく、時代の波とかいい雰囲気に乗るのがうまい人って、まわりにもいません?

宮内

わかります。

AK-69さん

でもね、俺は亀側でラッキーだったと思うんですよ。

本質的な力がないうちに脚光を浴びると、下がったときのダメージが大きいから。

逆に、俺みたいにしんどい道を歩いてきた人は、何かあってもちょっとしか下がんないし、すぐに軌道修正できる。

AK-69さん

売れては消えてったやつを何人も見てきましたけど、そのなかで俺が10年以上売れ続けてるのは、いい意味で凡人だったから

キツイ道しか歩けなかったことが逆によかったんだな…ってことをまさに「Bussin’ feat. ¥ellow Bucks」という曲で書いたりしてね。

誰もが言うオメーには無理 そうやって言われた日 なると決めたFamous そりゃ売れてりゃええね そう落ち目のせいで こう見えてる 傷つかねぇ 俺はStainless あの時売れてた奴らはとっくにいねぇ 今売れてる奴ぁ2、3年後 Faded 10年経っても俺はこの通り

『Bussin’ feat. ¥ellow Bucks』より

宮内

でも、成果を出している人を横目に頑張り続けるのって結構しんどいんですよね…AKさんはツラくなかったんですか?

AK-69さん

ずっと焦ってましたよ。停滞感を感じたこともあるし、不安になったときある。

でも、そうやって葛藤してる時期こそドラマですから

AK-69さん

みんな勘違いしてるけど、ゴールテープを切ることがドラマなんじゃないんですよ。そこまでの過程が物語をつくるの

映画だって、始めから最後までハッピーエンドだったら感動しないでしょ?

宮内

たしかに…

AK-69さん

だからきついときは「今、超ドラマチックだな〜!!!!」って思いながら頑張んの。

俺みたいな凡人は、自らドラマを作れる場所にいかなきゃ成功なんてできない。揺るぎない自信を持ちたかったら「やべえ、危ねえ」ってとこに挑戦するしかないんですよ

宮内

そう考えると、なんだか元気が出てきました。

AK-69さん

ほら、このやりとりがまさにヒップホップのいいところよ。

俺の経験を歌にして届けることで、“凡人がキツイ道で立ち向かう”っていうアティテュード(姿勢)から少しでも前向きな気持ちになってもらえるんじゃないかな。

もはやライブではない。全国の城史上一番カッコいいパフォーマンス

AK-69さん

今回のライブも「あえて険しい道を行く」というテーマで演出したんです。

って言っても、ぶっちゃけライブって、歌って踊ってちょっと演出があって〜くらいに思ってるでしょ?(笑)

宮内

はい…

AK-69さん

じゃあぜひ観てほしい。正直、びっくりするクオリティだと思います。

名古屋城で無観客収録してるんですけど、城から火が出るんですよ!? ライブっていうかもう…全国の城史上一番カッコいいから

城史上…スケールがケタ違いでした

AK-69さん

ちなみに城で収録するまでも大変だったんですよ。

「名古屋城OKでした」って言われたので名古屋まで打ち合わせに行ったら、関係者に「城でやる意味はなんですか? 火を出すなんてもってのほかです!!」って言われて。このままじゃ収録できない、もうダメだって…

宮内

絶体絶命ですね…そこからどうしたんですか?

AK-69さん

俺が理不尽な担当者をコテンパンにしました。

宮内

コテンパ…

AK-69さん

結果、火を出すどころか、ほぼ城を爆発させちゃってますからね。ハ〜ハッハッハッ(笑)。

ここはこれ以上深くツッコむのはやめておきます

宮内

ちなみにそれほどまで名古屋城での開催にこだわったのはなぜなんですか?

AK-69さん

俺、愛知県の小牧市ってとこの出身なんですけど、売れない時代に名古屋城の前でずっと曲を書いてたんですよ。

それで今回、どうしてもここでやりたくって、名古屋城でできないならライブも中止にしようと思ってたんです。だから、城はなんとしても死守したかった

だんだん戦国武将みたいに見えてきました

AK-69さん

これまで城がプロジェクションマッピングされたこともあると思うんですが、もう比べ物にならないクオリティだと豪語できますね。

ライブというよりもはや作品として、俺の音楽やヒップホップを知らない人でも楽しめると思います。

LIVEでありlive。死ぬほどの覚悟で挑むライブだからこそ、人の心を動かせる

AK-69さん

ちなみに今の話は「ライブが好き」「ライブが得意」っていうレベルで言ってるんじゃないんです。

アルバム名の『LIVE:live』ってLIVE(ライブ)と、live(生きることを)を組み合わせてるんですけど、俺のライブはライブじゃない。マジのdead or alive なんです

宮内

どういうことですか?

AK-69さん

今回のような大きいライブって、毎回会社がつぶれるくらいのお金をかけて勝負するんです。

昨年、日本武道館2DAYSでやったライブもとんでもない予算だったんで「すべったら大変なことになるから1DAYにしておいたほうがいい」って止められたくらい。

毎回、そのくらいの気合いでかましにかかるんです。失敗したら本当に倒産…死ですから。

宮内

今って、ライブ以外にも音楽を届ける手段はたくさんあると思うんです。

AKさんはなぜ命をかけてまでライブをやるんですか?

AK-69さん

自分にとってしんどい道を選んできたから、今こうしてヒップホップの最前線にいられると思ってるんです。

命がけの状態で歌うからこそ、伝わるものがあるんじゃないかって。

AK-69さん

人助けをしようなんて思ってないんですけど、自分が必死になってつくったライブが、葛藤のなかで苦しんでたり、なんかうまくいかなくて「死にてえな」って考えている人の勇気になったらいいなと。

ヒップホップをあまり知らなくても、今もがいているけどうまくいってない人とか、目標があるけど道半ばだって人には響くライブになってるんじゃないかな。

取材前、「ヒップホップの魅力が伝わればAKさんのライブに興味を持ってもらえるかな〜」なんて考えていた筆者ですが、伝えるべきはAK-69の生き様そのものでした

正直あまり聴いたことがなかったヒップホップ。実はこの取材をきっかけに、仕事中に聴きながら勇気をもらっています。

〈取材・文=宮内麻希(@haribo1126)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉

「AK-69 LIVE:live from NAGOYA」は8月28日(金)夜9時より、ABEMAで独占配信!

「オープニング、ヘリコプターからステージに降りて、ロールスロイスの車内から1曲目をうたいはじめるから(笑)」

というAK-69さんらしい演出がふんだんに盛り込まれた「AK-69 LIVE:live from NAGOYA」はABEMAで独占配信。

生配信が主流の今、あえて収録配信にすることで、音質、カット割りやエフェクト、CG演出などこだわり抜いた表現を形にした、ライブを超えた映像作品を要チェックです。

これを機に、あなたもヒップホップの世界を体験してみては…?

ワンポチ!プレゼンター

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