ビジネスパーソンインタビュー
「ジタバタもがいてたころの努力は、全部今の僕につながってる」
「自分も昔は会社のこと愚痴ってた」箕輪厚介が「転職同期」に投稿された質問トップ3に回答
新R25編集部
不測の事態が続きビジネスパーソンの働き方も急激に変わりつつある今、転職した方が感じる悩みや不安もこれまで以上に強まっているのではないでしょうか。
そんななか、転職者同士がオンラインでつながれる「転職同期」というコミュニティサービスが12月にローンチされました。
どうやら、同じ時期に転職した“転職同期”とリアルな悩み・不安が相談でき、スキルアップにも使えるSNSコミュニティサービスだそう。
たしかに、転職先の選び方や面接攻略のノウハウは数あれど、転職後の悩みって意外と語られることがないような…。
そこで今回は、「転職同期」を担当するパーソルキャリア サービス企画開発本部の大沼旭一さん同席のもと、出版社から出版社への転職(しかも、営業職から編集職という異業種!)を経験した、人気編集者の箕輪厚介さんに話を聞いてきました。
〈聞き手=森久保発万(新R25編集部)〉
この取材は、換気・事前の消毒等十分な対策のうえで実施されています
「もう畑が全部耕されちゃってた」転職直後は不安だったという箕輪さん
森久保
今日は、箕輪さんが転職したころ、どのような悩みを抱えていたのかお聞きしたいです!
箕輪さん
えー、覚えてるかなあ。
箕輪さん
正直言うと、転職直後は1年以内にクビになるんじゃないかってめっちゃ不安でした。
入社してしばらくは「こんなの無理ゲーだ」って思ってましたね。
森久保
えっ、今の箕輪さんの活躍からは想像もつきませんが…
箕輪さん
出版社では人気の作家さんに担当編集者がつくシステムなので、転職直後は担当できる作家なんて全然いなかったんですよ。
堀江(貴文)さんみたいにヒット本を出せる人には担当編集者がぴったりついてて、もう畑が全部耕されちゃってる感じ。
箕輪さん
そういうシステムだから、普通はアシスタントとして先輩編集者にくっついて仕事を始めるんですけど、アシスタントをしてるだけじゃ「おまえ何もしてないじゃん」って言われるんじゃないかと思って…
もう八方塞がりで、会社にいてもとにかく肩身が狭かった。
森久保
たしかに無理ゲーだ…
でも「会社にいても肩身が狭い」って話でしたけど、箕輪さんは人間関係で困ることなんてなかったんじゃないですか?
「愛され力」があるイメージなんですが…
箕輪さん
いや、僕は勝手なことするし生意気なこと言うし、どのコミュニティでも最初はめちゃくちゃ嫌われるんですよ。
しかも、僕は見城(徹。幻冬舎代表取締役社長)さんに声をかけてもらって入社したから、まわりから「どこまでデキるやつなんだ?」って目で見られるプレッシャーもありましたね。
箕輪さん
でも、そんな「無理ゲー」の環境にあったからこそ、インフルエンサーに注目して本を出したり、「NewsPicks Book」(幻冬舎とWebメディア『NewsPicks』が共同で立ち上げた書籍レーベル)を立ち上げたりできたんだと思いますよ。
それくらいしか結果を出す方法がなかったから。
森久保
既存の方法では勝てなかったから、どんどんユニークな方法を試していったと。
箕輪さん
そうそう。そうやってジタバタもがいてたころの努力は、全部今の僕につながってますね。
森久保
「転職直後は肩身が狭かった」とのことですが、箕輪さんはまわりの方に悩みを相談したりしてたんですか?
箕輪さん
もちろんよ!
学生時代の友達に愚痴ったり、入社前には業界の人に社風や給料について聞いたりして、めっちゃリサーチしてました。
意外すぎます
箕輪さん
もちろん「雰囲気」とか「給料」とかもググりまくってた(笑)。
でも、そうやって調べてたおかげで、入社後のことをはっきりイメージできたのはよかったですね。
森久保
なるほど! 入社前後のギャップを埋められたと。
今回協賛いただいている「転職同期」というサービスでは、ちょうど転職者同士がオンラインでつながって悩みを相談できるそうなので、ご紹介させてください!
箕輪さんが答える! 転職者の悩みトップ3
大沼さん
「転職同期」担当の大沼と申します。
「転職同期」は会社の枠を越えて、同時期に転職した仲間と出会うことができるコミュニティサービスです。
「同年代の転職同期」「同じ職種の転職同期」のようなカテゴリがあって、それぞれ自分に近い人たちと悩みを共有できるSNSのような仕組みになっています。
箕輪さん
悩みを書いたら、転職同期が答えてくれる感じですか?
大沼さん
そうです。
「転職者にも悩みを相談したり支えあったりする同期がいれば、より自分らしく働けるようになるのでは?」という考えがきっかけでこのサービスを作りました。
大沼さん
今回、箕輪さんから転職後に悩んでいる方々へコメントをいただきたく、「転職同期」で投稿されることが多い3つの相談を持ってきました。
箕輪さん
おっ、投稿数ランキングトップ3ですね。
何でも答えましょう!
「人によって指示してくる内容が違う」
大沼さん
まず、一番多いのが「転職後の会社で上司の指示内容がコロコロ変わったり、人によって違ったりする」という相談です。
箕輪さん
目標達成の手段は時と場合によって変わりますし、人も肩書きや性格によって損得勘定が違うから、そんなの当たり前ですよ。
Aプランで部下に指示していたけど、競合他社の動きを見て急遽Bプランの実行に舵を切ることはよくある。
それに、「面倒なことをせず早く帰りたい人」と「新規事業で成果を出したい人」でも、そりゃ部下への指示は変わってくるじゃないですか。
大沼さん
おっしゃる通りですが、それに理不尽さを感じる方も多いみたいなんです。
箕輪さん
えー、真面目だな!
そんなのむしろ成果をあげるチャンスなのに!
大沼さん
どういうことでしょう…?
箕輪さん
上司がみんな違う動きをしているからこそ、それをちょっと逆手にとってしまえば努力以上の成果を出せる可能性があるんですよ。
まさに僕が編集担当した『ハック思考』(幻冬舎)っていう本に書いてあることで。
サラッと本の宣伝を挟んでくる箕輪さん
箕輪さん
『ハック思考』の著者のスドケン(須藤憲司)さんは、「今、会社がやりたい事例に合わせて動けば、会社は自分を評価したくなるだろう」と、評価基準を逆手にとってリクルートの全社総会で表彰4冠を獲ったんです。
同じように、「この人は部長に媚びたいんだ」「この人は新規事業を立ち上げたいのね」みたいなポイントを理解して、「だったらこうすれば全部スムーズにいくじゃん!」って利用してやればいいんですよ。
大沼さん
理不尽に思える状況だからこそ、それをハックすることでむしろまわりに差がつけられると。
箕輪さん
まさに。逆に、みんなが機械みたいに同じことしか言わない環境は、純粋な努力でしか差がつかないから成果を出しづらい。
「人によって指示してくる内容が違うな…」って思ったら、それは絶好のチャンスです。
「異業種に転職するのが不安」
大沼さん
2つめの質問です。
「転職同期」ユーザーには異業種転職をした方も多く、「まったく新しい仕事に自分がついていけるのか不安だ」という投稿やそれに共感するリアクションも多いのですが、箕輪さんならどのように答えますか?
箕輪さん
これもむしろ大チャンスですよ。
僕も営業から編集への、ある意味「異業種転職」をしたんですけど、編集者も宣伝や営業の経験ある人のほうが強いんです。
箕輪さん
僕は、むしろ異業種転職しまくりたいくらいですよ。
最近は、スナックのママに転職したつもりで「スナック箕輪」なんて言って、ハイボール飲みながらオンラインでしゃべってるんですけど…
それまでほとんどやったことなかったのに、突然「箕輪=オンライン飲みに詳しい」みたいになって、ニュース番組からオンライン出演の依頼が来たりして。
大沼さん
異業種にトライすることで自分の強みがどんどん増えていくわけですね。
箕輪さん
これは極端な例ですけど、前職のスキルや人脈が転職先での武器になることなんて山ほどある。
だから、異業種転職はむしろチャンスなんですよ。
箕輪さん
でも、転職直後はツラくなるのもめっちゃわかる。
僕も最近、本田圭佑さんが立ち上げた「One Tokyo」っていうサッカーチームでプレイしてるんですけど、毎日20歳くらいの子に「オイ! 違うだろ!」とかダメ出しされて…ツラいですよ…
大沼さん
(笑)。
そういうとき、箕輪さんはどのようにメンタルを保ってるんですか?
箕輪さん
新しいチャレンジをしてるときは、「とにかく2年後だけを見る」。
今だけを見ると「今日も明日もツラい」って考えてしまいがちですけど、ほとんどの仕事は2年頑張れば人並みになるじゃないですか。
そしたら、前職で手に入れたスキルや人脈をかけ合わせて一気に勝負できるから、そのときのことだけをひたすら考えてますね。
「求められている成果を出せているのか不安」
大沼さん
最後の質問です。
転職して半年くらいで「求められている成果を出せているのだろうか」と不安を抱える方が多いんですが、箕輪さんはどう考えられますか?
箕輪さん
そうやって焦りを感じてるのは、惰性で仕事してない証拠。素晴らしいですよ。
ただ、成果が出るまでに時間がかかる場合もあるから、不安なときは人に相談したり愚痴ったりして落ち着くことも大切で…
箕輪さん
僕も、幻冬舎に転職したばかりのころは社外の人に相談したり友人に愚痴ったりしてました。
もしかしたら意識が低いことなのかもしれないけど、「みんな同じように悩んでるんだ」って知ることで頑張れるならそれでいいと思うんですよ。
それこそ転職同期では、同年代や同じ職種の人とつながれるわけだから、そういう使い方をするのもいいんじゃないですか。
今必要なのは「塾」ではなく「学校」だ
大沼さん
ありがとうございます。
最後に、人と直接会えなくなりつつあるこの状況下で、オンラインコミュニティに何が求められるようになっていくのか、ご意見を聞かせてください。
箕輪さん
それぞれの人が“自分らしさ”を隠さず活動できることですね。
オンライン化が進んでハッキリわかったんですけど、今求められているコミュニティって、「塾」ではなく「学校」なんです。
大沼さん
と言いますと…?
箕輪さん
人って「自分らしくいられる場所」がないと、実力を発揮しづらい。
勉強のために通う「塾」では、偏差値みたいな物差しだけで順位づけされちゃうから、最初に偏差値が低かった人は縮こまってなかなか実力を発揮できなくなってしまうでしょ。
一方「学校」って、部活も授業もたくさんあってみんなに「自分らしくいられる場所」があるから、好きな分野でのびのび成長できる。
大沼さん
オンラインコミュニティに「自分らしくいられる場所」をつくることで、ユーザーの心理的安全性が保たれ、のびのび成長できるようになると。
箕輪さん
まさにそうです。
僕がやってるオンラインサロン「箕輪編集室」でも、マジメなところだけじゃなくて、“キャンプ部”や“サウナ部”のようにみんなが「自分らしくいられる場所」をたくさんつくってる。
それによって居場所ができた人たちは、コミュニティ内や自分の会社で安心して活躍してくれると思います。
箕輪さん
特に、今は直接人と会いづらいこともあって、オンラインでの居場所がより求められているから「転職同期」はその受け皿になれるんじゃないでしょうか。
大沼さん
そうですね。
これから先、同時期に転職したという境遇や職種の壁も越え、「転職同期」を多くの転職者の受け皿となるサービスにしていきたいと思っています。
箕輪さん
これからは、ほとんどの人がつねに転職を選択肢に入れながら働きますし、オンラインコミュニティは急速に普及していくはずだから、転職系のオンラインコミュニティはすごく追い風だと思います。
僕もオンラインサロンにもっと力を注いでいくので、お互い頑張っていきましょう!
“転職者のよくある悩み”に対して、箕輪さんが共感を示しつつも解決策を提示してくれ、話が弾んだ今回のインタビュー。
人と直接会う機会が減り、筆者も孤独を感じていますが、こんなときこそオンラインコミュニティをフル活用するチャンス。
オンラインで普段会えない人とつながったり、新たな居場所を探したりして、自分らしくがんばっていきましょう!
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い。
〈取材・文=森久保発万(@vneck_now)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa_)〉
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