ビジネスパーソンインタビュー
「僕がやった」とツイートできる仕事が重要
「本業のスキルで遊んでほしい」"社員5人、副業者60人"スポットメイトの働き方に箕輪厚介が共感
新R25編集部
“副業”が大きな話題となっているこのごろ…。
さまざまな企業が新しい働き方にチャレンジしているなかで、社員5人に対し副業メンバー60人以上(!?)で業績を伸ばしつづけているというスタートアップをみつけました。
「職場も働き手もハッピーな出会いを実現する」をミッションに、アルバイトの体験マッチングアプリ「Baitry-バイトリー」を運営するHR Techベンチャー株式会社スポットメイト。
同社では現在、事業拡大にあたって副業してくれる人を募集中とのこと。でも、副業メンバーが集まる組織で、本当にモチベーションって維持できるんでしょうか? 副業ってどうしても働き方が中途半端になってしまいそうな気が…。
そんな新しい働きかたの可能性を探るべく、この人にご登場いただくことにしました!
【箕輪厚介(みのわ・こうすけ)】2010年に双葉社に入社。広告営業などを経て2014年より編集部に異動し、『たった一人の熱狂(見城徹)』『逆転の仕事論(堀江貴文)』などを担当。2015年幻冬舎に入社した後、NewsPicks Book編集長として『多動力(堀江貴文)』『人生の勝算(前田裕二)』『お金2.0(佐藤航陽)』などの話題作を生み出しつづけている
およそ800人のメンバーを抱えるオンラインサロン「箕輪編集室(みの編)」を主宰し、サロン内で仕事を受けることも多いという、編集者・箕輪厚介さん。
「モチベーションの高いチームのつくりかた」をテーマに、スポットメイト株式会社代表取締役の田中佑馬さんと対談してもらいます。
チームをつくる側、所属する側、どちらも必見の対談となりました!
箕輪厚介さんと、スポットメイト株式会社代表取締役の田中佑馬さん
箕輪さん
副業が60人の組織ってすごいですね。箕輪編集室も全体では800人ぐらいですけど、コアメンバーは1割の80人くらいなんで、結構近いかもしれません。
田中さん
ありがとうございます!
スポットメイトは、社員は役員2人とエンジニア3人の計5人。プロジェクトごとにいろんな人を集めて回していく、コミュニティマネージャーのような役割になってますね。
箕輪さん
なるほど。副業で参加してる人は、どんな人なんですか?
田中さん
職種はマーケターとエンジニアが多いですね。
会社でいうと、本業は有名IT企業でバリバリ活躍されてる方が中心で…
箕輪さん
え、どこどこ?
田中さん
ECメガベンチャーのM社でプロダクトを立ち上げた経験のあるマーケターとか、大手IT事業会社のD社で新規事業に携わっているエンジニアとか…
箕輪さん
めっちゃ大手じゃないですか!!
それなら、僕の友達に田端信太郎っていう超一流のマーケターがいるんですけど…。「副業しませんか?」なら響きがカジュアルだし、いけるかもしれませんよ。どうですか?
勝手に田端さんを斡旋しないでください
「これ、僕がやった」ってツイートできることが重要
箕輪さん
スタートアップ経営者の立場からすると、副業メンバーって、信頼できますか?
小さな組織って「同じ船に乗っている」という感覚が強く持てないと、いざってときに粘り腰がでない気がしません?
田中さん
「副業人材ってモチベ低くないですか?」ってよくきかれるんですけど…正直、全然そんなことないですよ。
田中さん
それは多分、スポットメイトが「プロフェッショナルとして自分を表現できる場」を提供できているからだと思うんですよね。
できる人って、みんな自分の成果や手柄をあげたいと思ってるんですよ。
箕輪さん
あ~、それはわかりますね。
僕もみの編メンバーからよく、「これ、僕がやったってツイートしていいですか?」って聞かれますもん。
田中さん
そこで「ツイート」が重要なんですね…
箕輪さん
そうそう。たとえば、「巨大怪獣を倒す」というプロジェクトがあったとして…
(怪獣…?)
箕輪さん
昔は高いお金がもらえればみんな満足だったんです。
でも今は「怪獣を倒したの俺だよ」ってツイートできないならやりたくないという人も多い。
個人のバリューを上げられるのであれば、むしろノーギャラでもやりたいという人もたくさんいますよ。
田中さん
だからこそ、副業での参加でもモチベーションが保てるんですよね。
箕輪さん
うん、要は“自分の稼働がクレジット(信用)になる”っていう意識をみんなが持ちはじめてるってことなんですよ。
箕輪さん
SNSによって個人の実績がどんどんログ化されるようになった今、「自分がどんな仕事で稼働したか」自体が、次のさらに大きな仕事につながる“与信”なんですよね。
箔のつく経歴を求めるのは、半分は自己承認欲求かもしれないけど、半分は実利的にも意味があることだと思いますよ。
田中さん
だからこそ、本業に活かせる副業を求めてる人が多いなと思っています。
本業の会社で大きなプロジェクトをやっていてノウハウが溜まってきたので、それをスタートアップで活かして、事業の“立ち上げ”を経験したいとか。
本業では広告の運用しかしていないけど、より上流の設計からやってみたいとか、新しいチャレンジを目的にコミットしてくれている人が多いですね。
「自分ごと化」してもらうには、「自分ごと化させようとしない」のが大事
田中さん
箕輪さんは、オンラインサロンでメンバーのモチベーションを保つために、どんなことを意識してるんですか?
箕輪さん
オンラインサロンはメンバーがお金を払っているので会社とはすこし違いますけど、意識していることで会社でも同じだと思うのは、“メンバーに考えさせる機会を増やす”ことですね。
田中さん
それはどうしてですか?
箕輪さん
熱量を保つには“考えさせること”が大事なんです。
どんなコミュニティでも「社畜化」する人って、考えるクセがついてない。思考停止してるんです。なにやっても組織に文句言うもん、あいつら。
※口が悪いです
箕輪さん
みの編にも「荒らし」が出るんですが、僕はあえて強制退会させず、メンバーのいるスレッドに「どうしようか?」ってお題を投げるだけにしてます。
意図的にメンバー同士で議論する場をつくることで、コミュニティの中心を“僕”から、“メンバー”にする。そうすると、一人ひとりの当事者意識が高くなって、「自分ごと化」できる人が増えていくんです。
田中さん
なるほど…たしかに「管理しすぎない」ことは大事ですね。
うちは、スタートアップということもあって社員である僕たちが常に全メンバーの動きを見られるわけではないんです。
でも、だからこそ活性化してると思っていて、今では僕たちの知らないところで、副業メンバー同士でオンライン会議をしているみたいなんですね。
「“戦略”は僕たちが決めますが、“戦術”に関しては副業メンバーにお任せしてるんです」(田中さん)
田中さん
そのくらい放任しないと組織ってまわらないんですよね。
箕輪さん
オンラインサロンも含めた組織って、リーダーが完璧主義だと失敗するんですよ。
リーダーに全部指定されて、メンバーの考える余地がなくなってしまうので、メンバーがいつまでもお客さま気分。
「もっと自分たちで考えろ!」って強制してもできることじゃないから、メンバーを放任して、自走する空気をつくっていくしかないんですよね。
田中さん
なるほど、おもしろいですね!
メンバーに仕事を「自分ごと化」してもらうには、「自分ごと化」させようと強制しないのが大事ってことですね。
箕輪さん
うん、それ! 矛盾するようだけど本質ですよ。
僕も仕事でいろんなプロジェクトに関わりますけど、「楽しくなかったらやめてもいいよ」くらいの軽いスタートのときの方が結果的にコミットできて、「君がいないと困る!」みたいなスタートだと「重っ」ってなりますもん(笑)。
組織にいる人の9割は、「そこが自分の居場所」と感じられるから頑張る
田中さん
ただ、僕たちも最初からうまくいったわけではないんです。
基本的に顔を合わせる機会があまりないので、お互い探り合ってしまって。1カ月なにも仕事の動きがないということもありましたね。
箕輪さん
多分、初動が一番難しいですよね。
田中さん
そうなんです。そこから、最初にオフラインで深いコミュニケーションをとるようにしました。
入ってくれたタイミングで「スポットメイトは、『Baitry-バイトリー-』というサービスを通して労働市場における社会課題の解決に挑戦していく」という根底にある思想を共有するようにしたんです。
すると、翌日から途端にメンバーの動きがよくなって。
箕輪さん
1度でもオフラインの空間で会話してると、ロイヤリティが全然違うんですよ。
僕、会社の部活とか飲み会とか、正直くだらないと思ってたんですけど、実は全部に意味があるんです。
組織のなかで、何もなくても頑張れるやつって1割しかいない。残りの9割は「そこが自分の居場所だから」頑張るんです。それは、オンラインサロンでも会社でも絶対同じ。
箕輪さん
トップが直接話したり、メンバー同士で交流したりすることで、「ここは居場所だ」と思わせることが実はすごい大事なんです。
だから、最近はみの編メンバーと釣りとか行くようになりました。
田中さん
釣りまで…さすがです。でも本当に、1対1で話すのって大事ですよね。
ほかに、僕たちは“すぐに情報を共有する”ということを意識していて、副業メンバーにも会社のslack(チャットツール)に必ず入ってもらうようにしています。
箕輪さん
ああ、そういうオンラインとオフラインのコミュニケーションの使い分けは大事ですねえ。
1度オフラインでコミュニケーションすると、オンライン上でいくらでも延長できるんですよ。
1回デートすれば、あとはLINEでちょいちょい好きって送っておけばつながる…ってホストの方が言ってたんですけど、そういう感じ(笑)。
副業が広まれば、多くの人が「好き」や「志」を感じやすくなる
田中さん
実はバイトリーのマッチング機能をつくってくれたのって、某大手マッチングアプリのエンジニアで。
バイトリーはバイトアプリなので、ユーザーは「中1からスマートフォン持ってました」みたいな若い子たち。本業のマッチングアプリのほうでも、知見が活用できると言ってました。
箕輪さん
副業をすることで、スキルがどんどん増えていくでしょうね。
みの編も本業で優秀な実績を持つ人たちが「スキルを活かして遊びたい」という気持ちでいろいろやってくれてるんですが、そういうマインドの人で構成される組織って冷静に見たら会社を超えますよ。
田中さん
まさにそうなんです。仕事なんですけど、本業のスキルを活かして遊んでほしい(笑)。
スタートアップだと、メンバーに任せられる範囲も広いので“遊びがい”があるんじゃないかと。
箕輪さん
これから、AIによって仕事ってある程度均一化されると思うんです。
そうなると、「好きだからやる」っていうのが超重要な差別化ポイントになる。ロジックからスタートしても、結局同じところにたどりついちゃうから。
箕輪さん
本当は多くの人が、「仕事を通じてこんなことがしたい」って志を持って入社するんですけど、働いてるうちに仕事が“会社のなかで自分のポジションをつくるもの”に変わってしまうんですよね。
田中さん
わかります。
箕輪さん
でも、副業みたいな働き方がもっと広まれば、多くの人が「ポジションのため」じゃなくて、「ビジョンファースト」で働けるようになると思うんです。
スポットメイトさんはどんな人がほしいんですか?
田中さん
ビジョンがあって、現在のキャリア問わずに自らのスキルで大きなことに挑戦したい人ですかね。
箕輪さん
なるほどね。やっぱり田端さんどうですか?(笑)
だから勝手に斡旋しないでください!
本業にも使えるスキルを学びながら、自分の「バリュー」も上げる。これから、副業というカタチがどんどん社会に広まっていけば、働くことがもっと豊かになるのかも。
仕事の時間を削るのではなく、仕事が「自分の志を実現するもの」になること。それが本当の働き方改革なのかもしれません。
スポットメイトでは現在、スキルを活かせる副業人材を募集しております。
田中さん
気になった方はお茶からでも大丈夫ですし、本業とのバランスも相談しながら決めていきましょう!
副業をきっかけに、運命の職場との出会いとなってもらえれば幸いです。
とのこと。どしどしご応募お待ちしております!
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