ビジネスパーソンインタビュー

「出待ちの女子が2000人いた」西野亮廣は“モテるトーク術”を『はねトび』から学んだ

「自分で会話のシュートを決めてはいけない」

「出待ちの女子が2000人いた」西野亮廣は“モテるトーク術”を『はねトび』から学んだ

新R25編集部

連載

モテ凸

2018/12/16

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テレビやビジネスの世界で、華やかに活躍する人たち。彼らの「モテ」の世界がのぞいてみたい!

そんな下世話な動機で12月からスタートした新連載「モテ凸」。

今回は、今日本で一番モテる職業のひとつである芸人の、西野亮廣さんが登場です。シュッとした顔立ちにくわえ、20歳のころからブレイクしていたという輝かしいキャリア…。

今回は相当期待できますよ!

〈聞き手:天野俊吉(新R25編集部)〉

「顔がいいから、ずっとモテてきた」

【西野亮廣(にしの・あきひろ)】1980年生まれ。1999年に梶原雄太とキングコングを結成。絵本作家としても『えんとつ町のプペル』など作品多数

天野

西野さんはめちゃくちゃモテるイメージがありますが、昔からですか?

西野さん

そうっすね、子どものころからずっとモテましたね。

天野

おお…その理由はなんでしょう? ご自身で分析すると。

西野さん

まず顔がいいんですよ

足が速かったし絵もうまかったでしょあと明るい。“モテる子ども”の要素は全部持ってましたね。

子どものころから才能にあふれていたという西野さん

天野

よく芸人さんで、「学生のころは教室のすみっこで、クラスの中心メンバーをナナメに見てた」って人がいますけど、そういう感じではなく…

西野さん

それで言うと教室のド真ん中にいましたね。教室で一番はしゃいでたやつが僕です。

芸人になってからも、まあモテましたよ~。養成所時代から、出待ちの女の子が2000人いましたから

天野

2000!? それはさすがに言いすぎじゃないですか?

西野さん

いや、ホントにいましたよ

当時大阪に「baseよしもと」っていう劇場があって、そのすぐ近くに「なんばグランド花月」があったんです。

距離にしたら数十メートルですけど、ぼくは出待ちが多すぎて歩けなかったんで、タクシー移動してましたもん。

天野

そのころ、まだ20歳とかですよね?

西野さん

そうです。駐車場に2台タクシー用意して、まず1台目をダミーとして走らせて女の子たちをそっちに行かせるんです。

天野

すごいな…なんでそんなにモテたんですか?

西野さん

そのころは「顔」ですね。ただのイケメン芸人としてモテてました。

東京進出して本格的にブレイクしてからは、共演者のアイドルとか口説いてました

当時の写真。これはモテる

天野

ネットに出てる「西野の彼女」みたいな噂は…?

西野さん

だいたい本当ですね

いやあ、自分でここまで言いきる人は気持ちがいいなあ

「西野流モテ術」の原点は、「無名芸人ばっかりだった」あの番組

天野

顔がイケてるのはわかったんですけど、それ以外に何か「西野流モテ術」みたいなものがあるんでしょうか?

西野さん

とにかく話を聞きますね。めっちゃ相づち打って、とにかくよく笑います。

大事なのは、相手に会話の“シュート”を決めさせること

話させて、リアクションしてあげて、「この人の前なら、私の面白いところが出せる!」「私ってこんなに人のこと笑わせられたっけ?」って勘違いしちゃうぐらいね。

天野

でも芸人さんって、やっぱり自分が面白いところ見せたいんじゃないですか?なんでそんなに聞き上手になれたんですか?

西野さん

それがね~、僕、若いころから「自分でシュートを決めないほうがいい」っていう教訓が刷り込まれてるんですよ。

西野さん

2001年、まだ20歳のころに深夜枠で始まったのが『はねるのトびら』。

まだ誰も知らないような無名の芸人ばっかりの番組だったんで、「ゲストの人を呼んでコントをやろう」ということになったんです。「ゲストに来てもらわないと番組終わるぞ」と。

天野

最初はそんな感じだったんですね…

西野さん

でも始まったばっかの深夜番組なんか出るメリットないじゃないですか。

それで、ゲストの人に「この番組なら私の面白いところが出せる!」って思ってもらうようにしようとしたんです。

天野

それは西野さんが考えたんですか?

西野さん

いや、スタッフ全員でです。ほんと徹底してましたね。たとえば『はねトび』って僕のツッコミにテロップが入らないんですよ。

テロップって、要するに「面白いところです」という合図じゃないですか。だから西野のツッコミにはテロップを入れるなって指示が出てたんです。

華麗な“たとえツッコミ”とかは絶対しちゃダメだし。

天野

そこまでして「ゲストに花を持たせる」ようにしてたと…!

西野さん

そうなんですよ。あとは、普通ゲストの方が来たら、芸人たちが誘導して誘導して…ゲストが何か面白いこと言って、ツッコミで落とすわけじゃないですか。

『はねトび』はその「誘導」の部分は全カット。ゲストが面白いこと言ったところから使われるんですよ。

天野

徹底してますね! それで、どんなゲストが来てくれたんですか?

西野さん

柴崎コウちゃんとか、浜崎あゆみさんも出てくれたし…

あとは俳優の風間杜夫さんとか。

大御所!

西野さん

だから演出のスタッフには、「西野は(編集上)国民全員に面白くないと思われる。それでもやるか?」と言われてて。最初は「キッツイな~」と思ったんですよ、自分を殺さなきゃいけないんですから。

でも、でかいチャンスだし、1回やってみようと。

天野

結果、人気番組になって、ゴールデン進出までしたわけですよね?

西野さん

そうなんですよ。最初、深夜のお笑い番組がいくつか入れ替わりで放送される枠でやってて、そのなかで最後まで生き残ったのは『はねトび』なんですよ

結局、「相手にシュートを打たせる」ことが人を魅了するし、モテるっていうこともそこで教わった気がしてて

天野

そこにつながりますか…

西野さん

ちなみに、その反動が出てるのが『ゴッドタン』ですね(笑)。ずっとガマンしてたから、もうめちゃくちゃツッコんだりしてますもん。

『ゴッドタン』での西野さんがまた楽しみになりました

天野

ちなみに、女子といてずっと“聞き役”だけでもいられないと思うんですけど、そこから自分の話をしはじめるタイミングはどう判断するんですか?

西野さん

それは逆に相手が僕のことを聞いてきたときですね。相手にシュートを決めさせていると、どっかしらで「西野さんの話も聞きたい」っていうパスが出てくる

そのタイミングで、めちゃくちゃ面白い話して“完璧なシュート”を決めるんですよ。そしたら絶対イケますね。

天野

経験からくる説得力がスゴイ

「日本で一番モテる」VANQUISH・石川涼の“ごはんごちそう術”とは?

天野

…ちょっと話を元に戻しますが、いろんな方を見ている西野さんが「この人はモテる!」って思うのはどんな人ですか?

西野さん

僕は「想像量が多い人」がモテると思うんですよね。

想像量…

西野さん

1人挙げるなら、「VANQUISH」代表の石川涼さんですね。この人はもう日本人で一番モテますね!俳優さんの比じゃないくらい。

もう圧倒的にやさしいんですよ。

天野

大変失礼ながら、見た目からちょっと怖そうなイメージを持ってました…

西野さん

確かにね。でも、ずっとニコニコ話聞いてくれるいい人なんですよ。

あるとき、僕が仕事でベトナムに行ったときに涼さんも偶然いて、「夜ご飯でも食べようよ。ごちそうするよ!」って連絡くれたんです。

西野君に食べさせたいフカヒレスープがある」とかなんとか。

西野さん

で、スタッフたちとお店に行ったんですけど、涼さんはすぐの飛行機に乗らなきゃいけなくなって、お会計だけされて途中で帰ったんですね。

料理は注文しておいてくれたんですけど、だいぶ量が少なめなんですよ。あれ? 少ないな~と思って食べ終わって外に出たら、タクシーが用意してある。

そしたら運転手が「このあと皆さんが行きたい飲食店にお連れします」と言うんです。

天野

…?

西野さん

これどういうことかと言うと、海外に行ったらふつうはみんな「どこで何食べよう」って楽しみにしてるじゃないですか。涼さんはそれを想像してたんですね。

食べさせたい料理はちょっとだけごちそうしてくれつつ、僕らの夕食の楽しみを奪わないようにしたんですよ

天野

なるほど! 途中までどういう話かまったくわかりませんでした。

西野さん

さらにタクシーの運転手さんに「屋台行くならあそこに、点心ならあそこにお連れして」とかインプットしててくれて。

確かに僕とスタッフたちは、雑多な屋台でメシが食いたいねって話をしてたんですよ。その夜はもう全員で「涼さんハンサムすぎるやろ~!」って話が終わらなかったですもん(笑)

僕らみたいな同性に対してもそうなんで、そりゃモテますよね。

天野

いや~、どうやったらそんな気配りができるようになるんですかね?

西野さん

そこが「想像量」なんですよ。何をしたら相手を喜ぶのか? それをちゃんと想像できる人って強いですよね。

よく笑う、明るい人は「頭がいい」。ネガティブな人は「頭が悪い」!?

天野

西野さんは20歳のころから、いろんな女性を見てきたわけじゃないですか。そういう人って最終的にどういう女性がタイプになるんですか?

西野さん

僕ね…高3のとき、「クラスで一番のブス」って言われてた子と付き合ったんですよ。

天野

えっ、なんでですか?

西野さん

胸が大きかったから

ここまで割とカッコいい話が続いていましたが、後半で好感度を下げてくる西野さん

天野

それじゃあんまりなんで、もうちょっと「こういう人と一緒にいるといい」という話を聞きたいんですが…

西野さん

いや、ちゃんと最後まで聞いてください。その子、めちゃくちゃよく笑う子だったんですよね

それ以来僕は、「ムスッとした美人より、ゲラのブス」ってずっと言ってるんです。ムスッとしてる人って頭悪いんですよ。

天野

頭が悪いというのはどういうことですか?

西野さん

不機嫌そうに、ネガティブにしてる人のところには人が集まらないから、情報も集まらないですよね。新しいことが耳に入っても、すぐ否定しちゃったり。

逆に、よく笑う子のところには、いろんな人と情報が集まりますから。見た目はそう見えなくても、すっごく賢くて面白い人間になれるんですよ。

西野さん

ハッキリ言って、それ以来僕はかなりの数の女性とお付き合いしてきましたけど、そのころから価値観は変わってないですね。

相手に花を持たせる」「相手への想像力」「よく笑う」。西野さんは、この3つが「恋愛」に関して重要だと語ってくれました。

また、「自分は20代のころは顔だけでモテてきたけど、最近は変わってきた。どんな人でも『自分の作品だと言える仕事をする』ことが大事だと思う」とも。

恋愛に限らず、人を惹き付ける人間になるために重要なこと。実践していきましょう!

〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=森カズシゲ〉

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