ビジネスパーソンインタビュー
恋愛テクニックこそ、天敵。
「モテテクなんて、1日でも早く捨てたほうがいい」バチェラー司会者・坂東さんが語るモテの極意
新R25編集部
著名人の恋愛事情やモテの秘密を知りたい…! そんなゴシッピーな魂胆でスタートした連載企画「モテ凸」。
今回突撃したのは、リアリティ婚活番組『バチェラー・ジャパン』『バチェロレッテ・ジャパン』(AmazonPrime Video)の全シーズンを司会進行役として見守ってきた、坂東工さん。
バチェラー(バチェロレッテ)の心を勝ち取るためにゴージャスでロマンチックなデートをしながら過酷なバトルを繰り広げていくこのシリーズ。
さまざまな“モテテク”が詰め込まれた本番組ですが、全シリーズの司会を務め上げる坂東さんに「モテの秘訣」を聞いたら、いったい何を語るのか…!?
〈聞き手=森久保発万〉
【坂東工(ばんどう・たくみ)】俳優、株式会社MORIYA、オンラインギャラリー・iiwii代表。大学卒業後、単身渡米し演技を学ぶ。2006年、『硫黄島からの手紙』でメインキャストとして抜擢されハリウッドデビュー。出演作に『レイン・フォール/雨の牙』『土竜の唄 香港狂騒曲』など。その後世界30カ国で制作されるリアリティーショー『バチェラー』『バチェラー・ジャパン』『バチェロレッテ・ジャパン』の司会進行役を担当
「無理をすると、自分と相手を傷つける…」坂東さん、低音ボイスで深みがすごすぎです
森久保
僕、バチェラー・シリーズの大ファンでして。
正直、坂東さんが一番カッコいいんじゃないかと…仲間内でも「なんだかんだ坂東さんが一番素敵」みたいな話によくなるんですよ。
はっはっは。
僕には一切届いてないですねえ、ええ。
あれ? 目が全然笑ってない
森久保
『バチェロレッテ』では、最初のパーティーでさっそく男性たちが動き出して、バチェロレッテの取り合いになりますよね。
もしあそこに坂東さんがプレイヤーとして参加していたら、どんなアクションを取りますか?
坂東さん
ははは、想像もしたくないですけど(笑)。
でも僕だったら…自分から誘いにいかないんじゃないかなあ。
森久保
えっ?
番組でもみんなアプローチかけてますよね。どうしてですか?
坂東さん
無理やり機会を作らなきゃ何も起こらないようなら、それはもう“出会い”ではないですよね。運命ではない。
それくらいの潔さを持ちながら参加すると思います。
「自分をアピールしなきゃ」みたいな感覚ってエゴでしかないと思っているので、僕はそういうアプローチはしないかな。
運命か…
番組でも2カ月以上をともに過ごすわけですけど…
一緒に過ごす時間が増えれば、“用意してきたもの”なんて全部はぎとられていくんですよ。
だから、いち早く自分の純粋さに目覚めっていった人たちが残っている印象はありますよね。
森久保
純粋さ?
坂東さん
何にしても、必ず「その人にあったやり方」があると思うんですよ。
たとえば、お笑い芸人さんがやってるから成立するギャグって、たいてい素人さんがやるとヤバイじゃないですか。それと同じ。
「あの人がうまくいってるから」と、自分の性質と「Align(アライン)」してないものを身に着けようとすると、痛みが伴うんですよね。
「Align(アライン)=そろう、直線に並ぶ」の意。かっこいい…筆者も使お
坂東さん
「モテ」についても、この感覚をいち早くつかむことが大事だと僕は思っていて。他の人の成功法を使えばうまくいくなんて、そんな単純な話じゃない。
無理してるものは…自分と相手を、傷つける結果になりがちです。(とんでもねえ低音ボイスで)
森久保
深みが…深みがすごい…ッッ!
それはね、僕が低い声でゆっくりしゃべってるから、大したこと言ってなくてもそう聞こえるだけです(笑)。
こういうお茶目さがズルいんだよなあ
「恋愛テクニック」こそが自分の魅力を曇らせる天敵…!?
森久保
モテ凸って、「モテのテクや実情をお聞きして学びを得よう」みたいなコーナーなんですけど…
モテの手法を誰かに習おうとすること自体が間違いなんですかね?
坂東さん
僕は間違いだと思います。
もちろん、ネタとしては面白いと思うんですよ。モテのハウツーみたいなことって。
ただ、知識とかスキルって、「本当の自分」のまわりを固めている鎧みたいなものなんですよね。エヴァ的に言えば、ATフィールド。
まさか坂東さんからエヴァのたとえが出てくるとは!(今年の新作、楽しみですね)
坂東さん
たしかに自分をよく見せたり、守ったりもできるけど…この鎧自体は「自分」ではない。
知識やスキルって、曇りガラスようにその人の「本質的な部分」を隠してしまうとも言えるんですよ。
森久保
たしかに…!
自分をよく見せるのがうまくなってるだけで、自分自身が魅力的になったわけじゃないというか。
坂東さん
たとえば女性が隣にいて、「グラスを取るときは相手に顔や身体が向くように取る」みたいなハウツーあるじゃないですか。
そういうハウツーを必死に実践するのって、相手からしたらもう打算がバレバレだと思うんですよね…(笑)。
ハウツーで関係を築こうとするのは、1日もはやくやめたほうがいいと思います。
森久保
そうなんですね…やりまくってました僕…
刺さりまくる森久保に笑っちゃう坂東さん
坂東さん
恋愛って、自分と相手が「本質」の部分でつながるものだと思うんです。
表面的なハウツーをされてると感じさせちゃうより、自然に「それちょっと取ってくれない?」と言えばいい。
心から出た自然な言葉を使ってもらってるときって、嫌な気持ちにはならないと思うんですよね。
森久保
たしかに変にテクニックを使われるより、心を開いてもらえてるって感じるかも。
坂東さん
今こうして森久保さんにインタビューをしていただいてますが、これも同じ。
もし僕が「これ2週間後に世に出るんだよな…」ってすっげえ映り方を意識して話してたら、たぶん気持ち悪いと思うんですよ。
僕は今、「あなたと過ごすこの瞬間」のなかに真実を求めてるので。
森久保
はい…! はい…!
たぶんもう森久保落ちてる
他人の価値観に従っていると、「自分」をなくしていく
森久保
お話を聞いていると、坂東さんは「自分自身」…自分の“本質”で戦うことをとにかく大切にされているんですね。
坂東さん
情報が氾濫した現代って、「人が選んだもの」を選んでしまう人がけっこういらっしゃるんですよね。
「流行ってるから」「モテてる人が着てるから」みたいにね。
でも、「人が選んだもの」を選択していると「自分の本質」が出来上がっていかないんです。それが一番怖い。
坂東さん
たとえば僕の着てるスーツを「いいな」と思っても、人によっては似合わないかもしれませんよね。
それを繰り返していても、「自分」の魅力にはつながらない。
森久保
まさに先ほどの鎧のお話しですね…
坂東さん
だからこそ今は、「自分が求めているもの」を選択することが、自分の本質的な魅力を高めることにすごくつながってると思うんですよね。
「本当に自分が思ってますか?」「本当に自分が感じてますか?」と改めて自分に問うことが大切な時代になっている気がします。
…ちなみに、今日着てる服はどう選びました?
森久保
こ、これは…ゔっ…YouTubeでいいって勧められてたヤツです…
「ハッハッハッハッハ!」豪快に肩を揺らして笑う坂東さん
坂東さん
決してね、それが悪いって言ってるわけじゃない!
そこに自分が「いい!」と思った事実があればいいんです。
全然いいんですよ、それで。
このあとめちゃくちゃフォローしてくれた
「恋愛を考えるってこと自体…ちょっと邪推かな」
坂東さん
あと、最後に一言いうと…
恋愛を「考える」ってこと自体が…ちょっと邪推かな。
森久保
どういうことですか?
坂東さん
言葉ってものがこの世に生まれて何千年、何万年…「愛」ってまだ定義しきれてない言葉だと思うんですよ。
「愛」ってなあに? 「恋」ってなあに?「モテる」ってなあに?
森久保
たしかに、そうかもしれません。
坂東さん
僕も何度も考えたんですけど、ぜんっぜん答えが出なくて。
だから、モテに秘訣があるとするなら…「後悔のないように自分を相手に出す」。これだけかな。
…なーんて。
「なーんて。」が決め台詞としてキマる人現実世界にいるんだな…ありがとうございました!
正直にいうと、筆者も森久保くんに負けず劣らず「モテてる人のマネ」、しまくってました。(記事でも普通に「Align使お~」とか書いてた。恥ずかしすぎる)
でも、それだけだと「鎧」を分厚くしてるだけで、自分自身の魅力は磨かれていかない。これ、めちゃくちゃ大切な「モテの真理」なのでは…?
ガチ反省しました。「自分で選ぶ」を繰り返して、自分の「本質」を磨いていきます!
〈取材=森久保発万(@vneck_now)/執筆=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=天野俊吉(@amanop)〉
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