企業インタビュー
すべての競技者に“道場の枠”を超えた学びを。現役柔術家が手掛ける「業界初のオンライン教材」に注目
白帯から黒帯まで、実践で使える技術を提供
新R25編集部
柔術・グラップリングなどの格闘技に取り組むみなさん。ご自身のスキルアップ、どうしてますか?
もっとスキルを高めたいのに、なかなか道場に行けない。そもそも地方に住んでいて、レッスンの機会がない…そんな悩みを解決してくれるのが、白帯から黒帯まで、実践で使える技術を学べるオンライン柔術研究室「BJJ LAB」。
同サービスを手掛ける合同会社BJJ LAB代表 竹浦正起さんは、ご自身も柔術に取り組む現役アスリート。起業のきっかけは、そんな竹浦さんの“原体験”にあったそうで…?
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
トップクラスの知と技で、技術をアップデートせよ!
竹浦さん
「BJJ LAB」は、日本トップクラスの柔術家・グラップラーの知と技が集結したオンライン柔術研究室です。
BJJは「Brazilian jiu-jitsu(ブラジリアン柔術)」の略だそうです
竹浦さん
よく知られている「柔道」は、投げ技で勝敗が決まるスポーツ競技ですが…
「柔術」は打撃のない、関節技や絞め技などの寝技で闘う格闘技のスタイルのこと。護身術としても知られています。RIZINなどの総合格闘技と呼ばれるなんでもありのスタイルにも取り入れられています。
また、「グラップリング」は日本語で「組み技」の意味。柔術同様、打撃は行わない競技ですが、道着を着用しないのが大きなポイントです。
「BJJ LAB」では3つの方法で、柔術やグラップリングの競技者の役に立つ、道場の枠を超えた普遍的な情報を配信しています。
①「BJJ LAB Videos」
竹浦さん
もっとも力を入れているのが「BJJ LAB Videos」。
厳選されたトップ競技者によるオフィシャル教則動画を数多く提供しています。
石川
講師にはどんな方がいらっしゃるんですか?
竹浦さん
日本人最年少で黒帯保持者となった岩崎正寛さんや、2021年の『RIZIN.28』で朝倉未来さんの練習パートナーを務めたことに加え、2019年・2022年・2023年のADCCアジアオセアニアを3連覇した岩本健汰さんなど…
あまり詳しくない方でも名前を知っているような、選りすぐりのトップ競技者たちを厳選しています。
なかでも人気なのは、「修斗」世界ミドル級(現ウェルター級)王者、「ONE」及び「DREAM」の世界ライト級王者など、数多くのタイトルを獲得している青木真也さんの教則動画。
竹浦さん
上下巻の『絞め技の教科書』のほか、『肩固め』『バックチョーク』など…
ご自身の“武器”にできる技を、解像度高く丁寧に説明しています。
②「BJJ LAB LOUNGE」
竹浦さん
「BJJ LAB LOUNGE」では、全国で開催される柔術・グラップリングのセミナービデオを販売しています。
石川
現地に行かなくても、オンラインで学べるんですね!
竹浦さん
アカデミー(ジムのブランド)にとらわれないセミナー動画の販売は、おそらく業界では初。
道場になかなか行けなかったり、行きたいセミナーが遠方だったりする際に、とても有用だと思います。
私自身、セミナーにもアーカイブがあればすごく便利なのに! と常々思っていたことが、このサービスの着想につながりました。
③「BJJ LAB Knowledge」
竹浦さん
最後は「BJJ LAB knowledge」という記事コンテンツです。
こちらでは、柔術・グラップリングの上達法、テクニック紹介などなど…
読者のお悩みにお答えするさまざまな記事を配信し、動画だけでは伝わらないコンテンツを広げています。
将来有望な柔術家に訪れた“転機”が、「BJJ LAB」の原点に
竹浦さん
私は元々、小学生・中学生・高校生と10年間、野球少年だったんです。
中学3年間シニアリーグ所属、高校3年では野球部キャプテンを務めました。
石川
根っからのアスリートですね。
竹浦さん
その後、野球は高校生で燃え尽きてしまい…18歳の大学入学と同時に、格闘技を始めたんです。
するとあっという間にのめり込み、総合格闘技やキックボクシング、レスリング、柔道など…たくさんの競技にチャレンジ。
アマチュア修斗東海大会優勝、アマチュアDEEPなどで連勝し、20歳で柔術に転身。25歳で黒帯を取得しました。
すごい実績の持ち主だった
竹浦さん
私は柔道やレスリングもまったくの未経験で、トップの柔術選手と比べて圧倒的に柔術を始めるのが遅かったんです。
そこで、誰よりも練習することはもちろん、最短で技術や知識を身につけることを心がけました。
短期間で技術を向上させるために、教則DVDを片っ端からあさり、日本各地のセミナーに参加し、プライベートレッスンを受け…
石川
経験値を努力でカバーしようとしたんですね。すごいな…
竹浦さん
そのころ、最も苦労したのが「お金がない」ことでした。
私は愛知県にいたので、東京の大会があると夜行バスで向かい、友人の家に宿泊。翌日は出稽古やプライベートレッスンを受けるといった日々。
技術は着実に向上したのですが、正直心身ともに疲弊していました。
石川
そりゃそうだ…移動費が人よりかかる分、お金も捻出する必要がありますもんね。
竹浦さん
そうなんですよ。選手としての活動と並行して、お金のためにフィットネスジムインストラクター、ジュニア体操教室講師、塾講師、家庭教師の4つを掛け持ちしていました。
実はこれが、人生の転機になって。生活は大変でしたが、これらの仕事を通じて教える楽しさや信頼される喜びを感じはじめてもいたんです。
石川
おお…指導者としての道が開かれたんですね!
竹浦さん
その後、自分でもパーソナルトレーニングジムを始め、2019年からは1,000クラス以上のキッズクラスを指導してきました。
仲間に恵まれ、充実した日々を送っていましたが…
つねに気になっていたのは、私と同じように地方在住だったり、仕事や家族の事情があったりで、思う存分スキルを鍛えることできない方のこと。
そうした方たちのために、何かできないかとずっと考えていて、2021年に「BJJ LAB」を立ち上げるに至りました。
石川
だから全国どこにいても学べる「オンライン」にこだわっていたんですね!
竹浦さん
柔術やグラップリングだけでなく、格闘技は「道場で学ぶもの」という風習が強いんです。
でもこれからは、道場の広さを超えた知と技が、競技者を支えていく時代だと思います。
柔術において強くなりたいと思う誰もが成長し、また長く続けられるように。
1人でも多くの人の力になるべく、今後もさらに「BJJ LAB」を広げていきます!
「道場の広さを超えてたくさんの人の力になる!」というコンセプトを掲げ、柔術をいつでも楽しく学べる環境づくりに励んでいる竹浦さん。
今後ますます、コンテンツも拡充予定とのこと。学ぶ機会に飢えていた柔術家・グラップラーのみなさんは、ぜひ「BJJ LAB」を覗いてみてくださいね。
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