企業インタビュー
香りの“解像度”を上げると、日常がもっと豊かになる。好みを自宅で探求できる「香水のサブスク」が新しい
「社内ベンチャー制度」から生まれた、急成長中の新サービス
新R25編集部
みなさんは、自分の好みの“香り”を理解できている自信がありますか?
香水ショップに行ってみても、どれもピンとこない。思い切って買ってみても、自分でつけてみるとなんだかイメージと違う…香水選びは奥深いがゆえに、迷路のように人を迷わせてくるものです。
そんな香水迷子を救う、“試して比べて、理解する香水サービス”が「ERAM」。
同サービスの事業責任者を務める株式会社ポーラ・オルビスホールディングス 大島康平さんに、「ERAM」で得られる“新体験”について、詳しくお話を伺いました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
香りを自宅で試して比べて、理解する“新体験”
大島さん
「ERAM」は、株式会社ポーラ・オルビスホールディングスの新規事業として2023年7月に誕生した、好みの⾹りの解像度を上げる⾹⽔サービスです。
20代男性や、フレグランスに興味がある初心者の方がメインターゲットなんだそう
大島さん
そもそも「香水選び」って、すごくムズかしくないですか?
石川
いつも悩んでます。自分の好みもよくわからないし、お店ではいい香りだなと思っても、付けてみるとなんか違ったりするし…
大島さん
そこで「ERAM」では、いろいろな香りを試して比べて、その結果をフィードバックしていただくことで、香水選びをサポート。
それまでぼんやりとしていた香りの好みの方向性を見つけ、その好みを深掘りしていく。
そんな“新体験”を、ご自宅にいながら楽しんでいただけるサブスクサービスなんです。
石川
面白そう…どうやって使うんでしょうか?
大島さん
初月はまず、Webで質問に回答していただくことからスタート。
香りに求めるイメージ、最近好きなファッションなどの6つの質問に答えることで、好みに合いそうな香りや、新しい発見につながりそうな香りが3本選択されます。
大島さん
その3本を、2mlのミニサイズでお届け。
シーンや気分に応じて使い分けながら、自分の好みを探ってみてください。
ミニサイズは大体1~2週間で使い切れるサイズなんだそう
大島さん
3種の香りを1カ月使用したら、マイページよりそれらの香水をランク付けして、フィードバック。2カ月目は、より好みに近い香りが再度3本*届きます。
2カ月目の時点で異なる香りが6本届いたことになりますが、香りをじっくりと試して違いを感じ、好みの解像度を上げていきます。
*2回目に発送するのは、ERAMがセレクトした2ml×3本のセットになります
大島さん
3カ月目以降は、これまで試した香りのなかでもっとも気に入った香りを選択することで、その香りの1カ月サイズ(6ml)が継続して届きます。
月額は3,890 円(税・送料込み)。なお、好みが変わったら、再質問から新たな香りを探すことも可能です。
石川
少しずつ自分の好みに近づけるんですね…!
毎回使い切りサイズなのも初心者にはありがたいです。最初に50mlとかを買っちゃって、使いきれないと悲しいので…
大島さん
大量生産・大量廃棄を回避するために、小ロット生産にこだわっているんです。
毎回1カ月で使い切れる量だけをお届けするので、ほかの香りが試したくなったときも気軽に乗り換えていただけます。
石川
具体的には、どんな香りを試せるんですか?
大島さん
「ERAM」の香水は、シーンを選ばずにデイリーユースできることを大切に、すべてオリジナルで調香しています。
ベースはフローラル・シトラス・ウッディ・オリエンタルの4つ。これを香りの強さ・重さの違いでさらに細分化し、豊富なラインナップを用意しています。
特別なときしか使わないのではなく、外出時はもちろん在宅時もつけたくなるような、日本人の好みに合った自然で飽きのこない香りにこだわっているんですよ。
ちなみに、⾹⽔はすべて⼋ヶ岳で製造。標⾼約1000メートルの冷涼な気候は、⾹⽔や⾹料原料の⽣産・保管に最適なんだそう
立ち上げのきっかけは「社内ベンチャープログラム」
石川
「ERAM」は新規事業とのことでしたが…どんな経緯で立ち上がったんですか?
大島さん
私自身が、社内ベンチャープログラムに応募したことから始まっています。
当社グループの株式会社ポーラには、実は戦前から香水を作ってきた歴史があるのですが…残念ながらすでに撤退してしまっています。
しかし、私が社内外で100名以上の方にヒアリングしたところ、「自分の好きな香りが分からない」「香りを選ぶことが難しい」という声が多数。
だったらもう一度、かつてのノウハウを活かして、香りで何か事業ができないか?と思い立ったんです。
石川
「社内ベンチャープログラム」というのがあるんですね!
大島さん
はい。「Glow」という、既存事業領域にとどまらない新しい価値創出を目指す取り組みをおこなっています。
役職や年齢、個人・チームを問わず、当社グループ全従業員のエントリーが可能。社内のアイデアを事業化へと結びつける仕組みを構築するプログラムです。
想像を超える“反響”が多数。グッドデザイン賞も受賞!
石川
「ERAM」ローンチ後の反響はいかがですか?
大島さん
2023年7月31日にサービス開始したのですが、計画を大幅に上回る成長を記録しています。
当初の目標を、想定のわずか半分の期間で達成することができました。
大島さん
ローンチから約2カ月後の10月5日には、グッドデザイン賞を受賞。
「体験しながら自分の好みの香りを発見できる」という飽きのこないサービス設計や、ブランドを象徴する表現の統一感などを評価していただき、「香りを見つける新体験」へのニーズの高さを再実感することができました。
グッドデザイン賞 評価コメント(こちらより抜粋)
ゆっくり使ってみて、体験しながら⾃分の好みの⾹りを発⾒させてくれるサブスクリプション型のサービスとして、とてもわかりやすく使いやすいUIUX、それからVI(ウェブからパッケージデザインまで表現の統⼀感がある)となっており、その⼀貫性を⾼く評価したい。
アンケートに答えるタイミングを数ヶ⽉おきに設けることで、移り変わる気分によって⾹りを楽しむことができ、飽きのこないようにサービス設計されている点も素晴らしい。
大島さん
2024年2月7日からは、大丸東京店のショールミングスペース「明日見世」にも出店。
お客さまの香りの好みをお聞きしながら、すべての香りを手にとってお試しいただけます。
設置されたQRコードを読み込むことで、当社ECサイトから直接購入ができますよ。
4月30日までの期間限定とのこと。まずは香りを試してみたいという方はぜひご来店を!
大島さん
情報やモノに溢れた時代だからこそ、自分で選んだモノの価値は高いと考えています。
好みがわかると、香りはもっと楽しい。そして香りがわかると、日常がちょっと豊かになります。
そんな“香り”の楽しさを、「ERAM」を通じてもっと多くのお客さまに体験していただけたらうれしいです!
「最終的に今まで試したことがなかった⾹りに落ち着いて、⾯⽩く感じた」「期待以上に⾹りが良く、まわりから“最近良い⾹りがする”と言われるようになった」など…
「ERAM」を体験したユーザーは、“新たな出会い”に夢中になっている方が多いよう。
今まで「これだ!」という香りに出会ったことがないという方はぜひ、公式サイトを覗いてみてくださいね。
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