企業インタビュー
「“おとり物件”なんかしなくてもお問い合わせは獲得できる」不動産業界に一石を投じる制作会社の挑戦
若手も活躍中!
新R25編集部
「不動産業界」に特化したWeb制作会社・株式会社サービシンク。
不動産テック(不動産✕IT)業界歴25年。創業15年目を迎えた同社の代表取締役・名村晋治さんが挑む、“不透明な業界”に一石を投じる挑戦とは…?
〈聞き手=山田三奈(新R25編集部)〉
“不動産に特化した”制作会社
名村さん
株式会社サービシンクは、不動産業界に特化したWeb制作・システム開発会社です。
山田
なぜ「不動産」に特化しているんですか?
名村さん
私はもともと、不動産ポータルサイト「LIFULL HOME'S」で知られるLIFULL出身なんです。
その後のベンチャー企業では、不動産Webサイトのデザインやシステム開発の企画立案・実装まで携わるなど、不動産業界に特化した受託・開発を得意としてきました。
そんななかで…不動産業界を変えたいという想いが芽生えて。
名村さん
不動産業界って、グレーというか…不透明な部分が多い業界だと思うんです。
情報を操作して、お客さまをだますような手法をとる業者もいるのが現実。
たとえば、すでに契約が決まっている物件をHPに載せて、問い合わせがきたら別の物件を勧める「おとり物件」とか。
山田
“釣り”みたいな。ひどい…
名村さん
そういうことがまかり通る不動産業界を変えたい一心で、“つねにエンドユーザを第一に考える制作会社”として2010年に当社を設立しました。
社名の「サービシンク」は、「サービス(Service)」×「考える(Think)」の造語。
お客さまが気づかない改善点まで考え抜き、落とし込むことをお約束するという意味を込めています。
不動産のプロがサイト制作をする”強み”
山田
Web制作やシステム開発というと…具体的にはどんな支援をするんですか?
名村さん
マーケティングリサーチや企画・設計に落とし込む「案件定義」から、戦略的な「システム開発」、開発後の「効果検証」や「管理保守」まで一気通貫して併走します。
Web制作における弊社の強みは、“不動産業界知識を踏まえたサイトづくり”ができることです。
山田
サイトづくりに業界知識って必要なんですか?
名村さん
はい。サイト制作者は、不動産にかかわる法律や専門用語をきちんと理解している必要があります。
というのも…不動産業界には、物件情報を管理する共通フォーマットや不動産情報ネットワークシステムのほか、業界独自のシステムやルールが多数存在していて。
それをわかっていないWeb制作会社に依頼すると、都度説明やフォローが必要になるうえ、仕様に不備が多くなるなどトラブルの元になりかねないんです。
山田
たとえば、どんなトラブルが考えられるんでしょう?
名村さん
よくあるのは、発注後にサイトの機能詳細を詰めていくなかで、制作会社側が「そこまでは想定していなかった」と言って機能に対応しきれないケース。
なぜそういったことが起きてしまうのか、主な理由は次の通りです。
名村さん
私はインターネット黎明期だった学生時代からWebの制作集団を立ち上げ、これまで25年間、不動産業界のサイト制作・システム開発に携わってきました。
この業界と歩んできた経験をもとに、ただ「納品して終わり」ではなく変化とともに改善をつづけていけることが大きな強みになっています。
「ユーザに対して不誠実なことはしない」
山田
たしかに…サイトって長期運用するものだし、理解ある制作会社にお願いしたほうが安心だと思いました。
名村さん
おかげさまで、大手企業をメインに、多くの企業からご依頼をいただいています。
8~9割は不動産業界の案件ですが、ほかの業界の企業HPやアプリ制作なども請け負っていて。
従業員数30名ほどと少数精鋭ながら、大手企業にも引けを取らない制作実績と技術力の高さが自慢です。
名村さん
とはいっても…私たちはあくまでも、「クライアント」以上に「ユーザ」のことを大切にするスタンスを貫いています。
冒頭でお伝えしたとおり、クライアントから言われたことを最優先にすると、ユーザに対して不正・不誠実なことをしてしまいかねません。
山田
例の「おとり物件」のような…
名村さん
そんなことをしなくても、ユーザに喜んでもらえるサイトやシステムを本気でつくれば、結果的にクライアントの利益にもつながると思うんです。
ユーザが“本当に欲しい情報”に辿り着けるサイトなら、利用者も増えるし、ちゃんと成果も出ますよね。
仮説だけに頼った提案はせず、事例やアンケートなどの「定量データ」の結果も取り入れた、どこまでもユーザに寄り添う施策で、高い改善率や勝率を実現しています。
山田
その誠実なスタンスこそ、多くの企業に選ばれている理由なのでは…?
名村さん
そうかもしれません。
実際に、不動産会社からは「本当に必要なサービスを提案してもらえる」といった評価をいただいていて。受注の98%以上がクライアント企業から直請けの開発案件となっています。
クライアントとエンドユーザ、双方の利益を考えて提案する姿勢と、施策を実現させる技術力・デザイン力を評価いただけているんだと思いますね。
若手が“スペシャリスト”になれる環境
名村さん
あと…弊社では新卒採用を強化していて、一緒に働く仲間も募集しています。
山田
不動産業界を取引先とする制作会社って、若手にとってはハードなんじゃ…?
名村さん
よくそう思われるんですが…ライフワークバランスと生産性の向上を重視していて、ひと月平均の残業時間は22時間未満です。
しかも、メンバーは半数近くが20代。若手がスペシャリストとして活躍できる環境なんですよ。
名村さん
弊社では、入社年次に関係なく、手を挙げた社員に仕事を任せています。
積極性がある若手に裁量を持って仕事を任せることで、早い速度で成長してほしいと思っているんです。
なかには、「開発ミーティング」に参加したインターン生もいましたよ。
山田
かなりフラットなんですね!
名村さん
フラットです!
私は代表ですが、社員と同じ執務室で仕事をしていて。普通にそのへんに座っています(笑)。
ほんとだ
山田
すぐに相談や話ができるような距離間なんですね。
名村さん
挑戦には必ずフィードバックを行い、一歩一歩の積み重ねと到達度合いのフィードバックで成長をサポートしています。
もちろん、お客さまに高品質なサービスを提供するためには知識が必要ですから、「育成制度」も導入しています。
山田
不動産業界の知識を学べるんですか?
名村さん
不動産業界の知識は多岐に渡るためOJTで伝えています。またそれ以前の制作会社としての専門知識やクリエイティブスキル面をアップデートする研修はもちろん…
思考力や考え方、コミュニケーション能力の向上などにまつわる研修制度も充実しています。
「プロジェクトマネジメント力の強化」「協力的なチームワーク構築」「わかりやすい文書術」などのテーマを決めて、セミナーを行うこともありますよ。
山田
代表自ら…!
名村さん
従業員一人ひとりが激しい市場競争で優れた競争力を維持し、成長を遂げるためのスキルアップを徹底的に支援したいんです。
私は、サービスの本質は「喜び」と「安心」にあると信じています。
その信念に共感して、世界中の人々に期待を超えるサービスをより広くお届けするため、共に歩んでいける仲間に出会えたらうれしいですね。
不透明な不動産業界に「クライアント<エンドユーザ」なサービスで一石を投じる、サービシンク。
ものづくりをする身として、沁みるものがありました…。
HP制作はもちろん、集客・活用方法・内部SEOなど、何から手をつけたらいいかお悩みの不動産業界の悩みを解決してくれるはず。
無料のサイト診断もあるようなので、チェックしてみては?
〈執筆=吉河未布/編集=山田三奈〉
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