『「いつでも転職できる」を武器にする』より

転職時の“大人の自己紹介”で年収は上がる。600社以上を支援したプロが語る「自己紹介の方法」

仕事・ビジネスby 新R25編集部

入社してしばらく経つと頭をよぎる「転職」の二文字。

なんとなく転職サイト転職エージェントを調べてみたりはするものの、目の前の仕事に追われていると、長期的なキャリアを考えたり、時間をかけて転職先を検討するのがおろそかになってしまったりしますよね。

そんな人のためになる書籍があります。

600社以上の人材マネジメントをサポートしてきた、人事・戦略コンサルタントの松本利明さんが書かれた『「いつでも転職できる」を武器にする』です。

同書には、より自分らしく働き、稼ぐための考え方が解説されています。

今回は、転職で年収を上げる自己紹介について書かれた部分をご紹介します。

【松本利明(まつもと・としあき)】人事・戦略コンサルタント。大手外資系コンサルティングファームのプリンシパル(部長級)を24年経験。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上。日本人材マネジメント協会(JSHRM)執行役員も務めている。著書に『「稼げる男」と「稼げない男」の習慣』(明日香出版社)、『5秒で伝えるための頭の整理術』(宝島社)などがある

市場価値を高めるには「大人の自己紹介」を身につけよう

伸びる市場や、自分軸に沿った仕事を見極めただけでは50点です。この段階では、まだあなたは唯一無二の存在にはなっていないのです。

錬金術師のように、自分軸で市場価値をつくれるようになりましょう。

大事なことは「選んだ解を正解に変えていく、強い力」を持つことです。これができないと、転々と転職を繰り返すジョブホッパーになり自分の市場価値を失います。

逆に言えば、「選んだ解を正解にしていく術」を知れば、どんな失敗も、成功に繫げられるのです。

あなたの市場価値をあげていくには相手に「欲しい」と思ってもらえることです。

「この人にお願いしたい」「仲良くなって欲しい」となれば、こちらが主導権を握れます。

これは特別な人でなければできないことではありません、誰でもできます。「大人の自己紹介」の作法を身に付ければ簡単です

大人の自己紹介では、どんな価値を提供できるかわかるようにする「大人の自己紹介」は3つの要素で構成されるシンプルなもの。

過去、現在、未来で自分の価値を伝えればいいのです。基本は次の通りです。

過去:
価値を提供できる根拠となる役割や実績(実績・根拠)

現在:
今どんな仕事をしているか(現在の役割)

未来:
過去、現在を踏まえて、相手にどんな価値を提供できるか(提供価値)

普通の自己紹介との違いは、相手がどんな未来や価値を与えてくれるかがわかる。これがあるかないかですが、効果は雲泥の差です。

まずは、自分の「過去・現在・未来」を整理しましょう。次に、相手に応じて提供できる価値とその根拠と実績を整理します。

私の例で解説しましょう。過去、現在、未来がセットになっていれば通じますが、初対面の場合、現在→未来→過去の順番で話す方が伝わりやすいので、その順番で示しています。

現在:
コンサルタントとして独立し、人事分野のコンサルティングとリーダー選抜、研修講師、ビジネス書の執筆、講演を行っています。

未来:
何歳でも自分らしく活躍できるキャリアや働き方を伝え、支援していきたいのです。

過去:
なぜなら、マーサー、アクセンチュアなど600社以上の人事改革、5万人のリストラと6500名以上の次世代リーダーの選抜と育成を通したコツを知っているからです。

過去(根拠・実績)は必要なところだけ。相手に必要な部分だけを取り出しています。

根拠は多くても3つまでにしましょう。情報量が多くなるからです。相手との会話ややり取りの中で、必要な情報があれば都度、徐々に出していけば十分です。

大人の自己紹介をつくった具体例

では、実際にあったオリジナルな提供価値の洗い出しと組み立て方を解説します。

大手システム会社のSE(システム・エンジニア)で55歳のタイミングで役職定年になり、社内で行き場をなくしたケースです。

実績は大型コンピューター用のシステム開発と運用。その会社で提供していたシステム運用が終了したので、仕事がなくなりました。

正直、新しいプログラミング言語を勉強しなくては仕事がない状況。転職希望で書類を20社送ったところ、通過はゼロ

本人の希望としては、成長しているIT企業へ移籍したいとのことでした。

実施した内容は次の通りです。

①相手が喜んでくれそうなこと、困っていそうなことを30個書き出す

最初に相手(想定するIT企業の社長)が困っていそうなこと、喜んでくれそうなことを5分間で30個書き出してもらいました。

・技術力がある人を採用したい

・真面目で誠実で正直

・相手の立場で物事を考える 

など、とにかく数多く出すことが大切です。

②該当しそうな実績を書き出す

洗い出した項目の横に、自分の経験、実績から該当するものを書き出してもらいました。

実績が数多くあるなら3つまで書いていいルールにします。

実績が集中する箇所は、差別化ができないことが多いからです。

実際、他社の同じような立場のSEの方にも同じフォーマットに書き出してもらいましたが、上位項目はそっくりでした。

そして、一つずつ見ていくと、「25年間、常駐先のプロジェクトで性別にかかわらずメンタル不調になったり、プロジェクト中に退職されたりした方がいない」という事実が浮かびあがりました。

ご本人は当たり前過ぎていて全く意識していなかったのですが、「これ、もしかして他の人にはない価値かも」と気づかれたようです。

③根拠となるようノウハウを整理

一人もメンタル不調になったり、辞めたりしなかったのはなぜか。

メンバーのどんな点に注意して接していたか、普通の人とその方の接し方の違いを出してもらうと、ノウハウが大量にでてきました。

そのノウハウを教えたら、実践した人も同様に女性メンバーのメンタル面が健康になった例も多かったそうです。

ノウハウは再現性がないと偶然と判断されてしまいます

ノウハウの概要をまとめ、キーになる部分1か所を30秒で説明できるように、まとめてもらいました。

「普通の人はこうする。でもこうした方がいい。理由は…」と普通のケースと対比することで、誰でもすぐわかり、真似できるレベルです。

④キャラや資質と照らし合わせる

このノウハウはなぜ、知りえたのか。資質をもとに紐づけてみたら、いろいろみえてきました。

この方は女性ばかりの家系で、女性が普段どのように考えて行動するか、どう接して欲しいかを経験的に身に付けたことが、他人でも再現できるノウハウとしての整理につながったようでした。

実際、誰とでも壁をつくらずにフラットに自然体で話せるので、組織の中の調整役として機能していることも判明しました。

⑤過去、現在、未来でまとめる

彼の資質を踏まえ、成長著しいITベンチャーの中で、実は退職者やメンタル不調者が多く困っている会社。

特に女性社員の活躍の場を増やしていきたい企業をターゲットにし、自己紹介をまとめました。

未来:
社員のメンタル・健康が向上し、退職率も減り、社員全体を育てられます。

過去:
なぜなら、25年間のプロジェクトで合計〇〇〇人のメンバーと仕事をしましたが、女性メンバーを含めメンタル不調者はゼロというノウハウがあります。その内容を社内教育したところ、退職率が1/10。メンタル不調者が0%まで激減。

最後に②で上位にあった経験、実績に結びつけます。

資質に沿って、相手に喜んでもらえそうな提供価値と、普通の「技術者」に求められる実績をセットにすると、オリジナルの技術者になるのです。

早速、職務経歴書を書きかえてもらい、書類を出したら、2週間後には内定がでました。しかも、執行役員としての採用で年収も2割アップ。

キーは、相手の「得」になりそう、「損」を回避できそうなことを数多く出すこと

あなたの今までの職業人生に無駄も間違いもありません。

大事なのは過去の人生から「何を取り出すか」。面倒くさがらず、洗い出しと組み立て作業をやってみてください。

実績がまだ十分にないなら「やれそうだ」と思ってもらおう

20代の若手社員、30代でも過去の知見・経験をもとに新しい分野にチャレンジしたい人もいるでしょう。

その分野がこれからなので提供価値が出せないというケースでは、大人の自己紹介のやり方をアレンジします。

未来を提供価値ではなく、過去、現在を踏まえ、どうしていきたいかの意志・意欲にするのです。

過去:
どんな役割と実績を出してきたか(実績・得意分野)

現在:
今どんな仕事をしているか(現状)

未来:
過去、現在を踏まえてどんなことを具体的にしていきたいか(意志・意欲)

1つ例をあげましょう。

過去:
これまで広告代理店A社で営業、B社でマーケティングをしてきました。そこで培った自分の強い分野は、女性向け商品のリサーチとプロモーションです。

現在:
30代女性向けの化粧品の宣伝のプロジェクトリーダーをしています。

未来:
長年の趣味であるヨガやマクロビを活かし、30代の女性が心と身体と精神を輝かせる提案をしていきたい。

ポイントは一貫性。過去→現在→未来(意志・意欲)に一貫性をもたせることで、相手に「やれそうだ!」という安心感を与えることです。

仕事を依頼する時の一番の決め手は過去の実績です。

仕事を任せる側は常にその分野のNO.1にお願いしたいと思うからですが、必ずしも100%実績だけで選ばれるわけではありません。

「アイツならやり切ってくれるはず」とか「彼女ならいい結果を出してくれるだろう」という期待を抱かせる人に任せたいのです。

一貫性はあなたのパーソナルブランドです。一貫性が安心感を生み、「こいつに任せよう」と判断するのです。

過去、現在、未来を普段から語ることで「あの人はこういう人」という認知を広めていくと、チャンスが回ってきやすくなります。

これからのキャリアを考えるのに役立つ一冊

『「いつでも転職できる」を武器にする』には、これからのキャリアを考えるのに役立つヒントが詰まっています。

今より仕事をずっと楽しく、ラクにする考え方を、この本から学んでみてはいかがでしょう。

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