“売り手市場”はもう終わり?
【最新】“コロナ”で不安な今、転職すべき? 人事のプロに市場への影響と対策を聞いた
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外出自粛が続き、リモートワークが主流に。休業を余儀なくされ、経済的打撃を受けた方もたくさんいます。
そんないま、気になるのが転職市場の現状。ここ数年は“売り手市場”と言われていましたが、いまや「採用活動の停止」「内定取り消し」などの噂が絶えません。
“コロナショック”を考慮すると転職活動は控えるべき? いまのうちからできることってあるの?
そんな疑問を解決すべく、人材業界のプロに取材を敢行。転職市場に対する新型コロナウイルスの影響を教えていただきました。
目次
コロナショック真っ只中の今、転職は見送るべき?
2コロナショックの影響で、転職市場に起こった変化って?
変化① 求人数が減少
変化② 採用取り消しやリストラが増加
採用を続けている企業も少なくない
3今後の転職市場に起こりそうな変化って?
アフターコロナの転職市場① 大量採用やポテンシャル採用が減る
アフターコロナの転職市場② リファラル採用が増える
アフターコロナの転職市場③ Web上のツールを活用した採用が増える
4理想のキャリアを築くために、今からやっておくべきこと
① 転職エージェントに登録し情報収集する
1028人への調査でわかったおすすめの転職エージェント
② ポータブルスキルを磨いておく
③人脈を広げておく
5コロナ禍でも転職したほうがいい場合もある
6これから伸びそうな企業を見極める方法
①「No.1」の肩書きを持っているか
② 社会の流れを俯瞰して捉える
7自分と相性のいい企業を見極める方法
8定期的な情報収集を欠かさずに
コロナショック真っ只中の今、転職は見送るべき?
石川
松本さん
求人数が減っているのに加え、失業者はこれからどんどん増えていくことが予想されます。つまり競争率が上がるので、転職の難易度が高めになります。
コロナショックの影響で、転職市場に起こった変化って?
石川
変化① 求人数が減少
松本さん
転職サイト「doda」による2020年4月のレポートでも、すべての業種で前月より求人数が減っています。まわりの人事担当者に聞いても、採用を一旦ストップした企業が多いようですね。
変化② 採用取り消しやリストラが増加
松本さん
取り消しまではいかなくても、外出自粛の影響もあって選考を中断している企業もあるようです。
石川
松本さん
長崎県のテーマパーク「ハウステンボス」で3月に数十人の派遣切りがおこなわれていたり、タクシー会社の「ロイヤルリムジン」がグループの従業員全員を解雇したり(のちに撤回)といったニュースも話題になりましたよね。
石川
松本さん
また、時事通信では、4月末に三菱UFJ銀行が業務の構造改革を加速させる方針を固めたと報じられました。
もともと発表していた6000人の従業員削減計画に2000人を上積みし、全体の2割にあたる8000人程度の従業員を削減するという発表です。
石川
松本さん
採用を続けている企業も少なくない
石川
松本さん
つまり、採用を続けている企業もまだまだあるんです。
石川
松本さん
実際、先ほども触れたdodaのレポートでも、全業種のなかで「IT・通信」の求人数の減少幅がもっとも少ないんです。
石川
松本さん
逆に言えば、このタイミングで採用された方は期待値も高いということ。たとえ若くても、大きな仕事を任せてもらえる可能性もあります。
今後の転職市場に起こりそうな変化って?
石川
松本さん
アフターコロナの転職市場① 大量採用やポテンシャル採用が減る
松本さん
手当たり次第にたくさん人を採用するのではなく、本当に欲しい人材だけを厳選するようになっていくはずです。
石川
松本さん
アフターコロナの転職市場② リファラル採用が増える
松本さん
石川
松本さん
つまり紹介される時点で、一定以上のパフォーマンスと社風とのマッチは折り込み済み。だからミスマッチが起こる可能性が少なく、余計な採用コストがかかるリスクを抑えられます。
リファラル採用が起こりやすいのは同業界の転職です。
特にIT・Web業界は顕著ですが、同じ業界で活躍する人たちがSNSなどでつながり、定期的に飲み会や勉強会を開いていたりしますよね。
石川
松本さん
まわりの人事担当者や経営者の話を聞くと、このケースは増えてきていましたが、コロナ禍で加速してきています。転職というより、同じ業界での“人事異動”みたいな感じですね。
今後は「どんな人と交流があるか」が、キャリアの選択肢を増やすための重要な指標になっていくと思います。
アフターコロナの転職市場③ Web上のツールを活用した採用が増える
石川
松本さん
ただ、別の形でWebが有効活用される機会が増えると思います。
石川
松本さん
これらを活用することで、企業と求職者との親和性をより精密に判断でき、“ミスマッチ入社”を防げます。
短時間の面接だけで判断するよりもよほど建設的になると思いますよ。
理想のキャリアを築くために、今からやっておくべきこと
石川
少しあとの転職を理想に近づけるために、いまからやっておくべきことはありますか?
松本さん
① 転職エージェントに登録し情報収集する
松本さん
石川
松本さん
長いスパンで付き合っておけば、何かのタイミングで絶好の求人案件を紹介してもらえるかもしれません。
石川
松本さん
石川
松本さん
それに、転職市場が冷え込んでいけばいくほど、転職エージェントにとっても求職者が“ありがたい存在”になります。すぐに転職をしないからといって無下にされることはないはずです。
もし面談の気が進まないなら、転職サイトに登録して求人情報に関するメールを定期的に受け取るだけでも役にたちますよ。
【目的別】おすすめ転職サイトを1163人にガチ調査! 初心者は別サービスを使うべき!?|新R25
1028人への調査でわかったおすすめの転職エージェント
新R25総研の調査結果や過去におこなった専門家への取材をふまえて、特におすすめできる総合型の転職エージェントのみをご紹介します。
・調査期間
2020/03/30〜2020/04/01
2020/04/02〜2020/04/06
・サンプル数
1128人(554+574)
・調査対象者
性別:指定なし
年齢:20〜39歳
地域:全国
条件:転職エージェントを利用したことがある人
種別 | おすすめのサービス名 | ユーザー満足度 | |
総合型 | マイナビエージェント | 92% | 相談する |
総合型 | リクルートエージェント | 89% | 相談する |
総合型 | doda | 83% | 相談する |
総合型 | パソナキャリア | 86% | 相談する |
② ポータブルスキルを磨いておく
松本さん
石川
松本さん
さらに簡単にいうと「仕事を前に進めていくスキル」。仕事のし方(PDCA)と人との関わり方(コミュニケーション、対人育成)に分類され、「計画を立てて実行するスキル」「社内・社外とのコミュニケーションを円滑におこなうスキル」などで構成されていますす。
松本さん
逆に言うと、中堅以上でこれらのスキルが足りないと、どんな専門知識があったとしても苦労することになります。
もし苦手意識がある人は、いまのうちに経験を積んで、これらのスキルを磨いておくといいですね。
③人脈を広げておく
松本さん
先ほどお話しした通り、これからは本当に欲しい人材だけが厳選される時代。リファラル採用も積極化するので、「どんな人と交流があるか」が命運を分けることになります。
社内で大活躍している先輩や、自分よりずっと年上の人、異業種で活躍している人など、付き合う輪を意識的に変えていくといいと思います。
石川
松本さん
あとは、オンラインサロンなんかもいいですね。自粛期間で仕事に余裕がある人は特に、思い切って新しい輪に飛び込んでみるといいでしょう。
そうやってチャンスをくれる人を増やしていくと、いつか思わぬ仕事につながるかもしれません。
コロナ禍でも転職したほうがいい場合もある
松本さん
むしろ、すぐにでも転職を考えたほうがいいケースもあります。
石川
松本さん
お話しした通り、採用を続けている会社もたくさんあります。絶対に無理だと諦める必要はありません。
あと「この先淘汰されそうな企業」にいる場合は、むしろ早めに転職を考えたほうがいいでしょう。
石川
松本さん
在宅勤務が広まり、ペーパーレス・ハンコレスが推奨され、飲み会で終電を逃すことも極端に減りました。
こういった経験から「実は生活に必要ない」とわかった習慣や商品はどんどん淘汰されていきます。
自分がいる企業に「伸び代があるかどうか」を見極められないと、苦労することになってしまいます。
これから伸びそうな企業を見極める方法
石川
松本さん
①「No.1」の肩書きを持っているか
松本さん
石川
松本さん
また、同じ業界でもNo.1の企業のほうが集まる人材のレベルが高くなりやすいため、その環境に身を置くことで自分の成長も早まります。
“No.1企業”での就業経験があれば、そのあとに転職するとしても経歴が重宝され、キャリアの選択肢が増えるでしょう。
特に若い世代は、転職するなら“No.1企業”を選ぶのをおすすめします。20〜30代で積み上げたキャリアが、そのまま40代以降の“売り”になりますよ。
② 社会の流れを俯瞰して捉える
松本さん
たとえば、コロナの影響で自宅にいる時間が長くなったいま、どんな新サービスを立ち上げたら儲かると思いますか?
石川
松本さん
石川
松本さん
石川
松本さん
不況で6月のボーナスが下がって、使える食費が減ることもあるでしょう。家にこもっていたせいで太って、食事を控えめにする人が増えてくるとも考えられます。
そうなると、次はお金をかけずに自宅で身体を鍛えられるエクササイズやダイエットのサブスクモデル、自宅でストレスチェックと解消ができるものが流行するかもしれない。
このように、世の中の流れを長い目で見ることが大切です。
石川
松本さん
自分と相性のいい企業を見極める方法
松本さん
石川
松本さん
伸びるフェーズの事業を選ぶのももちろん大事ですが、一番いいのは自分と相性のいいフェーズにいる事業を選ぶことだと思います。
なぜならその事業が属しているフェーズによって、活躍できる人材のタイプが異なるから。
ここで自分の強みが活かせれば、仮に事業が衰退したとしても生き残れるチャンスが増えます。
石川
『「いつでも転職できる」を武器にする』
松本さん
ここに向いているのは、新しいことを考えるのが得意な人。マーケティングの実績がある人や、何としても売上を上げる馬力のある営業経験者などが重宝されます。
続いては「成長期」。事業が軌道に乗り、活気にあふれているフェーズです。
1を100にするのが得意な人、つまり既存の事業を太くするのが得意なタイプが向いています。事業の成長とともに自分も出世できるので、“おいしいフェーズ“とも言えますね。
石川
松本さん
先ほどお話しした“No.1企業”は、このフェーズにあたることが多いです。
最後に「衰退・再展開期」。市場の変化により、ビジネスモデルが終焉を迎えるフェーズです。
石川
松本さん
リストラを通達される側ではなく「通達する側」のメンバーに入れれば、その後の活躍も期待できます。
No.1の強みがあれば、大企業に買収され、結果、ブランド企業が職歴に入る。報酬があがる。活躍できるチャンスが増えたというケースは実は結構多いのです。
定期的な情報収集を欠かさずに
松本さん
石川
松本さん
こんな時代だからこそ、第三者の意見はなるべくたくさん取り入れた方がいいでしょう。
転職エージェントの比較はムダ。田端信太郎とカリスマ転職コンサルタントがおすすめ活用法を伝授|新R25
松本さん
相性もよく優秀なアドバイザーとつながっておけば、数年後に好条件の求人案件を持ってきてくれる可能性もあるし、将来的には自分の部下を中途採用する際の頼もしいパートナーになってくれます。
今のうちにアドバイザーと良好な関係を築いておけるといいですね。
石川
松本さん
世間が大きく揺れるいま、少しでもポジティブに動き出せれば、きっと未来が変わるはず。理想のキャリアを叶えるためにも、いまからできることをはじめてみませんか?
〈取材・文=石川みく(@newfang298)/ 編集=葛上洋平(@s1greg0k0t1)〉
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