ビジネスパーソンインタビュー
学歴だけでは測れない能力とは?
コンプレックスを“逃げる理由”に使うな。ビジネス賢者に聞く「学歴コンプレックス」の乗り越え方
新R25編集部
毎日SNSをチェックするのが当たり前になった今、ビジネスパーソンの情報感度は高まっています。
ただ、SNSで目にするトレンドや社会情勢に対して、「自分の持論」を持てている人は少ないのでは?
新R25が毎週土曜日にお届けする「新R25ワイ土ショー」では、各業界で活躍するビジネス賢者に、トレンドや社会情勢にまつわるさまざまな質問を投げかけ、各々の持論を展開してもらいます。
賢者たちの回答をきっかけに、ぜひ自分なりの意見を考えてみてください!
今回のテーマは「学歴」。
「ビジネスの成功と学歴は関係ない」という意見はあるものの、高学歴な人と仕事をしていると、どうしてもコンプレックスに感じてしまうことがありますよね…。
そんなコンプレックスに対して、各業界で活躍するビジネス賢者たちはどんな意見を持っているのでしょうか? 今回は、以下の2つの質問を聞いてみました。
「学歴の重要性」
日本でビジネスパーソンとして活躍するにあたって、学歴はどれぐらい重要なのか?
「学歴コンプレックスの乗り越え方」
学歴にコンプレックスがある人はどんな戦い方をすべき?
moto「そもそも学歴コンプレックスを持つ必要がない」
撮影=森カズシゲ
【motoさん】33歳6社目のジョブホッパー。地方の短大を卒業後、新卒で地方中小企業(ホームセンター)へ入社し、人材広告会社→リクルート→スタートアップ(買収されて楽天)→ベンチャーというキャリアを歩む。現在年収1500万円超のサラリーマン。同時に「転職アンテナ」というブログを運営中
motoが考える「学歴の重要性」
motoさん
学歴は大事だと思いますよ。
いまだに学歴で仕分けされる世界は存在しているし、学歴の有無によって得られる機会は変わると感じてます。
少なくとも、僕は短大卒で学歴がほぼないに等しいからこそ強く感じました。
とはいえ、「ビジネスの世界は学歴がすべてではない」というのも感じていて、コミュニケーション能力やお金に対する嗅覚、行動力など、学歴だけでは測れない能力も大切です。
学歴がなくても、ビジネスに必要な能力を伸ばしていく努力を続けることが大切だと思います。
motoが考える「学歴コンプレックスの乗り越え方」
motoさん
そもそもですが、コンプレックスを抱く必要なんてないと思いますよ。
僕も学歴コンプレックスを持っていた時期がありましたが、持つべきはコンプレックスではなく、目の前の仕事に対するコミットメント意識です。
コンプレックスを抱きながら仕事をしていると「自分には学歴がないからできないんだ」という“逃げる理由”をつくることにもつながります。
自分の学歴を言い訳にせず、目の前の仕事における課題を解決することが大事だと思います。
こうみく「学歴とは社会からの信頼性を担保するタグの一種」
【黄未来(こう・みく)】中国トレンドマーケター。1989年中国・西安市生まれ。6歳で来日。早稲田大学先進理工学部卒業後、2012年に三井物産に入社。国際貿易及び投資管理に6年半従事したのち、2018年秋より上海交通大学MBAに留学。現在は中国を本拠地として活動。オンラインサロン「中国トレンド情報局」も主宰
こうみくが考える「学歴の重要性」
こうみくさん
学歴はとても大事です。MARCHレベルを卒業していれば、困ることはないと思います。
しかし、学歴とは社会からの信頼性を担保するタグの一種なので、圧倒的な才能や飛び抜けた実績といったほかのタグで代替することは可能です。
ただ、社会人8年目になって感じるのは、学歴以外のタグを手に入れるほうがよっぽど難しい…。運もいるし。
私みたいな凡人は、大人しく学歴を積むことが結局一番コスパがいいと思う。
こうみくが考える「学歴コンプレックスの乗り越え方」
こうみくさん
リスクを取るもしくは普通の人がやらないことにチャレンジするという2つの道があると思います。
とある友人は無名大学出身だったけど、リスクを取って社員が少なかったベンチャー企業に入社したら、そのあと会社が大きくなり、3年後には役員になれました。
また、普通の人がやらないことへのチャレンジとして、YouTubeを早い時期に始め、現在は数十万登録者を獲得しており、経済的にもとても成功しています。
幡野広志「学歴コンプレックスの人は、悪いことは学歴のせいにできてしまう」
(C)Yukari Hatano
【幡野広志(はたの・ひろし)】写真家。1983年、東京生まれ。2004年、日本写真芸術専門学校中退。2010年から広告写真家・高崎勉氏に師事。同年「海上遺跡」で「Nikon Juna21」受賞。2011年、独立し結婚する。2012年、エプソンフォトグランプリ入賞。2016年に長男が誕生。2017年、多発性骨髄腫を発症し、現在に至る。著書に『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる』(PHP研究所)、『写真集』(ほぼ日)、『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために』(ポプラ社)がある
幡野広志が考える「学歴の重要性」
幡野さん
ぼくは撮影業界なので、学歴はまったく評価されません。ぼくも学歴を気にしたことがない。
芸大や美大を卒業してても仕事ができない人はいるし、一方で高校中退だけど優秀な人もいます。
幡野広志が考える「学歴コンプレックスの乗り越え方」
幡野さん
学歴をコンプレックスに抱えるぐらいなら、学歴を持つことが一番なんじゃないでしょうか。それか仕事で実績をどんどん積むか。
ぼくの経験上、学歴コンプレックスの人はちょっと面倒くさい。
でも学歴コンプレックスの人は、悪いことはすべて学歴のせいにできるから、そのままでもいいと思うんです。
ひろゆき「通信で大卒の資格をとればいいんじゃないですかね」
撮影=長谷英史
【西村博之(にしむら・ひろゆき)】1976年、神奈川県生まれ。中央大学卒。1999年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2003年「未来検索ブラジル」取締役に就任。2005年にはニワンゴの取締役に就任(のちに辞任)。2015年には英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に
ひろゆきが考える「学歴の重要性」
ひろゆきさん
外国では、大卒じゃないとなかなか労働ビザがおりないんです。
高卒で「デスクワーク」と言い張って証明するのは大変なんですよ。
ひろゆきが考える「学歴コンプレックスの乗り越え方」
ひろゆきさん
通信教育で、大卒の資格をとればいいんじゃないですかね。
エンリケ「学歴より経験を積むことを選んだけど後悔はない」
【小川えり(通称エンリケ)】週7日出勤、年間360日働くというストイックな姿勢で、名古屋の「アールズカフェ」でNo.1キャバ嬢に。2019年11月に引退し、現在はエンリケ空間株式会社の経営者として活躍している
エンリケが考える「学歴の重要性」
エンリケさん
仕事と学歴は関係ないと思う。
エンリケが考える「学歴コンプレックスの乗り越え方」
エンリケさん
私は学歴よりも経験を積むことを選んだけど、後悔はしてません。後悔をしなければいいと思います。
賢者たちの回答で特に印象的だったのは、学歴コンプレックスがあることで、仕事の失敗を“学歴のせい”にしてしまいがちだという意見。
学歴で悩むくらいなら、目の前の仕事への向き合い方を引き締めないといけませんね…!
〈構成・文=福田啄也(@fkd1111)〉
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