ビジネスパーソンインタビュー

とりあえず登録するだけでもOK?転職サイトにまつわるギモンをプロが解決

登録後のフローも解説

とりあえず登録するだけでもOK?転職サイトにまつわるギモンをプロが解決

新R25編集部

2020/09/26

X
FacebookLINE

この記事をシェア

リンクのコピー

転職でもしようかな? と思い立ち、なんとなく転職サイトをのぞいてみる…一度はそんな経験をしたことがある人も多いのでは?

しかし、いざ使ってみるとなると「転職しようか迷っている段階で登録してもいいの?」「登録したら絶対転職しなきゃダメ?」と、さまざまな疑問が浮かぶはず。

そんな疑問を解消すべく、転職サイトを登録したあとの流れについてプロに聞いてみました。

今回、取材に協力してくださったのはこちらの2名。

松本さん

人事・戦略コンサルタントの松本です。

アクセンチュアなどの大手外資系コンサルティング会社に24年勤めて、プリンシパル(部長級)を経て現職に至ります。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上です。

さまざまな企業の人事とのつながりがあるので、企業側からの意見をふまえてコメントをします。

黒田さん

こんにちは、黒田です。リクルートでは「Bing」「とらばーゆ」「フロム・エー」関西版編集長、「リクナビNEXT」編集長「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長などを歴任しました。

現在はルーセントドアーズ株式会社を設立し、35歳以上のミドル世代を対象とした転職支援サービス「CareerRelease40」を運営しています。

※詳細プロフィールは記事の下部に記載しています。

〈聞き手=SYO〉

転職サイトは「とりあえず登録する」でもOK

SYO

そもそも、転職サイトは会員登録しないとい使えないものなんでしょうか?

松本さん

会員登録しなくても、求人情報を探すことはできます。

ただ、お気に入り機能や応募などのすべての機能を利用するためには登録が必須なことがほとんどなので、基本的には登録をおすすめします

SYO

すぐに転職する気がなくても、とりあえず登録するだけでもいいんでしょうか?

松本さん

もちろん、大丈夫です。人によって転職したい時期はさまざまですし、基本的に無料のサービスなので、とりあえず触ってみるだけでもまったく問題ありません

SYO

ちなみに…退会って簡単にできるものですか?

松本さん

はい。ほとんどの転職サイトで、設定ページからいつでも退会できます。使ってみて合わないと感じた場合や、不要になった場合は気軽に退会しましょう

ちなみに、一度退会したサービスの再登録もできますが、過去の会員情報は消えてしまうのでご注意ください。

転職サイトに登録したら、今いる会社にバレちゃうってホント…?

SYO

転職サイトに登録すると、今いる会社にバレてしまうという噂は本当でしょうか?

松本さん

その可能性はゼロではありません。ただ、なるべくバレないようにする方法もありますので安心してください。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

転職サイトに登録すると、何ができるの?

SYO

転職サイトに登録すると、どんなことができるのでしょう?

松本さん

ざっくり言うと、気になる求人案件を自分で探せて、応募もできます。

サービスによっては転職ノウハウをまとめた読み物や診断コンテンツなどもあるので、併せて活用してみてください。

黒田さん

具体的な利用フローは下記の通りです。

STEP① 登録:まずは自分の「軸」を明確にしよう

黒田さん

転職先選びは、さまざまな要素が絡み合ってきます。

勤務地や社風、仕事内容や給与…たくさんの変数の優先順位をしっかり決めないと、どんな転職サービスを使ったとしてもうまくいきません。

転職サイトに登録する前に、転職の「軸」、つまり自分のなかで譲れない条件と妥協できる条件を決めておくと、その後の転職先選びもスムーズに進みます。

SYO

でも、優先順位を決めるのってけっこう難しいですよね…。ひとりで考えてると、なかなか結論が出なさそうです。

黒田さん

そういう方は、無料で転職活動をサポートしてもらえる転職エージェントも併用するといいですね。

第三者である転職エージェントのアドバイザーに相談すれば、頭のなかを整理できます。

アドバイザーと面談をしつつ、自分でも転職サイトで求人案件を探す。この両方で、転職先選びの可能性が広がります

STEP② 求人探し:スカウトメールは見極めが大切

SYO

転職サイトに登録して「軸」を明確にしたら、次は“求人探し”ですよね。

黒田さん

はい。検索して探すのが基本ですが、企業から送られてくるスカウトメールを活用するのもいいでしょう

SYO

スカウトメールって、ただの“テンプレ”みたいなものがたくさん届くイメージなんですが…本当に信頼できるんですか?

黒田さん

正直なところ、スカウトとは名ばかりなものも多いです。でも、なかには職務経歴書を丁寧に読んで送られてくる、熱意の込もったスカウトもあります。

スカウト経由で応募すると、書類選考をパスして面接に進めるケースも多いので、そういった本気のスカウトには応じるといいでしょう。

SYO

その“本気のスカウト”って、どうやって見分ければいいんでしょうか?

黒田さん

明らかに件名や文章が違うので、心配しなくてもちょっと見ればわかりますよ。

きちんと見極めて使えば、思わぬチャンスに出会えるかもしれません。

Embedly

STEP③ 応募書類の作成:便利な「作成ツール」を活用しよう

黒田さん

応募前に、必要書類をつくらなければなりません。作成する書類は「履歴書」と「職務経歴書」の2つ。

履歴書は知っての通り、連絡先や職歴・学歴などの基本的なプロフィールを簡潔に伝えるもの。フォーマットに沿って正確に書けばOKです。

松本さん

職務経歴書は、「今まで何をやってきたのか」「何ができるのか」をアピールする書類。これまでの業務経験や、入社後に活かせるスキルなどを記入します。

こちらは履歴書ほど決まった形式があるわけではないので、自分で整理して書く必要があります。

SYO

はじめての転職だと、ちょっと苦労しそうです…

松本さん

そういう方は、サポート用のツールを活用するといいでしょう。

転職サイトによっては、簡単に職務経歴書を作成できるツールを提供していることがあります。それらを使えば説明に沿って書くだけで仕上げられます。

あとは転職エージェントを使えば、アドバイザーに職務経歴書を添削してもらえたり、改善点を指摘してもらえたりします。

自分でつくる自信がない方は、プロを頼ったほうがいいですね。

STEP④ 応募:気になる求人案件を見つけたらすぐに応募

黒田さん

気になる求人案件を見つけたら、すぐに応募するのが鉄則です

というのも、求人案件との出会いは“一期一会”。今日あった求人案件が明日にはなくなるかもしれないので、スピード感を持って応募するのが大切だからです。

SYO

転職サイトと転職エージェントを併用する場合、どちらから応募すればいいのか迷ってしまいそうです。

応募前に転職エージェントのアドバイザーに相談したほうがいいケースもあるんですか?

黒田さん

自分で企業情報を調べ、志望動機が明確にできる場合は相談しなくてもいいと思います。

企業の内情や求めている人材などを教えてもらったり、面接対策を手伝ってもらったりしたいのであれば、アドバイザーに相談してから応募してもいいでしょう。

場合によっては、アドバイザーに推薦状を書いてもらえる可能性もあります

STEP⑤ 選考:社内のリアルな雰囲気を感じ取ろう

SYO

書類選考を通過したらいよいよ面接ですが、気をつけるべきことはありますか?

黒田さん

面接は選考される場ですが、社内のリアルな雰囲気を感じ取れる貴重な機会でもあります。オフィスや社員の雰囲気をよく観察しましょう

さらに余裕があれば、選考と並行して人事以外との面談を依頼するのがおすすめです。

自分と年の近い社員や、似たような経歴の社員と話すことで、求人票だけではわからない企業のリアルな実情が見えてきます。

Embedly

転職サイトと転職エージェントの併用で“理想の転職”が近づく

SYO

転職サイトってたくさんありますよね。理想の転職に近づける、いい選び方ってありますか?

松本さん

前提として、ほとんどの方は転職サイトだけではなく転職エージェントも併用することをおすすめします

SYO

それは…なぜ?

松本さん

転職サイトは求人案件を自分で探して、ピーディに直接応募できるのがメリットです。ただし、選考対策などは自分でしなければならないことが大半です。

一方で転職エージェントは、無料でアドバイザーがキャリアの相談に乗ってくれるサービスです。

相性のいい求人案件を提案してくれるのに加えて、過去の実績などをもとに選考のサポートもしてくれます。

転職は慣れていないと自分一人で進めるのは難しいので、併せて使うといいでしょう。

SYO

転職エージェントもいろいろあると思うんですが、転職サイトと転職エージェントを併用する場合、どのように選ぶといいんでしょう?

松本さん

どちらも求人案件を網羅的に抱えている「総合型」と、特定の領域に特化した「特化型」があります。

総合型の転職サイトと転職エージェントにはそれぞれ必ず1〜2個登録し、さらに転職先の希望が明確であればそこに特化したものも2〜3個、合計で3〜6個ぐらいは登録するといいでしょう。

転職先の検討段階ではできるだけ視野を広げたほうがいいので、抱えている求人案件が違う複数のサービスに登録すると、理想の転職が近くなるはずです。

SYO

転職サイトはそれぞれ特徴ありそうなイメージが湧くのですが、転職エージェントって結局はどんなアドバイザーが担当になってくれるかがキモじゃないですか?

松本さん

その通りです。なので転職エージェントは登録前の段階ではそれほど絞り込まないことをおすすめします

まずは複数のものに登録して、担当者との相性などを基準に厳選しましょう。

合計2000人以上がおすすめする転職サイトと転職エージェント

新R25では、転職サービスの実態に精通した専門家にご協力いただき、「新R25キャリア総研」として、実際に利用したことのある約2000人を対象におすすめの転職サイト・転職エージェントについて調査しました

こちらの記事では、新R25キャリア総研の調査結果や過去におこなった専門家への取材をふまえて、特におすすめできる転職サイト・エージェントのみをご紹介します。

種別

おすすめの

サービス名

ユーザー

満足度

総合型

92%

総合型

89%

総合型

86%

総合型

83%

これ以外にも、詳細な評判やほかのおすすめサービスが知りたい方は、ぜひ下記のリンク先の記事もご覧ください。

〈取材・文=SYO(@syocinema)、編集=石川みく(@newfang298)〉

精通者たちの詳細プロフィール

【黒田真行(くろだ・まさゆき)】1988年、リクルート入社。2006年から2013年まで「リクナビNEXT」編集長、その後「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長、「リクルートメディカルキャリア」取締役などを歴任。2014年、ルーセントドアーズ株式会社を設立し、35歳以上のミドル世代を対象とした転職支援サービス「CareerRelease40」を運営。著書に『転職に向いている人転職してはいけない人』(日本経済新聞出版社)、『40歳からの「転職格差」まだ間に合う人、もう手遅れな人』(PHPビジネス新書)がある

【黒田さんの関連リンク】

黒田真行◆採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ | Twitter

ルーセントドアーズ株式会社

【松本利明(まつもと・としあき)】人事・戦略コンサルタント。大手外資系コンサルティングファームに24年勤務しプリンシパル(部長級)を経験。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上。HR総研の客員研究員も務めている。5万人のリストラと6500名以上のリーダーの選抜と育成をした人の「目利き」。『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)『稼げる人稼げない人の習慣』(日経新聞出版)などベストセラー多数。BBC、TBS、日本経済新聞、東洋経済などメディア実績多数

【松本さんの関連リンク集】

松本利明 Official Web Site

松本利明 | Amazon

松本利明@人事・戦略コンサルタント(累計15万部)|Twitter

ビジネスパーソンインタビュー

「好奇心が弱いせいでモノを知らない…」サトマイさんから“大人の好奇心開発”の現実解を教えてもらった

「好奇心が弱いせいでモノを知らない…」サトマイさんから“大人の好奇心開発”の現実解を教えてもらった

新R25編集部

キッズライン、依頼200万件突破! 創業10年で都内ベビーシッター時給1.7倍に

キッズライン、依頼200万件突破! 創業10年で都内ベビーシッター時給1.7倍に

新R25編集部

TikTok広告賞「Creative Category」全5部門のうち2部門をワンメディアが受賞! 広告会社として最多タイ

TikTok広告賞「Creative Category」全5部門のうち2部門をワンメディアが受賞! 広告会社として最多タイ

新R25編集部

「部下をコントロールするなんて傲慢」マネジメントを履き違えた社員に新R25社長が喝

「部下をコントロールするなんて傲慢」マネジメントを履き違えた社員に新R25社長が喝

新R25編集部

ハラカドにTENGAがオープンさせたのは“愛と自由のワンダーランド”TENGA LAND

ハラカドにTENGAがオープンさせたのは“愛と自由のワンダーランド”TENGA LAND

新R25編集部

「DMM.com」が20年後の事業成長を見据えた採用特設サイトオープン! 事業加速のための会社変革とは。

「DMM.com」が20年後の事業成長を見据えた採用特設サイトオープン! 事業加速のための会社変革とは。

新R25編集部