ビジネスパーソンインタビュー
“23歳で年収1000万円”は失敗だった!? 経沢香保子が語る「お金を呼び込む習慣」

信用のバケツが貯まるまで、水は飲むべきじゃない

“23歳で年収1000万円”は失敗だった!? 経沢香保子が語る「お金を呼び込む習慣」

新R25編集部

連載

マネ凸

2019/03/26

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2012年、女性に特化したマーケティングを展開するトレンダーズの代表として、女性史上最年少(当時)で同社を上場に導いた経沢香保子さん

2014年に再び起業し、現在は女性が輝く社会を実現するべく、オンラインベビーシッター&家事代行マッチングサービス「キッズライン」を運営しています。

今回はそんなキャリアを持つ経沢さんに、『マネ凸』初の女性インタビューを敢行。

不屈の女性起業家のお金の価値観は、まぶしいほどに“まっすぐ”でした。

【経沢香保子(つねざわ・かほこ)】株式会社キッズライン 代表取締役社長。リクルート、楽天を経て26歳の時に自宅でトレンダーズを設立し、2012年、当時女性最年少で東証マザーズ上場。2014年に再び創業し、オンラインベビーシッターサービス「キッズライン」を立ち上げる。主著に「自分の会社をつくるということ」「すべての女は、自由である。」などがある

まずは定番の質問を…経沢さんの収入・資産は?

渡辺

キッズラインはまだ投資フェーズだと思いますし、経沢さんの役員報酬もまだそんなに多くないですよね?

経沢さん

そうですね。少し前まで月2万円でしたから(笑)。

渡辺

ええ!? 僕のお小遣い以下じゃないですか。

…じゃあ今、どうやって暮らしてるんですか?

経沢さん

キッズラインの役員報酬は少し増やしてもらったんですけど、他の会社からもらっている役員報酬も少しありますね。

あとは何だろう…?

渡辺

資産運用はしてないんですか?

してるとしても、おそらく放置型だとは思うんですが。

経沢さん

あ、たしかにしてるのかもしれないです。

おっしゃる通り放置してるので、そのお金がどうなってるかはわからないんですけど(笑)。

渡辺

でも、やはり気になるのはそこなんですよ…!

運用しているお金の元手は、おそらくトレンダーズ時代の持ち株の売却益だと思うんです。

こちらで当時の有価証券報告書などを調べたところによると、上場直後と辞任したタイミングで株を売って、数億円単位のキャッシュを手に入れていますよね?

資産運用は億単位の元本があると、堅実に運用しても利回りだけで生活していけますからね…

ホント、毎回自分でもイヤな質問をしていると思います(ごめんなさい)

経沢さん

すごい調べてる(笑)。

ただ、ほとんどキッズラインに使ってしまいましたし、ベンチャーにもかなり投資をしているので、自分がお金持ちだという実感はまったくないですね(汗)。

利害関係者が増えると会社は強くなる。だから株が好き

経沢さん

ちなみに運用といえば、私はお金というより株が好きなので、トレンダーズを辞めたあとはしばらく個人投資家として活動してました。

渡辺

株が好き?

経沢さん

はい。ベンチャー投資もしましたし、株式市場でも好きな会社の株を買って応援してました。

株式って、夢があるじゃないですか。

まさに経済が動いていて、その数字の奥に企業の活動や変化がみてとれる。一晩にしてすごいことが起きたりもする。

渡辺

そうですね。

経沢さん

あとはトレンダーズ時代に、利害関係者が増えると会社は潰れにくくなるということを体感したんですよね。

株主さんはやはり応援してくれるし、味方になってくださるんだなって。

渡辺

「上場して株主が増える」=「経営の自由度が失われる」「IRが大変」みたいなイメージが強かったですけど、そういうメリットもあるんですね。

経沢さん

はい。これはある種の経済圏ができているような状態だと思います。参加者や利害関係者が増えて流通する金額が大きくなると、そのぶん会社は強くなります。

だからキッズラインも、活動してくださってるシッターさんたちにたくさんのお金が回っていくように努力しているつもりです。

渡辺

なるほど、そういう観点で株をポジティブにとらえていると。勉強になります…!

経沢さん

関係者が増えるというのは、「この会社を良くしたい」っていう気持ちが増えることでもあるんですよね。

知られざる若手時代のキャリア。23歳で“1000万円プレイヤー”になるも…

渡辺

のっけからプライベートのお金事情にツッコんでしまい申し訳ありませんでした(汗)。

ただ、今日本当に話を聞いてみたかったのはここからなんです。

経沢さんはリクルート→楽天と会社員を経験しているので、その頃のエピソードは読者も参考になるのではないかと。

経沢さん

ぜひぜひ。あ、ちなみに私、リクルートと楽天の間に1社挟んでるんですよ

別に隠してたわけじゃなくて、これまであまり話す機会がなかっただけなんですけど。

渡辺

え、そうなんですか?

経沢さん

新卒でリクルートに入社して、23歳のときにベンチャーにヘッドハントされたんです

携帯ショップ店員の教育研修を請け負ってる会社だったんですけど、そこの社長がリクルートでの私の評判を聞いて熱心に誘ってくれて。

渡辺

経沢さん、トップ営業マンだったんですもんね。引く手あまただったのでは?

経沢さん

いえいえ(笑)。

ただ、悩んだ末に「やっぱりまだリクルートに残ろう」と思って、はじめは断りに行ったんです。

そしたらその場で「じゃあいくらならウチに来てくれるの?」って聞かれて。

一度は言われてみたいセリフ

渡辺

おお。

経沢さん

…サラリーマンって、一度は「年収1000万円」とか夢見るじゃないですか?(笑)

それで、なんとなく「ケタが変われば」って言ってみたんです。

渡辺

なかなか強く出ましたね(笑)。

経沢さん

そしたらその社長が「じゃあ1000万円出すよ」って言ってくれて、結局転職することになったんですよ。

経沢さん

ただ、その会社で働いているときに1000万円”の重みをすごく感じたんですよね…

会社の命運をかけた新規事業の立ち上げを任されたんですけど、それ(=1000万円)以上の利益を出さないと自分は存在価値がないと思っていたので。

渡辺

新規事業の立ち上げですか。リクルート時代の仕事とは勝手が違いそうですね。

経沢さん

そうなんです。リクルートでは求人媒体の営業をしてたんですけど、月数百万円とか売ってると貢献してる実感もあるし、どこか自分の力を勘違いしてた部分があったと思うんです。

ただ、この会社ではじめて“生産する側”になって、生産がどれだけ大変でコストがかかることなのかがわかって。

リクルートのときはいろんな土台があったうえで、自分はそのほんの一部を担ってただけだったんだってことに気づいたんです。

渡辺

“生産童貞”だったと。やっぱり売れる仕組みをつくるところが一番難易度が高いですよね。

経沢さん

そうですね。

結局その会社では社長の期待にも応えられなくて、だんだん身動きが取れなくなっちゃったんです。

「1000万円」のプレッシャーにこわばってしまったというか…

前職の給料の3分の1で楽天に転職。“年収を下げる”メリットとは?

経沢さん

ちょうどその頃にインターネットが流行ってきて、まだ創業して間もない楽天に転職することになるんですけど、そのときの反省もあったので、面接では「給料はいくらでもいいです」って言ったんです。

渡辺

実際いくらぐらいになったんですか?

経沢さん

3分の1くらいになりました(笑)。

ただ、それでも楽天に入って大正解だったなと思うのは、月給30万円だとリスクがある仕事にチャレンジさせてもらえるんですよ。

経沢さん

もし私が前職と同じ1000万円を求めてたら、たぶん営業に配属されてたと思います。

コストが高いから、まずは営業で給料以上を稼げと。

渡辺

なるほど。たしかに高給取りだと“読める”仕事にアサインされますよね。

経沢さん

はい。ただ、楽天では月給30万円で営業から新規事業までひと通り経験してるおもしろい若手がいるということで、三木谷(浩史)さんが興味のあることをどんどんやる特命係長みたいなポジションを任せてもらえたんです。

渡辺

それはエキサイティングな経験ですね。

経沢さん

そうなんです。

年収のプレッシャーからも解放されて伸び伸びと働けるようになりましたし、この時期に三木谷さんの頭のなかをインストールすることができたのは、自分のキャリアにおいて最大の資産になったと思います。

若いときは、見返りを求めずに「バケツに水を貯めること」が大事

経沢さん

こういう経験を経て思うんですけど、若くして転職するときに50万円くらいの年収の差で悩むのは、すごくもったいないことですよね。

だって年収50万円って、税引後なら月3万円くらいの差じゃないですか。

経沢さん

当時の私がもしその50万円に執着してしまっていたら、毎日イヤな仕事をして、成長もできずにストレスを溜めて、何も蓄積されない飲み代や高級ランチ代に毎月3万円以上使っていたと思うんです。

だから、若いときは給料が安くてもいいから、伸びてる業界とか思いっきり頑張れる環境に行くべきだと思うんですよね。

渡辺

そう思える人はなかなかいないんでしょうね…

むしろ若いときほど、「早く給料を上げたい」と目先のお金にとらわれがちな気がします。

経沢さん

でも若いときの経験ってお金より価値があって、先に努力で大きい元本をつくれば、あとは利回りで生きていけるようになるんですよね。

イメージとしては、バケツに水をいっぱい貯めて、溢れてきた分だけをすすって生きるみたいな(笑)。

渡辺

なるほど、おもしろいたとえですね(笑)。

経沢さん

でもみんな、バケツに水が貯まる前に飲みはじめちゃうんです。1個努力をしたら、1個返してほしいと思ってる。

そうじゃなくて、返してもらわなくてもいいから、先に100個努力したほうがいいと思うんです。

私はこれを「ししおどし理論」って呼んでるんですけど。

渡辺

ししおどし?

経沢さん

ししおどしって、竹筒に水がたくさん入らないとカコンって言わないじゃないですか。

それを待てなくて、焦ってすぐ鳴らそうとしちゃうのはもったいないですよね。

渡辺

なるほど。そういう意味では、経沢さんが年収1000万円で転職したのも「貯める前に飲もうとしてしまった行為」なんですかね?

経沢さん

そうですね。まさに。

私は1000万円の重みに耐えられなくなって逃げ出しちゃったんですけど、「もう契約したんだし」みたいな態度であのまま年収1000万円で居座ってたら、自分のキャリアは終わってたと思います。

権利を主張する女になって、自分の芽を全部摘んでただろうなって。

新しいコミュニティに入ったときは、一気にバケツに水を貯めるチャンス

経沢さん

これはお金の話だけじゃないと思うんですけど、私は「バケツに水が貯まりやすいタイミング」があると思ってるんですよね。

渡辺

それ、知りたいです。

経沢さん

たとえば、入社したばかりのタイミングってすごい注目されるじゃないですか。そして期待値が低いから、評価もしてもらいやすい。

だから私は、新卒のときにとにかく頑張ったほうがいいと思うんです。

渡辺

なるほど。スタートダッシュ大事ですね。

経沢さん

私もリクルート時代はまわりの人の2倍働こうと思って、毎朝始発に乗って出社してました。それでやる気のある新人だと思ってもらえたんですよね。

すると「コイツに任せてみよう」と先輩や上司からチャンスが巡ってきて、そこからどんどんいいサイクルに入れた気がします。

渡辺

そこまで気合の入っている新人がいたら、確実に会社で話題になりますね。

経沢さん

でも、もし私がそのときに「自分の給料は25万円だから、その金額に見合った仕事しかしたくない」というスタンスで働いていたら、永遠にキャリアを横にスライドさせることしかできなかったと思うんです。

渡辺

せっかくバケツに水が貯まりやすいタイミングなのに。

経沢さん

そうです。ただ、これは新卒のときに限らない話で、初速が速いとバケツが貯まりやすいんですよ。

私、新しいコミュニティに所属したときは自分が一番働くってのを心がけていて。

トレンダーズが上場したときに「上場同期の会」ってのがあったんですけど。

渡辺

おお…すごく刺激が多そうな会ですね。

経沢さん

私、その集まりではひたすら幹事をやったんです

そうしたら、自分が困ったときにみんなが助けてくれたり、アドバイスをくれたりするようになって。

そのときに、お金持ちって感謝の量や表現が大きいんだなって思いましたね(笑)。

渡辺

そのメンバーのなかで幹事を買って出るのは勇気がいりますよね。精神的な負担も大きそうですし…

経沢さん

あとは、一時期上場企業の社長と一緒に英語を勉強してたこともあるんですけど、そのときも率先してコミュニティの運営をやってました。

宿題が多かったので、テキスト内の単語の意味を真っ先に調べてシェアしたり。いつも自分が一番下っ端だという気持ちで動くようにしてたんです

それを繰り返していると、そのコミュニティでは「信用のバケツ」がいっぱいになるんですよね。

今、日頃の行いを猛烈に反省しております…

信用がお金を生む。経沢さんが考える「信用が貯まる行動」とは?

渡辺

今、「信用のバケツ」という言葉が出てきましたが。

経沢さん

はい。結局一番大事なのは信用だと思ってます。

起業家って借金を怖がらない人が多いんですけど、それはみんな「信用があればいつでもお金は集まる」と思ってるからなのかなと。

渡辺

扱うお金が大きければ大きいほど、その本質が実感できるんでしょうね。

経沢さんは、信用を貯めるにはどうしたらいいと思いますか?

【信用が貯まる行動①】期待値を超える

経沢さん

まずは、期待値を超えることですよね。頼まれた以上のスピードで出す。頼まれた以上のクオリティで仕上げる。頼まれそうなことを言われる前にやる。

そうやって期待値を超えてたら信用ができて、その信用がお金を生むんだと思うんです。

【信用が貯まる行動②】悪いことをしない

経沢さん

あとは、悪いことをしない

渡辺

シンプルですね。

経沢さん

私、よく残念に思うことがあって。

お金持ちの人って、世の中からは「悪いことをしてる」とか「ズルイことをしてる」って思われがちじゃないですか。

でも、私のまわりにいるお金持ちには、ひとりもそういう人はいないんですよ。みんなすごい信用を大事にしていて、人格者で、正しいことをしてます。

渡辺

むしろ、お金持ちは信用できると。

経沢さん

そうです! なんでみんな「お金持ちは信用できない」って思うんだろう…

渡辺

みんな同じような経験をしたことがないので、「普通にしてたらそんなに資産が増えるわけない。何がウラがあるはずだ」と思うんでしょうね(笑)。

経沢さん

そうかぁ…でも私、お金はテクニックじゃなくて、正しい生き方でもたらされるものだと思うんです。

損得じゃなくて、正しいか正しくないかを考えたほうが最終的にお金持ちになれるというか。

私のなかにも、「こういう行動をするとお金が集まってくる」「こういう行動をすると貧しくなる」というのがあるんですけど。

渡辺

気になります。たとえばどういう行動ですか?

経沢さん

人の悪口を言うとコストがかかって、最終的に資産も減るとか。

渡辺

悪口がコスト?

経沢さん

みんな感情に負けて人の悪口を言ったり、SNSにネガティブなことを書いちゃったりするんですけど、それって回り回って絶対マイナスになって返ってくるんです。

たとえば、悪口を言った証がネット上に残ってしまって、それに気づいた相手から距離を置かれたり、逆に口撃されて防衛コストがかかったり…

それって自分の価値を自分で毀損してるだけですよね。

経沢さん

言いたいことがあれば、お互いのためにも本人に直接言うのが一番いいんです。陰口が一番よくない結果になります。

逆に、陰でやればやるほどいいのは、人を褒めること。「陰徳を積む」ってことですね。

間接的に褒められると人は喜びますし、自分のことを好きになってくれます。人が見てないところで良い行いをしていると信用されるんです。

渡辺

陰口の対義語で「陽口(ひなたぐち)」って言葉がありますよね。胸に刻んでおきます。

経沢さん

もっとシンプルなことで言えば、愚痴を言わずに、毎日を笑顔で過ごす

私は、そういうふうに日々のマイナスを減らしてプラスを増やすところから、バケツは貯まりはじめると思ってます。

渡辺

日々の自分の行動の一つひとつがプラスの行為なのかマイナスの行為なのか、そのことに意識的になるべきだということですね。

経沢さん

そう思います。そういう行為って、すべてつながっていくので。

【信用が貯まる行動③】逃げない

経沢さん

あとはやっぱり、「逃げない」ってことじゃないですかね。

この人について行こうと思える人、自分のお金や時間を預けてもいいと思える人っていろんな要素を持ってると思うんですけど、一番大事なのは「この人は裏切らない」ってことですよね。

だから、「逃げない」ってのはすごい信用になると思うんです。

渡辺

それはその通りだと思います。

経沢さん

私も忍耐力だけは自信があって、とにかくここだと決めたら井戸を掘りつづけられるタイプだと自負してます。

「女性向けマーケィングなんて当たらない」「ベビーシッターなんて流行らない」って言われても、「いや、マントルまで掘れば必ず温泉は出る!」みたいな。

これはリクルート創業者の江副(浩正)さんが言ってたことらしいんですけど(笑)。

渡辺

しかし、経沢さんの胆力はすさまじいですよね。

仕事でもプライベートでも大変なことがいっぱいあって…トレンダーズを辞めたあとは、エンジェル投資家になってひっそり生きていくみたいな道もあったわけじゃないですか。

経沢さん

ホントそうですよね。不器用なんです(笑)。

渡辺

なんでそんなにずっと笑顔で頑張れるんですか?

経沢さん

閉じているとチャンスがなくなるから、常に自分をひらいて堂々としていたいんですよね。

やっぱりたくさんの人とつながっているほうが、可能性って広がるじゃないですか。

渡辺

たしかに、そういうイメージはあります。

経沢さん

あとは…責任感ですかね。

トレンダーズを辞めるとき、いろんな理由で創業者である自分の株を市場で売却させてもらいましたけど、やっぱりそれに対して複雑な思いはあって。市場に迷惑をかけたんじゃないのかなっていう…

だから、またそのお金を新しい事業に使って市場に戻すというのは、私にとってのひとつの義理の果たし方なんです。

経済的に自立して“選択肢”が増えれば、女性はもっと輝ける

渡辺

今回はこの連載初の女性インタビューということで、最後に「女性はお金とどう向き合っていくべきか」について、経沢さんの考えを伺いたいです。

経沢さん

私が今やっている活動は、女性解放運動だと思うんですよね。

渡辺

女性解放運動。なるほど。

経沢さん

これ、家入さんにもらった言葉なんですけど(笑)。

男女格差に関するデータを見てもわかると思いますが、日本の女性って抑圧されていた時代の名残があって、他人に人生の決定権を握られてしまっている人も少なくないと思うんです。

でもそれって、すごい苦しいことじゃないですか。

渡辺

「女性ばかり育児に追われて、自分の好きなことができない」とかですかね?

経沢さん

それもひとつですね。

私、中高時代に毎日のように電車で痴漢に遭ってたんですけど、それがすごいトラウマで。

当時から「満員電車に乗らない人生を送りたい」ってずっと思ってたんです。

渡辺

そうだったんですね…

経沢さん

だから、社会人になったあとは家賃が高くても必ず会社の近くに住んでました。

でも、もしお金に余裕がなくて満員電車に乗る人生しか選択できなかったら、たぶん私は腐ってただろうなって思うんです。

経沢さん

逆を言えば、選択肢が増えると人って明るく輝けるんですよ。

キッズラインに登録して仕事をしている人たちのなかには、以前の倍以上に収入が増えた人もたくさんいるんですけど、みなさん共通して表情が明るくなってます。

渡辺

「選択肢が増えると輝ける」っていい言葉ですね。

経沢さん

そういう意味で、女性が経済的に自立できる環境をつくることはすごく意義があると感じてます。

仕事と子育てに関しても、どちらかひとつしか選べないと思ってる女性が日本にはまだ多いと思うんです。

でも私は「ホントにそうですか?」という問いかけをしたいし、「そのふたつが“OR”じゃなくて“AND”になるような選択肢もあるんだよ」ってことを、キッズラインを通じて社会に提示していきたいですね。

経沢さん、身が引き締まる素敵なお話をありがとうございました!

経沢さんのマネーの金言をプレゼント!

経沢さんが残してくれたマネーの金言は「自分らしい井戸を掘ろう!」。

「諦めずに自分が決めた井戸を堀りつづければ、その先には必ず実りがある」というアドバイスをいただきました。

若いときほど短期的なリターンにとらわれず、バケツいっぱいに信用を貯めていく生き方をしましょう!

経沢さんのサイン入り色紙は、読者のみなさまにプレゼントいたします。応募方法は、新R25編集部のTwitterアカウントをフォローのうえ、こちらの投稿をリツイートするだけ。ぜひふるってご応募ください!

〈取材・文=渡辺将基(@mw19830720)/撮影=長谷英史〉

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