ビジネスパーソンインタビュー
すごい美人を落とした「今田耕司理論」とは?
「ぼくはバスガイドのお姉さんと2時間話し込める」鈴木おさむが行き着いた“モテる男”論
新R25編集部
テレビやビジネスの世界で、華やかに活躍する人たち。彼らの「モテ」の世界が覗いてみたい!
そんな下世話な動機でスタートする新連載「モテ凸」。
第1回に登場していただくのは、数々のバラエティ番組だけでなく、恋愛ドラマや映画の脚本・監督も手がける鈴木おさむさん。テレビ業界で輝く、スタークリエイター。
…これは相当モテてきたに違いありませんね。
おさむさんの口からは、どんなモテ論が聞けるのでしょうか?
〈聞き手:天野俊吉(新R25編集部)〉
【鈴木おさむ(すずき・おさむ)】1972年生まれ。19歳で放送作家デビューし、バラエティを中心に多くのヒット番組の構成を担当。映画・ドラマの脚本や舞台の作演出、小説の執筆など、さまざまなジャンルで活躍。2002年に「交際期間0日」でお笑いトリオ・森三中の大島美幸さんと結婚
バブルの東京。「小室さんのパーティ」に行ったことでスイッチが入ってしまった
天野
今日は、おさむさんのうらやましいモテエピソードを聞きにきました。
おさむさん
派手な世界で働いてるから遊んでるだろうってことですか?
天野
言ってしまえばそうです。まずはおさむさんの「恋愛遍歴」を教えてください!
おさむさん
ぼくは田舎から19歳で上京してきたけれど、その当時は高校から付き合ってた彼女がいました。その子とは結局4年付き合いました。
「この話は今まで人に言ったことないんだけど…」
おさむさん
でも、時はバブルの終わりかけぐらいのころで、東京がすごいキラキラして見えて。ぼくは業界にかぶれてしまったんです。
上京した翌年ぐらいに、先輩から「小室さんの飲み会があるから行こう」って言われて。飲み会って言っても居酒屋とかじゃなて、六本木のクラブ丸ごと貸しきってやるというもの。
リキんでスーツ着て行ってました(笑)。
天野
話によく聞く「バブル!」って感じですね。
おさむさん
小室さんは、すごく遠くにいて、すごくキラッキラして見えて。
それを見てぼくは頭が「ウワーッ!」となっちゃって。そこにいた美人のモデルさんをなんとか頑張って口説いて、ワンナイトしちゃったんです!
天野
おお…
おさむさん
罪悪感、都会に染まってしまった喪失感、東京の女の子と初めてエッチしたという高揚感、そういうのが入り混じって…それ以降スイッチが入ってしまって、そこからはめちゃくちゃ遊んでしまいました。
こんな話聞いてしまって大丈夫なのか不安になってきた
すごい美人を落とした「今田耕司理論」
おさむさん
いろんな子と付き合ったり、遊んだりしてた中で、25歳のころに「これは!」と思う素敵な女性を好きになって、1年間口説きつづけました。
天野
1年も! そんな素敵な人をどうやって口説いたんですか?
おさむさん
「今田耕司理論」っていうのがあって(笑)、「美人は行列待ち」っていう名言があるんです。
「彼氏がいなくなってからアタックしても意味がない。彼氏がいるときからこっそり列に並ぶべきだ」と。美人は彼氏がいても油断する瞬間があって、その瞬間を待ち構えるというもの。
天野
どうやって「列に並ぶ」んですか?
おさむさん
小さなことでもいいから話をあわせる。人って、共通点がある人に心を開きやすいんです。
恋愛ではとくに、「半径5メートル以内の共通点」があるといいですね。
天野
5メートル…?
おさむさん
「身近でテンションが上がる共通点」があると、人はなぜか恋に落ちやすいことに気付いて。
たとえば「イタリア旅行に行ったのが楽しかった」っていう話にはなかなか合わせられないけれど、「占いが好き」「スマホが好き」とかなら合わせられますよね。
同じように「このバンドが好き」って言われたら、すぐ行動できる。「聴いてみたよ!」っていう「行動」は、人の心を動かせるんです。
この人はワルい人だ…
天野
実践的なテクニック、ありがとうございます。
ちなみにそうやって口説いた美女とは…
おさむさん
1年持たずに別れちゃいました(笑)。
ぼくが付き合ってるときにも、別の男が行列に並んでいたんでしょう(笑)。
話には必ずオチをつけてくるおさむさん
さまざまな芸能人を知るおさむさんが語る「この2人がブッチギリでモテる」
天野
芸能界など含めて、おさむさんのまわりにはいろんな男性がいると思うんですけど、特に「この人はモテる!」って人はいますか?
おさむさん
ぼくが勝手に思っているブッチギリのトップが2人いて、1人はリリー・フランキーさん。
リリーさんは歳を重ねるごとにいろんな“悲しみ”を見てきていて、色気がすごい。一度会ってみたら、絶対わかると思います。
天野
リリーさんは絶対モテるでしょうねえ…
もう1人は?
おさむさん
笑福亭鶴瓶さん。
天野
へえ~!!
おさむさん
この2人の共通点は「人間への好奇心がハンパじゃない」ことですね。
鶴瓶さんも、好奇心がスゴイ人。『家族に乾杯』なんて、あの人の好奇心で成立してる番組だと思います。
天野
“人間への好奇心”がある人がモテる…ってことですか。
おさむさん
結局そういうことだと思います。
ぼくも、自分で言うけど「好奇心のオバケ」なんです(笑)。
たとえば、お店に入って「バスガイドのお姉さん」が隣にいたら、2時間話し込める自信がある。人のことを知りたくてしょうがないから。
天野
初対面でですよね? 2時間は無理だなあ…。普通の男性だったらそんなに話を持たせられないですよ。
おさむさん
ぼくは「好奇心は一番の才能だ」って思ってるんだけど、それと同時に「好奇心は鍛えることもできる」と思っていて。
天野
鍛えられるんですか?
おさむさん
できます。そのためには常に何かをアウトプットすることが大事。「自分が体験した面白い話」をするだけでもいい。
アウトプットをすると、相手のリアクションが気になるから「どうしたら笑ってくれるかな?」と考えるようになる。
そうやって人の内面を探ることが面白くなっていけば、好奇心を鍛えられると思う。
仕事で自信をつけるほどモテる。しかし忙しすぎて人を大事にできない日々
おさむさん
でも、結婚前のぼくにとって大事なのは、正直言ってモテることよりも「仕事」だった。遊んでるのと同時にめちゃくちゃ働いてましたね。
これ面白いんだけど、仕事がうまくいきだして自信がついてくると、どんどんモテるようになるのね。
天野
わかるような気もしますが…それってどういう理由なんですかね?
おさむさん
よく「美人にはみんな気おくれして声をかけないから、勇気を出して口説けば意外と落とせる」って言うんだけど。
やっぱりなかなか声はかけられないですよね。男の場合、「仕事の自信」がその勇気をつくってくれるんだと思う。
おさむさん
芸人さんだって同じで、「喋りがうまい男はモテる」と言うけど、やっぱり仕事で成果を出してない人なかなか厳しいと思うんです。
一般の仕事でもそれは言えると思っていて、仕事が中途半端な人って、やっぱり自信がないから、恋愛も遊びも中途半端になるんじゃないかと。
天野
そうかあ。やはり仕事に邁進しろと…
ちなみに、おさむさんはマックスどれぐらい働いてたんですか?
おさむさん
表現するなら、1日に25時間は働いてた(笑)。
木曜日に会議があって『スマスマ』のコントのネタが決まって、月曜日の収録までに1人でたくさん台本を書かなきゃいけなかった。
もし、自分が書かなかったら他の作家さんが書くことになる。それは打席を譲ることであって、仕事を失うことになる。だからもう何があっても書くしかない。他の番組の仕事もやっていたから、当時は放送まで4日連続寝てないとかはザラでしたね。
天野
ひえ~…!
おさむさん
そんな状況だから、女の子への扱いはどんどんヒドくなっていって。
彼女から電話かかってきたって、出られないし。出られても「なんだよ!? 忙しいんだよ!」みたいな感じでした。
天野
極限状態ですもんね…人に優しくする余裕がないでしょうね。
おさむさん
あるとき、一応付き合ってたのに全然まともに会ってなかったコから、すごい泣きながら怒られたことがあって。
でも別れ話する時間もないから、紙に“別れよう”みたいなこと殴り書きして、FAXで送りつけたことがあります。しかも相手は実家だったという…
あのころは本当にひどい男だったと反省しています。
年上美女の「弱さ」を見て、「人に優しくできるようになった」
天野
そんな「ひどい男」が変わるきっかけなどあったんでしょうか?
おさむさん
一番は、やっぱり大島(美幸)に出会ったことですね。大島のことは芸人として最大限にリスペクトしてるから。
男って飽きっぽいから「この子かわいいな」なんて気持ちはすぐ消えちゃうんだけど、誰かをリスペクトする気持ちって、そう簡単に消えないものなんですよね。
天野
リスペクトの気持ち。おっしゃる通りかもしれません。
おさむさん
あとは、いろんな女性を見ていくうちに、少しずつだけど人に優しくなれるようになったのかもしれない。
いつだったかな。10歳年上の女性と付き合ったことがあって。キレイな人だったんだけど、やっぱり年齢を気にしてなのか、隠れて服を脱いだり着替えたりしてたんです。
こっそり見てると、美人だけどお腹がちょっと出ていて。それを見てすごくキュンとしましたね。
天野
お腹を見て…?
おさむさん
お腹っていうか、それを隠そうとする「美人の弱さ」に。まわりからは「美人だ」って持ち上げられてるけど、じつはお腹が出てて、その恥ずかしい部分を隠そうとしてる。
それってすごい「人間」だなって思って。
おさむさん
人間の「弱さ」を知ると、人間に優しくなれるんですよね。
優しくなれると人間に興味が出てくるし、人間に興味を持つとモテるようになる…
そう考えると人に「モテる」って面白いことで、多くの人が恋愛の魅力に取り付かれてるのも、すごく合点がいくなと思いますね。
「人にちゃんと興味を持つこと」を覚えよう
天野
人に優しくか…なんだか、下世話な興味で取材に来てしまったのが恥ずかしくなってきますね…
では最後にですが、R25世代の若者のために、「人を魅了するのに必要なこと」を一言でいただけますでしょうか。
おさむさん
「人に興味を持ち、人の話を聞き、人たらしであれ」ってことですね。
ありがとうございます!
自らを「ひどい男だった」と語るおさむさん。単純な「モテテク」ではなく、「人間にちゃんと興味を持つこと」の奥深さを教えてくれました。
ほかにR25世代に言いたいことを聞いてみると、「仕事を利用してモテようとしないこと」と一喝。
「ぼくは仕事だけは、自分の“聖域”だと思ってるから、それをチラつかせて恋愛をしたことはなかったはず。若い人らも、合コンで自分の社名を出してモテようなんてカッコ悪いことしないようにって書いておいてください」とのことでした。
今週合コンの予定がある皆さんは、胸に刻み込んで参戦してください!
〈取材・文=天野俊吉(@amanop)/撮影=福田啄也(@fkd1111)〉
公式インスタ限定で「あしたの記事」をチラ見せしてます!
新R25のインスタグラムアカウントを開設しました。インスタ限定で「#あしたの予告」をしていますので、読者の皆さまはぜひフォローをお願いします!
明日登場するのは…?
モテ凸
「デートで“相手の話を聞かなきゃ”って思ってません?」なぜノンスタ井上は女性に支持されるのか
新R25編集部
「モテテクなんて、1日でも早く捨てたほうがいい」バチェラー司会者・坂東さんが語るモテの極意
新R25編集部
「僕はナルシストじゃない、セルフラバーです」バチェロレッテ参加の黄皓が語る“モテる自信”
新R25編集部
「タモリさんの一言で『チャラ男』になれた」オリラジ藤森が語る“モテる大人”になる方法
新R25編集部
本気で準備するけど、デートでは駐禁切られる。狩野英孝に“ポンコツがモテる極意”を聞いた
新R25編集部
デートのロケハンは当然。3代目バチェラーの“モテ術”は圧倒的に緻密な「プランニング」にあり
新R25編集部
ビジネスパーソンインタビュー
またスゴいことを始めた前澤さんに「スケールの大きい人になる方法」を聞いたら、重たい宿題を出されてしまいました
新R25編集部
【不満も希望もないから燃えられない…】“悟っちゃってる”Z世代の悩みに共感する箕輪厚介さんが「幸せになる3つの方法」を伝授してくれた
新R25編集部
「実家のお店がなくなるのは悲しい… 家業を継ぐか迷ってます」実家のスーパーを全国区にした大山皓生さんに相談したら、感動的なアドバイスをいただきました
新R25編集部
「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石
新R25編集部
社内にたった一人で“違和感”を口にできるか?「BPaaS」推進するkubell桐谷豪が語るコミットの本質
新R25編集部
【仕事なくなる?そんなにすごい?】“AIがずっとしっくりこない”悩みへのけんすうさんの回答が超ハラオチ
新R25編集部
情報はインターネットがベスト、という考えに異を唱える。学生発信「金沢シーサイドFM」の挑戦
新R25編集部
いろんな仕事をこなす「ゼネラリスト」は目立てない? サイバーエージェント2年目社員の悩みにUUUM創業者が喝
新R25編集部
スモールビジネスの課題“3つの分断”に挑む。freeeによるプロダクト開発の基盤「統合flow」を発表
新R25編集部