ビジネスパーソンインタビュー

あのATSUSHIも面会をオファー。話題のYouTuber・ジョーは、なぜ若者の心を動かすのか?

ヒットを生み出す戦略は「自分に問いかける」

あのATSUSHIも面会をオファー。話題のYouTuber・ジョーは、なぜ若者の心を動かすのか?

新R25編集部

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自分メディアのつくりかた

2017/09/20

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ネット上での発信をもとに、自らの可能性を広げる人たちがいる。彼らの発信スタイルは、ボクらビジネスマンにも参考になるはず…。

そんな「自分メディアのつくりかた」連載で、今回話を聞いたのは「ジョーブログ」のジョー。「南米大陸縦断」「アマゾン川イカダ下りの冒険」など、危険なチャレンジをつづける動画が話題の人気YouTuberだ。

「自転車の変な乗り方」黒歴史動画を経て…ヒットを生み出す戦略は「自分に問いかける」

――YouTuberを始めたきっかけは何だったんでしょうか?

「“アメリカ横断”をしたり、店出してみたり、もともといろんなことに挑戦するのが好きだったんですよ。で、ヒカキンさんが出だしたぐらいのときに、友だちに『YouTubeでやってみれば』っていわれて。

最初は、自分はネットというよりは、屋外に出ていく人間だったんで『YouTuberって、ちょっとイメージちがうか?』っていうギャップはあったんですけど、友だちが『ジョーやったら絶対イケる!』って、すごいプッシュしてくれて。カメラ、編集も全部協力してくれたんで、やるからには本気でやりたいなと思ったんですね」

――始めた当初から、現在のような動画をアップしていた?

「YouTuberって今でこそいろんな人がいますけど、そのときはみんな“色”が似通ってたんですよ。はじめはそこに合わせようとしてました。『自転車に面白おかしく乗る』みたいな動画で。黒歴史です(笑)」

そんな活動のなかで、“ブレイクを実感した瞬間”があったという。

「“大阪・西成でホームレス生活をする”っていう動画が、ミリオン(再生回数100万回)いったんですよ。そこから、何本かバズる動画が出るようになってきて」

徐々に自分の色を出し、ヒット動画を生みだすようになっていったというジョー。その戦略を聞いてみると、とにかく「自分に問いかける」作業をしているとのこと。

『自分は何が好きか?』っていうのを問う。自分でいえば世界のディープな部分、たとえばアメリカのスラム街とか。そこに本気で向きあった結果として“ディープでトガってる風景をサムネイル画像にすると閲覧数が上がる”とかがわかってくる。基本的にはやりたいことをそのまんま発信してるんですけど、そのなかから、『あ、これは自分が好きなことやし、かつウケるな』みたいな共通点を見いだしていく分析をしてますね」

“夢が叶う時代”。興味があることなら「何が面白いか」を分析するのは楽しいはず

社会人になってからは“ネットは見るだけ”になっているという人は多い。だけど、何かを発信して、ひと皮むけたいという気持ちもある。そんなモヤモヤを抱えているビジネスマンはどうすべきなんだろうか?

“何かしらフツフツしてる思いがある”って感じ、わかりますよ。今までやったら、たとえば芸能事務所のオーディションを受けるとか、仕事で大きい賞を獲ったとかじゃないと、特別な活躍はできなかった。でも時代は変わったと思う。言ってしまえば“夢が叶う時代”になったなと思うんです。

『ネットは見てるだけ』っていう人だって、何かを見てるわけですから、興味を持てるモノがあると思うんですよね。いろいろ見ているなかで、何が面白いのか? 閲覧数が伸びてるのは何なのか? それを考えるのは楽しいはずですよね」

自分から発信することは、一見ハードルが高く感じるが、それは先入観だとジョーは話す。

「ボクがYouTubeをやろうとしたとき、なんの“壁”もなかったですよ。今でもそうです。誰かに制約されてるわけでも、事務所とかに入ってるわけでもないですし。自分が何をしたいかを掘って、それを突きつめることにハードルはないと思います」

「ボクのやってることは自己満だけど…」忘れられない“義足の少年”とのエピソード

「いま、AbemaTVの『亀田×ジョー プロボクサーへの道~3ヶ月でデビュー戦~』で亀田興毅さんとご一緒させていただいています。夢みたいなもんじゃないですか。テレビに出てた人と、ボクみたいな一般の素人が…。

2カ月ぐらいお酒も飲んでないし、食べるものも変わってる。服もトレーニングウェアばっかり(笑)。人が変わったぐらいの感覚ですよ」

そんな挑戦を続けるジョーの“発信”は、多くの若者の心を動かしているよう。

「毎日のように、リプライとかメールとか山ほど来ますね。Gmailのアドレスを公開してて、メールには全部目を通してます。正直、ボクのやってることは自己満です。“大義名分”とか“世界のために”なんてことはない。でも、ボクの動画を見て、頑張る人が広がっていくのは本当にうれしい」

諦めていたボクシングをまた始めたという人、単純に「自分も仕事を頑張る」と送ってくる人などがいるという。

そんななかでもジョーが忘れられないのが、こんなエピソード。

「ボクより少し年下の男の子かな。アグレッシブにいろいろスポーツをやってたんだけど、心臓の病気になって、結果義足になってしまった。でも、ボクの動画をたまたま見て、会いにきてくれた。いつもは長ズボンで隠していた義足を、短パンでむきだしにして…」

さらには、なんとあのEXILE・ATSUSHIからも「会いたい」と直接メールが来て対面。そのときの様子(音声のみ)もYouTubeで公開されているが、「ジョーはウソがないから共感できる」と激励されたというから驚きだ。

――そんなジョーは、今後どんな“発信”をしていきたいのか?

「今は目の前のボクシングに集中したいですけど、やりたい企画は、じつはメモ帳にめちゃめちゃ書いてある(笑)。今はまだヒミツですけどね」

<取材・文=天野俊吉/撮影=森カズシゲ>

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