企業インタビュー
「大阪=ソースから脱却したい」マツコも注目した、“食”がテーマのアイデア企業の挑戦
新名物を生み出す「企画」の源泉とは?
新R25編集部
オフィスにちょっとしたお菓子が置かれていると、仕事の張り詰めた空気が、ちょっとだけホッとゆるみますよね。
『新R25』編集部にも、関西や各地に出張に行った社員が買ってきたお土産のお菓子が、いくつか置かれていることが。何気なく食べている食品ですが、手を止めてよく見てみると、なんだか味わい深いコンセプトがあったり、かわいいデザインが施されていたり…。
そんな、食品に関するアイデアやデザインを手掛ける、知る人ぞ知る関西企業が「アイデアパッケージ」さん。
『マツコの知らない世界』(TBS)にも取り上げられ大ヒットした商品も生み出したという同社に、“気の利いたアイデアや企画”を生み出せる仕事術について聞いてみました。
〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
大ヒット商品からひとクセ商品まで…アイデアパッケージ社の挑戦の数々
天野
アイデアパッケージさんは、大阪に拠点を置く会社なんですね。
アイデアパッケージ・ご担当者
弊社は、おもに“食”に軸足を置いて、デザインから商品開発、さらには販売まで行っている、独自スタイルのクリエイティブ企業です。
天野
どんな商品を生み出しているんですか?
アイデアパッケージ・ご担当者
たとえば、大阪のB級ソウルフード“紅ショウガ天”をお菓子で再現した「大阪紅ショウガ天柿ノ種揚げ」。
こちらは『マツコの知らない世界』で取り上げられて、ヒット商品となったんです!
アイデアパッケージ・ご担当者
そして、同シリーズとして「ポテトチップス」も作ろうと動き出しました。
まず、味のついていないポテチをメーカーに作ってもらい、生姜の粉と塩分を加えていき…
「塩味が足りない」「生姜感が出すぎている」などと微妙に調整しながら、ベストの味になるまで試作を重ね、やっとの思いで完成。
それが「大阪紅ショウガ天ポテトチップス」!
この「柿ノ種揚げ」と「ポテトチップス」は、紅ショウガ天菓子界の二大パイオニア的存在なんです!
そんなパイオニアが存在したとは…
天野
紅ショウガ天は大阪の名物ですもんね。大阪に軸足を置く御社だからこそのヒット商品と言えそうです。
アイデアパッケージ・ご担当者
ほかにも、圧倒的肉量を誇る「只々、旨い超ビーフカレー」。
食べた後にこの言葉しか思い浮かばなかったので、このネーミングになりました。
天野
(こだわりがあるんだかないんだかわからないな…)
アイデアパッケージ・ご担当者
さらに、こちらの「昭和の味 純喫茶グミ」も自信作です。
クリームソーダ、ミックスジュースなど、昭和の純喫茶らしいメニューをイメージしたグミをつくりました。
「プリンアラモード味」はプリン&ホイップクリームとメロン&バナナミカンの2種類の味が入っているらしい。芸こまか
アイデアパッケージ・ご担当者
「レトロブーム×大阪」で何かつくれないか…?と考え、大阪に多いと言われている“純喫茶”をテーマにすることに。
パッケージのレトロ感がウケ、大ヒット商品になっています。
その後、「平成レトロポップ」という言葉が話題となったタイミングで、仮想の“平成純喫茶メニュー”もグミで商品化したいという意見が社内から出て、直ちに商品化いたしました。
アイデアパッケージ・ご担当者
“平成の純喫茶にありそうでなかった”をコンセプトに、さわやかなラムネドリンク、ストロベリー&クリームにバターの隠し味を効かせた濃厚フラッペが発売されています!
天野
(これはちょっとわけわからないな…)
「存在しなかったモノをつくろう」アイデアの根幹にある“なんとかする”発想
天野
なんか、絶妙にひとクセある商品が多いですが…
どういう姿勢で企画することが多いんですか?
アイデアパッケージ・ご担当者
商品を目にした人が「どんな商品なんだ!?」と思わず二度見してしまうようなインパクト、想像力を喚起される楽しさ、を重視しています。
もちろん、その後食べたら「おいしい!」と思わず笑顔になるような体験をしてほしいという想いも常に持ち続けています。
天野
たしかに、「純喫茶グミ」とかは「どんな味なんだろう…」と思わず考えますね。
アイデアパッケージ・ご担当者
そして、何より大きいのが「世の中の“スキマ”を探して、業界に存在しなかったものをつくろう」という挑戦心です。
「大阪紅ショウガ天柿ノ種揚げ」「大阪紅ショウガ天ポテトチップス」は、「粉もんとソースもんから脱却した大阪みやげを」というコンセプトからスタートしました。
天野
なるほど!! たしかに大阪でお土産を探すと、「たこ焼き味」とかばっかりですもんね…
それはそれでいいけど、新しい“スキマ”で商品を開発しようと。
アイデアパッケージ・ご担当者
ちなみに、弊社をひとことでたとえると、“食品の便利屋”です。
テーマソングを作れるか?という依頼にも「なんとかしよう」という想いで引き受け、こんなテーマソングたちが誕生しました。
「レッツ!ノリノリのりソング」
「ナス人ロック!」
アイデアパッケージ・ご担当者
名刺の裏面にも“なんとかします”という文字を入れてます。
天野
どんな世界的ヒット商品の成り立ちも、結局最初は「なんとかしてやろう」と頭をひねる姿勢からって言いますもんね…
アイデアパッケージ・ご担当者
多くの企業にとって、アイデアや、デザインによって消費者に商品の魅力を伝えることの重要性が増しています。
しかし、「センスがない」「どんなデザインがいいのか分からない」という困りごとを聞く機会も多くて。
そんな企業さんに、独特の姿勢や企画で、これからも貢献したいと思ってます。
2009年の創業以来、地道に頑張ってきているので、何かお困りごとがあれば、ぜひご連絡ください!
大阪をモチーフにしたお菓子にとどまらず、流行をおさえた商品や、まさかのテーマソングまで…。
“アイデアパッケージ”という直球の社名を掲げているのも頷ける、ヒットメーカー企業だと判明!
センスに自信がない方はぜひ、アイデアパッケージのみなさんに“なんとかして”もらってはいかがでしょう…!
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