企業インタビュー

経理こそ、クリエイティブであれ。ABEMAを変えた公認会計士が「スタートアップ支援」に目覚めるまで

経理こそ、クリエイティブであれ。ABEMAを変えた公認会計士が「スタートアップ支援」に目覚めるまで

“カオス”な経理業務をお助け!

新R25編集部

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スタートアップにおける「経理」って、大変ですよね。

特に立ち上がり期のスタートアップは、何もかもがぐちゃぐちゃになりがち。経理のフローも整い切っていないなか、誰かに助けを求めることもできない…というか今はそれどころじゃない!と、頭を抱える経営者も多いのでは。

そんな“カオス”なスタートアップの経理支援を専門にする、スタートアップフレンドリーな公認会計士・税理士がいます。

大手監査法人*→サイバーエージェント→独立という異色の経歴を持つ、畠山謙人公認会計士事務所代表・畠山謙人さんです。

*監査法人…公認会計士法に基づき、会計監査を目的として5人以上の公認会計士で設立される法人

良くも悪くもマジメでクールそうな「公認会計士」のイメージとは裏腹に、アツいパッションを持つ畠山さん。

彼が「スタートアップ支援」を軸とした独立に踏み切ったきっかけは、サイバーエージェントで過ごした、まさしく“カオス”な日々にあるそうで…?

〈聞き手=山田三奈(企業トピ編集部)〉

サイバーエージェントで痛感した“経理の奥深さ”

山田

畠山さんは、なぜ「スタートアップフレンドリー」を打ち出しているのでしょうか?

畠山さん

その理由には、私の“独特な経歴”が関係しています。

私はもともと監査法人から、成長を求めてサイバーエージェントに移ってきました。

全社機能を担う経理部の連結決算*チームに在籍して、月次決算・期末決算の業務をおこなうことになったのですが…

*連結決算…親会社、子会社等企業グループを1つの企業とみなして決算すること

畠山さん

そのときに配属されたのが少人数のチームだったんです。

変化の早いインターネット関連事業かつ、グループ会社が約100社あるので、限られた時間で大量のタスクをこなしていかなければなりません。

しかも、在籍当時は36協定*も厳しくなる時流だったので…「時間をかけてじっくり改善する」という余裕すらなく、とにかくタフでハードでしたね。

*36協定…労働基準法第36条に定められた労使協定のこと。労働者に法定労働時間を超えて労働させたり休日労働をさせたりする場合には、企業と労働者の間で協定を結ぶ必要がある。36協定を違反してしまうと、企業側に刑事罰が下される可能性も

山田

子会社が多いサイバーエージェントならではですね…

畠山さん

とはいえ、成長を求めて移ってきた私にとっては恵まれた環境でした。

…というのも、事務処理だけでなく「業務改善」という今までにない体験もさせてもらえたからです。

とくに、当時グロースの真っ只中にあった「AbemaTV(現ABEMA)」の月次決算早期化に取り組んだことは、今の私の原体験になっています。

山田

月次決算早期化…?

畠山さん

当時のサイバーエージェントは、子会社も含めた「月次早期化」を掲げており、月次“3営締め”が目標だったんです。

しかし、私がジョインしたころの「AbemaTV」は、“7営締め”ぐらいが常態化していて、目標にはほど遠い状況でした。

そこで私がリーダーとなり、「AbemaTV 4営締めプロジェクト」を始めたんです。

山田

“4営締め”を達成するためのプロジェクトですか?

畠山さん

はい。いきなり“3営締め”は無理だと思ったので、それでもかなりストレッチを効かせて“4営締め”を目指すことにしたんです。

徹底的に“月次の見える化”をおこなったり、工程を早められそうなところに当たりをつけたり、キーマンに直接協力を仰いだりと、あらゆる面で奔走しましたね。

1年がかりにはなりましたが、最後はみなさんの協力を得られ、“4営締め”を達成することができたんです。

この功績が認められ、全社の締め会でも表彰されたのだそう

畠山さん

通常の経理業務に加え、業務改善のための打ち手の実行・課題打破を求められていたという点ではかなりハードではありましたが…

この経験のおかげで、経理という仕事の奥深さを知ることができました。

山田

経理の奥深さ…?

畠山さん

それ以前は「経理は事務作業であり、決められたことを正しくおこなえばいい」と思っていたのですが…

サイバーエージェントでは+αを求められるので、「経理という業務は“クリエイティブ脳”を使うものだ」と知ったんです。

つねに「どうやれば決算のスピードを上げられるか」を考え、ときには現状のやり方を疑って、必要があればそれを捨てることもある。

経理という仕事にこそ“変えていける力”が必要だと痛感し、独立した今もこの考えを大切にしています。

スタートアップ支援に特化するきっかけ

山田

とはいえサイバーエージェントは、規模の大きい「メガベンチャー」にあたりますよね。

スタートアップとは少し毛色が違うんじゃ…?

畠山さん

そうですね。スタートアップにおける経理の重要性を知ったのは、もう少しあとの話で…

「AbemaTV」のあと、当時立ち上がりたての子会社「買えるAbemaTV社*」にジョインしてからです。

*買えるAbemaTV社…「AbemaTV」のAbemaSPECIALチャンネルで、2018年2月1日から2020年7月26日まで、毎週木曜日23:00〜24:00に配信されていた通販番組及び会社名

畠山さん

当時は5〜6人の少数精鋭チームで、みんな売上を伸ばすことで精一杯。正直、経理まわりの事務は二の次という感じでした。

私はここで、すべての経理業務を1人で担うことになったんです

山田

1人で…それはハードそうですね…

畠山さん

まさしく“カオス”でしたね(笑)。

請求書を回収しきれず月次が遅れたり、経理処理を誤ってしまったり、連絡が遅れがちな担当者に泣きつかれたり…

非常にハードでしたが、この経験がスタートアップ支援に“目覚めた”きっかけとなったことは間違いありません

山田

…というと?

畠山さん

当時の「買えるAbemaTV社」のように、スタートアップで「経理は言われた作業だけをやっていればいい」という状況はほぼないんですよ。

経理だろうとなんだろうと、自分から組織との距離を詰めてコミュニケーションを取る。

落ちているボールは、自分で拾うことが当たり前!という姿勢でないと、事業は成長しません。

なにより、そんな環境を“楽しむ”という感覚が重要だと思ったんです。

山田

カオスな環境を楽しめる人が必要だと。

畠山さん

そうですね。「経理まわりのフローが整っていなくて…」というスタートアップでも、私なら楽しみながら支援できると思い、独立に至りました。

現在は、シード~シリーズA*くらいまでのスタートアップをお手伝いさせていただく機会が多いですね。

*スタートアップ企業の事業段階を投資家目線で区別した「投資ラウンド」のひとつ。事業段階順にエンジェル・シード・プレシリーズA・シリーズA/B/C…のように分けられる

畠山謙人公認会計士事務所でできること

畠山さん

独立して立ち上げた畠山謙人公認会計士事務所でも、サイバーエージェントで培ってきたノウハウを活かしていて、さまざまなお手伝いをしています。

よくお客さまから「月次・決算を早めたい」「毎月投資家への報告が求められている」といったご相談をいただくのですが…

決算を早期化するために必要な「組織」と「仕組み」を再構築することは、得意中の得意です(笑)。

山田

さっきの「4営締めプロジェクト」のノウハウが、ここで活きてくるんですね。

畠山さん

もちろん、税務顧問記帳代行のほか、最適な経営管理を実現するバックオフィス支援など、基本となる経理の支援もおこなっています。

業務フローをゼロから設計・提案する「業務設計」では、最適なクラウド会計ソフトを選定し、初期設定から運用までサポート。

チャットツール・オンラインMTG・ストレージでの資料共有などを用いることで、オンラインで密にパートナーとして伴走し、日々の業務に対応します。

業務設計から日々の運用まで一気通貫でサポートしている会計事務所は、ほかにないと思いますね

山田

それは心強い…

畠山さん

経理は事務作業であり、企業を陰で“支える”業務だと思われがちです。

しかし私は、経理のキモは「企業の課題を解決し、成長を促進させる力」だと考えています。

これからも経理という側面から企業に貢献していきたいですね。

「どんな環境下においても楽しみながら、顧客企業の支援をおこなっていきたい」と語ってくれた畠山さん。

経理にまつわるお悩みがある方は、TwitterのDMから一度畠山さんに相談してみては?

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