企業インタビュー
「転売」とはどう違うの…? 女性向け物販スクールの代表に“社会貢献もできる物販”の魅力を聞いた
無駄を価値に変える、“胸を張れる”物販とは?
新R25編集部
SNSなどを通じて誰でも自分のことを発信できる時代。
SNSを通じてファンをつくり、さらにオンラインサロンやECショップの開設など、自分の好きなことや得意なことをお金に変えるハードルが下がりつつあります。
そんな個人の“マネタイズ”や“ファンづくり”をサポートする「MOSH」と新R25のコラボでお届けしている「The Next Creators」。
ビジネスパーソンにおすすめしたいMOSHを活用している次の時代を創る注目クリエイターたちを紹介していく本連載。
今回は、女性向け在宅物販スクールをはじめとしたサービスを複数運営する、株式会社Merone代表取締役の森川くみこさんにインタビュー。
「物販=怪しい」とイメージされる方もいるかもしれませんが…森川さんが提供しているのは、そんなイメージを覆す“社会貢献にもつながる物販”でした。
株式会社Merone代表取締役。女性の経済的・精神的自立を目的とした教育事業を多岐に渡り展開。従来の物販ではなく廃棄品や不要品をアップサイクルし、売り手の品格も教育していくことで業界の活性化を目指す、女性や主婦に特化した在宅物販スクール「Re:che」を運営。生徒は1000名超。2021年以降に企画運営した展示会イベント数は業界平均の3倍を記録。現在は自社のみならず他社のスクール運営も補佐し、スクール単位のコミュニティ運営も精力的に推進するなど、多方面から教育事業に注力している。2022年夏より日経X WOMANアンバサダーに就任
「定価以上の価格では売らない」がルール。“胸を張れる物販”の仕組みとは?
――(編集部)森川さんの現在のご活動内容について教えてください。
森川さん
株式会社Meroneの代表取締役として、女性を支援する会社を経営しています。
おもな事業内容は、女性向けの在宅物販スクール「Re:che(リッシュ)」の運営と、2店舗の託児所の運営です。
また、スクールを展開されている講師向けのコンサルティングサービス「SKETch」と、スクール向けコミュニティサービス「LUC」も運営しています。
コンサルやコミュニティにはご自身のスキルを形にしたい方々が集まっていて、講師同士の情報交換や、横のつながりを作る機会を提供しています。
――(編集部)「Re:che」は、具体的にどんなサービスなのでしょうか?
森川さん
「スキマ時間に+10万円を」と「ママのサードプレイス」がキャッチコピーの、おうちにいながら収入を得ることができる女性向けのスクールです。
おうちにいながらスキマ時間を利用して、“毎月プラス10万円を稼ぎたい”という主婦の方々が利用してくださっています。
物販と聞くと、いわゆる「せどり」や「転売」をイメージされる方が多く、社会的にはあまりいい印象を持たない方もいらっしゃるように感じますが…
Re:cheはそうではなく、「“胸を張れる物販”を提唱していこう」という想いでやっています。
――(編集部)“胸を張れる物販”は、ふつうの物販とはどう違うのでしょうか?
森川さん
一例として、ファッションメーカーさまとのお取り組みをご紹介します。
じつはファッション業界では、たくさんのお洋服を作ったとしても、その約50%が廃棄となっているんです。
日本でもSDGsやサステナビリティへの意識が高まってはいるものの、洋服の廃棄率にはそこまで変化がなく、悩んでいるメーカーさまもたくさんいらっしゃいます。
私たちはそういった「過剰在庫」や「余剰在庫」に着目し、店舗でもオンラインでも売り切ることが敵わない商品を低価格で譲っていただいています。
それを働きたくても働けない主婦や女性の方々に卸させていただくのですが…その際、Re:cheでは2つのルールを定めています。
1つは、定価以上の価格では売らないこと。もう1つは、その商品の素敵なストーリーを添えて真っ当に売っていくこと。
これが、Re:cheが“胸を張れる物販”でいるためのおもな仕組みです。
――(編集部)無駄になってしまうはずだったものが、価値に変わるということでしょうか。
森川さん
そうですね。
メーカーさまにとってもクリエイターにとっても、想いを込めて作ったものが焼却処分されてしまうのは心苦しいですし、二酸化炭素を排出してしまうという環境面のデメリットもあります。
廃棄にいいことは1つもありません。Re:cheは、そういった無駄を価値に変えるだけでなく、作り手の想いを届けられるようなセラーを育成するスクールです。
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――(編集部)物販は性別問わず取り組めるお仕事ですが、あえて女性にフォーカスしたのはなぜでしょうか?
森川さん
世の中には、おうちでしか働けない方、どうしても経済的な自立が難しい方もたくさんいらっしゃり、特に女性がそういった悩みに直面することが多いと常々感じていました。
そんなあるとき、母に「家にあるいらないものを売ってみたら?」とアドバイスし、実際に販売にチャレンジしてもらったところ、不要品が1カ月で約50万円の利益になったんです。
一歩踏み出した母のおかげで、「誰かにとっては不要なものでも、ほかの誰かにとっては価値のあるものになり得るし、ちゃんと売れるんだ」と実証ができました。
母自身も「すごく自信になった」「自分でもお金を作れるんだ」とうれしそうにしていたことで、私が提供するサービスは女性向けにしていこうと決意しました。
さらに、私自身が教育学部出身で、教育に携わる事業をやりたいという思いが根底にあり、今の「女性×スクール」という形に至りました。
――(編集部)Re:cheに入会をする方は、どんなことに悩んでらっしゃるのでしょうか。
森川さん
端的に言うと「自分でもしっかりとお金を稼ぎたい」という想いを持っておられる方々、金銭的なお悩みを抱いておられる方々がほぼ全員です。
旦那さんだけがお金を払うのではなく「ママだって、好きなおもちゃを買ってあげられるんだぞ」とか、「ピアノのお稽古の月謝だって、今回は頑張ってママが出しちゃうよ」と言えるようになる、というイメージですね。
肩身の狭い思いをするのではなく“胸を張れる自分”になりたい!とお考えの方が多くいらっしゃいます。
掲げた“5つの行動指針”。自分自身を社会貢献に組みこみ自信につなげる
――(編集部)Re:cheの生徒さんは、述べ1000人を超えたとお聞きました。実践のしやすさや、成果を出していく仕掛けのようなものはありますか?
森川さん
弊社では、着実に成果につなげるために、事業主としての在り方・行動指針として5つのバリューを掲げています。
「人生の理想を追求する」「与える人で在る」「素直、誠実で在る」「行動、思考の基準値を上げる」「僻まない」。
これら5つをしっかりとご自身にインストールしていただき、そのうえで初級編・中級編・上級編のカリキュラムを学んでいただくようお伝えしています。
また、日常で使う言葉や、習慣すらも変えていくようなサポートもしております。
たとえば、「やりたいことは単にお金を稼ぐことではないはず。お金を稼いだその先に、何をどうやって活かしていくのか?を考え抜いてみましょう」とお伝えしたりしています。
――(編集部)生徒のみなさんにはどうなっていってほしいですか? また、社会をどうしていきたいですか?
森川さん
弊社のミッションの1つに「自身を信じ、愛する力を育て、女性の自己実現を創出する」というものがあります。
収入を得たり、年収を上げたりすることで、「私だって自分でちゃんと稼げるんだ」「身近な幸せを守れるんだ」という自信につなげていただき、ご自身のことを心から愛してあげられるような女性をどんどん輩出したいですね。
さらに、女性の自信を創出したいという想いが根幹にあるので、“社会貢献に自分自身が組みこまれている”と感じられるような社会を作りたいです。
先ほどお話ししたリユースの領域はまさに、世の中の過剰在庫や余剰在庫のアップサイクルに「自分たちが寄与できている」と手応えを感じられることに意義があると考えています。
メーカーさまにとってもWIN、生徒さまにとってもWIN、購入者さまにとってもWINの“三方よし”の社会を創り、循環させていきたいです。
社会貢献型でお金を稼ぐことができる仕組みがあることを、女性サイドにもメーカーサイドにも知っていただけるように前進していきたいと思っています。
“作り手の想い”を尊重した物販スクールで、女性たちに新たな可能性を提供
――(編集部)Re:cheの生徒さんやお客さまからの声には、どのようなものがありますか?
森川さん
個人的に衝撃的だったのが、15年間勤続された会社を役員でありながら退職し、「物販一本で生きていく」とご決断された主婦の方がいらっしゃったことです。
その方はご自身で販売をしていくうちに、「あなたから買って本当によかった。また買わせてください」とお声をいただいたそうなんです。
素敵な商品を仕入れ、販売していくことに魅力を感じ、会社の退職に至ったという彼女は、「明日死ぬかもしれないし、1カ月後に自分がどうなっているかは誰もわからないから、後悔しない理想の人生を追求したい」とお話しされていました。
それを聞いて私も非常に驚きましたが、こんな生き方もあるんだなと改めて学ばせていただきました。
また、メディア掲載などでRe:cheに注目していただいた理由として、「稼ぐだけのスクールではなく、作り手の想いが尊重されたスクールは初めてで共感した」とも言っていただけます。
私たちは「ただ自分が儲かればいい」「ただ稼ぐノウハウを教える」のではなく、Re:seller(リセラー)という価値観を掲げています。
「作り手の想いを大事にしよう」と提唱していることが、他社さまとの違いであり特徴だと考えています。
――(編集部)MOSHでは、どんなサービスを提供していますか?
森川さん
今日紹介させていただいた「Re:che」「SKETch」「LUC」のすべてを、MOSHさんを通してご提供いたします。
特にRe:cheは、女性向けの在宅の「スキマ時間に+10万円を」というキャッチコピーのサービスなので、おうちで収入をあげたい方、「私でもできることを探したい」とお考えの方にぜひご活用いただけたらうれしいです。
――(編集部)「Re:che」に向いている人はどんな人でしょうか?
森川さん
自身の想いや熱量があり、一歩踏み出してみたい、どんどんチャレンジしていきたいと思っている方であれば、どなたでも向いていると思います。
一方で、向いていない方がいるとすれば「他力本願な方」でしょうか。
自身で何かしらアクションを起こそうとするのではなく、どうにかして金銭を得たいという方は、Re:cheの思想とは合わないかもしれません。
――(編集部)最後に、直近の「Re:che」の取り組みを教えてください。
森川さん
先月からブックオフコーポレーションさまと提携させていただき、スクールの生徒さんはブックオフさまからの商品提供を受けられるようになりました。
商品を拝見したところ、可愛いお洋服やジュエリーばかりで、「このお値段でこんなにも素敵な商品を提供していただけるんだ!」ととてもうれしく思っています。
物販初心者の方や、ご自宅の不要品がなくなってきたという方はぜひ、ブックオフさまが心を込めてパッケージングしている商品に触れてみてください。
作り手の想いを尊重した物販の楽しさを知っていただけると同時に、たくさんの方にご購入いただけるチャンスかなと思います。
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