企業インタビュー
ハミガキ粉、ただ「白さ」で選んでない? 心までととのう“新感覚のハミガキジェル”
限界集落から、ハミガキの常識を変える!
新R25編集部
ウェルネスブランド「TENMEI」のディレクター・河野瑞輝さん。
大阪でITベンチャーやウェブ系企業の創業を経て、2021年に宮崎県・美郷町に移住。
美郷町に自生する自然の原料を使ったハミガキジェル「MINDFUL TOOTH PASTE(マインドフルトゥースペースト)」を独自開発しました。
このハミガキジェルを販売すべく、クラウドファンディングサービス「Makuake」で支援を呼びかけたところ…なんと、目標金額を1229%で達成。
10月から販売を開始していますが、さっそく売れに売れている模様です。
注目を集めている理由は、「ただのハミガキジェル」とはまったく異なるコンセプトにあるようで…?
〈聞き手=山田三奈(新R25編集部)〉
世にも珍しい、“マインドフルネス”なハミガキジェル
河野さん
突然ですが…スマホをいじりながらハミガキすることってありませんか?
山田
ほぼ毎日そうです。ラジオを聴いたりSNSをチェックしたり…
河野さん
ほとんどの人が、そうやって何かしらの情報を取り入れながら“ながら磨き”をしていると思うんですが…
休みなく情報にさらされていると、思考がまとまらない、何をしようとしたか忘れる、飽きっぽい…みたいな情報過多による脳疲労が起こりやすくなると思うんです。
山田
言われてみれば最近、情報は摂取してるのに何にも頭に入ってないことが増えた気がします…
河野さん
僕も仕事柄、毎日長時間PCやスマホを使うので、典型的な脳疲労・デジタル疲労の症状に悩まされてきました。
でも毎日5分のマインドフルネス*を実践しはじめてからは集中力が高まり、つねに頭がスッキリ整理されるようになったんです。
*マインドフルネス…“今この瞬間”に意識を集中させて、感情・感覚・思考に対する認識を深めること。集中力が高まる・ストレスの軽減・感情のコントロール・睡眠の質の改善などに、科学的根拠が認められている
河野さん
そこで僕が提案したいのは、一見単調なハミガキの5分間を、心がととのう“瞑想のような時間”に変えませんか?ということ。
あまり知られていないんですが、ハミガキは一定のリズムでおこなう反復運動なので、マインドフルネスのエクササイズに適しているんです。
山田
そうなんですか! でも…“ハミガキ中に瞑想”って、どうやるんですか?
河野さん
深呼吸してジェルの香りを嗅ぐ。歯ブラシが歯や歯茎に触れる感覚や、ジェルの清涼感や感覚を感じる。
そうやってハミガキの動作一つひとつに集中することで、和精油の香りとマインドフルネスで癒しの習慣に変わります。
河野さん
ハミガキ中のマインドフルネス効果をより高めるための、ハミガキジェルも開発しました。
それが「MINDFUL TOOTH PASTE」です。
短い時間でも“今その瞬間”に集中できるように、ジェルの原料や使用感、香りに徹底的にこだわっています。
今に集中するためのハミガキジェルって…? 2つのこだわりを教えてもらいましょう
こだわり① 天然成分100%! 泡立たないジェルで集中力アップ
河野さん
口のなかが泡だらけにならず、じっくり丁寧に磨けるように、ケミカルな原料を除いた天然由来成分100%の身体にも環境にもやさしいハミガキジェルに仕上げました。
山田
天然成分100%って、たしかに口にはやさしそうだけど…
虫歯予防効果とかスッキリ感とかはちゃんと得られるんですか?
河野さん
専門家と協議を重ね、天然成分だけでお口の悩みをまとめて解決できる機能を備えています。
口臭を防ぐ「ミント」、虫歯予防にも使われる「キシリトール」、歯を白くする効果が期待できる「シリカ」などを配合。
清涼感もしっかりあるので、ハミガキ後のすっきり感も味わえますよ。
*ブラッシング効果による
こだわり② 上品な「和の香り」で極上のリラックス体験を
河野さん
心がリラックスできるように、日本人に合わせて独自ブレンドした「和の香り」のアロマも配合しています。
山田
和の香り?
河野さん
私たちが活動の拠点を置く宮崎県美郷町は、1日の寒暖差が大きいので植物が強く育ち、香りも強いんです。
そのなかでも「ケクロモジ」という、とても珍しい品種の稀少なアロマオイルを配合していて。
爽やかさとフローラルな甘さのある香りで、まるで森林浴をしているような気分になれるんです。
「ケクロモジ」は枝葉1kgからわずか0.01Lしか採れない超高級香料なのだそう
山に入り、原料の調達から水蒸気蒸留で精油の抽出まですべて手作業でおこなっています
河野さん
そこに、日本人になじみのある「柚子」のオイルもブレンド。
自然に実る柚子だけを使ったオイルは、搾りたてのフレッシュな柚子の香りがします。
品のある“森の香り”と“爽やかな柑橘系”からなる「和の香り」で、マインドフルネスに最適な空間をお楽しみください。
「白さ」で選んでいた河野さんが、自然派に行き着いた理由
山田
素材や香りへのこだわりが伝わってきました…
河野さんは、もともと自然派のハミガキ粉を使うことが多かったんですか?
河野さん
いや…じつは20代前半までは「歯を白くする」ということだけに着目していて、海外メーカーのハミガキ粉でゴシゴシ磨いていました。
刺激が強いし味覚はおかしいけど、「効いてる効いてる」って勘違いしていましたね(笑)。
山田
そこからなぜ自然派に目覚めることに?
河野さん
22歳のときに、父が脳出血で倒れたんです。
父は歯が悪かったので、歯と脳の関係性や、添加物・成分が身体に与える影響について学びはじめたんですけど…そこで、ハミガキ粉によっては経皮毒*のリスクがあることを知って。
それが自然派志向に切り替わるキッカケになりました。
*経皮毒…皮膚を通じて体内に侵入する有害化学物質のこと。小さな物質で皮膚の隙間からすり抜けて血流に混じり、全身を巡る。有害物質は脂肪と結びつきやすい特性があり、男性では肝臓、女性では胸や子宮に蓄積されやすい傾向にあるとされる
河野さん
実際に商品開発を始めたのは、美郷町に移住してきて、地域に自生する「ケクロモジ」や、特産品の「柚子」に出会ってからです。
これらを使って「自分たちが本当に使いたいと思えるハミガキ粉をつくろう!」と思い立って。
今思えば、点と点が繋がって商品開発を始めたという感じでしたね。
限界集落に、移住者の雇用の受け皿をつくる
山田
お話を聞いていると、美郷町に移住したことが大きな転機になっていそうですが…
そもそもなぜ美郷町に移住を決めたんですか?
河野さん
もともと大阪に住んでいたんですが、「住む場所は自然豊かなところで海も森も近いところが良い」と移住を決心して。
そのときに、たまたま目にとまったのが美郷町だったんです。
でも…いざ行ってみたら、人口約4,400人のうち52%以上が65歳以上の限界集落だったんですよ。
山田
ええ…求めていた“スローライフ”とはちょっと様子が違いそうですね。
河野さん
人口減少に伴って子どもたちも減っているので、まちには廃校がいくつもありました。
それを見て、漠然と「この廃校がまるまる、オフィスやお店が入ったテナントビルになったらいいのにな…」とは思っていたんですけど…
それを実現させることが、いつからか僕の夢になっていたんですよね。
山田
まずは「TENMEI」から風穴を開けようという思いもあったのでしょうか?
河野さん
まさにそうですね。
“限界集落発のD2Cブランド”として、「TENMEI」のプロダクトや活動を多くのかたに知ってもらう。
それによって美郷町に興味を持ってくれる人を増やして、「仕事があるなら地元に戻りたい」「移住したい」という人の雇用の受け皿をつくりたいと思っています。
同じ志を持つ仲間が増えて、「TENMEI」以外にも美郷町発のブランドがたくさん生まれていったらうれしいです!
デジタル疲労・父の病気・移住先の過疎化…
河野さんの経験から点と点がつながって生まれた「MINDFUL TOOTH PASTE」は、天然由来成分だけで現代人のニーズに応え、癒しの時間を作るハミガキジェルです。
「ハミガキ粉は白くなればなんでもいい」「マインドフルネスとかよくわからない」という人も…一度つかったらハマってしまうはず。
ぜひ“心がととのうハミガキ体験”をしてみては?
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