企業インタビュー
「両親の脱サラ」コーヒー店から、家族全員で営む店へ。仙台で注目集める“事業継承”レストラン
「自分の店」という夢を実現したある男の物語…
新R25編集部
仕事の合間、ホッと一息のお供にコーヒー。日常生活にコーヒーがなじんでいる方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、杜の都・仙台にあるコーヒー豆の自家焙煎専門店が、事業継承を経て変貌を遂げたベーカリー/レストラン「värm COFFEE & BAKERY / RESTAURANT」。
その代表である阿久津光さんにお店のヒストリーを伺ったところ…その背景には、夢を叶えた家族のドラマがありました。
〈聞き手=天野俊吉(新R25副編集長)〉
始まりは両親の「脱サラ」から
阿久津さん
värmの始まりは、両親が始めた自家焙煎専門店「カリブコーヒー」です。
天野
ご両親から受け継いだというストーリーがあるんですね!
阿久津さん
そうなんです。開業した1996年当時は世間的に「脱サラ」がブーム。
両親は特にコーヒーの知識があったというわけではなかったそうですが…飲食店と比べて競合も少なく、スペースや設備などのコストを抑えられるというのも大きく、専門店のオープンを決めたそうです。
「豆も売っているカフェ」はありましたが、豆の専門店というのは今でも仙台市内に数えるほどしかありませんしね。
両親の引退を機に自らの夢を叶える
天野
現在は「ベーカリー&レストラン」になっているそうですが… どのような経緯があったのでしょうか?
阿久津さん
元々私も飲食業界に携わっていて、いつかは自分のお店を持ちたいと考えていました。
そんななか、「カリブコーヒー」が開業して30年近く経ち、両親も引退を考える年齢に。
長年通ってくれているお客さまも多く、両親は「誰かにお店を続けてほしい」と思っていたようで、2017年に法人化。そこからいろいろな話が動き出しました。
天野
「いつかはご両親のお店を継ぎたい」と思ってらっしゃったんですか?
阿久津さん
いや、そんなことはなくて。首都圏やフランスで修行していましたが、それはあくまで「自分の店」を持つため。両親の店の2代目になるイメージはなかったんです。
ただ、数年前にフランスから帰国した際に父と話す機会がありまして…
私の妻もパン職人ということから、コーヒーとパンを同時に提供できる業態であれば、両親のお店を引き継ぐ形でも夢が叶えられるのではないか?と考え、事業継承に踏み切りました。
天野
奥さまもパン職人!? すごいご一家ですね…
阿久津さん
家族全員が各業種のエキスパートなんです(笑)。
事業を引き継ぐにあたり、まずはコーヒー中心の店にすることに決定。
コーヒーと相性の良いベーカリーショップを併設し、「エスプレッソデニッシュ」などコーヒーとのペアリングを楽しめるフードを充実させた結果…
オープンして1年で、前年の1.5倍近くまで売上が上がったんです。
天野
幸先良いスタートだったわけですね!
その後、現在の「レストラン業態」にも進出したんですか?
阿久津さん
そうなんです。レストランは薪火で調理する「モダンバスク料理」(スペインとフランスの間に位置するバスク地方に伝わる料理をベースにしたもの。「ピンチョス」などが有名)をご提供しています。
私が修行したお店で薪火を採用しており、そこの料理がとてもおいしくて…
いつか自分のお店を出すときには「薪火での調理方法を取ろう」と思っていました。
天野
薪火で調理とは…かなり珍しい印象です。
阿久津さん
仙台では初となる「専用薪窯」を使って調理しています。調理しているところもご覧になれるので、味覚だけでなく視覚でも楽しんでいただけると思います。
また、東北の食材はもちろん、「笹かま」「はらこ飯」「芋煮」のような郷土料理をモダンにアレンジして提供しています。
天野
コーヒー、パン、そして薪火料理と、ご家族全員の得意分野が詰まったお店なんですね!
阿久津さん
自分のお店を持つこともそうですが、家族全員でお店を経営することも夢でした。
レストランでは非日常の食体験を、コーヒーベーカリーでは日常を彩る商品をお買い求めいただけるよう、家族の得意とこだわりを1つのお店にまとめて、最高の商品とサービスをご提供できたらと思っています。
värmを「地域を代表するお店」に
天野
事業継承されて約2年とのことですが…今後はどんな目標を掲げているのでしょうか?
阿久津さん
地元の方はもちろん、県外や国外の方にも、当店を目的に仙台に足を運んでもらえるようなお店にしたいですね。
地域を代表するお店として、東北の魅力を発信していきたいと思っています。
阿久津さん
当店には各業種のエキスパートがおり、高品質なコーヒーを味わいながらパン職人が作るパンをご堪能いただけます。
レストランでは繊細な火入れ技術でじっくりと食材を焼き上げ、旨味を最大限に引き出します。
カウンター越しに望む調理風景、漂う薪の香り、ジューシーな食感…五感を刺激する演出で記憶に残る薪焼き料理を、ぜひお楽しみください。
定期的にファミリーデーや季節のイベントなどを開催していますので、お一人でもご家族でも、ぜひ足を運んでいただけるとうれしいです!
両親や家族が営む家業について、思い悩むR25世代の方もいるかもしれません。
「värm COFFEE & BAKERY / RESTAURANT」は、そんな読者にもひとつの答えを与えてくれるような、“家族のストーリー”のあるお店でした。
出張や旅行で仙台に行った際に、ぜひ訪れてみてください!
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