ちょっと意外? 炎上しないためのマイルールとは
オリコン1位にブランド立ち上げ。カリスマYouTuber・ワタナベマホトが伝えたいこと
新R25編集部
ネット上での発信をもとに、自らの可能性を広げる人たちがいる。彼らの発信スタイルは、ボクらビジネスマンにも参考になるはず…。
「ワタナベマホト」というYouTuberを知っているだろうか。おもしろ動画を投稿し、“若年層のカリスマ”として地位を確立するかたわら、音楽活動やファッションブランドの運営などマルチに才能を発揮している彼に「自分メディア」のつくりかたを聞いた。
“罰ゲーム”から動画配信をスタート。「セミを食べる動画」が30万回再生されてブレイク
――マホトさんは現在25歳ですが、中学3年生から動画活動を始めたとか。きっかけを教えてください。
「当時は仲間内で、ニコニコ動画の“顔出し配信”を見るのが流行っていて。自然と『俺らもやってみない?』なんて話が出るようになったんです。でも、ネットでの顔出しが今よりもリスキーな時代だったので、『ジャンケンで負けた奴が動画に出演しよう』と。それで負けたのが僕でした(笑)」
――罰ゲームからここまで上り詰めたと(笑)。
「でも、中3の時には一度、活動を引退しています。学校の校舎内で動画を撮っていて、視聴者に中学校を特定されてしまったんです。今思うとバカなことをしましたね…。結果、学校に“アンチ”から脅迫電話がかかってきて、『卒業式をぶち壊す』『花火を投げ込む』と。僕は校長室で絞られた挙句、卒業式は私服警官を配備して行うことになりました。ネットの怖さを痛感しましたね」
――その後、なぜ活動を再開したんでしょう?
「MEGWINさんという動画配信者に憧れて。高1の時ですね。再開して間もないころは、毎日メールを送っていました。『俺と会ってください』『動画作りの仲間に入れてください』と。そしたらある日、『中野のベローチェに4時』と返信がきて。ぶったまげましたよ(笑)。そこで動画に関するアドバイスをみっちり2時間いただいたんです」
憧れの人から刺激を受け、動画の世界にのめり込んでいったマホトさん。それまでは雑談動画を中心としていたが、方向性も一新した。
「視聴者の集中力の限界は3分と聞いて、短めのおもしろ動画にシフトしました。最初は企画も浮かばないので、『MEGWINさんならどうするか』ばかり考えていましたね。すると、徐々に自分なりのアイデアも出てくるようになって。“目標の人の真似をする”ことは、どの職業でも成功への近道だと思います」
そして、ある“クレイジーな動画”からブレイクスルーを果たす。
「セミを食べる動画を出した時かな…。それまでは1動画あたりの平均再生数は2~3万でしたが、あっという間に30万回再生されて。以降、一気にアベレージが上がりましたね」
炎上しやすい人は「日ごろから誰かを傷つけている」。お金だけを目標にするYouTuberは“いずれ潰れる”
型破りなスタイルのマホトさんだが、意外にも“炎上”は少ない。その裏には、自分なりに徹底しているルールがあるという。
「大切にしているのは、視聴者を傷つけないこと。もちろん面白いと感じるポイントは十人十色なので、動画を見て“不快”になる人をゼロにはできません。でも、それと“傷つける”のは別。炎上しやすい人って、日ごろから誰かを傷つけてヘイトを蓄積させているから、ちょっとしたことでも起爆剤になって爆発するんだと思うんです」
昨今は、動画再生にともなった広告収益目的のYouTuberも増加。昨年はサイゼリヤで大量の食べ残しをしたグループが炎上するなど、売名狙いの“炎上マーケティング”が物議をかもしている。マホトさんの目にはどう映っているのか?
「お金とか名誉とか、汚い考えでやっている人にファンは集まらないし、仮に上手くいってもいつかボロが出るもの。自然と潰れていくんじゃないですかね。長く生き残っている人は、僕の知る限りみんな純粋に活動を楽しんでいるヤツらですよ」
オリコン1位からファッションブランドの立ち上げまで。発信のテーマは「固定観念の解放」
一方で、YouTubeは使い方次第で夢を叶えるツールにもなる。マホトさん自身も、夢見ていた音楽活動に挑戦し、ヒップホップユニット「カイワレハンマー」を結成。昨年5月発売のアルバム『Beginner2』は飛ぶように売れ、YouTuber初のオリコン1位を獲得した。
ファッションブランド「REBERTAS」も立ち上げた。ブランド名の意味は「とらわれた価値観からの解放」。ここに込められた想いも印象的だ。
「人々を固定観念から少しでも解放したい。YouTuberがブランドを立ち上げるのって、既存の枠組みから外れた行動だと思うんですよ。実際、僕も始める時は右も左もわかりませんでしたから。でも、YouTuberという職業にとらわれていたら、自分の可能性は広がらない」
最後にマホトさんは、自分の仕事に対してモヤモヤをかかえているR25世代にもこうアドバイスをしてくれた。
「みなさんも同じだと思うんです。固定観念にとらわれて、自分の夢に自らフタをしている人も多いんじゃないかと。僕自身がそれを打ち破ることで、誰かの挑戦を後押ししたいですね」
〈取材・文=佐藤宇紘/編集=天野俊吉(新R25編集部)/撮影=森勇馬〉
お知らせ
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