ビジネスパーソンインタビュー
マイナビエージェントとは何が違うの?
マイナビ転職の評判の真偽を“転職のプロ”が判定。1128人の利用者による評価も掲載
新R25編集部
駅の看板やテレビCMでその名を見かけることも多い転職サイト「マイナビ転職」。
転職を考えたときに真っ先に思いつくサービスの一つではないでしょうか。
大手とあって利用者も多いためか、ネット上にはいろいろな評判が出てきます。一体どこまで信じるべきか、判断に困りますよね。
そこで新R25転職は、転職サービスの実態に精通した方々にご協力いただき、実際に利用したことのある約1000人を対象におすすめの転職サイトの評判について調査を実施しました。
調査に協力してくださったのは、こちらの3名です。
三嶋さん
元キャリアデザインセンター(typeの運営会社)の三嶋です。大小300社の中途採用支援や、8000人のキャリアカウンセリングを経験してきました。
現在は独立し、フリーランスとして事業成長支援に携わっています。
黒田さん
はじめまして、黒田です。リクルートでは「Bing」「とらばーゆ」「フロム・エー」関西版編集長、「リクナビNEXT」編集長、「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長などを歴任しました。
現在はルーセントドアーズ株式会社を設立し、35歳以上のミドル世代を対象とした転職支援サービス「CareerRelease40」を運営しています。
松本さん
人事・戦略コンサルタントの松本です。
アクセンチュアなどの大手外資系コンサルティング会社に24年勤めて、プリンシパル(部長級)を経て現職に至ります。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上です。
さまざまな企業の人事とのつながりがあるので、企業側からの意見をふまえてコメントをします。
※詳細プロフィールは
記事の下部
に記載しています
今回は三嶋さんに重点的にお話をうかがっています。一般利用者のリアルな口コミに加え、キャリアの達人3名の見解もふまえてマイナビ転職の特徴や転職サイトの活用法を解説します。
世間でささやかれている評判の真相はいかに…?
〈聞き手=森かおる〉
マイナビ転職ってどんなサービス? プロが分析する特徴とは
三嶋さん
求人数こそ競合のリクナビNEXTやdodaに劣りますが、ここ数年でグッと会員数を伸ばしている印象です。
全国に営業所を持ち、幅広い業種・職種の求人案件を満遍なく扱っているバランス型。強いて言えば、営業・販売・事務の求人案件が多いですね。
裏を返せば、“満遍なく平均点”のサイト。やりたい仕事がすでに決まっている人や、キャリアアップを狙いたい人にとってはやや物足りないかもしれません。
松本さん
就活サイトで知られるマイナビが運営しているため、第二新卒や20代向けの求人案件に強いのが特徴です。
転職サイトですが、アドバイザーのサポートが受けられる「転職MYコーチ」というサービスがあります。
転職エージェントと同様に、履歴書の添削、希望に合う求人案件の紹介、面接のアドバイスといったサポートを受けられます。
「簡単!速攻!職歴メーカー」「適性診断」や動画セミナーなど、初めての転職に役立つコンテンツも充実しています。
黒田さん
ここ数年で大幅に求人数が増加している印象です。若手の転職志望者に合う求人案件が多いことが特徴です。
リクナビNEXTの評判を“転職のプロ”が判定。1128人の利用者による評価も掲載|新R25転職
いい評判も悪い評判も、専門家がまとめてジャッジ!
リクナビNEXTについては、こちらの記事で詳しく解説しています
doda(デューダ)の評判の真偽を“転職のプロ”が判定。 1128人の利用者による評価も掲載|新R25転職
いいウワサも悪いウワサもあるようですが…
dodaについては、こちらの記事で詳しく解説しています
ここからは、編集部が調査した「マイナビ転職の評判」の真偽を三嶋さんに判定していただきます。
いい評判から悪い評判まで、さまざまなウワサがはびこっているようですが…その真相はいかに?
マイナビ転職の評判①「ハイクラス向けの求人は物足りないかも」ってホント?
森
マイナビ転職は「ハイクラス向けの求人案件が少ない」という声もあるようです。実際はどうでしょうか?
三嶋さん
たしかに、 扱っている業種・職種は幅広いものの、取り立ててハイクラス向けの求人案件が多いわけではないです。どちらかというと経験の少ない若手向けの求人案件が目立ち、年収などの条件も平均程度が多いです。
ハイクラスな案件を探したいのであれば、そこに特化している「ビズリーチ」などのほうが合っているでしょう。
森
なるほど。
三嶋さん
ただ、求人企業にとっても認知度の高いサイトなので、マイナビ転職にしか載っていない全案件の約87%を占めている(2020年8月時点)という特徴は見逃せません。
好条件かどうかはさておき、ほかで見かけない“掘り出しモノ”の案件に出会える可能性はあります。
マイナビ転職の評判②「地方での転職活動にも使いやすい」ってホント?
森
マイナビ転職は「地方での転職活動にも使いやすい」という評判がありますが、ホントですか?
三嶋さん
これはホントです。というのも、マイナビの営業拠点は全国に52カ所。業界最大手のリクルートでも40カ所程度ですので、対応エリアの幅広さが伺えます。
それぞれの拠点に該当エリアの採用状況を把握している専門のスタッフが在籍し、地方求人も多く扱っています。
森
52カ所! ホントに全国を網羅してるんですね。
三嶋さん
はい。企業の採用担当者と直接面談できる「マイナビ転職フェア」も、全国で定期的に開催されています。
(画像は公式サイトのスクリーンショット)
森
地方に住んでいてもイベントに参加できるのはうれしいですね。
三嶋さん
さらにマイナビ転職には、地域特化型のサイトも用意されています。
こちらは「東海」の特化サイト。全国を12エリアに分けた、それぞれの特化サイトがあります
三嶋さん
加えて47都道府県版のサイトもあり、こちらでは市町村単位で勤務地の検索が可能。より細かいニーズに応えてくれるのが魅力です。
地方在住の人はもちろん、Uターン、Iターン転職を考えている人にも役立つと思います。
マイナビ転職の評判③「求人情報と入社後のギャップが少ない」ってホント?
森
一般的な転職サイトでは「事前に提示されていた条件と実際の雇用条件が違った」なんて不満もよく聞きますが…。
マイナビ転職の利用者は、入社後の環境にも満足している人が多いようです。これはホントですか?
三嶋さん
おそらくその意見は信頼していいでしょう。大手サイトですから、掲載する求人案件の情報にはかなり気を遣っているはずです。
森
というと…?
三嶋さん
2018年1月1日に施行された「職業安定法」で、企業が求人を出すときに必要な「試用期間の有無と内容」や「固定残業代等の給与体系」などの明示事項が厳格化されました。
当然ですが、嘘や誇大した内容を載せることも禁止されています。
これを受けてマイナビ転職も、各項目が抵触していないか配慮しているでしょうね。
森
でも、定量的な条件は問題がなくても、それ以外のところがヤバいってこともあるのでは…?
三嶋さん
マイナビ転職の求人ページには、先輩社員のインタビューが掲載されています。それらを参考にすれば、社内の風土などもある程度は想像できますよ。
仕事の魅力についての話はもちろん、職場の雰囲気をあらわすチャートなども見られます。
こういった情報のおかげで入社後のイメージがしやすいのは、マイナビ転職の強みですね。
森
入社前に得られる情報が多いと安心できますね!
三嶋さん
とはいえ人手不足の世の中ですから、どのサービスを使っても“ブラック企業”の求人案件がゼロとは言い切れません。
気になる点があれば、入社前に企業にきちんと確認しましょう。
マイナビ転職の評判④「『適性診断』のクオリティが高い」ってホント?
森
マイナビ転職は、求人紹介以外の周辺コンテンツの評判もいいようです。
特に仕事の適性を診断してくれる「適性診断」が人気のようですが、こういうコンテンツってほかの転職サイトにもありますよね。何か違いがあるんでしょうか?
(画像は公式サイトのスクリーンショット)
三嶋さん
最大の違いは、世界最大級の人事アセスメントプロバイダー「SHLグループ」の日本法人と提携しているところです。
森
人事アセスメントプロバイダー…?
三嶋さん
いわゆる適性テストをつくっている会社ですね。SHLグループの商品だと新卒採用でおなじみの「玉手箱」や「GAB」が有名です。
森
玉手箱は私も就活のときに受けたことがあります! そのノウハウが、 マイナビ転職の適性診断に活きているんですね。
三嶋さん
そういうことです。世界40カ国で毎年1000万人以上が受診しているテスト(公式サイト参照)がベースですので、診断結果も信頼できると思いますよ。
マイナビ転職の評判⑤「スカウトのマッチング精度が低い」ってホント?
森
マイナビ転職では、WEB履歴書を公開することで、企業からも直接オファーが届く「スカウト」という仕組みがありますよね。
これの評判がイマイチなようで、なかには「どこを見てスカウトされたのかわからない」「メッセージが多すぎて鬱陶しい」といった声もあるようです。
三嶋さん
そういう不満が出てくるのも頷けます。マイナビ転職に限らず、スカウトメッセージの精度はあまり期待しないほうがいいですね。
というのも、1人ひとりに宛てた熱心なメッセージが来ることはほぼないからです。
森
え? WEB履歴書を見てくれてるんじゃないんですか?
三嶋さん
正直、履歴書は細かく読まれていないことが多いです。何かしらの経験や希望などの条件が一致していると、定型文が自動的に送られる仕組みになっているんです。
なので当然、マッチング精度もそれほど高くはないでしょう。
森
そうだったのか…
三嶋さん
転職サイトはあくまでも幅広い人に向けたメディアですので、完全にパーソナライズされた情報が届くものではありません。
自分だけに向けた細かいアドバイスが欲しいのであれば、転職エージェントを併用しましょう。たとえばマイナビ転職を使うなら、同じ運営元の「マイナビエージェント(※マイナビのプロモーションを含みます)」がおすすめです。
マイナビエージェントの評判を“転職のプロ”が分析。1128人の利用者による評価も掲載|新R25転職
いい評判も悪い評判も、専門家がまとめてジャッジ!
マイナビエージェントについては、こちらの記事で解説しています
転職サイトと転職エージェントの併用で“理想の転職”が近づく
松本さん
ここまでマイナビ転職の解説をしてきましたが、ほかの転職サイトや転職エージェントも併用することをおすすめします。
森
転職サイトも転職エージェントもいろいろあると思うんですが、どのように選ぶといいんでしょう?
松本さん
どちらも求人案件を網羅的に抱えている「総合型」と、特定の領域に特化した「特化型」があります。
総合型の転職サイトと転職エージェントにはそれぞれ必ず1〜2こ登録し、さらに転職先の希望が明確であればそこに特化したものも2〜3こ、合計で3〜6こぐらいは登録するといいでしょう。
転職先の検討段階ではできるだけ視野を広げたほうがいいので、抱えている求人案件が違う複数のサービスに登録すると、理想の転職に近づくはずです。
森
転職サイトはそれぞれ特徴がありそうなイメージが湧くのですが、転職エージェントって結局はどんなアドバイザーが担当になってくれるかがキモじゃないですか?
松本さん
その通りです。なので転職エージェントは登録前の段階ではそれほど絞り込まないことをおすすめします。
まずは複数のものに登録して、担当者との相性などを基準に厳選しましょう。
合計2000人への調査でわかった、おすすめの転職サイトと転職エージェント
新R25キャリア総研の調査結果や過去におこなった専門家への取材をふまえて、マイナビ転職との併用におすすめできる転職サイト&エージェントをご紹介します。
マイナビ転職は幅広い求人案件を見たい人にぴったりな転職サイトなんだそう。周辺コンテンツも充実しており、転職活動の“はじめの一歩”として頼りになりそうです。
さらにマイナビエージェントをはじめとする転職エージェントも併用すれば、鬼に金棒。理想の転職に向けて賢く活用しましょう。
〈取材・文=森かおる(@orca_tweet1)/編集=石川みく(@newfang298)〉
精通者たちの詳細プロフィール
【三嶋弘哉(みしま・ひろや)】新卒で株式会社キャリアデザインセンターに入社。転職エージェント部門のコンサルタントとして、大小300社の中途採用支援及び、中途・新卒併せて8000人のキャリアカウンセリングを経験。2019年1月からはHRTech領域の新規事業企画に従事。現在は独立し、フリーランスとして事業成長支援をおこなう
【三嶋さんの関連リンク集】
【黒田真行(くろだ・まさゆき)】1988年、リクルート入社。2006年から2013年まで「リクナビNEXT」編集長、その後「リクルートエージェント」ネットマーケティング企画部長、「リクルートメディカルキャリア」取締役などを歴任。2014年、ルーセントドアーズ株式会社を設立し、35歳以上のミドル世代を対象とした転職支援サービス「CareerRelease40」を運営。著書に『転職に向いている人転職してはいけない人』(日本経済新聞出版)、『40歳からの「転職格差」まだ間に合う人、もう手遅れな人』(PHPビジネス新書)がある ▶︎詳細を見る
【松本利明(まつもと・としあき)】人事・戦略コンサルタント。大手外資系コンサルティングファームに24年勤務しプリンシパル(部長級)を経験。人材マネジメントの支援をした企業は600社以上。HR総研の客員研究員も務めている。著書に5万人のリストラと6500名以上のリーダーの選抜と育成をした人の「目利き」。『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)『稼げる人稼げない人の習慣』(日本経済新聞出版)などベストセラー多数。BBC、TBS、日本経済新聞、東洋経済などメディア実績多数 ▶︎詳細を見る
新R25キャリア総研の調査概要
【調査概要】
・調査期間
2020/05/08〜2020/05/11
・サンプル数
1163人
・調査対象者
性別:指定なし
年齢:20〜39歳
地域:全国
条件:転職サイトを利用したことがある人
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