お願いしま～す！ そう言ってもらえてよかったです（笑）。

はい。まあ、私はプロレスで言えばヒールだから、ラクなんですよ。ちょっといいことするだけですごい好感度上がりますからね！

私、いわゆるアイドルアイドルした、かわいらしいアイドルが大好きな子どもだったんです。

もともと歌とダンスが好きで、「アイドルになりたい」って思ってたんですけど、最初AKBグループが出てきたときは嫌いだったんですよ。

うらやましかったんです。同い年ぐらいの子たちはテレビで歌って踊ってるのに、うちは親が東京に行くのを許してくれなくて…。だから見たくなかったんですよ。

でも本当は好きだから、やっぱり見ちゃう。小嶋陽菜さんから板野友美さんを経由して、NMBの渡辺美優紀さんを応援してました。

そのあと、富山で受けられるAKBの「チーム8」のオーディションを受けて、最後の2人まで残ったけどダメだったのが15歳ぐらい。「新潟にNGTできるらしい」って聞いて、隣の県だからいいかな…って親に内緒で受けたら合格したのが、17歳のときです。

「本当の自分を出したら嫌われるんじゃないか」ってずっと思ってました。本当はこういう人間だから（笑）、「喋るとボロが出る！」と思って。

取材されるのもすっごい苦手だったんですよ。みんなに振られるインタビューでも、自分だけ少ししか言葉が出てこない。

台本があるわけじゃないから、「やり方がわかんない」って言ってた子が多かったんですよ。

「何分ぐらいやればいいの？」とか、「プライベートをどこまで出せばいいの？」とか。

「誰もやってないならここだ！」って思って。

「人前に出る」っていう意識だから、どこまで出せばいいの？って悩んでしまうと思うんですけど、私はもう「日常のままを見せる」っていうことにしようと。

そうしたら、ようやく自分が出せるようになって、「こっちのほうが楽しいし、ラクだな」って。私にすごい合ってたのか、配信を始めたら、気付いたらものすごい時間やってるんです（笑）。

それまでは「王道アイドル」とか「釣り師（ファンサービスや態度でファンを虜にするアイドル）」的なキャラで頑張ってたんですけど、「甘いセリフを言ってください！」とか言われても、「きちぃーなコレ」と（笑）。

どんどん感情を隠さないようになって、「こんな嫌なことがありました！ どう思いますかみなさん！」って配信でよく言ってたんですね。

支配人に怒られたとか、今考えたら超どうでもいいことをグチって、泣いてました（笑）。

それで「中井りか、号泣配信！」とか言われだして。

でも、「なんだコイツ？」ってなるじゃないですか。「自分の素の感情を出すと、たくさんの人から存在に気付いてもらえる」ってわかったんです。

はい。私、器用貧乏なんですよね。5歳の時からやってたピアノもダンスも、中途半端で何にも身に着いてないし（笑）。

だから、それまで番組に呼ばれることってあんまりなかったんですよ。

それが急に「SHOWROOMで話題の！」「炎上で話題の！」っていう感じで、いろんなものに呼んでもらえるようになったんですよね。“肩書き”がつくようになってきて（笑）。

でも、私的にはもう後がなくて、「このままやっててもどうにもならないな」って見切りがついてたんで、自分を出していくほうがいいと。

いや！ NGTのなかでもお笑い担当とか、歌がうまいとか、みんなの個性が伸びてたんですよ。そんななかで、私は「ぶりっこキャラ」とか言ったって、かぶってるんですよね。他のグループにも山ほどいるし。

そこからだんだんSHOWROOMの反響が認められて、チャンスがたくさんもらえるようになっていったんですよ。選抜に選んでいただいたりとか、太田プロっていう大きい事務所に入れたりとか。

「作ってた自分」は全然認められなかったのに、素の自分を出した瞬間に認められはじめたんです。

自分が楽しいと、ファンの人たちも楽しんでくれるし。

そういうの何て言うんでしたっけ？ そうじょ…？

それです。

シングルでセンターになったときなんか、「お前なんかアイドル向いてないからセンター降りろ」って、握手会で面と向かって言われましたね。

笑顔で「来てくれてありがとう～」って返してました。でも笑顔で返すのもだんだん疲れてきて。

その場でキレ返します。

これまで「炎上して泣く→泣いて叩かれる」っていうローテーションが何回もあって、そのたびにメンタルがどんどん強靭になってるんですよ。

やってもいないことをネットに書かれるのは嫌ですね。やったことで叩かれるのは全然いいんですけど。

だから、デマの話題が書かれてるまとめブログのスクショを貼って、「誰だよこんなの書いたの！」とかインスタに投稿してるんですね。

ただ、そういうことしてると「アイドルとしての意識が足りない」とか言われるんですよ。

「でも私はアイドルやってるから！」って感じですね。

「叩いてるあなたは何なの？アイドルですか？」って。アイドルやってもないのにアイドルの定義を語るなよって思います。

私は書いていいことしか言ってないです！

最近は、「初めて握手会来た」という人が増えてて、それが今一番うれしいことですね。

私はAKBファンの“村内”だけじゃなくて、村の外にいる一般の人たちにも「何あのコ？」って思ってもらいたいんです。

村の外に発信するためには、普通のことじゃ届かないんですよ。だから、ネットのバズりっていうのをすごい大事にしてるんです。

SNSで話題になるってことは、社会のたくさんの人に目にとまるってことですから！

「調べたら中井よりかわいいコたくさんいるじゃん」ってなってもいいんです。経験上、そういう人も結局私に戻ってくるから。

そもそも、私はファンを獲得しようとはしてないです。「ついてこれるならついてこい」スタイルなんで。

そのほうが濃いファンがつくんです。その人たちは、周りの友達とかに私のことを広めてくれるんですよ。

私はファンの人たちによく言うんです。「私が普通のアイドルじゃないんだから、みんなもほかのアイドルのファンがやってないことをしてください！」って。

「本当に私のファン増やそうと思ってる？」って説教したり。そうしたらみんな成長したんです～！ すごい進歩（笑）！

今では「そこまでやる!?」っていうようなことまでしてくれますからね。私の地元に行ってビラを配るとか。

あと最近は、私が「女子も活動して！」って言ったら「女子部」ができて、「女子部10連番」とか言って10人連続で握手会に並んでくれたりしてます。

そういうふうに、一緒に成長していける濃いファンをつくりたいんです。うまく沼にはめられたら私の勝ちです（笑）。

今NGT48が2期生の募集をしてるんですけど、聞いたところによると「中井さんみたいになりたい」って言ってるコがたくさん…たくさんはいないか（笑）、局地的にいるらしいんですね。もう私は鼻が高いですよ。

まあ、先輩には1ミリも好かれないんですけどね（笑）。

まずは有名になってから、そのあとに「なりたかった自分」になれればいいなって思ってます。今はそれどころじゃないですけど。

そう！ 軌道修正できたらいいんですけどね。

そうだったのか…。初めて聞きました（笑）。軌道修正したいんだ…

これから事務所の人と相談します。ま、多分もう無理だなと思ってるんですけど（笑）。

最近、よくサラリーマンの人から、「なんでりかちゃんは思ったことをズバズバ言えるの？」「上司にそんなこと言えない」とか相談されるんですよね。

理不尽なことって、「理不尽だ」ってちゃんと言わないとわかってもらえないんですよね。

つらいと思ってても、言ってくる相手にも周囲の人にも、全然伝わらない。だから言葉にするしかないんです。

周りを気にしないことですね。

私は「嫌われたらどうしよう」が人一倍強い人間だったんですけど、いろいろ悩んだ結果、「自分の人生だし、1回きりだから、言いたいことを言って生きよう」と思って。

そのほうが楽しく生きられてる自分がいる。「それでいいんだ」ってことを伝えたいですね。