

技術と熱意の結晶が、LEDで輝く! 大阪の町工場2代目が仕掛けたiPhoneケースがヒット中
まさかの“電池なし”で光るらしい…
新R25編集部
今やすっかり手放せなくなった「iPhone」。毎日使うものだからこそ、ケースにもこだわりたいですよね。
せっかくだから人と被らないものを使いたいという方は、こんな“変わり種”を選んでみてはいかがでしょう?
「PCB ART moeco」から発売されている「FLASHシリーズ」というiPhoneケース。
基板をモチーフにしたこちらのケース、見た目のカッコよさもさることながら、見えないところまで“愛”が詰まった商品なんです。
その仕掛け人・株式会社電子技販 代表取締役 北山寛樹さんは、幼いころから基板に触れ、製造技術を磨きつづけてきたプロフェッショナル。
精密な基板アートに込められた北山さんの想いを、とくと語っていただきましょう。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
MADE IN JAPANのアートを、毎日の相棒に

北山さん
いろいろご説明する前に…まずは、私たちが製造している「FLASHシリーズ」のiPhoneケースをご覧になってください。

石川
ものすごい精巧ですね…!

北山さん
「FLASHシリーズ」は、私たちが世界で唯一製造販売している「基板アート雑貨」のラインナップの1つ。
すべてMADE IN JAPANで製造していて、こちらの商品は基板の配線パターンで東京の路線図を描いています。

石川
東京なんですか! たしかによくみたら真ん中が山手線だ…

北山さん
関西、京都、ニューヨーク、パリ、ロンドンもあります(笑)。
実際の路線図に合わせて駅名の表記をアルファベット3文字にしていたり、駅の乗降客の人数に合わせてチップ部品の大きさを変えたりと、複雑な路線の再現以外の部分でも工夫を凝らしています。
路線自体もただのデザインではなく、ちゃんと機能する電子回路になっているんですよ。

石川
もしやこれ、光ったりするんですか?

北山さん
はい。しかも、電池などは使っておりません。
ほ…ほんとに光ってる! 東京駅が!

石川
一体どういう仕組みなんでしょう…

北山さん
簡単に言うと、iPhoneが強い電波を発するタイミングに反応して光るようになっています。
たとえばGPSで位置情報を確認したときや、情報量の多いアプリを使用したときなどに光りやすいですね。
最初に商品を発売したのは2014年ですが、2020年に特許を取得することができました(特許番号6667777)。
この技術とデザインを上手く融合させることで、他社が真似できない商品をお届けできています。
スターウォーズファン垂涎の、こんなデザインもあります

北山さん
作画においても、一般的なデザイン(作画)ソフトではなく、設計などに用いるCADの中でも基板用CADを使っていて、マウスで一本一本線を引いて作画しています。
取り扱う作品の世界観を守るために、商品によっては線が約20万本という膨大な量になっているものもあります。

石川
気が遠くなりそうな作業…まさに職人の仕事ですね。

北山さん
基板のプロフェッショナルが培った製造技術と製造設備があり、そこにデザイン力が合わさって“基板愛”のこもったプロダクトとなっています。
「基板とは完璧に計算された芸術である」というフレーズからも、その矜持が伝わってきます

北山さん
製造工程の一部はYouTubeでも公開していますので、ぜひご覧になってみてください。
町工場の2代目が、初のtoCビジネスに挑戦するまで

石川
そもそも、北山さんの“基板愛”のルーツはどこにあるんですか?

北山さん
私は大阪にある町工場の2代目でして…子供のころからプリント基板の実装工場の上に住んでいたので、そのころから基板には触れてきました。

石川
小さいころから! 基板のサラブレッドですね…

北山さん
入社してからも基板と向き合う日々を送っていたのですが、下請け仕事はどうしても海外に流れるリスクがあり、それが将来の不安にもなっていました。
そこで、働きながら大学で経営の勉強をやり直しつつ、新しい事業を模索しているなかで、東京の路線図が基板回路図と似ていることに気づき、先ほどお見せした東京回路線図をデザインしたんです。
“これ”がすべての始まりだったんですね

北山さん
ちょうど2020年の東京五輪が決定したころで、東京にまつわるデザインがしたいという想いと、商品のイメージが上手くハマってくれました。
それまでBtoCの事業はやったことがなく、自社商品も初めてでしたが、結果的には「ヒット」と呼べるものになりましたね。

石川
刺さる人が多そうだし、ヒットするのもわかります。このシリーズはどこで買えるんですか?

北山さん
東京だと、国立新美術館や東京都美術館のミュージアムショップで取り扱っていただいています。
ちなみに、美術館からオファーがあったとかではなくて…コネもないなかでの持ち込み営業が実った結果なんです(笑)。
美術館映えしそうなこんなアイテムも。葛飾北斎の名画「神奈川沖浪裏」が基板アートになっています

北山さん
日本だけでなく、中国・香港・台湾のお店でも商品を取り扱っていただいていますし、もっと手軽にご購入いただけるようにオンラインショップもご用意しています。
スターウォーズ、ガンダム、エヴァンゲリオンといった国内外問わず人気のある作品とコラボさせていただいてますし…
iPhoneケースだけではなく、ICカードケースやブックマークなどの展開もしています。
最近発売されたばかりのiPhone15対応の商品もございますので、ぜひオンラインショップを覗いてみてください!
製造工程の動画を見てもらうと分かるように、商品の仕上げも普通のケースと全然違うんです。動画を見たらきっと欲しくなってしまうはず…!
取り扱っているリアル店舗はホームページから確認できるので、お近くにいらした際はぜひ見に行ってみてください。
北山さんの愛と探究心がこれからも新しい商品を世に送り出してくれることに期待しましょう!
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