企業インタビュー
アパレルの常識を変える! 高級生地・遠州織物のシャツが、HUISだと安価に買える"3つの理由"
「原価」以外のコストを削減
新R25編集部
「そろそろプチプラ服を卒業して、高品質な服を長く大事に着たい」「でも、国産の生地を使った仕立てのいい服って高そう…」
そんな方に知ってほしいのが、「遠州織物」のアパレルブランド「HUIS(ハウス)」です。
「遠州織物」は、有名なメゾンブランドでも使用される高品質な国産生地。
「HUIS」ではそんな高級生地を使った服を、手の届きやすいリーズナブルな価格で販売しています。
なぜ、その価格で提供できるの? オーナーの松下昌樹さんによると、3つの理由があるそうです。
〈聞き手=山田三奈(新R25編集部)〉
高級生地のシャツを2万円で買える「HUIS」
松下さん
「HUIS(ハウス)」は、“日々の暮らしのなかになじむ上質な日常着”をコンセプトに、静岡県の遠州地方で生産される高級生地「遠州織物」を使った衣服を展開しています。
松下さん
たっぷりの糸が“ぎゅうぎゅう”に織り重なっている生地は、長く着ることでより風合いが増していくのが特長です。
“高級生地”を普段着に。洗えば洗うほど一層風合いが出る遠州織物ブランド「HUIS」の魅力
生地の特長については、こちらの記事をご覧ください
山田
ずっと長く着られるわりには、リーズナブルなんですよね?
松下さん
シャツやブラウスが2万円ほど、パンツやスカートだと2万5,000円ほどのものが多いですね。
ギザコットンブロードシームレス半袖オーバーシャツ (ユニセックス):2万680円(税込)
松下さん
事前情報がなく、この価格だけを見ると「高い」という印象を持たれてしまう方も多いのですが、アパレル業界において「遠州織物」は世界的にもハイエンドな品質の生地。それだけ高価な生地です。
よく使われている海外メゾンブランドでは10万円を超えるようなシャツ・ブラウスになることが多いですし。
価格にブランド力が反映されないような一般的なメーカーが作ったとしても、遠州織物を使うと3〜4万円にはなってしまうので。
2万円ほどで商品を展開するというのは、実際はすごく難しいことなんです。
安く提供できる理由① 生地産地からの直接仕入れで「中間コスト」を大幅削減
山田
たしかに、遠州織物のことを知らずに値段だけ見ると高く感じてしまうかも…。でも、これまで伺ってきた内容を知れば納得できます。
「HUIS」さんはなぜ安く提供できるんでしょうか?
松下さん
理由は、大きく3つあります。
まず1つ目ですが、これが一番大きな理由で、生地産地で機屋さんから直接仕入れをおこなっているからです。
松下さん
通常、アパレルブランドが生地を仕入れる際は、「生地商社」や「生地メーカー」といったところから購入します。機屋さんから直接は仕入れられないんですね。
機屋さんから、こうした「販売事業者」に生地が渡るまでには、実はたくさんの仲介業者が入ります。専門用語で「産元」や「コンバーター」などといった言い方をするのですが、こうした仲介者が多いのもアパレルの特徴です。
でも、こうした経路だと、仲介者へのマージンが重なり「中間コスト」が多く発生します。
山田
生地以外のコストがかかってくると。
松下さん
遠州産地でものづくりをしている「HUIS」は、産地の機屋さんと密に連携しています。
生地も直接仕入れることができるので、こうした「中間コスト」を一切省くことができるのです。
これは「産地発ブランド」ならではの特徴で、産地の生産者にとっても、お客さまにとっても、すごくメリットのあることだと思っています。
安く提供できる理由② オンライン販売に注力して「固定費」を徹底的に排除
松下さん
次に2つ目の理由ですが、オンラインストアでの直接販売を中心にすることで、できるだけ安価に商品を展開できるように工夫しています。
アパレルブランドって、全国の商業施設にいくつも店舗を構えることが一般的ですよね。
山田
はい、休みの日にふらっと行けるイメージです。
松下さん
お客さまがたくさん歩いている人気の施設。でも、そこには家賃や販売マージン、常駐するスタッフなど多くのコストがかかっています。
つまり、これらがすべて商品の価格に反映されている、ということもわかると思います。
山田
それで最近は“オンライン販売のみ”のブランドが増えてきているんですね。
でも、「実物を手に取ってみて買うか決めたい」というお客さんも多いんじゃ…?
松下さん
ほんとに、おっしゃる通りなんですよね。
安価な洋服であれば心理的に買いやすいし、生地が良くなくても、見た目のデザインだけで伝えやすい。だからそうしたプチプラ服などはオンライン戦略を打ちやすいのですが…「HUIS」の服は真逆です。
山田
真逆…
松下さん
「HUIS」の服はそれなりの価格ではありますし、実際に体感することで良さを理解できるという特徴があります。
そのため、東京・神奈川・愛知などにショールームを設けていて。
いつでも生地の良さや着心地を実感していただけているようにしているんです。
*2024年5月現在、福岡ショールームは移転&リニューアル準備中
渋谷スクランブル9F「garage」内のHUIS渋谷ショールーム
山田
気に入った商品は、その場で購入できるんですか?
松下さん
もちろんです!
在庫をあまり用意していないため「ショールーム」という言い方をしていますが、店頭に並んでいるものはすべてお買い求めいただけます。
また、ショールームがない地域でも同じように「HUIS」の服を体感していただけるよう、百貨店さんを中心に、全国で1週間ずつのPOPUPイベントを数多く開催しています。
山田
でも…人気の商業施設にショールームが入っているなら、さっきの話と矛盾しているような…
松下さん
そうですよね。「HUIS」のショールームは「渋谷スクランブルスクエア」や「丸の内ビルディング」など大きな商業施設のなかに設けさせていただいています。
で、じつはこれらのショールームはすべて、「HUIS」の取り組みに共感いただいているパートナーショップさんからのご厚意でスペースを提供いただいているものなんです。
「HUIS」のファンの方が定期的にそのショップさんを訪れてくれることになるため、お互い「win-win」の関係で成立している珍しい仕組みだと思います。
日本人が知らない「世界に認められた生地」…産地と伝統を守り広げる“遠州織物ブランドの挑戦”
遠州の繊維文化を守る「HUIS」の取り組みはこちらの記事をご覧ください
松下さん
また、百貨店さんでのイベントも、「常設店舗」と「1週間のイベント」を比較すれば中間コストに大きく差が出ることがわかると思います。
こうした場を提供してくれている全国の百貨店さんも、大切なブランドパートナーだと考えています。
こうした形で、オンラインストアを補完しているのがHUISの特徴です。
産地の伝統を大事にする取り組みや思いが、パートナーショップや消費者にも届いている。素敵です…
安く提供できる理由③ クリエイティブを自主制作して「広告費」をカット
松下さん
最後にもう一つ。
3つ目の理由は、PRに使うクリエイティブを自主制作することで、広告を削減しています。
山田
どのようなPRをしているんでしょう?
松下さん
シーズンごとに制作するカタログ・パンフレット・DMや、情報発信のためのグラフィックデザインなども自社内で行っています。
一般的なアパレルブランドの場合、そういったクリエイティブツールはデザイン会社に委託外注することが多いんですが…「HUIS」では、すべて自分たちで対応しているんです。
山田
シンプルながら上質な服のイメージがよく伝わってきます。着用の撮影もすべて自分たちで…?
松下さん
はい。着用モデルは妻やスタッフですし、撮影も自分たちで撮影して、各クリエイティブツールに落とし込むまで一貫して行っています。
自主制作することで、「HUIS」のイメージをより色濃く反映させられると思っていて。
結果的に、ブランディングの強化にもつながっています。
松下さん
「HUIS」はとにかく最高品質の生地を使いながら、できるだけ価格を抑えられるよう、ビジネスの仕組みのなかで工夫をしています。品質をコストカットしてしまっては本末転倒ですからね。
衣服は、私たちに楽しみや喜びをもたらしてくれるもの。その本質が、一番大切です。
これからも産地発ならではの“特別な価値”をリーズナブルな価格で提供しつづけられるブランドとして、「HUIS」の服をみなさんの暮らしに取り入れていただけるよう取り組んでいきます!
ハイブランドでも使われるような高級生地ながら、“産地発”を活かしたブランド展開によって低価格を実現している「HUIS」。
プチプラのシャツを何枚も買い足すより、ずっと着られる高級生地のシャツを一枚持つほうが、なんだかんだコスパもいいし、気分もアガる気がします。
トレンドに左右されない、長く付き合っていける服をお探しの方は、オンラインショップを覗いてみては?
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