企業インタビュー
“生”の果実をお酒で味わうために。「冷凍して味わう」新感覚の果実酒への挑戦
累計10万人以上から応募が殺到…
新R25編集部
KURAND株式会社が運営するオンライン酒屋「クランド」は、日本全国200社以上の酒造メーカーとパートナーシップを結び、日本酒・梅酒・果実酒・焼酎・ビール・ワインなど、あらゆるジャンルのクラフト酒を開発しています。
ECサイトに並ぶ500以上の商品はすべてがオリジナルで、各メーカーの個性を最大限に引き出した、ほかにはない魅力的なラインアップです。

そんな数ある商品のなかでも、ひときわ異彩を放つのが「冷凍して味わう果実酒」をコンセプトにした「翠氷(すいひょう)」シリーズ。
冷凍庫で一晩寝かせ、氷点直前の温度で味わうと、とろりとした口当たりとともに果実の香りが弾け出すといいます。
ブランド果実の“生”の味わいをそのまま閉じ込めたこのお酒は、抽選で当たった方だけしか手に入らない「抽選販売」という方法で販売されています。
「シャインマスカット」や白イチゴのブランド品種である「初恋の香り」などの贅沢な果物を、一体なぜ冷やそうと思ったのか…?
「翠氷」の誕生ストーリーと開発秘話について、商品開発チームリーダーの三寺悠仁さんにお話を伺いました。
〈聞き手=古川裕子(新R25編集部)〉
冷凍することで、“生”の果実感が楽しめる「翠氷」シリーズ

三寺さん
「クランド」では、「冷凍して味わう」新感覚の果実酒「翠氷(すいひょう)」シリーズを展開しています。


古川
冷凍して味わう…というと?

三寺さん
翠氷は冷凍庫で一晩、ボトル表面に霜が付くくらいまでキンキンに冷やしてから、小さなショットグラスに入れて一気に喉元に流し込む「パーシャルショット」で楽しんでもらうことを一番に推奨しているんです。
この方法で飲んでいただくことで、最も果実の風味を生かすことができます。


古川
へぇ…おいしそう! ひんやり果実酒、新しいですね。

三寺さん
喉元を流れるひんやりとした感覚を楽しめるだけでなく、冷凍庫で冷やすことで生果実のフレッシュな風味や香りをクリアに感じていただくことに成功しました。
口内の温度で一気に味わいが変化して、もぎたての果実を口に含んだようにジューシーでフレッシュな香りが楽しめるんです。

古川
冷凍によって“生”の果実感を楽しめると。

三寺さん
はい。
また28度以上のアルコール度数が高いお酒は、一般的な家庭用の冷凍庫レベル(−18℃前後)ではほとんど凍りません。
「翠氷」はそんなアルコールの特徴を活かし、アルコール度数を28度以上へ調整したうえで一晩冷凍庫に入れることで、とろりとなめらかなテクスチャーも実現しました。

古川
口どけまでなめらかになるんですね!
これはぜひ飲んでみたい…

古川
ちなみに今、「翠氷」シリーズは何種類あるんですか?

三寺さん
2023年11月から今年10月までの間に、9商品を展開してきました。
第一弾は、高級マスクメロンである「クラウンメロン」の生の果肉ピューレと果皮や種から抽出した糖液を使った「翠氷 -CROWN MELON-」。
希少なブランド果実のため、限られた数しか生産ができないことから、数量限定の抽選で販売をしているのですが…
2023年11月の販売開始後、1万件近くの応募件数が集まりました。

古川
すごい人気ですね…!

三寺さん
ほかにも、ブランド桃「あら川の桃」の味わいを楽しめる「翠氷 -Arakawa no Momo-」や、高級フルーツとして人気が高い「シャインマスカット」を贅沢に使った「翠氷 -SHINE MUSCAT-」など…
全国の農家さんや農業団体と信頼関係を築き、厳選した果実を使用した商品を展開しています。
これまで累計10万人以上から応募*があり、多くの方からたいへんご好評いただいています。
*2025年4月時点

古川
抽選販売にしているのはなぜですか?

三寺さん
「翠氷」に使っている果実は、どれも農家さんから直接仕入れるブランド果実で、収穫量が限られています。
さらに“生”の果実をそのまま使う製法上、一度に仕込める量がごくわずかなんです。
そのため毎回数量限定の抽選販売という形をとっています。
当選した方には、「希少な果実の一番おいしい瞬間を味わえるお酒」として楽しんでいただければと思います。

わざわざ「冷凍して味わう」果実酒にチャレンジしたワケ

三寺さん
「翠氷」の開発では、果汁メーカー・日本果汁とタッグを組みました。
果汁メーカーだからこそ、果実を搾ってすぐにアルコールを加えることで、加熱による風味の劣化を防ぎ、“生”の果実感をそのまま閉じ込めることができたんです。

古川
なぜ「冷凍して味わう」果実酒を開発しようと思ったのですか?

三寺さん
もともと「果実酒」というジャンルで、まだ誰も体験したことのないおいしさをつくりたいと思っていました。
そんななかで、「生の果実をそのままお酒で味わう」ことに挑戦できないかと考えたのが「翠氷」の始まりです。
冷凍という手法にたどり着くまでに、果実ごとの凍結耐性やアルコール度数の調整など、何十回もの試作を繰り返しました。

古川
「冷凍して味わう」というこれまでにない新しいお酒を開発するなかで苦労したことはありますか?

三寺さん
一般的に果実の加工では、カットや搾汁といった一次加工をする「原料メーカー」と、それを使ってシロップやジャムなどの商品にするための二次加工をする「食品メーカー」で分かれることが多いんですよ。


三寺さん
ただ…それでは一次加工と二次加工の間にどうしてもタイムラグが生まれます。
その間に品質が劣化してしまうので、品質保持として殺菌するための「加熱」工程が必要になります。
その「加熱」によって、フレッシュな“生”の風味が失われてしまうんです。

古川
高級フルーツの風味が損なわれてしまうと。もったいない…


三寺さん
そこで、果汁を搾ってすぐにアルコールを加えることができれば、工程のタイムラグがなくなり、フレッシュな“生”の風味を出すことができるのではないかと考えました。
それを実現することができたのが、果汁メーカーの日本果汁だったんです。
しかし今度は、「常温だと劣化しやすい」という問題が出てきて。それを解決するのが「低温保存」という方法でした。

古川
低温保存をすることにより、果実の風味や香りの劣化を抑えたと。
「翠氷」は、“生”の風味を追求するアイデアから誕生したお酒なんですね。

“生”の風味を実現するまでの苦悩とこだわり

三寺さん
また「冷凍」という手段を用いて「翠氷」の開発を進めるなかで、“生”の風味を出すのに「向いている果実」と「向いていない果実」があることがわかりました。

古川
というと?

三寺さん
凍らないために「アルコール度数28度以上」となるよう、度数の高い、果実を邪魔しないクリアな味わいのアルコールをベースに仕立てていますが、強いアルコール感をカバーできるような風味が不可欠で。
柑橘類や華やかな香りがある果実は向いているのですが、香りの印象も少なく果実味が薄い「キウイ」は難しかったですし。
「桃」や「苺」のように甘さや甘酸っぱさといった味わいが先行するものは、商品化までがけっこうたいへんでした。

古川
果実選びの段階でそんな苦労が…


三寺さん
あと“生”の風味を突き詰めるうえで、「果実を丸ごと活用すること」も大切にしました。
たとえばピューレを作る工程でも、果肉や果汁、皮、種や葉などさまざまな残渣が生まれます。
それらを捨てるのではなく、糖液やエキスを抽出して加えることで、香料などに頼らず、よりリアルで自然な果実そのままの香味を瓶内に閉じ込めているんです。

古川
へぇ…! 果物を余すことなく使っているから、風味が凝縮されるんですね。

三寺さん
そうなんです。
今後も新たな「翠氷」の原石となる果実を探しつづけ、「冷凍」という手法を使ってブランド果実の魅力を最大限に伝えていきたいと考えています。
「翠氷」は、ブランド果実の“旬”をそのまま届けることに挑戦したお酒です。
今後も新しい果実や地域との出会いを通じて、このシリーズを進化させていきたいと思っています。

「冷凍して味わう果実酒」というユニークなコンセプトの「翠氷」シリーズ。
販売スケジュールは、「クランド」のHPやSNSでお知らせ予定とのこと。
全国から調達したブランド果実を使用したこれまでにない果実酒を味わってみたい方は、チェックしてお早めにお申し込みを!
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