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職務経歴書、華やかにしてる? 元銀行員YouTuber・ぼくひぐまが見つけた“はたらくWell-being”

職務経歴書、華やかにしてる? 元銀行員YouTuber・ぼくひぐまが見つけた“はたらくWell-being”

連載「“はたらくWell-being”を考えよう」

新R25編集部

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リモートワークの浸透などと相まって、「はたらき方改革」が世間の潮流となって久しい昨今。

現場ではたらくビジネスパーソンのなかには、「本気で仕事に打ち込もうと思ったらはたらき方改革なんて無理」「自分らしいはたらき方なんて難しい」と感じている人もいるはず。

そこで、パーソルグループとのコラボでお送りする本連載「“はたらくWell-being”を考えよう」ではモヤモヤを感じているあなたへ「令和の新しいはたらき方」を提案していきます。

今回紹介するのは、元銀行員で、今はYouTuberとして『ぼくひぐま。〜おとなの学びや〜』チャンネルを開設し、チャンネル登録者数20万人を超えるぼくひぐま。さんです。

行員時代に直面した理不尽さや、はたらくなかで感じたしんどさを起点に、「銀行員を辞めた日の話」「叱られても折れないココロのつくり方」など、等身大の仕事のリアルをユーモアたっぷりに発信しています。これまで、人事や個人のキャリア支援もしてきたぼくひぐま。さんに、“はたらくWell-being”なキャリアの築き方について聞きました。

1988年生まれ。中央大学卒業後、三井住友銀行に入行。法人営業を5年間経験したのち独立。2019年から就活生向けのSNS運用を始め、2024年からYouTubeを始める。現在はYouTuberと並行して、従業員エンゲージメント改革を支援する株式会社U-ZEROに所属。採用支援事業の統括を担う

就活生ぼくひぐま、年収ランキングに心を撃ち抜かれる

田邉

YouTubeチャンネル『ぼくひぐま。〜おとなの学びや〜』では、ガチ泣き経験や鬼上司エピソードなど、一見すると大変そうな内容なのに、ひぐまさんの軽快な語り口調が面白くて昨日もつい夜更かしして見ちゃいました。

ぼくひぐま。さん

ははは(笑)。見ていただき、ありがとうございます!

田邉

元三井住友銀行の行員とのことですが、どうしてファーストキャリアで銀行を選んだのでしょうか?

ぼくひぐま。さん

ぶっちゃけ言うと、平均年収が高かったからですね。それまで日サロに行きまくる廃人大学生をしていて。

廃人大学生だったという、ぼくひぐま。さん

ぼくひぐま。さん

就活を始めた当初は「身近だから」という理由で、食品系や化粧品系のメーカーを志望していたんです。でも、とある就活雑誌で平均年収特集を見て、商社・コンサル・金融系が稼げると知りました。

商社ではたらくイメージは湧かないし、コンサルは何をするのかよくわからない。消去法で銀行を選びました

田邉

確かに、給与口座をつくったりATMを使ったり、学生でも接点がありますよね。

ぼくひぐま。さん

それで、平均年収ランキングのなかでも上位だった三井住友銀行の説明会に行ったら、当時としては珍しく、行員のみなさんがめちゃくちゃオシャレだったんですよ!

グレーのスーツに茶色い革靴、袖口からチラッとカフスが見えて…大学生からしたらキラッキラじゃないですか!

田邉

「社会人になったら自分もああなれる!」って思っちゃいます(笑)。

ぼくひぐま。さん

そうなんです。完全に「ここだ!」ってガンギマリして、最初に内定をいただいたので入行を決めました。

田邉

YouTubeを見ると、そこから割とハードな社会人生活だったと察します。

ぼくひぐま。さん

そうですねえ。でも僕としては、ファーストキャリアを三井住友銀行にしたのはよかったと思っています

というのも、良くも悪くもハードワーク気味なことは入行前から想定していたんですよ。ネット廃人だった僕は2ちゃんねるで激務情報を見ていましたし、説明会やリクルーター面談でも「簡単な仕事じゃないよ」と言われていました。

田邉

でも、事前に激務だとわかっていたとしても、しんどくなかったですか…?

ぼくひぐま。さん

業務内容は置いといて、はたらき方でいえば土日は休み、平日も20時半くらいには退行できるんすよね。

田邉

そうなんですね。

ぼくひぐま。さん

そもそも僕は、「ハードワーク=悪」だとは思っていません

それに、社会人の「大変さ」「しんどさ」って、最初の環境が自分の基準になるじゃないですか。だから僕にとっては、ハードワークが当たり前で普通だったんです。

田邉「なんの基準もないからこそ、その環境が社会人としての“当たり前”になると」 ひぐまさん「ですです」

ぼくひぐま。さん

三井住友銀行が激務なのは事前にわかっていましたし、だからこそ何かあっても「これが噂のやつか!」と受け止められていましたね(笑)

仕事は基本楽しくない。でも瞬間風速のようなうれしさがあるから

田邉

銀行でのハードワークを経て個人事業主として独立し、そして今は会社に所属されていますが、キャリア観に変化はありましたか?

ぼくひぐま。さん

うーん…変化というより、そもそもキャリア観とか考えてないっすね

「これがやりたい」「〇〇を目指す」って野心みたいなものが全然なくて。高額年収がもらえるなら、ぶっちゃけどんな仕事でもいいんですよ。

田邉

仕事内容は問わない?

ぼくひぐま。さん

問わないですね。だって、仕事って基本楽しくないじゃないですか

どんなに好きなことでも、仕事になるとそればっかりってわけにはいかない。調整が生まれたり、交渉が必要だったり、事務仕事が増えたり。

「それだったらふつうに飲み会のほうが楽しいんで」「…確かに(小声)」

ぼくひぐま。さん

でも、ときどき瞬間風速的に「うれしい!」って思えることがあるのが仕事なんですよね。たとえば売り上げが上がったとか、第三者から評価してもらえたとか。

あの麻薬的なうれしさがあるから、もうちょっと労働を頑張れるというか(笑)。

田邉

わかります! その「うれしい」で、今までの苦労も帳消しになるというか。ということは、その「うれしい」瞬間が増えれば、“はたらくWell-being”になれる…?

ぼくひぐま。さん

「うれしい」を増やすためには、まず仕事で求められることが大事ですよね。「これはあの人が得意」「あの人に聞けばわかる」という「あの人」になる。

社内でも社外でも、自分に需要がある状態になれば、社会人としてかなりポジティブな状態に入れると思います。

田邉

自分の需要がある状態。それってどうやったらつくれるんだろう?

ぼくひぐま。さん

僕的な解としては、得意を増やすことですね

僕、若手時代は人とのコミュニケーションが得意で、「自分は営業しか向いてない」と思っていたんですよ。でもあるとき知り合いから「話すのうまいしSNSの投稿してみたら?」と言われてやったところ、3カ月で1万フォロワー伸びたんですよ

田邉

ええ!? すごい!

ぼくひぐま。さん

この結果から、自分は何がウケるかを分析して、アカウントを設計して、毎日トライ&エラーして淡々とレベル上げすることが得意だと気がついたんです。

得意が増えるって、つまり社会人としての武器が増えるということ

武器が多ければ多いほどいろんなチームに必要とされるし、得意で貢献できるから「うれしい」瞬間も増える。

得意が増える→求められる→得意で貢献できる→うれしいが増える。“はたらくWell-being”の好スパイラル!

田邉

「うれしい」を増やすためには、まずは地道に「得意」を増やすのが大切なんですね。

ぼくひぐま。さん

これまで人事や、個人的なキャリア支援をするなかで思ったのは、はたらくうえで一番しんどいのは、選択肢がない状態なんすよね。「辞めたくても辞められない」「この仕事しか自分にはない」って思ってしまうこと。

逆に仕事を楽しんでいる人って、常にいろんな選択肢を選べる状態なんですよ。自分の得意や実績を背景に、今の仕事を続ける選択肢も持てるし、興味あることに挑戦する選択肢も持てる。はたらくことを通して、自分の進みたい道に進められるなら、それは確実に楽しいじゃないですか。

時間外の飲み会は、実はめっちゃコスパがいい!?

田邉

選択肢がある、選べる状態になるためには…?

ぼくひぐま。さん

僕的には、体力やライフスタイルに自由が効く若いうちに、多少無理する経験も必要だと思うんですよ

田邉

無理する経験。

ぼくひぐま。さん

先ほど「得意や実績」と言いましたけど、それらをつくっていく過程はやっぱり一筋縄ではいきません。

ちゃんとしんどい経験、きつい経験をしておけば、それが資産になって将来的なキャリアが結構変わってくると思っていて。

田邉

「やる気」だけで通用するには限界がありますよね。

ぼくひぐま。さん

そう思うと、若手のうちから職務経歴書を華やかにしてほしいですね

それは、企業名でも良いし、僕のように激務経験があることかもしれないし、売り上げを上げた、プロジェクトを成功させた、反響があったなど、なんでもいい。とにかく経歴として書ける強みがあるといい。職務経歴書は、まじで大切ですから(笑)

田邉

職務経歴を彩るためには、いろんな仕事や案件に携わらせてもらえる“可愛がられ力”が必要ですよね。上司から可愛がられないと、チャンスがこない。

ぼくひぐま。さん

おお、それはまさにおっしゃる通りです!

「『上司から可愛がられないと、チャンスがこない』、これ僕が言ったことにしてもらってもいいですか?」

ぼくひぐま。さん

可愛がってもらうために今の若手世代に言いたいのは、誘いは断るな! です。

上司も人間なので、誘ったら来てくれる部下を可愛がりたいじゃないですか。飲み会でプライベートな話をして、腹のうちがわかっている部下には感情移入しちゃうはずだと思うんすよね(笑)。

田邉

ですが、給与も出ない、時間外の飲み会に行くのは正直ちょっと…

ぼくひぐま。さん

わかる。そうなんです。でも、投資で見たら実際めっちゃコスパいいんですよ! 仕方ないって割り切って数時間我慢したら、上司が仕事を振ってくれるようになるかもしれない。それが今後のキャリアや実績アップ、ゆくゆくは給与アップにつながる可能性を秘めている。

ちょーっと我慢して「おじさんを攻略する!」ぐらいの気持ちでいくと、未来明るいっすよ

ぼくひぐま。さん

仕事を振ってもらえるということは、打席に立たせてもらえるということ。そこでヒットを打てたら、会社での立ち位置や任される仕事も変わるはずで。

失敗しても、もう1回立たせてもらえるチャンスは巡ってきます。若手のうちは、打率より打数がまっじで大事

田邉

飲み会が、チャンスの数に関わってくる!?

ぼくひぐま。さん

しかも今は、「上司の誘いを断らない」ってことが高評価になる時代です

かつては断らないことが当たり前だったから、むしろ断ると減点されていた。でも今は、上司側がハラスメントなどを気にして部下との距離感イップスになってるから、部下から歩み寄って誘いを断らなければ、それだけで可愛がられる。僕は誘いも飲み会も基本断らないんで。

田邉

時代の変化とともに評価基準が変わったからこそ、「誘いを断らない」が加点になる!

やりたいことをやれるために。スタンプラリーを押しまくる

田邉

お話を聞いていると、ひぐまさんは経験を積みながら得意を広げて、キャリアを築いてきた印象があります。

ぼくひぐま。さん

僕独自の理論なんですけど、「スタンプラリー理論」っていうのがあって(笑)。人生でやったことないことをなるべく減らしたいんです。

田邉

ということは、今スタートアップに転職されたのも?

ぼくひぐま。さん

スタンプを押したかったからですね

大企業とハードワーク、そして自営業は経験済み。だから次は、スタートアップで企業成長に携わってみたいなと。そんなとき、ありがたいことにこれまでのつながりと実績から、株式会社U-ZEROにお声がけいただいたんです。今は採用支援事業の統括として、チームマネジメントや売上管理を担当しています。

田邉

今は、会社員をされているんですか?

ぼくひぐま。さん

週5で正社員してますよ~! 今任されてるのが、億単位の売上をあげられる事業部をつくるミッションでして、これをコンプラを完全に順守しながらやらないといけないっていう(笑)。

自分のスタンプ帳的にいうと、かなりレアなスタンプっすね

田邉

ちなみに、将来的に押したいスタンプはありますか?

ぼくひぐま。さん

いや〜あんまり遠い将来は考えてないですね。「こうしたい」って状況によってすぐに変わるじゃないですか。だからこそ選択肢を選べる状態に自分をおくっていうのは意識しておきたい。

でも、強いて言えば、老後に高校野球の監督をやりたいですね(笑)。

<取材・文=田邉 なつほ(声音)>

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