

「仕事=人生ゲーム」!? 自分らしくはたらくためのセルフブランディングが“はたらくWell-being”に
連載「“はたらくWell-being”を考えよう」
新R25編集部
リモートワークの浸透などと相まって、「はたらき方改革」が世間の潮流となって久しい昨今。
現場ではたらくビジネスパーソンのなかには、「本気で仕事に打ち込もうと思ったらはたらき方改革なんて無理」「自分らしいはたらき方なんて難しい」と感じている人もいるはず。
そこで、パーソルグループとのコラボでお送りする本連載「“はたらくWell-being”を考えよう」ではモヤモヤを感じているあなたへ「令和の新しいはたらき方」を提案していきます。

今回登場いただくのは、アイデアクリエイターのいしかわかずやさんです。いしかわさんは、普段大手IT企業に勤務しながら、副業としてアイデアクリエイターとしても活躍されています。
いしかわさんの「はたらくWell-beingを考えよう」への登場は、実は今回で2回目。過去回では、本業と副業の両輪がもたらす“はたらくWell-being”について聞きました。

「日本一のアイデアの人」を目指す、アイデアクリエイターいしかわかずやのはたらき方
前回の記事はこちら!
今回は、以前の取材時に語っていた夢が実現しつつある現状や、さらに活躍の場を広げているいしかわさんが考える“はたらくWell-being”についてお話を伺います。
1991年生まれ。千葉県出身。大学ではカー・デザインを専攻し、2016年大手IT企業にデザイナーとして新卒入社。自社ブランディングの部署に配属され、現在は生成AIに携わっている。大学在学中からデザインコンペに多数出品し、受賞率は9割以上。主な受賞歴は、「シヤチハタ・ニュープロダクト・デザイン・コンペティション」12th・13th・14thを3年連続受賞、宣伝会議賞2次通過など。デザインコンペの受賞率は9割以上をマークしている。これまでにアイデア発想に関する本を2冊出版。コロナ禍をきっかけにSNSやYouTubeチャンネルでアイデアを発信し、今ではフォロワー40万人以上。2024年11月にカステラスポンジが全国のロフトで発売され、今ではさまざまなメーカーやアミューズメント施設とコラボしながらグッズ制作をしたり、商品企画コンサルティングを手がけたりしている。「はたらくWell-being AWARDS 2025」Future Generations Relations部門を受賞
カステラスポンジを考えました!洗うと泡が生クリームみたいになります。11月1日から全国のロフト45店舗で先行発売されますので、チェックしてみてください。最初は数も限られているので興味ある方はお早めに! pic.twitter.com/DETjaT24zK
— いしかわかずや (@issikazu20) October 28, 2024
自分の夢に近づいた!まるで「カステラ」なスポンジが大ヒット!

田邉
いしかわさんへの取材は今回で2度目になります。前回の取材時には「いしかわかずやブランドを立ち上げて、僕が考えた商品だけが陳列されたロフトを開きたい」とお話されていました。
取材の後、いしかわさんが考えた商品が実際にロフトに並んだんですよね!
いしかわさんのアイデアで生まれた「カステラスポンジ」

いしかわさん
SNSなどで僕の活動を見てくださったスポンジメーカーさんからお声がけいただき、洗剤の泡が生クリームのようになる「カステラスポンジ」を商品化しました!
ありがたいことに、4〜5回在庫切れになるほど好評をいただいています。

田邉
本物みたいでかわいいし、おいしそう~!
それにしても、夢の実現のスピードが速くてびっくりしました。

いしかわさん
声をかけてくださったメーカーさんがロフトとの販路を持っていたことで、とんとん拍子に話が進み、3カ月くらいで販売までたどり着きました。
しかも「カステラスポンジ」のヒットを起爆剤に、大手のホームセンターや雑貨店との販路を持っている別のメーカーさんからもお声がけをいただいて、今まさに商品開発を行っている最中です。
いしかわかずやブランドの実現は、「10年くらいの長いスパンで実現できたらいいな」と思っていたんですけれど、思った以上のスピードで計画が進んでいますね。
着実に夢を叶えているいしかわさん

田邉
いしかわさんは、なぜこの1年で夢が叶っていったのだと思いますか?

いしかわさん
「人との出会い」に恵まれたからだと思いますね。
僕のサポートをしてくれているスタッフが、知り合いの会社を紹介してくれて、その会社と意気投合して「一緒に物をつくりましょう!」となり、その会社が販路になる会社を紹介してくれて…というように、人と人とのつながりが縁を生んで、アイデアが“かたち”になっていく機会に恵まれました。

田邉
なるほど、「人とのつながり」が夢の実現スピードを加速させた。

いしかわさん
一般的にクリエイターがアイデアを実現しようとすると、自らメーカーさんに営業して、ロット数や販売経路を確保し、どう売るか・どう見せるかというマーケティング的なことまでしっかりと考えないといけないんです。なので、商品化にはどうしても時間がかかってしまうものなんですよね。

田邉
企画に営業に生産の計画、マーケティングまでとなると、まるで一人で会社をやっているみたいなものですね。

いしかわさん
まさにその通り! 僕は本業もあり、副業に充てられる時間は限られています。だからこそ、効率的に進めて、なるべく自分にしかできない仕事に時間を割きたい。
なので、XやYouTubeなどで発信を行い、「いしかわかずや=アイデアの人」ということを多くの人に知ってもらう戦略をとることにしたんです。

田邉
その戦略は、どんなふうに効率的に仕事をすることにつながるんですか…?

いしかわさん
その状態になれば、メーカーさんへの営業のときの自己紹介がいらなくなりますよね。
何なら、今回のケースのようにメーカーさん側からお声がけいただくこともある。となると、営業活動すらしなくていいと。
(編集部)なるほど~!

いしかわさん
しかも、一般の購買層に僕の認知が広がることで、「商品がいいから購入しよう」という人だけではなく、「いしかわさんが考えたアイテムなら買ってみようかな」というファンも獲得できるので一石二鳥!
今回の夢の実現は、このセルフブランディングの戦略がうまくはまったと言えると思います。
会社員もセルフブランディングが必要!「#〇〇な人」ってタグ付けしてる?

田邉
策士すぎる…!
アイデアクリエイターとして、とてもお忙しそうですが、本業も継続中なんですよね?

いしかわさん
はい。引き続き、IT企業で生成AIにかかわる仕事をしています。

田邉
私がふたつのお仕事を並行したら、てんてこまいになってしまいそう…

いしかわさん
もちろん僕も、平日は本業に時間を多く使うので副業に集中することは難しいです。
ただ、それでもてんてこまいにならないために、本業と副業の比率を調整しています。

田邉
比率の調整ってどうやってするのでしょうか?

いしかわさん
大切なのは、社内に向けても「セルフブランディング」をすること。
僕は社内でも「いしかわかずや=アイデアの人」と認知してもらっているおかげで、会社のなかでやるべきことの量や質を、ある程度任せてもらえています。
とはいえ、「この領域に関しては、いしかわさんに任せておけば成果を出してくれる」という信頼関係ができていることが前提ですが…!
「会社員でも、自分がどんな人かわかってもらうことは大事です!」

田邉
え! 会社員でもセルフブランディングできるんですか?

いしかわさん
もちろん! 会社員でも「自分は〇〇の人です!」という“タグ”をつけてしまうのがおすすめです。
「自分がやっていることは“〇〇の人”というタグに紐づく仕事かどうか?」ということをいちいちチェックしながら仕事していると、不思議とまわりも「いしかわさんは“アイデアの人”だから、アイデアについて相談しよう」と仕事が絞られてくるんです。

田邉
なるほど! 自分で「これができる!」とアピールすると、結果的に得意分野の仕事が集まって、生産性の向上にもつながるということですね。
副業と同じ仕組みだ!

いしかわさん
タグを付けておくことで、「この人はこういう人」という前提で相談がくるので、コミュニケーションの齟齬が減るのもメリットのひとつですね。
そうしてできた時間でさらなるアイデアを考え、自分のブランディングの時間をつくることに成功しています。
人生は「人生ゲーム」! トータルの満足度が高い“はたらき方”を目指して

田邉
本業と副業の2軸で仕事をすることは、いしかわさんにとってはストレスにはならないんですか?

いしかわさん
ならないです! むしろ本業で会社に行くのは、孤独なクリエイターとしての自分を救う、一種の癒しです。
本業も副業も「仕事している」っていう感覚はあまりないんですよね。ある意味、ゲームみたいな感じで。
「仕事を仕事って、思ったことないかもなぁ…」

田邉
ちょっと待ってください、仕事は、癒しでゲーム…? どういうことですか?

いしかわさん
僕、仕事を含めた人生は「人生ゲーム」だと思っているんですよ。
人生のゴールは自分で決めなくちゃいけないし、道のりも自分で決めなくちゃいけない。まっすぐな道を引くのは簡単ですが、それだけじゃつまらないじゃないですか。
ときにはグネグネ曲がった道があったり山があったりするから、その道のりが楽しくなる。つまり、人生が楽しくなるんですよね。
短絡的な視点で物事を見ると、谷だから悪い、上り調子だからいいと言いがちですが、人生ゲームを引きで見たときに、トータルの満足度が高い生き方をしたいんですよね。

田邉
面白い考え方ですね!

いしかわさん
人生ゲームを一定のスピードで走り続けるには、ところどころで“同乗者”が必要だと思うんです。
ほら、本当の人生ゲームでも、結婚したり、子どもが生まれたり、“同乗者”が増えるじゃないですか。
僕の場合は、それが本業で知り合った人だったり、副業でサポートしてくれる人だったり、取引先のメーカーさんだったりします。「カステラスポンジ」の制作のときのように、人との出会いが、夢の実現や満足度を左右していると思うとすごく面白いんですよね。


田邉
人との出会いが、人生の満足度を上げるひとつの要因になっているということですね。

いしかわさん
生きるうえでの幸福度、つまりWell-beingは「人との出会い」と「やりたいことができているか」で決まると思うんです。人生を誰とともにしたいのかを考えたときに、自分の価値観を認めてくれる人と一緒にいたほうが、絶対に心地よいし生きやすくなるはず。
今、僕のアイデアに共感してくれる人と一緒に仕事ができているので、“はたらくWell-being”は満たされているなと感じます(笑)。
「今、はたらいていてすごく楽しいです」

田邉
最後に、いしかわさんの今後の目標を教えてください。

いしかわさん
「アイデアの人」という分野で一番有名になることが目標です。今の段階では、「いしかわかずやブランド」の店をつくること、子どもの想像力をはぐくむ教育機関をつくることなど、たくさんの夢があります。
しかし、ゆくゆくは今はまだ想像もできないようなレベルにたどり着けていたら、「人生ゲーム」のゴールを迎えるときの満足度も高くなるだろうなと想像していますね。
<取材=田邉 なつほ、文=市川 みさき>
新着
Interview

シングルマザーから世界を目指す起業家へ。「Bambitz」が描く、子育て支援の未来図
新R25編集部

暗闇から光へ、不眠がもたらした予想外の転機。“睡眠の力”で人々を救う女性起業家の挑戦
新R25編集部

夢は自給自足の村をつくること。ベトナムコーヒーを通じて伝えたい“本当の豊かさ”とは
新R25編集部

「仕事=人生ゲーム」!? 自分らしくはたらくためのセルフブランディングが“はたらくWell-being”に
新R25編集部

遠州織物の伝統を未来へ紡ぐ。産地を盛り上げる若手プロジェクト「entrance」の取り組み
新R25編集部

誕生会・家族会・ロートネーム…ロート製薬が築く“人が輝くWell-beingな職場”とは?
新R25編集部