企業インタビュー
“恩送りの循環”で、起業家の「使命感と志と柔軟性」を育成。大分発のアクセラレーションプログラムの魅力
プログラムにかけた想いとは…?
新R25編集部
大分県に拠点を置く「Oita GROWTH Ventures」。事業成長を志向している起業家・第二創業者の方を対象に、さらなる事業成長を支援するアクセラレーションプログラムです。
令和5年度には、5名の起業家が同プログラムに採択されたそう。運営を行うKIHARA Commons株式会社 代表取締役 木原寿彦さんに、本プログラムにかけた想いをお話しいただきました。
〈聞き手=森久保発万(新R25編集部)〉
KIHARA Commons株式会社|企業トピ
採択された5人の起業家のストーリーは、こちらの記事一覧からお読みいただけます
地域のスタートアップ支援における“3つの課題”
木原さん
「Oita GROWTH Ventures」の主催は大分県・公益財団法人大分県産業創造機構(おおいたスタートアップセンター)ですが、運営は私たちKIHARA Commons株式会社が行っています。
木原さん
KIHARA Commonsの使命は、大分にある未来の社会をよりよくしようと奔走する「変革者(=コモンズヒーロー)」たちを支援すること。
ベンチャー支援やVCへのLP出資、直接投資に加えて、KIHARA Commonsの子会社として新しい会社も設立。自分たちの事業として、食や農業にも向き合っています。
ベンチャー支援・起業家育成がライフワークになっている私たちだからこそお役に立てることがあるはず! と思い、「Oita GROWTH Ventures」の運営をさせていただくことにしました。
森久保
起業家やベンチャー企業のために、どうしてそこまで一生懸命になれるんでしょうか?
木原さん
私自身が、大分で活動する起業家の“当事者”だからです。
過去には大分県で「エアロシールド株式会社」というベンチャー企業を事業成長させ、2021年に富士通ゼネラルと資本業務提携を果たしました。
自分の手で事業を手がけてきたからこそ、地域のスタートアップ支援における課題も強く感じていて。
森久保
課題、というと…?
木原さん
まずひとつは、事業を⽀援している⼈のなかに事業をしてきた経験がある方が少ないということ。
本気でハンズオンするなら、それをサポートするための成功・失敗体験は必須。教科書通りの言葉はほとんど意味を成しません。
そして、事業の実体験が足りないため、支援者側の「実現可能性」や「リスク」の捉え⽅次第でビジネスの可能性を潰してしまうこともあります。
たとえ事業をやったことがない⼈が「リスク」と感じたとしても、私からしたら大概のことがリスクとは思えません。
森久保
なるほど…“当事者側”を経験された木原さんならではの意見ですね。
木原さん
一番の課題は、起業家や事業に対する⽬利きができる⼈がいないこと。
見るべきは「儲かりそうかどうか」ではなく、起業家の人間性。
事業を成功に導くのに必要な「使命感と志と柔軟性」や「精神⼒と忍耐⼒と⾃⼰管理能⼒」などを持っていることのほうが重要なんです。
だからこそKIHARA Commonsは、先輩起業家や経営者が次の起業家を育てるような“恩送りの循環”で、持続的なエコシステムを構築することを目指しています。
社会に、地球に必要な起業家を育てる「Oita GROWTH Ventures」
森久保
改めて、「Oita GROWTH Ventures」の取り組みについても教えていただけますか?
木原さん
Oita GROWTH Venturesのコンセプトは、「多様な事業成長を支援し、新しい経済と社会価値を創る」。
地域に根ざした成長と、地域だからこそ起こせるイノベーションを重要視する大分県だからこそ、「成長」×「豊かさ」に軸を置いているのが特徴。
それぞれの事業目的に向けて、商品やサービスの認知拡大、販路拡大、業務提携先の拡大、資金調達、新規事業創造など、約7カ月の徹底的な伴走支援を実施します。
森久保
目指すゴールは、支援した企業の「成長」なんでしょうか?
木原さん
そうですね。といっても、単に「売上が伸びた」みたいなことだけを目指しているわけではなく…
Exitやグローバル展開を見据えた「成長」、地域や社会の課題解決とビジネスの両立を目指す「成長」、業界の変革や新たな価値創出を目指す「成長」。
事業が目指す方向性に合わせて、この「3つのGROWTH」に代表される多様な事業成長を支援しています。
木原さん
令和5年度は、事前審査を経て個性豊かな5社を採択。
メンターによる⽉2回の個別メンタリングや、支援者同士の交流、事業成⻑資⾦の提供などを通じて、今まさにサポートをさせていただいている最中です。
木原さん
「Oita GROWTH Ventures」は、おかげさまで大分県のアクセラプログラムとしては過去最多の応募をいただきました。
私もまだまだ未熟ではありますが、苦しい体験があるからこそ、本気で寄り添える領域があると信じています。
“支援側”と呼ばれる人たちが、起業家の可能性を潰してしまう悪循環はもう終わりにしたい。
これからは「人間にとってだけ便利」とかではなく、本当に社会、ひいては地球にとって必要とされる起業家が、思う存分活躍することを願っています。
大分県アクセラレーションプログラム「Oita GROWTH Ventures」では、2023年3月1日(金)に成果発表としてOita GROWTH Ventures DEMODAYを開催予定。
ご興味のある方は、ぜひ公式HPをチェックしてみてください!
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