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仕事が愛しい営みになるとき。オカムラのコミュニティマネージャーが語る“はたらくWell-being”の一歩目

仕事が愛しい営みになるとき。オカムラのコミュニティマネージャーが語る“はたらくWell-being”の一歩目

連載「“はたらくWell-being”を考えよう」

新R25編集部

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リモートワークの浸透などと相まって、「はたらき方改革」が世間の潮流となって久しい昨今。

現場ではたらくビジネスパーソンのなかには、「本気で仕事に打ち込もうと思ったらはたらき方改革なんて無理」「自分らしいはたらき方なんて難しい」と感じている人もいるはず。

そこで、パーソルグループとのコラボでお送りする本連載「“はたらくWell-being”を考えよう」ではモヤモヤを感じているあなたへ「令和の新しいはたらき方」を提案していきます。

コミュニティの運営や管理を担い、活性化のためにイベントなどを企画・実施する「コミュニティマネージャー」という仕事。

今回紹介するのは、オフィス家具メーカーの株式会社オカムラでコミュニティマネージャーを務める岡本栄理さんです。オカムラは、2015年からモノづくりの枠組みを超え、これからの「はたらく」を考え、創造していく「WORK MILL(ワークミル)」プロジェクトを発足しました。Webマガジンでの発信や年1回の雑誌の発行、さらに東京都をはじめとする4拠点の共創空間の運営を行っています。

岡本さんは、大阪の共創空間の設立のタイミングでコミュニティマネージャーになり、現在は東京の共創空間ではたらいています。オフィス家具メーカーのコミュニティマネージャーは何をしているのか、そしてコミュニティマネージャーをすることで見えた岡本さんの“はたらくWell-being”とは。

大阪市出身。関西学院大学で社会学を学ぶ。株式会社オカムラでは経理、営業事務、秘書を経て2017年6月よりWORK MILLコミュニティマネージャーに。「はたらく」をテーマにした共創空間・Open Innovation Biotope “Sea”を拠点に、全国の共創を創発するリーダーとして活動中。2023年6月より一般社団法人demoexpo理事に就任。街から万博を盛り上げる活動に力を入れている。「はたらくWell-being AWARDS 2025」FR( Future Generations Relations)部門を受賞

イベントがきっかけで大阪万博に出展!? オカムラのコミュニティマネージャーとは

田邉

本日はよろしくお願いします! オフィス家具メーカーにコミュニティマネージャーがいるとは驚きました!

岡本さん

よろしくお願いします!

そうなんですよ(笑)。私もよくまわりから「どんな仕事をしているの?」と聞かれます。

田邉

そもそも、どうして家具メーカーのなかでコミュニティマネージャーという職種が生まれたのでしょうか?

岡本さん

きっかけは、「WORK MILL(ワークミル)」プロジェクトの発足ですね

このプロジェクトは、オカムラがオフィス家具メーカーとしてハードの空間づくりをするだけでなく、はたらき方そのものに向き合い変えていける企業として発信し、さまざまなステークホルダーとともにこれからの「はたらく」を考えていきたいとの想いから、2015年からスタートしています。

これからの「はたらく」を描くために、おもに3つの取り組みがあるんですね。

田邉

3つの取り組み。

岡本さん

1つ目はWebマガジンでの情報発信、2つ目はビジネス誌の発刊、そして3つ目が共創空間の運営です。まず東京に共創空間ができ、今は名古屋、大阪、福岡の4拠点に展開しています。

私は東京の共創空間「Open Innovation Biotope“ Sea”」で、「はたらき方」や「はたらく」をテーマにしたイベントの企画・運営をしたり、イベントから派生したプロジェクトづくりを行ったりしているんです!

PERSOLと実施した、「はたらくWell-beingタニモク」のイベント様子

田邉

イベントから派生したプロジェクトづくりというと、具体的にどんなものがあるのでしょうか?

岡本さん

今まさに進めているものでいうと、大阪万博のプロジェクトがあります

大阪の共創空間で、万博の機運醸成のイベントを博覧会協会と共催している関係から、「万博に出展してみない?」とお声がけいただいたんです。

「オカムラ万博プロジェクト」の旗揚げ式の様子。オカムラ万博プロジェクトはこちらから

田邉

イベントがきっかけで大阪万博に!?

岡本さん

そうなんです! お声がけをいただいてから社内で相談を進め、出展することが決まりました。

ほかにも、街づくりに関するプロジェクトがあったり、コミュニティづくりをテーマにしたプロジェクトがあったりしますね。

田邉

参加者やその場にいる方々と、ともに創る空間になっているんですね!

岡本さん

過去にはイベントに参加してくださった方から「オカムラと一緒にワクワクする空間をつくりたい!」と案件をいただいたこともあります。

共創空間での活動が本業にもつながると、とてもうれしいですね

等身大の私で、問いを投げかける。“はたらく”を素直に楽しめるようになるまで

田邉

岡本さんはいつからコミュニティマネージャーをされているんですか?

岡本さん

2017年6月からです。私のキャリアでいうと、オカムラの関西支社に新卒で入社して、これまで経理、営業アシスタント、秘書業務を経験してきました。

大阪に共創空間が立ち上がるタイミングで支社長から、「岡本さん、コミュニティマネージャーやってみない?」と言われたのが最初でしたね。

もともと社員のコミュニケーションを目的にした社内イベントの企画をしたり、人が集まってワイワイしている場が好きだったりしたので、わからないながらも引き受けることを決めました

田邉

コミュニティマネージャーになって8年弱になるかと思いますが、ご自身のなかで変化したなと感じることはありますか?

岡本さん

そうですね。はたらくことに対してより素直になれたと思いますね

田邉

素直になれた。

岡本さん

それまで、「はたらきがい」とか「Well-being」って、すごく高尚で、自分には関係ないものだと思っていたんですよ

ごく普通のサラリーマンである私が、誰かのはたらきがいに寄与できるわけがないって。

だからコミュニティマネージャーになった当初は、すごく気負っていて、とにかく失敗も多かった。どんな人にも心地良く過ごしてほしいと思うあまり「いいですね」「素敵ですね」しか言えない、つまんない人間だった時期もあります(笑)

岡本さん

今思えば、「せっかくコミュニティマネージャーになったのだから、何者かにならなきゃいけない」って肩肘張っていたんでしょうね。

でも、そんなとき、共創の大先輩から「大上段に話さなくていい」「等身大でいけ!」と言われたんです

田邉

着飾らない岡本さんの魅力を知っているからこその言葉ですね。

岡本さん

「借りてきたような言葉で何かを語る必要はない」「素直な気持ちを言葉にしてみて」って先輩たちが何度も励ましてくれました。

そうした言葉をかけてもらえたことで、コミュニティマネージャーとしての私の役割は、「問いを出し続けること」だと気がついたんです

「私はこう思うけど、みんなはどう?」って語り合うきっかけをつくることがコミュニティの価値になるとわかりました。

今は、はたらくことと生きることが近くなっていて、ありのままの自分ではたらけている実感がある。まさに“はたらくWell-being”なんですよ!

田邉

岡本さんの特性と、コミュニティマネージャーとしての職能が一致していたんですね。

岡本さん

そうなんです!

自分らしさを阻む「かりそめのWE」。自分を主語にできていますか?

田邉

岡本さんのように、自分の特性が発揮できる仕事に出会うにはどうしたらいいんだろう…

岡本さん

私、よく「かりそめのWE」だと思うことがあるんですよね。

田邉

かりそめのWE?

岡本さん

はい。会社にいると往々にして「私たちは」と大きな主語で語られることがありますよね。

でも、思うんです。

「いやいや、自分のことを大切にできていないのに何が私たちだ!」って(笑)

岡本さん

「私たち」という言葉のなかには、私がいて、あなたがいて、一人ひとりがいる。

本来は一人ひとりが、もっと自分自身に目を向けていいはずなんですよ。

田邉

「私たち」というわりには、「私」が無視されてしまっている。

岡本さん

最近の共創イベントでよく話す言葉に、「自己中心的利他」というのがあります。

利他的に誰かのためを考えるなら、まずは自己中心的に自分のことを考えて、大切にしたほうがいい。

そこからのステップじゃないと、だんだん見返りがほしくなるし、自己犠牲的になっていく。心からの利他はそんな簡単じゃないんですよね。

自分がやりたいと思ってやっていることが、結果的に人の役に立っている

これが一番健全なかたちだし、ちゃんと続く。それでいいんだよって私は思います。

田邉

仕事に「自分」を持ち込むのは、ビジネスマンとしてNGだと勝手に思い込んでいる人も多いかもしれません。

岡本さん

うんうん、そういう空気があるのもめちゃくちゃわかります。

だけど空気に飲まれず、自分は自分で、はたらくことや仕事を楽しむこともできると思うんですよ!

だから私は、「相手に振り回されてない?」って省みるようにしていて。

たとえば、相手から嫌な感じで頼まれたから自分も冷たい反応をしてしまうとか、逆にいい感じに頼まれたらいい返事をしてしまうとか。

岡本さん

それって、相手の態度に自分が引っ張られちゃっているってことじゃないですか。どんな状況であったとしても、自分からいい感じに持っていくことはできると思うんですよ

チャットのやり取りひとつとっても、私は「!」や絵文字をめちゃくちゃ多用していて(笑)。

もちろん本心もあるけど、戦略的にもそうしていて「こういうことを言われたから、自分もこう返す」じゃなくて、自分から能動的にいい感じの入力コードを入れてしまえばいいやん! って思っています。

田邉

これは、さっそく実践できますね!!!!

岡本さん

やっちゃってください!!!(笑)。

ビジネスでは、多くの人が大量の情報処理をしながら、日々さまざまな人と会っていて、そんななかで印象に残るのは結局感情を動かせるかどうかだと私は思います。

相手の感情も自分の感情も、動かすきっかけを自らつくっていく。まずは感情を変えるための行動から! を心がけていますね。

はたらくことは、すごく愛しい営みだなって思うんです

田邉

WORK MILLプロジェクトで日々、はたらくこと・はたらき方に向き合っている岡本さんにとって、「はたらく」とはどういうことなんでしょうか。

岡本さん

そうですね…はたらく。

「表現すること」に近いかな。ときどき、どうしてこんなにはたらかないといけないのか!と思うこともあるんですけど(笑)。

それでも私は、はたらくことがすごく好きなんですよね

かっけえ…

岡本さん

今こうして私たちが使っている椅子やテーブルも、もとは誰かが「こういうものがあればいいな」って想像した人が必ずいて、それをかたちにした人がいる。

それは実体のあるモノだけじゃなくて、コトもそうですよね。

田邉

確かに、イベントやコミュニティもそうですね。

岡本さん

結局、誰かの想像した創造物で世の中はできていて、誰かの仕事で日常が回っている。そう思うと、はたらくことはすごく愛しい営みだなって思うんです

モノでもコトでも、はたらく人はみんな、誰かのことを思っている。

だから、仕事そのものがもっと喜びであってほしいし、喜びであれるように私は行動していきたい。

はたらくことを面白がっていい、楽しんでいいということを、私自身が表現し続けたいですね

<取材・文=田邉 なつほ>

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