企業インタビュー
「大事なところは隠しません」不透明なリフォーム業界で“原価・利益”までさらけ出す見積書が話題
珍しすぎて新聞にも掲載
新R25編集部
家のリフォームって、かかる金額の相場がよくわからないし、無理に契約を勧められそう。
そんななか、原価・利益・塗料の使用量まで明記された見積書(!)を出してくれるのが、多くの施工会社とのつながりを活かして全国各地でリフォームをおこなうアドカラーズ合同会社です。
同社の社長は、見積書だけでなく、SNSでも業界の裏側からプライベートまですべてをさらけ出す冨岡龍也さん。
だそうです
なんで全部さらけ出しちゃうの? その背景には、“業界に根付く悪しき常識”がありました…。
〈聞き手=山田三奈(新R25編集部)〉
「原価」 「利益」までさらけだすリフォームの見積書
山田
アドカラーズさんでは、リフォームの見積書に「原価」まで載せているとか…?
冨岡さん
「原価」だけじゃなく、リフォームによる「会社の利益」まで載せています。
ほんとに載せてる
冨岡さん
ほかに、外壁などに使う塗料の単価や使用量までくまなく記載。
契約内容に沿った量の塗料を使い切ったことをお伝えするために、使用した塗料の空き缶もお見せしています。
「GAINA」という塗料は、高い断熱効果があるのでほかの塗料より4倍くらい高いんですが…原価を見せているからこそ胸を張って提案できるんです。
冨岡さん
一般的な見積書には、「塗料や住宅設備にかかる材料費」や「働く職人の工賃」などが載っていますが、ここまで赤裸々なのは私たちだけ。
まさに業界初の試みだと思いますね。
珍しすぎて新聞にまで載っちゃってます
リフォーム業界激震…不透明な業界で“すべて”をさらけ出す理由
山田
この見積書、提携している施工会社の方からびっくりされなかったですか?
冨岡さん
初めて見積書に原価を載せたときは、「何でそんなことするの?」 「バカなことするんじゃないよ」という反応であふれました(笑)。
お客さまに原価を見せたくない会社がほとんどなので、この反応は当然だと思います。
でも僕は逆に、なぜ原価を載せないんだろうとずっと不思議だったんですよ。
山田
というと…?
冨岡さん
お客さまは、この先何十年と気持ちよく住むためにリフォームを検討するじゃないですか。
それなのに原価や作業ごとにかかる工数や職人の工賃がいくらかわからなかったら、「もしかしたらもっと安くて親切な業者があるのでは?」と不安になると思うんです。
にもかかわらず、「お家が劣化してるから早くリフォームしましょう」という商売文句で無理やり売りつけ、後から解約されるケースをたくさん見てきました。
山田
「ぼったくられてるかも」と思われて、結局解約される“非効率な見積書”が多いんですね。
冨岡さん
そうなんです。
リフォームのプロとしてやるべきは、業者側の利益を下げてでもお客さまのためになる選択肢をお伝えして不安を払拭し、納得して契約してもらうこと。
実際、お客さまから「どうしてこんな提案をしてくれたの?」というお言葉をいただくことはあっても、「やっぱり契約やめときます」と言われたことはないです。
お客さまに隠しごとをしないほうが、リフォーム業界で働く社員も精神的にラクなんですよ。
“しない”提案も。「お悩み解決」を前提としたリフォーム
冨岡さん
契約後も、単なるリフォームではなく、お客さまのお悩みを根本的に解決できる方法を提案しています。
たとえばお客さまが住宅設備や塗料を選ばれるときには、ショールームまでご一緒して実物を見ながら商品を決めていて。
施工後に「想像と違う」と感じられるのを防ぐために、リフォーム後のご自宅をイメージできる「3DCADソフト」を導入して、不安を払拭しています。
山田
「それでもやっぱりイメージが湧かない」というときはどうするんですか?
冨岡さん
お客さまのご希望に沿わなければ、あえてリフォームを”しない”提案をしますね。
なんなら、お客様の悩みを解決できそうな他社のリフォーム会社を紹介することもありますよ。
山田
え…ほかの会社を?
冨岡さん
お客さまの課題解決になることが前提なので、納得いただけていない状態で無理に契約を勧めることはありません。
逆に課題解決をするためのわがままはどんどん言ってほしいですし、どんな悩みも打ち明けてほしいです。
そのために、まずは私たちが「正直に」 「ハダカで」 「さらけ出す」ことを大事にしています。
冨岡さん
10年後の自宅のイメージを湧かせるためなら、家の掃除や草むしりだってやります。
そのような積み重ねで、リフォームにご満足いただいたお客さまがほかのお客さまをご紹介くださることも増えてきました。
リフォームは、一度の失敗がその後10年を左右するもの。不安を解消するためなら何でも包み隠さずお答えするので、まずはご相談ください!
原価まで載せる、アドカラーズ合同会社の見積書。
つねに「どうすればお客さまのためになれるか」を考えている同社なら、ぼったくられることもなく理想のリフォームを成功させられそうです。
ちなみに…冨岡さんは『「原価隠すこと、やめました」赤裸々なリフォーム会社のX集客術』という本も出版されています。
“リフォーム業界に新しい風を起こすまで”をもっとくわしく知りたい方は、こちらも読んでみて。
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