企業インタビュー
アナログな「BtoB取引」に変革を。LINEに約70億円で会社を売却した起業家の“新たなる挑戦”
卸売が便利になるサービスが新登場!
新R25編集部
2021年10月にgoooods株式会社を設立した菅野圭介さん。
これまで、Google → スタートアップ「FIVE(ファイブ)」を創業 → LINEに売却…と、華々しい経歴をたどってきた起業家です。
そんな菅野さんが次に目をつけたのが「BtoBコマース(卸売)」の領域。
新たに挑戦する「BtoB取引の変革」とは一体…?
〈聞き手=山田三奈(企業トピ編集部)〉
LINEに約70億円で会社を売却。goooods株式会社の設立まで
山田
ちょっと調べたのですが…
菅野さんはご自身の会社をLINEに売却したんですよね?
菅野さん
はい。
2014年に、動画広告プラットフォーム事業をおこなう「FIVE(ファイブ)」という会社を立ち上げまして。
設立から約3年後の2017年に、約70億円でLINEに買収されました。
山田
たった3年で…?
菅野さん
はい。その後、PMIを経て2021年までは僕もLINEに在籍し、事業を伸ばしていたのですが…
「そろそろ何か新しいことをやろう」ということで、FIVEの共同創業者でもある松本大介らと4人でgoooods株式会社を立ち上げたんです。
goooodsで挑戦するのは「BtoB取引の変革」
山田
菅野さんにとって、起業は“2度目のチャレンジ”になるということですが…
goooodsはどんなことをする会社なんですか?
菅野さん
「BtoBコマース(卸売)」のサイトおよびツールの開発、提供をおこなう会社です。
昨年、店舗やネットショップで販売するアイテムを卸価格で仕入れられるサービス「goooods」をリリースしました。
菅野さん
小売をしたい方からすると「商品の仕入れができる場所」、メーカーの方から見ると「販路を広げられるサービス」です。
お店を持っている「小売店」や「バイヤー」の仕入れはもちろん、自分のブランドをつくっているメーカーの方や、クリエイターやインフルエンサーなど「個人でものづくり」をしていて販路を広げたい方にもご活用いただきたいですね。
山田
個人のクリエイターも使っていいんですか?
菅野さん
もちろんです。むしろ、私たちがこのサービスに挑む理由は、まさにそこで。
個人がもっと気軽に卸売に挑戦できるようなサービスを目指しているんです。
現状、「卸売をするメーカー」と「商品を仕入れるバイヤー」のそれぞれで、次のような2つの課題にぶつかります。
① メーカー:卸売先を見つけるハードルの高さ
② バイヤー:在庫を抱えてしまうリスク
菅野さん
「goooods」では、テクノロジーやデータを駆使することで、これらの商習慣を“変革”したいと思っているんですよね。
変革① 売り・買い双方の取引をデジタル化
菅野さん
まず、メーカーが卸売先を見つけるハードルの高さ。
現状は展示会やポップアップに出展したり、卸問屋など中間流通業者に依頼したりして、卸売先を開拓するのが主流になっています。
これには費用や時間がかかるうえ、実際に取引先の獲得につながるかわからない暗中模索な状態になってしまいがちです。
山田
ネットワークや経験がないと、卸売先を見つけられないんですね。
菅野さん
それを解消するために「goooods」では、商談から納品までのプロセスをデジタル化しました。
メーカーとしてアカウント登録をして、アイテムを出品して待つだけで、新しい卸売先の小売店やバイヤーからオーダーが入ってくる仕組みです。
リソースが少ない小規模ブランドでも、効率的に販路開拓をしていただけます。
変革② バイヤーは仕入れ時に小規模ロット&返品自由で「在庫リスク」なし
菅野さん
そして、仕入れる側の在庫リスク。
個人や小規模ブランドがまとまったロット数でアイテムを仕入れると、売り捌けなくて在庫が余ることもあると思います。
在庫を抱えることで、キャッシュフローの悪化や在庫の価値の低下、無駄な経費がかかるなどのリスクがあるんです。
山田
なるほど…
菅野さん
そこを解消するために、「goooods」では小規模ロット数から仕入れられるブランドを豊富に展開。
さらに、初めて仕入れるブランドとの取引は、30日間なら返品が自由なんです。
万が一「売れ残ってしまった」という場合でも返品できるから、在庫リスクはありません。
「goooods」を利用するECショップオーナーの声
小規模なショップでも仕入れやすいロット数のところも多く、いろんなブランドの商品を一括で注文できる利便性の良さもすごく有難いです。
チャレンジのきっかけは「妻が運営するメディカルハーブティーブランド」
山田
“変革”によって、個人の卸売がすごくラクになるイメージが湧きました。
でも、なぜこのサービスをやろうと思ったんですか?
菅野さん
じつは…
私の“妻”が立ち上げの1つの理由になっていまして。
山田
…というと?
菅野さん
もともと妻は、オンラインで販売できるプラットフォームを使って「メディカルハーブティーのブランド」を運営していました。
でも、商品を捌ききれなかったり、在庫の扱いに苦労したりしていて。
子ども部屋にダンボールが10箱以上積んであったことも…(笑)。
山田
一番身近に「在庫リスク」を抱えている人がいたと。
菅野さん
さらに、あるとき妻のブランドにヨガチェーンスタジオから大規模な発注があったんですけど…
価格設定や手続きなど初めてのことだらけで、数カ月かけてなんとか納品までたどりついているのを見て。
もし妻と同じ取引を仮に1億人がしていたら、ビジネスとしてかなり非効率なのでは…と考えたんです。
山田
なるほど…
菅野さん
取引をデジタル化できたら、ビジネスがもっと加速するはず。
そして、ビジネスを通じて自分の情熱を追いかけるアントレプレナーが増えれば、産業は活性化して経済は成長するはずです。
「goooods」をきっかけに、もっと気軽にビジネスにチャレンジできる雰囲気・文化を醸成していきたいですね。
はじめて商品を卸す/仕入れる場合でも、ネットショッピングくらいの気軽さでチャレンジできる「goooods」。
菅野さんの“変革”によって、ここから個人レベルでの新しいチャレンジがどんどん生まれていきそうです。
自身のブランドアイテムを出品してみたい人/アイテムを買い付けたい人は、ぜひユーザー登録してみてください!
新着
Interview
ローカル体験を世界へ発信。インバウンド集客を成功に導く「Japan ticket」のeチケット管理システム
新R25編集部
コンサル出身エンジニアも転職!高給・働き甲斐・技術力が手に入る「クラウドエース株式会社」の魅力
新R25編集部
日本が目指す観光立国に貢献する事業! “人”を大切にする株式会社Japanticketの採用に注目
新R25編集部
保守的な自分のブレーキを自ら壊すことが“はたらくWell-being”の一歩目。ホラーの新領域を拓く株式会社闇の代表に聞いた挑戦への飛び込み方
新R25編集部
【対談】「好きを仕事に」のその先へ。 苦労を乗り越えたクリエイターたちが目指す、新たなステージとは
新R25編集部
16種類以上のこだわりフレーバー×ラッピングもいろいろ。贈答用に“映える”「鎌倉山ラスク」
新R25編集部
企業ニュース
企業が投稿したニュース記事の一覧です。記事の投稿は新R25 Businessから
ランキング*
*1ヶ月以内に公開された記事が対象のランキングです
新着
News