企業インタビュー
人材難の介護業界に新風! 外国人材の課題「定着率」を大幅改善させた仲介企業の独自ノウハウとは
義務的支援だけじゃない「本当に必要なサポート」を
新R25編集部
深刻な人材不足に悩む介護業界でいま、“即戦力”として注目されているのが「外国人介護士」の存在。一方で離職率の高さが大きな課題となっています。
「株式会社ハンディネットワーク インターナショナル」は、インドネシア特定技能介護士の離職率において、業界平均を大きく下回る”離職率0.8%”を実現しているのだとか。
一体どのような取り組みをしているのか...代表取締役の春山哲朗さんに話を聞きました。
〈聞き手=鳥山可南子(新R25編集部)〉
外国人介護士に「働くための借金」を負わせない
春山さん
株式会社ハンディネットワーク インターナショナルは、慢性的な人材不足が課題となっている介護業界で、インドネシアの特定技能介護士の教育・紹介事業をおこなっている会社です。
春山さん
日本に来ている特定技能介護士全体の離職率は10.6%*。
一方、当社の人材紹介スキームにより入国したインドネシア特定技能介護士の離職率は0.8%と、きわめて低い結果となっています。(コロナ禍後、2022年3月以降に入国した人材)
*特定技能外国人の自己都合による離職状況(2022年11月までの延べ人数):出入国在留管理庁
鳥山
0.8%! なぜそれが実現できるんですか…?
春山さん
最大のポイントは、「日本で働くために負う、多額の借金」を発生させないことです。
母国から来日するためには、日本語および介護教育を半年以上受けて要件をクリアする必要があり、一定のコストがかかります。
加えて、仕事を斡旋するブローカーが介在すると、手数料が取られてしまう。
その借金は受け入れ側が負担するのか、本人との折半なのか、はたまた本人負担なのか…
鳥山
全額、本人負担だったら大変な額になりそう…
春山さん
日本に入国さえしてしまえば、あらゆる求人情報に触れることができますから。
せっかく受け入れた労働者が、借金返済のため、より良い条件を求めて転職してしまうんです。
春山さん
そういった悪循環をなくすために、当社ではインドネシア保健省とLoI(基本合意書)を締結。
保健省傘下にある国立看護大学の学生に直接募集をかけて、ブローカーを介さずに人材を受け入れる体制を整えたんです。
春山さん
さらに入国前教育費の負担を減らすべく、彼らを受け入れる法人が奨学金を支給する制度を設けました。
鳥山
金銭的にマイナスから始めなくていいのは、大きなモチベーションにつながりそうです!
ミスコミュニケーションを防ぎ、働きやすい環境を
春山さん
外国人材が定着しないもうひとつの原因として、日本語能力の問題から起こるミスコミュニケーションがあります。
鳥山
“言語の壁”ですか?
春山さん
たとえば、職場で大きな声で叱られて自分の評価が下がったと感じる方がいたとします。
でもよく聞いてみると、指導した方はもともと声が大きくて、叱ったのではなく注意しただけだった、なんてことも…
鳥山
あるあるですね。日本人同士でも起こりうる。
春山さん
外国人の場合、とくに入国直後は日本語に慣れておらず、仕事を一生懸命に取り組んでいても、ミスコミュニケーションによって自信を無くし、慣れない日本での生活も相まって、ふさぎこんでしまう方がいるんです。
そんなミスコミュニケーションを防ぐため、当社では大学卒業後、提携している現地日本語学校で半年間の日本語教育を受け、さらに株式会社ECCの「160時間日本語会話集中講義」を受講していただきます。
優秀な人材が十分に日本語のトレーニングを積んだ状態で入国できる仕組みをつくっているんです。
春山さん
また、事前教育だけでなく、外国人材の悩みを日常的に吸い上げ、第三者に母国語で相談できる仕組みもつくっています。
鳥山
母国語で相談できるのは心強い!
春山さん
異国の地での生活は簡単ではありません。一家を支えるために大きな覚悟をもって来日するとはいえ、その多くは20代前半の若者たちです。
仕事だけでなく、恋愛、生活、病気のことなど、受け入れ法人には直接相談しにくいような悩みも、大きな歪みになる前に解決することが大切だと考えています。
日本の介護現場と外国人材が尊重しあえるように
春山さん
インドネシア語で「sama sama(サマサマ)」は、「どういたしまして」という意味です。
私たちは、外国人介護士と、受け入れ企業・介護利用者がお互いを尊重し、一定の在留期間が終わるときには笑顔で「ありがとう」「サマサマ」と言い合えることを願っています。
春山さん
介護業界の人材不足はこれからも続きますが、外国人材の“定着”を望むのであれば、目先のコストにとらわれず、受け入れ環境を整えることが大切です。
当社は募集、教育、紹介、アフターフォローを一貫しておこなうため、定着につなげるノウハウがあります。
受け入れ施設では「いい人材が採用ができた」とよろこばれ、外国人材には「日本に来てよかった」と感じてもらえるような、そんな仕組みづくりを目指しています。
人と人が一緒に働いていくためには、互いの理解が必要不可欠。
「株式会社ハンディネットワーク インターナショナル」の取り組みは、日本で働きたい外国人と、介護の現場をつなげる新しい架け橋となっているようです。
いま介護人材の不足で悩む関係者の方、外国人介護士の定着率に悩んでいる方は、一度相談してみてはいかがですか?
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