企業インタビュー
中京テレビ発!エンタメ知見を活用したメタバース×RPG型ワークショップ「社員クエスト」が始動
人材の流出解消&生産性アップにも
新R25編集部
「社員を育てるためには研修が必要なんだけど、どうも不評…」
そう頭を抱えている人事担当者さんは多いのでは?
そんな、一方的に話を聞くだけで「つまらない」「身につかない」といった研修の固定観念を、“エンタメの力”で覆しにかかるテレビ局がありました。
中京テレビ放送株式会社が、メタバースを活用したRPG型研修「社員クエスト」を始動。何やら名前からして、ゲームを前にしたようなワクワク感があるけれど…?
一体どういうものなのか、同局プロジェクトマネージャーの工藤祐馬さんに、くわしくお話を聞いてきました。
〈聞き手=鳥山可南子(新R25編集部)〉
メタバース×RPG、まったく新しい社員研修を提供
工藤さん
「社員クエスト」は、中京テレビ発の“メタバースを活用したRPG型研修プログラム”です。
工藤さん
約2時間の研修を、ロールプレイングゲームのように楽しみながら取り組むことで、若手社員のビジネススキル習得とエンゲージメント向上を実現します。
鳥山
えっと…テレビ局が企業の研修をしてくれるということですか? またなぜそんなことを?
工藤さん
新規事業のタネを探しているときに、少子高齢化に伴う人材不足のいま、社員の育成と定着に悩む企業や組織は思いのほか多いことを認識して…
そうした課題を、 私たちテレビ局が長年培ってきたエンタメ視点のアプローチで解決できないかと、事業開発に着手したんです。
鳥山
なるほど、面白そう!
工藤さん
社員のエンゲージメントが高まれば、離職率が減少して生産性が高まる*ということは、さまざまな調査結果で明らかになっています。
人材難のいま、新規採用するよりも既存社員を育てる方が、企業にとってもコストパフォーマンスが高いと思い、研修をアップデートすれば需要があるのでは、と。
また、従来の研修は「退屈」「やらされ感」「実務に直結しない」というイメージがあったので、ゲーミフィケーションによって、主体性と心理的安全性を高めて、楽しく、身になる研修を作ろうと考えました。
鳥山
エンゲージメントとは?
工藤さん
エンゲージメントとは、個人と仕事や組織の関係性に着目した概念です。
「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」の2種類があり、前者は仕事への情熱や誇り、後者は組織と自身の目指す方向が重なる状態のことです。
工藤さん
コンサルティング会社・CEB社のレポート*では、エンゲージメントが高い社員の1年以内の離職率は1.2%だったのに対し、低い社員では離職率は9.2%にも跳ね上がることが報告されているんですよ。
*厚生労働省「令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-」(https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/roudou/19/backdata/2-3-01.html)
*Corporate Executive Board「Driving Performance and Retention Through Employee Engagement」(https://www.stcloudstate.edu/humanresources/_files/documents/supv-brown-bag/employee-engagement.pdf)
工藤さん
そのエンゲージメントを高めるために必要なことのひとつが、充実した社員教育。
当たり前だと思うかもしれませんが、ここでの最重要ポイントは「若手社員を理解すること」です。
鳥山
どういうことですか?
工藤さん
現代の若手とそれ以上の世代では、ライフスタイルや価値観の急激な変化によって、世代間ギャップが大きいですよね。
たとえば中堅社員~管理職は、「成果主義」「出世競争」「ブランド志向」で、経験や勘が大事だと叩き込まれてきました。
ひとつの正解を目指して、決められたルートを突っ走ればよかったんです。
鳥山
そんなイメージはありますね。
工藤さん
それが今は、多様な問いと向き合いながら、自律的に生きていく時代です。
若手社員のキーワードは「タイパ志向」「ソーシャルネイティブ」「承認欲求」「失敗忌避」「第三者意見の重視」。
そして、コミュニケーションで大事にするのはオンライン、短文テキスト、即時性です。
鳥山
ベースとなるコミュニケーションの方法が全然違いますよね。
工藤さん
そうなんです。これまでのような会議室に集めた座学や、授業形式の学習では、若手社員に主体性を発揮してもらうのが困難です。
受身の学習じゃなくて、自身が主体となった対話にこそ馴染みがある世代。
そこでRPG方式を取り入れた新しい形の研修として開発したのが、「社員クエスト」なんです。
ゲームのように楽しく主体的に学べるプログラム
工藤さん
「社員クエスト」の特長は、大きく4つあります。
まず1つめは、多数の研修会社さまと提携し、若手社員に人気の研修を取りそろえている点です。
人気の研修講師・コンサルティングファームが監修した、独自の研修プログラムをラインナップしています。
工藤さん
2つめは、ゲーミフィケーションによって楽しく主体的に取り組むことができる点です。
ゲーミフィケーションとは、ゲームのデザインや原則、たとえば“レベルアップ”や“アイテム獲得”などの要素を、ゲーム以外の物事に応用すること。「ゲーム化」とも言いかえられます。
社員クエストは、受け身になりがちな従来の研修とは異なり、社員1人ひとりが発話・テキスト・画像といったさまざまなアウトプットをしながら進めていきます。
ステージをクリアしていく形式なので、飽きずに最後までモチベーションを持続することができる仕組みなんです。
「アバター参加」で本音を引き出す
工藤さん
3つめの特長は、アバターでの参加であることです。
顔を出さないので本音を言いやすくなり、心理的安全性が高まります。
鳥山
アバターで研修に参加って、斬新ですよね?
工藤さん
顔出しで、かつ大勢の前での発言って、難易度が高いじゃないですか。
鳥山
難しいですね。特に若手であればあるほど…
工藤さん
そこをアバターにすることで、ぐっと気持ちがラクになり、発言することへのハードルが下がります。
自己開示も増すことで、研修が「自分ゴト」化します。
工藤さん
そして4つめは、研修中の発言がすべてAIにより文字起こしされるため、研修担当者さまにとっても有益なことです。
鳥山
担当者にもメリットがあるんですね。
工藤さん
はい。担当者の方は内容の選定や準備も重要ですが、終わってからのレポート作成も大変な業務。ましてや研修が立て込んでいると、なかなか食指が伸びませんよね。
結果として、レポートが“作っただけ”で終わってしまうこともあります。
鳥山
研修内容が次に活かせない、と。
工藤さん
でも「社員クエスト」なら、受講者の発言が自動でテキスト化されることにより、具体的で定量的なレポートが完成します。
本音が可視化されることで組織の状態が把握できますし、また次の打ち手も検討しやすくなります。
鳥山
ゲーミフィケーションとアバター化で社員の“本音”を引き出し、さらに自動でレポートにしてくれる、ということですね!
受講する側としても、なかなか言えない本音が研修担当者に届くのはいいかも…
毎週2回、デモ体験会を開催中
工藤さん
研修の内容は、チームワーク、マネジメントなどのスキルアップ研修のほか、エンゲージメント向上研修、コンプライアンス研修など、ご要望に応じて手配することが可能です。
最近は、 なかなか手の回らない内定者フォローや、効果を可視化しにくいeラーニングの理解促進にも活用しています。
「社員クエスト」を利用した企業の9割以上が、通常の社員研修よりも学習効果を実感してくださっているんですよ。
工藤さん
毎週火・金曜の12時00分~12時30分で「デモ体験会」を開催しています。実際に触って、クエストに挑戦してみてください。
個別でのご案内もできますので、お気軽にお問い合わせください。
長ーい講師の話を聞かされる研修や、何の役に立つのかさっぱりわからないグループ研修などはもう古い。
まったく新しい発想で若手を惹きつける研修プログラム「社員クエスト」。まずは体験会で、その効果を体感してみては?
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