企業インタビュー
使い方は?危なくないの?街でよく見る「LUUP」の実態を聞いてみたら、移動手段に革命が起きていた
あなたの家も“駅前”になるかも…!?
新R25編集部
突然ですが…コレ、最近めちゃくちゃ見かけますよね?
そうです、「LUUP」です。
昨年には「改正道路交通法の施行」で世間を賑わせつつも、急速にエリアを拡大。
新たな移動手段として注目を集めている最先端モビリティの実態を、株式会社Luup 代表取締役社長兼CEO 岡井大輝さんに伺いました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
街じゅうを“駅前化”する最先端モビリティ
石川
ついに「LUUP」が企業トピに…!
しょっちゅう見かけるのですごく気になってました。
岡井さん
ありがとうございます(笑)。
改めてご説明すると…「LUUP」は、電動キックボードと電動アシスト自転車のシェアリングサービスです。
駅前や商業施設、マンションやコンビニなどにある、近くのポート(置き場所)から好きなタイミングで借りて、好きな場所に返すことができます。
石川
電動キックボードだけじゃなくて、自転車もあるんですか!
岡井さん
そうなんです。日本最小クラスの電動アシスト自転車で、少し漕いだだけで快適に進める馬力があり、誰でも疲れずに乗ることができます。
電動キックボードは、2017年から世界中で普及が進んでいるモビリティ。漕がずに乗ることができるため、スカートやスーツの方でも気軽に利用できます。
岡井さん
使い方はとても簡単。「LUUP」アプリをダウンロードしていただき、交通ルールテストを受けて全問連続で合格していただければ、すぐにお使いいただけます。
アプリを開くと地図が出てくるので、ポートを探し、借りる車両を選びます。
ポートに着いたら車両のQRコードを読み込み、目的地を設定してライドを開始。目的地はライド中にいつでも変えることができます。
石川
金額はどのくらいなんですか?
岡井さん
エリアにより異なりますが、東京なら30分ごとに200円(税込)。利用時間に応じて、アプリで自動決済できます。
お近くの駅まで…といったちょっとしたご利用でしたら、電車やバスと同程度か、少し安く乗っていただけますよ。
石川
「LUUP」のポート、どんどん増えてませんか?
会社が渋谷にあるんですが、渋谷を歩いてると高頻度で見かけます。
岡井さん
現在は東京・大阪・横浜・京都・神戸・名古屋などで展開しており、さらに拡大を目指しています。
東京都だと、もはや2〜3分歩くとポートが1カ所ある…くらいの感じですね。
特に渋谷区・世田谷区・目黒区は充実していて、コンビニ3社の合計数よりポートがあるんですよ。
石川
コンビニより多いんですか…! 自分の家の近くにポートが見つかる可能性も高そうです。
岡井さん
はい! LUUPが目指しているのは、街じゅうの“駅前化”。
「歩くには少し遠いな」と感じる場所や、坂道の多い場所でも、LUUPがあれば“早く・ラクに・気持ちよく“出向いていただけます。
実際渋谷だと、駅から5〜10分程度のところにあるカフェはいつもパンパンじゃないですか。でも、駅から10分以上かかるようなカフェは、意外と土日も空いてたりするんですよ(笑)。
LUUPなら、徒歩20~30分の場所に5~6分で到着できるので、行動範囲が広がります。
岡井さん
ご自宅から最寄り駅が遠いと、駅まで歩くのも億劫だったりしますよね。かといって駅近だと、家賃が跳ね上がることもしばしば。
それが、「駅からは遠いけど、家賃安いし、普段LUUP乗ってるから全然困ってないんだよね」となったら…
駅近エリア以外の活性化にもつながりますし、選べる家の選択肢も広がるはずです。
石川
まさに家から駅までが遠くて困っていたので、俄然興味が湧いてきました。
家選びの条件から“駅近”が外れる日も近いかもしれません
改正道路交通法の施行で、何が変わったの…?
石川
昨年、電動キックボードにまつわる「改正道路交通法」の施行も話題になりましたよね。
岡井さん
そうなんです。政府がさまざまな安全の検証や実証実験をおこなった結果、2023年7月1日に改正道路交通法が施行され、新しいルールが適用されました。
2023年6月30日までは、LUUPの電動キックボードは「小型特殊自動車」という扱いで、普通免許などの小型特殊自動車を運転できる免許証が必要だったんですが…
改正後は「特定小型原動機付自転車」のルールが適用され、16歳以上であれば免許不要で乗れるようになりました。
おもな変更点
・運転免許が必要から不要となる代わりに16歳以上という年齢制限がつく(=16歳未満は乗車不可)
・ヘルメットの着用は任意から努力義務となる
・右折方法が小回り右折から二段階右折に変更
・車道に加え、引き続き普通自転車専用通行帯・自転車道の走行は可能
・走行可能な標識・表示がある一部の歩道や路側帯では、6km/hモード搭載の電動キックボードにおいては速度制限6km/h下での通行が可能
石川
免許不要…! 自転車と同じような扱いなんでしょうか?
岡井さん
ほぼ同じですが、2点大きな違いがあります。
ひとつは、16歳未満は乗ってはいけないということ。そしてもうひとつが、基本的には歩道に入ってはいけないということです。
基本的には車道の左側か、普通自転車専用通行帯・自転車道を走っていただきますが…
路上駐車がすごく多かったり、車がすごく速く走っていたりして危険な場合は、「低速モード」というモードに切り替えて、特定の標識・標示のある歩道に出ていただくことも可能です。
「低速モード」は時速6kmと、ほぼ早歩きくらいのスピードなんだそう
石川
LUUPの車両自体も、改正法に則ってアップデートされたんですね。
最大の懸念…ぶっちゃけ危なくないの?
石川
改正道路交通法の施行で便利になったとはいえ…危なくはないんでしょうか?
正直、SNSでは懸念や反対の声も上がってますよね。
岡井さん
おっしゃる通り「危ない」というご指摘はありまして、当社としても最優先で対応を進めているところです。
特にたくさんのご指摘をいただいているのは「交通ルールを守れるのか」というところで。
石川
免許を持たない方が車道に出るとなると、そこは不安になりますよね…
岡井さん
その懸念を払拭できるよう、LUUPではさまざまな対策をおこなっています。
まずは「交通ルールテストの義務化」。LUUPに乗るためには、交通ルールへの理解度を測るテストを受講し、必ず全問正解する必要があります。
岡井さん
さらに最近では、アプリ内の各種メッセージのアップデートを実施しました。
改正道路交通法の施行から半年が経過し、警視庁等の統計上は信号無視や通行区分違反(20km/hモードでの歩道走行)の取締りが特に多いことが分かっています。
これらのルールは交通ルールテストでも出題していますが、守らない利用者がいることを踏まえ、ライド前に必ず注意事項を再通知しています。
岡井さん
もちろん、重大な交通事故につながりかねない悪質な違反走行が確認された場合、アカウントの凍結措置などの対応を取っています。
凍結が解除され、再度電動キックボードが利用可能になることはありませんし、今後も重大な違反者には引き続き厳しい措置を講じていきます。
いかに早く、これからの日本に必要な新しい交通インフラをつくるか
石川
今後はどんな展望を考えているんですか?
岡井さん
「いかに早く、これからの日本に必要な新しい交通インフラをつくるか」が、僕らが実現したいすべてです。
日本の街や人々が抱える移動課題に寄り添い、誰もがいつでも・どこにいても自由に移動できる次世代インフラをつくっていきたいと思っています。
都心部の若い世代だけでなく、地方に住んでいる方やご高齢の方にもLUUPをお使いいただけるよう 、エリアの拡大や新たなモビリティの開発を進めているところです。
岡井さん
エリアについては、特に地方に一気に広めていく構想を練っています。
日本中に新しいモビリティの価値を広めていくために、今後も車両やルールなどを継続的にアップデートしていきますので…
まだ未体験の方はぜひ、お近くのポートから、“LUUPのある生活”を体験してみてください!
今回ご出演いただいた岡井さんは、新R25チャンネルで配信中の番組「徳井義実のミラくるスクープ」にも登場しています。
「街の景観を守るための取り組み」や「“LUUPがある街”の未来構想」など…ここでは書ききれなかったLUUPの秘話が盛りだくさん!MCを務めるチュートリアル・徳井義実さんも大盛り上がりの収録となりました。
LUUPに興味が湧いた方はぜひ、こちらの動画もあわせてご覧ください!
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