

“ないものねだり”が悪循環を生み出す。Z世代起業家が語る、若手が「すぐに会社を辞める」本当の理由
短期離職を防ぐ方法とは…?
新R25編集部
「最近の若者は、すぐ会社を辞める」。さまざまな場面で、こんなセリフをよく聞きます。
これを読んでいる方のなかには、意気込んで入社した会社とソリが合わずにすぐに辞めてしまった若手世代もいれば、せっかく採用した若手にすぐに退職されてモヤついている採用担当者もいるはずですが…。
両者が共通して行き着いてしまうのが、“自分に(もしくは若手社員に)忍耐力がないのが悪い”という結論。
しかし…本当にそうなのでしょうか?
自身もZ世代ど真ん中である27歳の起業家・株式会社デザイナー 代表取締役の泉澤恵一朗さんは、そんな論調に疑問を抱き、「Z世代転職」というサービスを立ち上げたんだそう。
当事者目線で見る“若者、すぐ辞める説”の真相とは? そして、悪いことずくめの短期離職を減らしていくために必要なこととは…?
泉澤さんに、心のうちをたっぷり語っていただきました。
〈聞き手=石川みく(新R25編集部)〉
Z世代が「すぐ会社を辞める」本当の理由

泉澤さん
株式会社デザイナーでは、20代のための転職支援サイト「Z世代転職」を運営しています。

泉澤さん
なんでこのサービスを始めたかというと…「最近の20代は根性がないからすぐに辞める」というイメージを持たれつつあることに、疑問を感じたからなんです。

石川
あ〜…最近よく言われますよね。新卒が数カ月でやめちゃうとか。

泉澤さん
それ自体は間違ってはいないんです。
入社して3年以内に離職する人の割合は、約30%。この数字は約20年間変わっていません。
さらに…副業の解禁、人生100年時代による就労期間の長期化などにより、短期離職の傾向はさらに高まっていて、3カ月以内に離職する新卒も多いと言われています。
かくいう僕自身も、前職のパーソルを1年9カ月で退社していて。それだけ聞くと“最近の若者”のイメージのど真ん中ですよね(笑)。

石川
じゃあ、どうして「すぐ辞める」イメージに違和感を抱いたんですか…?

泉澤さん
「すぐ辞める理由」が、まったく理解されていないと思ったからです。
根性がないから続かないとか、諦めが早いとか、そういう話ではなくて。
たとえ短期離職をしたとしても、20代の多くは「本当は働きたい」と思っているんです。

石川
おお…たしかに世間のイメージからは外れた回答ですね。

泉澤さん
本当は、仲間とともに本気で働きたいし、社会に貢献できる場や血の通ったコミュニケーションを求めています。
ただ、それが叶う環境がないから短期離職してしまう。
逆に言えば、環境を用意すれば想像以上の活躍をするのが「Z世代」の本当の姿だと思うんです。

石川
活躍できる環境がなかなか見つからないのはどうしてですか?

泉澤さん
企業とZ世代のミスマッチのせいですね。
厳しい言い方ですが…「どちらが悪い」という話ではなく、僕は「どちらも悪い」と捉えています。
企業もZ世代も“ないものねだり”をしすぎなんですよ。

石川
ないものねだり…

泉澤さん
まず、企業の採用要件のレベルが異様なほどに上がっています。「そんな若手いるはずないでしょ!」というくらい、高いレベルを求めてしまっている。
一方のZ世代は、深く理解することが苦手です。どれだけ高いレベルを要求されているのかをきちんと理解しないまま、「こういう感じでいいんだ」と抽象解釈してしまう。
そして、お互いが「こんなはずじゃなかった…」となり、短期離職につながる。双方不利益の最悪な状態です。

石川
たしかに、最近の採用の現場でよく見る光景かも…

泉澤さん
当たり前ですが、短期離職ってデメリットしかないんですよ。
求職者側から見ると、転職先を探すのも一苦労。いくら偏差値の高い大学を出ても、短期離職の経歴が足を引っ張ってしまい、なかなか働き先は見つかりません。
そして企業側から見ても、労働人口がどんどん減少していて、採用難易度も高まる一方。せっかく入社してくれた若手をすぐに手放すのは大きな痛手ですよね。
そんな“悪いことずくめ”のミスマッチを防ぎ、短期離職を減らすために、「Z世代転職」を立ち上げました。
「Z世代転職」で短期離職が減る3つの理由

泉澤さん
「Z世代転職」では、ミスマッチによる短期離職を減らすためにさまざまな工夫を凝らしています。
①:「抽象解釈」から抜け出すためのキャリアアドバイス

泉澤さん
「Z世代転職」には、僕を含めたZ世代のキャリアアドバイザーが在籍し、求職者のみなさん1人ひとりと面談を行っています。
「いい会社に入りたいけど、何がいい会社なのかわからない」「自分の強みや弱みがわからない」などのお悩みに対し、同世代の立場から適切なアドバイスを提供します。

石川
先ほどおっしゃっていた「抽象解釈」を具体化していくということですか?

泉澤さん
まさにそうですね。“キャリアコーチング”のような形で、過去まで遡ってスキルや経験、適性を専門的に分析。
30歳・40歳・50歳でどうなっていたいのか…など、理想のキャリアへの具体的な地図を描くお手伝いをしています。
②:キャリアの羅針盤となる“ロールモデル”を提案

泉澤さん
短期離職の理由としてよく挙げられるのが「上司を見て“こうはなりたくない”と思った」というもので。

石川
リアルだ…

泉澤さん
そうならないためにも、キャリアを考えるうえでの「ロールモデル」の存在は非常に重要です。
「Z世代転職」では、多くの求職者から見聞きした成功事例や働き方をもとに、さまざまなロールモデルから得られる知識や情報を共有。
キャリアの方向性を見出すための“羅針盤”として、先輩たちの生の声や体験を活かしていただきたいですね。
③:非公開求人からあなたに合った企業を紹介

泉澤さん
僕たちは“顧客ドリブン”をモットーとしているので、求職者のみなさんだけでなく、採用する企業のみなさんにもしっかり向き合っています。

泉澤さん
企業にとっては、活躍人材の採用が至上命題ですので…
求職者を紹介する際は、その企業の事業計画書も踏まえたうえで推薦文を書きます。
「数カ月後にはこんな形で活躍する人材になると思います」など、未来を見据えてその方の魅力をお伝えしているんです。

石川
まさにwin-winが成立するんですね。

泉澤さん
そのように企業さまとの信頼関係を築いていることもあり、「Z世代転職」には市場に公開されていない特別な求人情報も扱っています。
1人ひとりの経歴やスキル、求めるキャリアの方向性を深く理解することで、非公開求人のなかから最もシナジーのあるポジションと企業をセレクトし、紹介させていただきます。

石川
「Z世代転職」で転職された方は、その後も離職せずに活躍しているんでしょうか?

泉澤さん
おかげさまで、半年以内に退職した人はほとんどいません。
それだけでなく、入社2カ月でトップ2の成績を叩き出した方や、未経験の領域にもかかわらずダントツ1位の商談数をこなした方など、転職先で自分らしく活躍されている方がたくさんいらっしゃいます。

泉澤さん
「そもそも転職したいのかもわからない」という方はぜひ、カウンセリングからお試しください。
LINEから気軽にお申し込みができ、弊社のプロのキャリアアドバイザーたちがお話を聞かせていただきます。
今後も「Z世代転職」では、企業とZ世代の最適な採用のマッチングを生み出していきますので…ぜひ、あなたが輝ける会社選びのお手伝いをさせてください!
誰にとってもアンハッピーな短期離職。企業と求職者のマッチ度が上がれば、もう全員が悲しい目に遭わなくても済むのかもしれません…!
「Z世代転職」では、キャリアについて学べるコンテンツも展開中。
なんとなくモヤモヤを抱えているけれど「まだ転職まではちょっと…」という方は、まずは知識を蓄えるところから始めてみては?
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